ラブライブ!サンシャイン!!×仮面ライダードライブサーガ 仮面ライダーソニック   作:Master Tree

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コラボ編第3話!朱月との戦いの果てになんとか引き分けた隼斗。最初の戦いを終えても相変わらずアラシ達と仲良くできない彼だったが……?

今回はいよいよ彼女達が本格参戦。
異なる世界の過去と未来が交わります。

146さんと自分側。それぞれのコラボ編第2話を読んだ上でお楽しみください!

それでは本編どうぞ!



ラブダブルコラボ編 第3話 U達と共に/探偵の真意

これまでのサンシャインサーガ !

 

長いイザコザの果てに、依頼という形で探偵コンビの協力を取りつけた隼斗。

 

探偵 切風アラシの情報からアカツキという男を探しに謎の医者ハイドの所へ行くもあまり有益な情報は得られず。

しかも突如巨大な塔が現れ、そっちの対処に動くこととなった。

 

 

 

その塔を作ったというタワー・ドーパントの相手を駆けつけた憐と謎の竜騎士ライダーに任せ隼斗は内部に突入。

 

だがそこに現れたのは、隼斗達が探していた異世界の扉を作れる男、朱月だった!

ゴールドメモリのドーパント『ゲート・ドーパント』に変身した朱月と戦闘になった隼斗/仮面ライダーソニックだったが、その圧倒的な力の前に攻撃を一度当てるのみで終わってしまう。それでもなんとかその場を生き延びた隼斗だったが……?

 

 

 

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あの後目を覚まして塔から出ると、いつの間にやら外で戦ってた面々はいなくなっておりドーパントすらいなかった。

どうやら俺は置いて行かれたらしい。

 

 

「ったく…こちとら、怪我人だってのに…!依頼人は大事にするんじゃねぇのかよくそったれが…!」

 

 

まあ文句を言っても仕方がない。

とりあえず一度戻るか…どうせアイツらあの探偵事務所だろうしな…

 

 

とりあえず場所は覚えていたのでバイクを走らせる。古びた建物の一角にある例の探偵事務所。

 

バイクを止め扉を開けた。

 

 

「あっ、隼斗さん帰ってきたね」

 

「遅えぞ!勝手に飛び出して何やってたんだ!」

 

「っせえな…ついて来れなかったそっちが悪いだろ。それにでけえ声出すな傷に響く…」

 

「んだと?大体お前が人の話を聞かずに突っ走ってくから…」

「はいはいそこまで。また喧嘩されてそれを仲裁する僕の身にもなってくれる?とりあえず隼斗さん、その怪我どうしたの?」

 

 

「ああ、永斗少年か。まあこれは元からのやつもあるが……まぁさっきちょっとあの塔の中で戦ってる時に…」

 

「塔の中で?あのドーパント達の他にも敵がいたってこと?」

 

「一体何とやり合ってたんだよ」

 

「アンタらが言ってたアカツキって奴だよ。異世界への扉を作れるっていう…」

 

それを聞いてアラシと永斗少年、そして何処か既視感のあるもう1人の少年の表情が目に見えて変わった。

 

「なんだと!朱月の野郎が!?」

 

「まさか向こう側から出向いてくれるとはね…で、結果は?って…聞くまでもないか。サクッと倒されたら僕らの面目立たないよ。こっちの大ボスなんだから」

 

 

「正直しんどかったけどな。向こうに追いつくのが精一杯だったが…この通り生き延びてやったぜ?」

 

「まさか…あの化物とマトモにやり合えていただと!?流石は黒騎士の盟友…」

 

「黒騎士?さっきも言ってたが…ってアンタは…!!」

 

その少年はダークブルーの髪にピンクに近い瞳。そして背負った槍に右手の包帯…どこか向こうにいる仲間の1人を彷彿とさせる容姿をしていた。憐がこちらに近づき耳打ちをしてくる。

 

「ア、黒騎士っての俺っちね。多分だけど…この人この世界のヨっちゃんの身内」

 

「なるほどな…それと憐、わかってると思うがこの世界は…」

 

