ランサーのカードを核にしたクロは、少し性格が違うという事ですね。
それではどうぞ。
【士郎視点】
薄暗い地下室に、俺達はいた。黒イリヤを捕獲する事に成功し(泣いてる様子に心が痛んだが)、彼女の話を聞く段階に移行した。そして、その為の設備がある場所に移動する事になったんだ。
それがルヴィアの屋敷の地下室であり、黒イリヤを厳重に拘束して話を聞こうとしている。イリヤが縛り付けられているみたいで、俺は微妙な気分になってしまうんだが、これは仕方がない事だ。
なにしろ、この黒イリヤはたった一人で俺達五人をあしらって、あと一歩でイリヤを殺す寸前まで追いつめてしまったほど厄介な存在だ。十字架に磔にされ、魔力を封じる布で封じられている。
「……幾らなんでも、この扱いはあんまりじゃない?」
黒イリヤが、ため息交じりにそう言う。他の皆はそれを無視しているが、俺は罪悪感で黒イリヤを見る事ができず、目を逸らした。彼女に懇願されたら、解放してやりたくなってしまうからだ。
「やれやれ。ここまでしなくても、危害は加えないわよ」
皆の態度に嘆息した黒イリヤは、そんな事を言う。確かに、彼女は俺達を傷付けるような事は一度もしなかった。唯一の例外を除いて。すると案の定、黒イリヤはその例外について付け加えた。
「イリヤ以外には」
「それが問題なんでしょうが!」
黒イリヤが付け加えた最後の一言に、イリヤが激高して机を叩く。まあ、確かにそうだな。俺も、イリヤを狙われたからそれを止めようとした。それさえなければ、俺としては戦う理由はない。
むしろ、戦いたくない。俺的には、手の掛かる妹が一人増えたような感覚だ。彼女が望む事なら、手を貸してやりたいと思う。誰かを傷付けるような事じゃなければ。だからこそ、俺は知りたい。
彼女の事を。彼女の本当の望みを。話が通じ、心があるのなら。そんな解決策もある筈だ。イリヤを殺すのが何の為なのかを知る事ができれば、他の手段で彼女の望みを叶える事もきっとできる。
「さて、尋問を始めましょうか。言っておくけど、貴女には黙秘権も弁護士を呼ぶ権利も無いわ」
「おい、遠坂……もう少し穏便に話を聞く事は出来ないのか? 相手は子供なんだぞ?」
「悪いけど、それは無理よ。この子は危険すぎる。確かに見た目は子供よ。けど、英霊の力を自由に使う事ができる子供なの。言ってみれば、子供が重戦車を持っているみたいな感じなのよ」
「……遠坂の言いたい事は理解できる。俺も、英霊の力を使えるからな」
「だったら……」
「理解はできる。でも、納得はできない。だって、この子は俺達を傷付けなかったじゃないか」
「……お兄ちゃん」
「だけど、それは……」
「イリヤを攻撃したって言うんだろ? それは悪い事だし、俺も全力で止める。だからこそ、俺はこの子の話をちゃんと聞きたいんだ。脅かすとかじゃなくて、この子と正面から向き合ってな」
子供を叱る時は、頭ごなしに否定をしてはいけない。何が悪かったのかをちゃんと言い聞かせて、理解させてやらないといけない。そして、同じ目線に立って話をして、その子の望みを聞くんだ。
俺達は大人なんだから、その望みをもっと上手く叶える方法を考えてやらないといけない。正しい方法をな。間違った方法しか知らないのなら、俺達が教えてやらないといけないんじゃないか?
