モッ...モリアさんは最強なんやで(棒読み) 作:ニルドアーニ四世
モリアが黒ひげの命を狩ると影の侵食が消え、戦場に居合わせた万物の物体は再び動き始めた。
黒ひげの遺体の下に影の円ができるとゆっくりと沈んで消えていった。その様子を見た開放され自由になった黒ひげ海賊団達は戦意を喪失して呆然していた。モリアがゆっくり立ち上がり見据えると次々に口を開いた。
「船長があっさりと...。」
七武海の会議に潜入して黒ひげの七武海入りを推薦したラフィットがつぶやいた。
「まっ...待つんだにゃ!俺はあんたの部下になる!!!」
“悪政王”ピサロはまだ死にたくないのか特徴的な口調で命乞いをした。
「ムルフフフ...とんでもない男ね。どう足掻いても勝てる気がしないわ...。」
“三日月狩り”カタリーナ・デボンは半ば死を受け入れた様子だった。
「やべぇな...死んじまった...。」
シリュウが太い葉巻を吹かしながら冷静に冷たく言い放った。
「それもまた運命...。ゴフッ...。」
病弱そうな馬に乗った病弱そうな男が血を吐きながら、船長の死を割り切った。
何を言わないメンバーは無関心か唖然、平静を保っていた。その様子を見たモリアは口を開いた。
「...我が旗下に加わりたいのか?」
黒ひげ海賊団の船員のハッとした顔を見て、モリアはニヤッと笑うと残酷に言い放った。
「許すわけがなかろう。船長と共に死に我が
船員の数だけの影の槍で心臓を貫いて殺した。そして倒れた遺体を船長同様に沈ませ終わるとモリアはガクンと膝を付いた。
「相変わらず反動が凄まじいな...。それよりはやく内臓の修復をせねば...。」
モリアは原作でのドレスローザでのドフラミンゴと同様に影を体内で糸の様に操り、破損した内臓の応急処置を行った。そしてふと海軍本部の影に身を隠していた“巨大戦艦”サンファン・ウルフの存在を思い出して視線を向けるがそこには誰もいなかった。
「まさか能力者...身体のサイズを操作する能力者。いやもしくは海へ逃亡したのか?」
モリアは思考を研ぎ澄ますが情報が少な過ぎた。だがインペルダウンの囚人で少なくとも黒ひげに恩義を感じるようなタイプとは思えなかったので深追いはしなかった。それよりも内臓の応急処置と覇気の回復を優先させた。
***
数分後
〜ルフィ・ジンベエ・クロコダイルside〜
「守りてぇならしっかり守れッ!これ以上こいつらの好きにさせんじゃねぇよッ!」
白ひげ海賊団の妨害を突破した赤犬がジンベエごとルフィへ攻撃を仕掛け、ジンベエの腹を貫いてルフィの胸辺りに傷を負わせ倒れていると、クロコダイルが“
この様子を見ていたモリアはクロコダイルの行動と態度に少しは驚いたものの特に友人のジンベエと白ひげが託した命を守ってくれた事に対する感謝以外の気持ちはなかった。
余談だがもしモリアが記憶を失わず、原作知識を覚えたまま今日に至り、同じ状況であればこう思ったことだろう。
(うわぁ...アレだ。原作の七武海最弱グランプリがモリアになった決定的瞬間...。クロコは赤犬だけじゃなくてドフラミンゴやミホークとも少なからず戦ってたしね...。それに対して原作モリアは影で自分を強化しておきながらジンベエに一発でボコられて...後々消されちゃう。改変したとはいえ悲しいね...。)
と彼はそう感じただろう。
赤犬を押さえ込まんと再び白ひげ海賊団とクロコダイルが取り囲む様子を見てモリアはゆっくりと大の字になって地面に寝転がった。
(もう戦争には参加しなくていいだろう...。だが
サンファン・ウルフを逃したのは黒ひげ海賊団の中でもかなり伏線やプラトンに関係してる説などの考察がなされていたので生かしておきます。