「あぁ。過去の世界、ダロ?μ'sが現役、それだけで確信したヨ」

 

「分かってるならいい。とりあえず憐、ここでは俺達の時代の話は極力控えてくれ。世界が違えどもしかしたらAqoursがこの世界でも後々誕生するかもしれない。下手にこの時代で喋れば…」

 

「後のAqoursに影響がデル…りょーかい」

 

 

「お前らさっきから何をコソコソ話してんだ」

 

「こっちの話だ。別に関係ねえよ」

 

「それより異界の蒼騎士!お前の名前は…」

 

「ああワリ。天城隼斗だ。nice to meet you.」

 

「テンジョウ…天の城か?」

 

「ああ、そう書く。アンタは…」

 

「そうか!ならば答えよう我が名は…」

 

「津島…か?」

 

「そう!我が名は津島……待て、何故お前が我が真名を知っている!?」

 

「そしてシュヴァルツ。アンタには妹が1人イル、堕天使のナ。違うカ?」

 

「た、たしかに妹はいるが……何故そこまで知っている?」

 

「俺達の世界ではその妹さんは仲間の1人なんだ。だからアンタの容姿とキャラを見て確信が持てたって事だ」

 

 

「そ、そうか…まあいい!ゴホン!我が名は竜騎士シュヴァルツ!そこの黒騎士と出会い盟友の契りを交わした者である!!」

 

 

その竜騎士…シュヴァルツと名乗ったその少年は槍を天井に掲げ堂々と名乗りを上げた。

 

「永斗少年、彼は?」

 

「津島瞬樹。静岡からやってきた仮面ライダーで、僕らの仲間の1人です」

「喧しいのが玉に瑕だがな」

 

 

津島瞬樹…この兄にして妹ありか。

いや待てよ?アイツ一人っ子だって聞いたことがあるような…世界が違えば人も違うのか?

 

 

「しかし、あのドーパントとやり合えてるとは蒼騎士もなかなかやるではないか!」

 

「まあな。けど、こっちは数発喰らわせるのが精一杯だった。アンタもアレと戦ったことがあったのか?あの時…」

 

 

『少なくとも、あの騎士のライダーよりかは面白かったし?』

 

 

「とかアイツ言ってたけど…」

 

 

「…ああ、一度だけな。だがあの時の俺は自らの強さに疑念を抱いていたせいで惨敗を喫し命を落とす寸前まで行った。今は全く負ける気はせんがな!ただ、生き延びただけでなく一対一で奴とやり合えていただけそちらの方が凄い。流石は善子の友!」

 

「…そっか、まあ色々あったんだな」

 

 

「それより、朱月とやり合っただけか?他に何かあの塔について情報はねぇのかよ?」

 

 

 

「朱月の言ってた情報通りなら内壁には多分爆薬かそれに似た何かがある。だから下手にぶっ壊すのはNG。異世界の扉についてだが、俺達の他に誰か別の奴が行ってたらしい。多分そいつが俺達がこっちに来る前に俺らが戦ったディストピアとみていいと思う。

 

ただ…朱月がそいつを化け物って言ってたのが気になったな。確かにアイツは強敵だったが…俺からは以上だ。

そっから先は朱月とやり合ってたから無い」

 

 

 

「了解。それでこっちだけど…」

 

「ハーさんが塔の中に入ってったあと、タワー・ドーパントとやり合ってたケド邪魔が入って…」

 

「フーディエとかいうやつが変な本を使ってタワーを連れて逃げてった。僕たちの方はこんなもんです」

 

「そうか…サンキュ、永斗少年」

 

「いえいえ」

 

「んで、こっからドーすんの?」

 

「どーするっつっても…」

 

 

「今のところは隼斗さんや僕らが得た情報以外に目立った手掛かりは無しだからね…」

 

「まぁ言うなら塔のドーパントが言ってた『第一の塔』ってのが気になるな。第一があるってことは二、三もある可能性が高ぇ。でも予測もできねぇし手掛かりとは言えねぇ」

 

 