「……私が悪いみたいじゃない。イリヤの安全の為にやってるのよ?」
「分かってる。一般人のイリヤの事を考えてくれてるのはな。でも、そんな風に脅かしたら本当の事を言わなくなるかもしれない。それもあるから、俺はこう言ってるんだよ。駄目かな?」
「……はあ、分かったわよ。じゃあ、改めて質問に答えてくれるかしら?」
「そうね。私を庇ってくれたお兄ちゃんの顔も立てたいしね。私に答えられる事なら」
何とか納得してくれた遠坂は、改めて黒イリヤに質問しようとした。すると、俺達の話を黙って聞いていた黒イリヤは、さっきまでの笑みを消してそう答えてくれた。やはり、話は通じる相手だ。
「まずは、そうね。貴女の名前を教えて貰おうかしら?」
「名前? そんなの決まってるじゃん。イリヤよ。イリヤスフィール・フォン・アインツベルン」
遠坂が尋ねると、黒イリヤはあっさりとそう答えた。何を当たり前の事を聞いてるのかという感じで、何の気負いもなく。それを聞いたイリヤが頬を膨らませ、遠坂が頭を押さえてため息をつく。
「……本当の事を教えて欲しいんだけど?」
「失礼ね。本当の事よ。お兄ちゃんに誓って、嘘なんてついてないわ」
「……どうだかね」
見た感じでは、黒イリヤは嘘をついているようには見えなかった。しかし、それを本当の事として納得できるかというと、複雑な感じだった。そんな事を言われてしまったら、ますます混乱する。
「続けるわよ。貴女の目的は?」
「まあ、イリヤを殺す事かなー」
「なら、自分の首を絞めれば良いでしょ」
「私じゃなくて、あっちのイリヤだってば」
遠坂と黒イリヤの問答が続く。あっさりと、淡々と答える黒イリヤ。俺はその目的の理由の方こそ知りたいんだが。話は進むのに、分からない事が判明する訳でもないこのやり取りはなんだよ。
「ああ、もう! どっちも『イリヤ』じゃ、ややこしいわね! え~っと……何か、分かりやすい特徴は……黒い肌……黒い服……よし、じゃあクロ! 黒いイリヤだから、クロで良いわ!」
「私は猫か?」
そういう事になった。まあ、確かにどちらもイリヤでは話が進まないけど、そのネーミングセンスはどうなんだ遠坂。もう少し人間らしい名前にしてあげて欲しい。そうだな……クロ……うん。
「なあ。なら、少し変えて『クロエ』って名前はどうだ? クロエ・フォン・アインツベルン」
「『クロエ』……私は、クロエ……うん、それがいい! お兄ちゃんがくれた名前だし」
「まあ、ならそれで良いわよ。略称でクロって呼ばせて貰うけど良いわね?」
「良いよ。好きに呼べば? 重要なのは、お兄ちゃんがくれたっていう部分だしね」
どうやら、俺が考えた名前を気に入ってくれたらしい。こうして、彼女の名は『黒イリヤ』改め、『クロエ』となった。そしてイリヤとしても、彼女が違う名前になる事は異存はないようだ。
「……お兄ちゃんの事好きすぎるでしょ、あなた」
「当たり前でしょ? アンタには言われたくないけどね」
「「うぅ~っ!」」
まあ、俺が命名してあげた事に対しては、不満があるみたいだけど。兄を取られたみたいな気分になってるのかな、イリヤは。イリヤとクロエは、同じ顔と表情で睨み合う。双子みたいだな。
そうか。昨日の二人のやり取りを見ても思ったけど、この二人、双子の姉妹みたいだ。そう思うと微笑ましい気分にもなるな。まあ、その内容は殺す殺さないの物騒なやり取りではあったけど。
「はいはい、そこまで。話を続けるわよ? ……で、イリヤを殺そうとする理由は何? まさか、オリジナルを消して私が本物になってやるーとか、そんな陳腐な話じゃないでしょうね?」
遠坂が、ついに目的の理由を聞いてくれた。俺としてもそこが一番知りたかった。遠坂は良くある話の定番の例えを出して話を促す。確かに、物語としては良くある展開だ。対してクロエは……
