モッ...モリアさんは最強なんやで(棒読み)   作:ニルドアーニ四世

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<番外編> 魚人島

 

 

 

 

 

 

 

 

マリンフォード頂上戦争から三ヶ月後

 

 

 

 

 

〜魚人島〜

 

 

 

 

 

魚人島の王の間にて三人の男が座り話し合いをしていた。

 

一人は魚人島の“リュウグウ王国”の王ネプチューン、魚人海賊団船長にして元王下七武海ジンベエ、同じく元王下七武海ゲッコー・モリアである。

 

モリアは白ひげ海賊団とバギー海賊団を傘下にし、次々と縄張りの海域を広げ四皇の一人に数えられた。そしてその頃から一ヶ月後に友人であるジンベエに大事な話があるからと魚人島へ招かれたのである。

 

 

 

「この魚人島をお主の縄張りにして欲しいんじゃもん。」

 

「ほぅ...。」

 

巨大なシーラカンスの魚人ネプチューンはモリアへそう伝えた。魚人島は無法者が新世界へ向かう為の最も安全なルートの1つであるため、昔から海賊による犯罪行為が多発していたが、亡き白ひげが縄張りにすることにより魚人島の治安は守られてきた。

 

しかし、白ひげは戦死したことにより多くの海賊達は新世界へ雪崩れ込んでいた。

 

所詮は欲に目が眩むだけの連中が大半のため、人間の十倍の握力を持つ魚人の中でも屈強な兵士達により討伐されている。

 

ネプチューンはいずれ自分達の軍隊では手に負えぬ程の海賊団が現れることを危惧し、新たに四皇の傘下に入りたいと考えた。そこでモリアに頼みたいと彼と交友関係のあるジンベエを呼び、パイプ役を担ってもらった。

 

「魚人島は“白ひげ”のオヤジさんの縄張りじゃった。そして今の“白ひげ海賊団”はモリアさんの傘下、魚人島もワシらもそう(傘下に)して欲しい。」

 

ジンベエは魚人島を縄張りにして海賊達の手から守ってくれるのであれば、己の海賊団も傘下にするべきだと言う。彼は七武海でありながら白ひげ海賊団と交友が深く、ほとんど傘下のようなものだった。

 

「だが一つ、気がかりがある。俺は“白ひげ海賊団”の海域は大半抑えた。だが他の四皇と強さを見比べると見劣る。」

 

普通であれば縄張りが増え、更に元七武海の海賊団が傘下になるのは戦力として申し分ない。しかしモリアは己の戦力強化より魚人島に住む民達の方が大事であると考えた。

 

「頭数の話ではない。結束力、つまり組織としての強さだ。俺が戦力を掻き集めて日が浅い、つまり組織の為に尽力する者が少ないのだ。四皇クラスと抗争にでもなれば敗れるのは目に見えてる。」

 

「ワシらの話を断るということか?」

 

「む〜ん...。」

 

ジンベエは少し残念そうな顔をし、ネプチューンはモリアの言うことが正しいと感じ始めたが彼の傘下にしてもらうのが無難ではないのかと思考を研ぎ澄ませる。

 

「あぁ、“ビックマム”がいいだろう。あの女は危険だが、種族間の争いを嫌い菓子さえ上納すれば問題ない。」

 

「だが...。」

 

“ビックマム”は四皇の一人シャーロット・リンリンの通り名である。彼女は甘いお菓子が好物であり、己のシンボルを貸す代わりに大量のお菓子の上納をさせている。だが彼女には1つ厄介な点がある。それはお菓子を上納せねば島を滅ぼすのだ。

 

この点は大変危険であるがお菓子を上納さえすれば己らの安全を買えるのだ。他の四皇と比べれば比較的自由にさせて貰える。

 

「確かに魚人島のお菓子は名産品、彼女に口に合うかもしれん。」

 

ネプチューンはモリアの言う事に完全に納得すると、モリアは軽くフッと笑うとその場から立ち上がった。

 

「確かに危険だが、今の俺は不安定過ぎる。無難な方を選ぶがいい。俺は拒みはせぬし、妬みもせん。」

 

そう言い放つと彼は背を向けてゆっくりとその場から歩み始めた。

 


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