「手掛かりが無いなら探せばいいだろ!さっさとあの朱月ってやつをぶっ倒して…」

 

「待てよハーさん。その朱月ってヤツ強エーんダロ?今もういっぺん戦いに行って勝てる見込みは?」

 

「・・・んなもんどうにかする!例え強敵っつってもライダー全員でかかればどうにか…」

 

「俺っち、金色クラスならブレイヴは絶対に必要になると思うけどナ。鳥も見つかってない現時点で挑んだところで返り討ちになるだけダ」

 

「んなもんそこのダブルと竜騎士で足りない分は補えば…」

 

 

「俺らを勝手に巻き込むな」

 

「この暴れん坊に同じく」

「あ゛ぁ!?」

 

「俺としては我が盟友達に手を貸したい気持ちは山々だが…恐らく今のままでは…」

 

「けどこのまま待ってても…!!」

 

 

「それにハーさん、怪我まだ治りきってないでしょ?」

 

「あ、確かに出会った時から所々…朱月との戦いで負った傷…ではないよね」

 

 

憐と永斗少年の言う通りだ。

頭に巻いてる包帯、右頬の絆創膏…俺の身体にはトルネードとの戦いで負った傷痕がまだ残っている。

 

「けどこんなもん見た目だけでほとんど治りきって…」

 

「テイ」

 

「っ!?」

 

 

すると憐が突然俺の額にデコピンを当てて来た。しかも包帯巻いてる1番やっちゃならねえ所を。

 

「っ……!」

 

傷の痛みに加え、衝撃で頭痛のような感覚まで一瞬した。思いの外痛かった…

 

「ホレミロ言わんこっちゃナイ。それで無理でもしてミロ、果南サンにまた会う前にこっちの世界でおっ死ぬゼ?」

 

 

「果南さん…って誰?」

 

「向こうにいる俺っち達の仲間でハーさんの幼馴染のオネーさん。ハーさんにとっての1番大切な存在なんダ」

 

「幼馴染のお姉さん?美人なの?」

 

 

「そりゃーもう!ハーさんがゾッコンにナルレベルで!あ、写真見ル?」

 

 

「善子はいるのか!?いや…俺は見ない!今はまだ運命の時では……というか勝手に出て行って迷惑かけたくせに俺だけそれを見て満足するのは少し違うというか騎士道に…そう俺の騎士道に反して……」

 

「素が出てるよ瞬樹。あ、この子可愛い」

 

「御目が高い!それがシュバルツの妹さんデ……」

 

「わあああああああっ!!」

 

 

そう言って憐と永斗少年は憐のスマホでAqoursの面々の写真を見ていた。

おいおい、歴史のことに関しての写真は避けろよ…

 

 

「で、そっちはなんかアイデアねえのかBad detective(不良探偵)

 

「随分上からな依頼人だな」

「最初に目の前の依頼人を見捨てようとした探偵の屑よりはマシだと思うが?」

「勝手にどっか行った奴が悪い。身長以外もガキか?」

 

アラシと俺の間でバチバチと火花が散る。

俺だって好きでこの背じゃねぇんだボケ。

今まで特に気にしてなかったがそこまで言うなら望み通り叩き潰すぞコラ

 

「まーまー2人ともその辺で」

「そうダゼハーさん!確かに俺っちもこのヒトのことは言いたいことあるケド…」

「あるのか」

 

「あーもう…とにかく、事件に関しては一度ここで切ろう。ところで隼斗さん、憐くん、2人ってスクールアイドルは好き?」

 

「え?まあ好きだが…」

「ってか俺っち達向こうでスクールアイドルのマネージャーやってるシナ」

 

「それならよかった。じゃあ、僕らの仲間の手伝いをして欲しいんだけど…お願いできる?」

 

「手伝い?…まぁ休憩にはなるか。そんで、どんなグループなんだ?永斗少年達の仲間って…」

 

「行けば分かるよ。じゃアラシバイク出してー」

「…わーったよ、行くぞ」

 

「行けば分かるって…」

「ハーさん俺っちのバイク乗ってく?」

「運転できねえ程の怪我じゃねえ。自力で行くから安心しろ」

 

 

 

 

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「こ、ここって……!!」

「まさカ……!!」

 

 

目の前にあるのは巨大な煉瓦造りの学校。

その校門の看板に刻まれていた名前は……

 

 

「音ノ木坂学院。僕らの通ってる学校です」

 

 

「「音ノ木坂ァァァァァァ!!!?」」

 

 

そう、音ノ木坂学院。

あのμ'sのメンバーの通う学校である!!