「良く分かったわね。まあ、概ねそんな感じかな♪」
実に楽しそうな笑顔で、そう言った。まさか本当にそんな展開とは。そうなると、その解決法は? まあ、本当にこれが理由かはまだ分からないけど。この答えを出すには、まだ情報が足りない。
「……貴女は、何者なの?」
そう、クロエの正体が分からない。それも合わせないと、さっきの理由も完全には理解できない。遠坂の質問に、クロエは一瞬真剣な顔になって、俺の顔、そしてイリヤの顔を順番に見つめた。
「……話してあげてもいいけど、お兄ちゃんとイリヤは席を外した方がいいかもね」
「……どういう事?」
「それは言えない。それを言ったら、今言わない理由を話さないといけないから」
「……それは無理よ。この二人は今回の一件の当事者だしね」
「だったら、私は言わない。これは約束を違えるって事じゃなくて、他の理由で言えない事なの。嘘は言わないって約束したからここまでは話したけど、この先を話すのは礼儀に反するわ」
「……義理堅いのね」
「まあね。まあ、これは私の性格じゃなくて、私が力を借りてる英霊の性格の一部だけどね」
核心の部分は、何故かクロエが頑なに口を閉ざした。さっきまでの態度じゃなくて、真剣な声音で語るその姿に、俺達は何も聞けなくなる。内容的に実に知りたいのだが、答えてくれそうもない。
「じゃあ、その……貴女、どうしてそんなに衛宮君の事が好きなのよ?」
いや、何でそんな事を聞くんだよ遠坂! 顔を赤くして、脈絡のない事を聞く遠坂に驚愕する。
「え? う~ん……それも、話したくないかな。これは私だけの特別な物だし。この事は、イリヤでさえ知らない事だしね。私だけのお兄ちゃんって感じで、誰にも教えたくないのよね♪」
「なっ!?」
「……どういう事ですか? 士郎さん……」
「し、知らない! 俺は何の事かさっぱり知らないぞ! こら、クロエ!」
「や~ん、お兄ちゃん、怒っちゃイヤ♪ 私の名前で叱ってくれるのは嬉しいけど♪」
何というか、もうシリアスな雰囲気は完全に死んでいた。照れたような表情で体をクネクネさせるクロエに、俺を凄い顔で睨んでくる妹達。遠坂とルヴィアも、白けたようなジト目を向けてくる。
「衛宮君。貴方、知らない妹にまで手を出してたの?」
「ちょっと待て。そんな器用な真似ができる訳ないだろ! というか、『にまで』って何だ!?」
『凄いですね士郎さんは。新キャラまで知らない内に攻略してたんですか? 流石です』
「流石って何だ流石って! お前の中で俺はどういう存在になってるんだ!」
「「シスコン」」
「美遊、頼むからそれを言うなよ。ルヴィアもだ!」
「……お兄ちゃんの馬鹿」
「ぐはっ! イリヤの一言が一番効いたぞ……」
『カオスですね』
もう滅茶苦茶だった。さっきまでの真面目な空気はどこに行ったんだ! お願いだから、もう一度帰ってきてくれ。いや、ください! この混乱が収束したのは、それから数分経った後だった……
…………………………………………………
「……まあ良いわ。取り敢えず、今はこれくらいにしておきましょう」
「あら、もういいの? 絶対に聞き出すって感じだったのに」
「いずれ聞き出すわよ。でも、今聞いても答えてくれる気はないんでしょ? だったら、これ以上は時間の無駄よ。だから話を聞くのは、今回はおしまい。でも、その代わり……抑止力は作るわ」
クロエの口の堅さは分かった。だから遠坂は、今回はこれで話を終えるつもりらしい。俺とイリヤを外して話すという選択肢を取らない辺り、遠坂も義理堅さは相当だ。だから分かるんだろう。
そして、抑止力を作ると言った遠坂は、イリヤの後ろにいるルヴィアに目配せをした。ルヴィアはそれを察したらしく、突然イリヤを羽交い絞めにした。え? おい、何するつもりだ二人とも?
