もしも…もしも俺に艦娘の様に深海棲艦と闘える力があったのなら…皆を守れるのだろうか?
「提督いったいどこまで階段続くんですか?」
地下へと続く薄暗い階段を秘書艦の大和ではなく、軽巡洋艦の夕張と共におりていく。
「すまんな夕張…ほら、着いたぞ」
長い階段下りに退屈し始めた夕張に見えるように懐中電灯で、それを照らす。
「お…おっきい…扉?」
懐中電灯が丸く照らしたのは鋼鉄の大きな扉だった。
「なぁ夕張」
「は、はい?」
「今から見せる物は他言無用にしてほしいんだ」
「んく…」
夕張は好奇心から来る興奮で唾を飲み込んだ。
「わ…わかりました、この夕張一切の事を誰にもいいません!!」
「ありがとう、夕張を信じるよ」
壁に付けられたレバーを下げると扉がゆっくりと開き、その向こう側を見て夕張の興奮度がMAXになった。
「て…提督!!これって!!」
扉の先にはかなり広い格納庫があり、そこにある物が収容されていた。夕張はそれを見つけると近くまで行き、こどもの様に目を釘付けに、している。
「江戸を黒之巣会の魔の手から救った帝国華撃団の兵器…霊子甲冑神武だよ」
「これが神武…資料とかでしか見たことなかったけど…これが本物の霊子甲冑でこっちの布が掛かったおっきいのはなにかしら?」
まるで子でもがおやつを待つような顔で、隣に置いてあるモノをみている。
「ん?何だろうな…実は俺も知らないんだよ」
この格納庫は俺の父である大神一郎が昔に造ったもので、ここにあるものは俺用に作られた神武しか知らないのだ。
「め…捲ってもいい?」
「あぁ」
夕張はウキウキしながら布を捲ると神武よりも巨大なモノが姿を表した。
「こ…これも霊子甲冑なの?」
隣にある神武よりも大きい霊子甲冑に二人とも驚き、言葉を失った。
「これ…双武か?…」
「提督しってるの?」
「見るのは初めてなんだが…帝国華撃団が黒之巣会との決戦で使用した最強の霊子甲冑…双武だ」
「神武と双武…こんな凄いものを私に見せてどうするんですか?」
「それはな…この2機を修理して欲しいんだ」
「…」
夕張が硬直する。
「霊子甲冑を修理したら…どうなさるおつもりですか?」
口を開くと夕張は真剣な表情になった。
「それは…」
「まさかとは思いますが…修理した霊子甲冑に乗って深海棲艦と戦う気だったんですか?」
「…」
今度は俺が言葉を失う。
「図星ですね…前にもお伝えしたように深海棲艦との戦闘は提督が思っている以上に危険なものなんです!?我々艦娘は常人よりも丈夫に出来ているから戦えるんですよ?普通の人間が死ぬような攻撃も私達には耐えられます、滅多な事では命を落とすこともありません!!」
(またその言葉だ…)
「提督の気持ちは嬉しいですけど…」
「君達艦娘だって普通の人間じゃないか!!」
「て…提督?…」
「何で自分を道具の様に扱うんだ!?深海棲艦と戦う力があるからなんたんだ?君達にだって命はある!生きる権利もある!頑丈だから滅多な事じゃ死なない何て言うな!!攻撃が当たれば痛みを感じる…触れれば温もりを感じる…普通の人間の女の子じゃないか!!それなのに命懸けで戦っている背中を俺は…俺は安全な場所で見ているだけなんてもう…嫌なんだよ!!」
「…」
「守りたいんだ!!皆を!!」
「…そんな事言われたの…初めてだよ…」
「夕張…」
夕張は目を涙で麗し、笑顔で手を握ってきた。
「提督の覚悟…凄く伝わったよ…」
「じゃあ…」
「私に任せて!」
「ありがとう夕張!!」
後で感想聞かせてね!