 

 

「うっせえな!そんなに驚くことかよ!」

 

 

「shut up!未来人の俺らからしたら音ノ木坂はかなりの有名どころなんだよ!!」

「詳細はイエネーのが厳しいトコだけどナ」

 

今のμ'sの方達に後々貴方達ラブライブで優勝するんですよ、なんて言えねえしな。

言ったところで信じてもらえないしそもそも俺らが異世界から来たことも話すわけにはいかねえし…

 

「まあいい、行くぞ。アイツらが待ってる」

 

「アイツらって…」

「マサカ……」

 

「決まってるでしょ?μ'sだよ」

 

 

2人に手続きしてもらい、俺と憐は許可証のようなものを発行してもらう。

そういえば南ことりさんのお母様がこの学校の理事長なんだっけか。その仲間だってんだからこれぐらいできて当然か…加えて生徒会長にはあの絢瀬絵里さん…やっぱμ's強すぎねぇ?

 

「おぉ……!まさか内部に入れるなんて…!」

 

「写真撮るのはいいけど他の生徒達を入れないようにね?というか隼斗さん達中に入るのは初めてなの?」

 

「前に外まで来たことはあったんだけどな。中を観るのは初めてだ…」

 

中を進んでいくと、やがて小さな部屋の前まで来た。

 

『アイドル研究部』と書かれた看板。そして『探偵部』とマジックで書かれた木の看板が立てかけられていた。

 

「探偵部…?」

 

「うちの仲間達はスクールアイドルと同時に探偵部もやってる。事務所にあんまりにも依頼が来なすぎて、我らがリーダーの提案とみんなの相談で出来上がったんだ」

 

「ま、こんなのが探偵なんじゃな…ってかあの人達になんて事させてんだ…」

「まあ、それもみんなの決断故だから。さ、入るよ」

 

「いや待ってくれ永斗少年心の準備が」

「ただいまー」

 

こっちの話を聞くまでもなく永斗少年が扉を開けた。

 

「あ、アラシ君に永斗君!おかえり!」

 

扉を開けた途端に響く太陽のような明るい声色。茶色の髪をリボンで右に纏めてサイドテールにしたパンを食べてる女の子。

μ'sのリーダー、高坂穂乃果さんだ。

 

「Real高坂穂乃果さん…!」

 

「あれ?その人達は誰?」

「ただいまほのちゃん。この人たちはちょっと訳ありの依頼人で…」

 

「え!依頼人の人!?今回はどんな…」

 

「悪いがそれについては話せない。ともかくコイツらがその依頼人だ」

 

「あ、ちょ、テメェ待て…!」

 

「おととと…!」

 

そう言うとアラシは俺らの首根っこを掴み前に出す。

 

「この人達が?」

 

「ああ、事務所に置いとくのも面倒だからな。永斗の提案で連れてきた」

 

 

「へぇ、そうなんだ!あ、私高坂穂乃果!この音ノ木坂のスクールアイドル、μ'sのメンバーです!よろしくね!」

 

知ってます。めちゃくちゃ知ってます。

逆にスクールアイドル好きであなたを知らない人は絶対いないです。

 

「よ、よろしくお願いします!俺、天城隼斗です!初めまして!」

 

「ツレの狩夜憐デス。ヨロしくお願いします!」

 

「うん!よろしくね!って…もしかして2人とも私と同じぐらいの年齢?」

 

「一応俺が17で…」

「俺っちが16デス」

 

「そっか、じゃあ隼斗くんとは同い年だし、憐君は後輩かぁ…!」

 

まあ俺達の世界とこの世界では時代が違うので厳密には違うんですけど…まあいいか?

