モッ...モリアさんは最強なんやで(棒読み)   作:ニルドアーニ四世

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長らく更新を止めていて申し訳ありません。
家のゴタゴタやら資格やらゲームにのめり込んだやらで、こっちへ労力を回せませんでした。

とりあえず、当時に原作に出てなかった悪魔の実をオリキャラに与えてましたが、出て来ちゃったので補正です。

無理矢理感は凄いですが、これが最善手だと考えたのでご了承ください。更新は可能であれば続けようと思います。


“老体の忠義”

 

 

 

〜スリラーバーク〜

 

 

 

 

 

恐ろしく静かで薄暗い夜、霧に覆われた巨大な漂う()は四皇が一人の拠点である。

 

世界に散らばる幹部達は極秘に緊急招集を受けて、城の中の一室に集まっていた。

 

部屋の奥にとても血色の悪い表情をした老人がベットの上で横たわり、弱々しい手を息子のような年代の男の頬へ添える。

 

ゲッコー・モリア、“白ひげ”亡き後新たな四皇の一角になったその男は抵抗せずに受け入れる。老人はゆっくりと残りの命を削るかのように言葉を絞り出す。

 

 

「モリア様、貴方は優し過ぎる...。私の言うことがわかるでしょう?」

 

モリアは何も言わない、彼自身がそれを一番理解していたのだ。老人の名はギルノス、かつてCP(サイファーポール)の者だった。

 

彼はフィッシャー・タイガーの起こした前代未聞の大事件“マリージョア襲撃事件を手引きしたのがモリアであることを政府関係者で唯一見抜き、彼の部下へなるべく馳せ参じた。

 

彼の思慮深さと能力はモリアの勢力を一層高めるに至った。そして彼は最もモリアの内面を理解する者の一人となった。

 

 

(モリア様、世界を制するには時に非情にならなければならない時もある。時に市民を殺し、部下を見捨て、仲間を利用する気概が貴方にはない。これもまた強さなのです。)

 

 

モリアはギルノスの自分への忠義に涙を流す。政府関係者として世界の秩序を守るという点において尽力を尽くし、静かに過ごすべき余生の10年間を主人の為に使ったのだ。

 

モリアは表情を一切変えずに彼の言葉を聞いていた。だが頬から雫が流れ落ちる。

 

「お前の最後の言葉が、それか...?」

 

彼はギルノスの言葉に軽く歯ぎしりをしながら涙を流し続ける。

 

ギルノスは最後の力を使い、己の能力を使用する。彼の弱点、弱みかも知れない存在を消し去ろうと頭へ触れる。

 

 

(貴方の記憶は私が完全に消し去りましょう。知らない方がいい、貴方ほどの男が消したがった記憶です。立ち止まってはいけない。世界は今も動き続けている。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

完全消去(パーフェクト・デリート)

 

 

 

 

 

 

モリアの頭に触れた彼の手が一瞬ピカッと光ると、主人の過去の記憶が完全に消えた。

 

 

彼は記憶を消すことや改竄することが可能な能力、かつてはモリアは転生者としての記憶を彼に消させた。しかし、悪魔の実の効力は永遠ではない、能力者が死ねば大方の効力が消えるからである。

 

つまり彼が死ねば彼の行った能力が戻ってしまう。だからこそ彼は死ぬ前に一つの手を打った。モリアの部下になった時から記憶を消したり改竄するとしても完全に消すことはしなかった。

 

モリア自身が転生する前の記憶が必要な時が来ると考えたからということや、記憶を完全に消し去った事を後悔する時が来るかもしれないと考えたからである。ギルノスはそれに従っていたが、モリアの記憶に関しては良くは思ってなかった。

 

モリアは自分が転生者であることを誰かに話したことがない、そしてギルノスはその記憶(過去)が彼自身の弱みだと考え、その弱みを完全に消すことが海賊王への近道だと彼は推察していた。

 

能力を発動し終えると仲間達の顔を一通り一瞥し、最後にモリアをジッと見つめた

 

「...貴方こそが海賊王に。」

 

弱々しくも天へ拳をかかげ、ゆっくりとその手は地へ落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幹部達が次々とギルノスの名を叫び、涙を流す中にモリアは何も語らずゆっくりとその部屋を出ようとドアノブに手をかける。

 

部下達がなぜギルノスに声をかけないのかと主人を問い正そうとするが、最も古参のペローナとアブサロムが涙を流しながら制止する。老人の最後の願いを主人が叶えようとしていることを理解したからだ。

 

 

「ギルノスは死んだ、俺は非情になろう。」

 

彼は部屋から出て地下室への扉の一つから中へ入る。酒ビンや新聞の一面などが捨てられている地面を奥へ奥へ進むと憎しみと憤怒の表情を浮かべる“ゾンビの影の持ち主達(モリアに敗れた強者達)”が一斉にモリアへ飛びかかった。

 

スラム街から落ちぶれていたがモリアに助けられたというギルノスの記憶の改竄が消えてしまったことから自由を求めて徒党を組んで彼を殺そうと決起したのだった。

 

 

 

 

モリアは地面へ触れると己の覚醒した能力を発動させて囚人達を一瞬で拘束した。そしてリーダーの元へ迷わずゆっくりと歩いた、リーダーは顔を強張らせて必死に影の拘束から逃れようとするが、十分にもがけない。

 

モリアはそのままソイツの横を通り過ぎて2、3歩進むと突然、立ち止まって口を開いた

 

「...貴様らは俺の囚人だ。檻の中で生き続けろ。死ぬ権利すら与えぬ。」

 

そう言い放ち終わると同時にリーダーの首が胴体から斬り離された。まるで剣客の居合のような技を素手でやってのけたことを辛うじて理解すると囚人達は絶望したかのように項垂れると同時に自分達はこれからも地下で生き、地下で死ぬということを理解した。

 

 

 

 

 

この日を境にモリアは己の甘さを捨て、海賊王へなるべく動き始めた。

 

 






記憶を完全に消したのは能力の効果が切れて転生者に戻ってしまうので、構成上完全に消去せざるを得ませんでした。転生モリアを楽しみにしてた方は申し訳ありません。

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