「え、な、何?」
「ふふっ、大人しくしなさいイリヤ。すぐに済むわ。衛宮君も、邪魔をしないでね?」
怯えたような声を出すイリヤに、ニヤリと笑う遠坂。その手には、一本の注射器が握られている。そして、俺に邪魔をするなと釘を刺した遠坂は、羽交い絞めにされているイリヤに近付いていく。
「えっ……ちょっ……まさか……」
遠坂の手にある注射器を見つめて、イリヤが顔を青くする。小学生なら誰でも注射は怖いだろう。イリヤもその例に漏れず、注射は大嫌いだった。そんなイリヤには、遠坂は悪魔に見えただろう。
「いっ……いあーーーーーーーーーっ!」
地下室に、イリヤの悲鳴が木霊した。予想通り、遠坂がイリヤの腕に注射器を刺したからだ。
「ひ、ひどい……」
「ちょっと血を抜いただけよ。大げさね」
腕を押さえて涙を浮かべるイリヤに向かって、遠坂が呆れながらそう言う。遠坂の手にある注射器には、確かにイリヤから抜いた血が満たされている。それで一体何をするつもりなんだろうか。
本気で痛がるイリヤの頭を撫でてやりながら、俺は遠坂にそう聞いた。遠坂は、イリヤの血を宝石を入れた皿に入れながら、悪魔のような笑みを浮かべる。正直に言って、物凄く恐ろしかった。
「さて、それじゃ始めるわよ」
「……嫌な予感がするんだけど」
「ふっ、大した事じゃないわ。言ったでしょ? 抑止力よ」
遠坂は右手の人差し指にイリヤの血を塗り、クロエに近付く。そして、磔を解いてクロエをうつ伏せに寝かせる。両手を魔力封じの布で拘束されているクロエは、それに抵抗する事ができない。
そしてクロエの背中の服を捲り上げ、背中に何かを描いていく。それを描き終わると、ルヴィアに頼んでクロエを押さえ付けて貰った。そして、こっちを向いてイリヤを手招きで呼び寄せる。
「こ、今度は何?」
「いいからこっちに来なさい。早く」
さっきの事で怯えるイリヤを呼び寄せて、その手を掴んでクロエの背中に置いた。そして、呪文を唱え始める。それと同時にクロエの背中に描いた模様が輝き始め、暗い地下室を照らしていく。
「ちょ、な、何これ!?」
イリヤが怯えたような声を発した次の瞬間、凄まじい閃光が地下室を満たしていった。やがてその光が収まると、そこには先ほどと変わらない光景が広がっていた。今、一体何が起きたんだ?
「……この感じ、見えないけど人体血印の呪術ね! 何をしたの!?」
クロエが鋭い声を上げるが、遠坂は笑みを浮かべたまま答えない。ルヴィアに押さえ付けられてるクロエを、ただ見下ろすだけ……と思ったら、隣のイリヤに目を向ける。そして拳を振り上げる。
「えっ!? みぎゃあっ!」
「ひぎゃっ!」
ゴン、という物凄い音が響き、イリヤが頭を押さえて痛がる。すると、どういう訳かクロエも同時に悲鳴を上げた。二人とも、同じように目に涙を浮かべている。それはまるで、鏡写しだった。
「お、おい遠坂。これは一体……」
「いやややややややや!」
「いだだだだだだだだ!」
俺の質問には答えずに、遠坂は無言でイリヤの頬をつねった。すると、またしても同時にクロエが痛がる。まだ終わらない。さらに遠坂は、イリヤの腕を雑巾を絞るように力一杯に絞ってみせた。
「ギブギブギブギブギブ!」
「それは洒落にならないってば! ぎゃああああああ!」
血管が浮かび上がるほどに力一杯腕を絞られたイリヤが、もう限界と訴える。そしてやはりクロエもその痛みを受けているようだ。ここまでくれば、俺にも何が起きたのかを理解する事ができた。
全てが終わり、荒い息を繰り返す二人を見て、推測する。つまり、これは……
「痛覚共有。ただし一方的な、ね。
「……やってくれたわね」
やっぱりそうか。予想通りな展開に、俺は納得する。クロエは、忌々しそうに遠坂を睨んで呟く。つまり、クロエがイリヤを殺せばクロエも死んでしまうという事だ。これでは手出しできない。
遠坂の言葉通り、これは抑止力だ。この呪いがある限り、イリヤが殺される事はなくなったんだ。確かにこれなら安心だ。俺は、納得しながら痛みで泣いてるイリヤとクロエの頭を撫でてやる。