 

「まあ年齢だけなら、ですけど…」

 

「え?それってどういう……」

 

 

 

「ちょっと穂乃果!いつまで休憩しているつもりですか!?」

 

すると奥のドアが開き、青く長い髪の女の子が顔を出す。凛としたとした雰囲気を漂わせる彼女は園田海未さん。

穂乃果さんと同じく二年生のメンバーだ。

 

「あ、ごめーん海未ちゃん!けどほら!依頼人の人だって!」

 

「依頼人、ですか?…見たところこの学校の生徒では無いようですが…アラシが連れてきたのですか?」

 

「みたい!だからこっちの対処もしなくちゃ!」

 

「あーいえ!お構いなく!一応俺…自分達も色々あるんでここに居させてさえくれれば…」

 

やばい。

緊張という名のメーターが危険域なんだが。

そうじゃんここ部室だからワンチャンメンバー全員いるんじゃん。

 

そう思った途端、またしても轟音が響く。

窓を開けると、見え辛いがどうやらまた例の塔が出現したらしい。

 

「アラシ、今の音…」

 

「ったくまたアレかよ!次から次へと…!!」

 

「何かあったのですか?」

 

「ああ、ちょっとな。だけど心配すんな、この件は俺たちだけで片付ける。行くぞ永斗」

「あーちょっと待って。真姫ちゃんいる?」

 

「真姫、永斗が……」

 

「何よこんな時に…」

 

「西木野真姫さん!!」

 

ドアから顔を覗かせた赤髪つり目の女の子。

あの子…あの人は一年生メンバーの西木野真姫さんだ。作曲担当で確かお家が凄い有名な病院とか言ってたっけか…

 

「ちょっとお家の車借りたいんだけどいい?」

「車?構わないけど…何に使うのよ?」

「ちょっと調べ物。あ、あと凛ちゃん借りてくね」

 

「永斗くん呼んだ!?」

 

ひょっこりと顔を出すオレンジ髪のショートカットの女の子。猫のような仕草が特徴的な星空凛さんだ。

あ、ヤッベかわいさの暴力こんなん死ぬ…あ、サンキュー憐。

 

「ちょっと調査に付き合って欲しい。来てくれる?」

 

「分かったにゃ!」

 

「あとはもう2人ぐらい人手が欲しいけど…」

 

「待ってください!これ以上そちらに人員を裂くと文化祭の準備が……」

 

「あー、そっかぁ…でも残ったメンバーでもどうにかならない?」

 

「ただでさえ私たちは事件に次ぐ事件で遅れてるんですよ?それを更に遅らせてしまったら……」

 

どうやら事件に裂く人員と文化祭準備の件で揉めているようだ。文化祭ってことはあの曲…no brand girlsの時か。確かあの時穂乃果さんは…いやそれは今はいいか。この世界で同じことが起きるとは限らない。

人の問題か…だったら!

 

「永斗少年、さっき言ってたよな?仲間の手伝いをして欲しいって」

 

「え?…あーうん、けどさっきのは何というかあわよくば隼斗さん達に手伝わせようかな〜と思ってただけだから…」

 

「俺にやらせてくれ!それなら多少そっちにメンバーが行っても俺がその分をFollowすればいいだろ?」

 

「「ええっ!?」」

 

「は、隼斗くんが私たちの手伝いを!?」

「申し訳ないですよ!依頼人の方に私たちの都合でそんなこと…」

 

「そんなこと言わないでください海未先輩!」

 

「せ、先輩…?」

 

「あ、いえ!なんでもないですあはは…とにかく!俺でよければ力を貸しますよ!それに諸々の理由で当分満足に動けないですし…」

 

というより、元の世界に帰るためとはいえアイツ(アラシ)と行動するの正直面倒くさいんだよなぁ…

 

「猫の手でも借りたい気分だったし、本人もそう言ってるんだからいいんじゃないの?」

 

「…よろしいのですか?ええと…」

 

「あ、こちら依頼人の天城隼斗くん!そして後輩の狩夜憐くん!」

 

「天城さん、よろしいのですか?」

 

真姫さんの言葉に、海未さんが申し訳なさそうにこちらに尋ねてきた。

 

「sure!喜んで!あと、隼斗でいいですよ。一応自分達同い年…ですし。さん付けも必要無いです!」

 

「では…隼斗、お願いします」

 

「はい!ああ憐、悪いが永斗少年達とそっちを頼む」

 

「あっ!ズリィぞハーさん!俺っちもμ'sのヒト達と…」

「それなら後で幾らでも時間あるから大丈夫だよ憐くん。だからお願い」

 

「…後で全員分のサインは欲しいナ」

 

「お安い御用だよ!だから頑張ってきて!!」

 

穂乃果さんが胸を張ってそう言った。

あ、じゃあ俺も欲しいな…あとで交渉してみるか

 

「じゃあ穂乃果、こっちは任せるぞ。

あと海未、そいつきっちり見張っとけ」

 

「まかせて!」

 

「何故見張りを?」

 

「訳ありだって言ったろ?じゃあ頼むぞ」

 

 

そう言うとアラシは永斗少年、凛さん、憐と瞬樹少年に加え、にこさんと希さんの2人を連れて部室を出て行った。

 

気配が遠かったのを確認すると、部室の椅子に深々と腰掛けた。

 

 

「…はぁぁぁぁぁぁ…!やっと面倒くさいのと離れられた……!!」

 

「面倒くさいの…とは?」

 

「え?あのアラシとかいうヤツですよ。ちょっと今回の依頼の件で色々ありましてね…正直苦手意識が…」

 

「あはは…まあアラシくん怖いもんね〜。分かるよ〜その気持ち!」

 

「分かりますか穂乃果さん!あの人殺ししてそうな目つきの悪さ!言葉遣いの悪さ!正直探偵というよりはそっち側の…」

 

「うんうんうん!」

 

「二人共?意気投合するのは結構ですが…私達もそろそろ作業を再開しますよ?」

 

「あ、そうだった!」

 

「すいません海未さん…」

 

「あ、いえ。こちらこそすみません…元々こちらからお願いしているというのに…」

 

「いえいえとんでもない!No problemです!さぁ、じゃあ始めますか!自分は何処から手をつければ?」

 

「そうですね、まずは────」

 

 

 

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「で、布はこれで…ことりさん!」

 

「オッケーだよ!あとはこれで縫い合わせれば…」

 

ことりさん達の手によって僅かなズレもなく大きな布が糸で縫い合わされていく。これがステージの後ろ側に使われる背景のベースとなるのだ。

 

「よーし!これで背景用の布のつなぎ合わせ完成♪」

 

「終わったー!いやー意外と早く作れたね!」

 

 

「流石ことりさん!伊達にμ'sの衣装担当やっちゃいないですね!amazing!」

 

 

「エヘヘ…ありがとう♪でも隼斗くんのおかげでもあるんだよ?」

 

「確かに…隼斗さんがほとんどズレなく布を切って…」

「それをことり達が縫い合わせる。隼斗さんなんてさっき会ったばかりなのに息ピッタリだったわね」

 

「皆さんの教え方が良かったんですよ!」

 

 

作業開始からおよそ1時間と少し。

μ'sの皆さんとすっかり打ち解け、作業も順調に進んでいた。

 

あぁ〜ことりさんの生フワフワボイスかわええ…めっちゃ癒される……

 

 

「それにしても訳ありの依頼人だってアラシが言ってたからどんな人かと思ったけど…」

 

「ええ。礼儀正しく、誠実さを感じる人です。見張っておけと言われましたが…とても監視が必要な人には思えませんね…」

 

「誠実なんて…そこまで出来た人間じゃないですよ、自分は」

 

 

「随分謙遜するのね…」

 

「でも、隼斗君のおかげで助かってるのは事実だよ!だよね?」

 

「うん!」

 