「そう、つまりこれで貴女は……イリヤスフィールの『肉奴隷』になったという事ですわッ!」
「アウト! その発言はアウトだぞルヴィア!」
「全く……何とんでもない事言ってんのよアンタは……」
とんでもない単語を叫ぶルヴィアに、俺と遠坂のツッコミが入った。このお嬢様は、いきなり何を言い出すのだろうか。お前って、本当にどんな日本語を習ったんだよ。真剣に聞いてみたかった。
…………………………………………………
そんな事があったが、とにかくクロエを抑え込む事には成功した訳だ。まだまだ、クロエについて分からない事だらけだが、それだけでも成し遂げられて良かった。一番の目的は果たされたんだ。
詳しい事情やクロエの正体については、今後も話していくしかない。クロエは、ルヴィアの屋敷の地下室に監禁される事に決まった。今回はここまでという事になって、そのまま解散となった。
「今日は疲れたねー……何故か私が痛い目にあったし!」
「はは、そうだな」
ルヴィアの屋敷を後にして、門までの道を歩く俺とイリヤ。その途中で、イリヤがうんざりしたという感じで愚痴を零した。イリヤは、今日は散々な目にあっている。クロエとの戦いもあったし。
それが終わったら、今度はクロエの尋問で注射はされるわ、殴られるわ頬をつねられるわ。挙句の果てに雑巾みたいに腕を絞られるわ。関係ないのに痛い目にあわされたイリヤはご立腹だった。
そんなイリヤの頭を撫でてやりながら、俺はクロエの事を考える。妹のイリヤにそっくりな彼女。そして、どうやら俺の事を慕ってくれているらしい。そんな所まで、イリヤにそっくりだった。
見た目がそっくりなだけではない、まるで本当にもう一人のイリヤのような女の子。俺が名付けた名前を、あんなに嬉しそうにしながら受け取ってくれた。そんな事を思い出して、改めて思う。
クロエは、俺が助けてやらないといけない気がすると。馬鹿みたいだと思われるかもしれないが、俺は本気でそう考えていた。そして、できればイリヤにも仲良くなってあげて欲しいと思った。
まだ分からない事だらけだが、多分姉妹のような関係になれると思う。だって、この二人の喧嘩は見ていて微笑ましいから。本気で険悪な感じではないのだ。多分俺の思い込みではないだろう。
クロエの事をもっと良く知って他の道を探してあげれば、きっと本当の姉妹のようになると思う。楽観的な考えかもしれないが、俺はこの道を諦めたくはないと思った。心の底から、そう思った。
その為に何をするべきかを考えながら、向かいにある俺達の家のドアを開けた。すると……
「お帰りなさい、お兄ちゃん♪」
「なっ!?」
「くっ、クロエ!?」
「お兄ぃ~ちゃん♪」
「はっ、離れて!」
玄関に待ち構えていたのは、ルヴィアの地下室に監禁されている筈の新しい妹だった。満面の笑みを浮かべながら抱き着いてきたクロエに戸惑う俺と、それを見て顔を赤くして怒鳴るイリヤ。
そんな二人を交互に見ながら、俺はこう思うのだった。ああ、長い道のりになりそうだ、と……
さあ、新たなミッションの始まりです。頑張れ士郎。お前ならできる。
お前は、無限のお兄ちゃんでできているのだから(意味不明)。
さて、クロの現界魔力について説明をしておきますね。
実は、無印編に伏線を張っていたんですよ。気付きましたかね?
アイリの分析です。原作では10年間溜め込んできた魔力が空っぽになってます。
しかし、この作品では半分残っているんです。ランサーの魔力効率の良さのおかげです。
アーチャーでカリバーの投影をした原作とは違って、この作品では投げボルクです。
なので、かなり魔力が残っているんです。それを元にして生まれたクロの魔力も多いのです。
魔力の最大容量が原作の何倍もあるので、単独行動なしでも平気なのです。
活動時間は原作と同じくらいですね。魔力補給の量も多くなりますけど。
さらに、起こせる奇跡も大きかったり……
まあ、これについてはどこまでできるかまだ明かしませんけどね。
それでは、感想待ってます。