「確かに、隼斗さんがいなかったら事件の方に追われて今よりもっと遅れてたかもしれないし…」

 

 

絵里さんや海未さん、真姫さんや花陽さん達に口々がそう言う。

そう言われると素直に悪い気がしないな…。

 

 

「そういえば…隼斗君と憐君?って何処から来たの?」

 

「自分達は静岡県の内浦からです。こっちにはちょっと訳あって来てて…」

 

「静岡ってことは…」

「瞬樹と同じなのね。もしかして知り合いだったり…」

 

「いえ、残念ながら初対面です」

 

真姫さんと花陽さんは1年生…あの瞬樹少年と同じなのか。

 

「その訳っていうのは…」

「言える訳ないでしょ?訳ありの依頼人って言ってたんだし…」

「あ、そっか…ごめんなさい隼斗さん…」

 

「いえいえ!まぁ…強いていうなら例の…ほらあの怪物の…」

 

「それってもしかして…ドーパント!?」

 

穂乃果さんが発したワードに思わず驚いた。

この人達ドーパントの事知ってるのか!

 

「ドーパント知ってるんですか!?」

 

「え!隼斗くんも!?」

「もしや…依頼っていうのはドーパント関係の?」

 

「ええ。少し厄介な事になってて…あの2人を頼ったんですが…」

 

「厄介なこと?」

 

ああそれは────と言おうとした所で踏みとどまった。

いけないいけない…つい別世界から来たことや未来の事まで喋る所だった…

 

「…すいません、こっからは少し話しづらい内容なので…自分が話せるのはここまでです」

 

 

「あーいいところで〜!それ続きがすっごい気になる終わり方!ね!もうちょっと!もうちょっとだけ先の話を…」

「穂乃果!隼斗を困らせないでください」

「えー!海未ちゃんは気にならないの!?」

 

「気になりはしますが…そもそも依頼人の事情にこうも私達が深く踏み入ってはいけないでしょう?」

「そうだよ穂乃果ちゃん。隼斗君達にも色々人に言えないことの一つや二つあるんだから…」

 

「ことりちゃんまで…むぅ、分かった」

 

「すいません。折角無理を言っていさせてもらってるのに…」

 

「いえいえ!こちらこそ穂乃果が失礼しました…」

「ごめんね隼斗君…」

 

「穂乃果さん達が謝るようなことじゃないですよ!さぁ、そろそろ作業再開しましょう!次は何やりますか?」

 

「次は確か演劇部から簡易ステージ用の材料を…」

 

「場所は屋上でしたっけ?」

 

「ええ、次はそっちの作業ね」

 

絵里さん達に案内され、演劇部の人達の所へ行き、ステージの土台となる物を運び出す。

 

その途中、どうしても気になることがあったので隣を歩いていた海未さんにそれを聞いてみることにした。

 

 

「海未さん、少しいいですか?」

 

「どうかしましたか?」

 

「いえ、少し気になったことがあって…海未さん達ってスクールアイドル、ですよね?何故探偵なんて…」

 

「ああ、そのことですか。あれは穂乃果の提案ですよ。アラシ達の事務所に依頼があまり来ないので、学校に探偵部を作れば生徒達から依頼が来て儲かるのではないか…と」

 

「それは永斗少年から聞きました。自分が知りたいのは皆さんがアイツらに協力する理由です」

 

「理由?」

 

「探偵なんてすごい危険が伴う役職じゃないですか!スクールアイドルの…ましてや女子高生のあなた達がどうしてあんな…あんな奴に…」

 

「隼斗は、アラシが嫌いなのですか?」

 

「…世辞にもlikeとは言えないです。初めて会ってこっちの事情を話した時、知らんだの迷惑だの言って…危うく俺達見捨てられる所でした。あんな探偵の…無辜の人達の味方とは思えない乱暴者の何処が!!!」

 

「…隼斗?」

 

「…すいません、大きな声出して…」

 

ついハッとなって我に帰る。

ダメだな…何処までも相性が良くないのか妙にイラついて仕方がない。

 

 

「そうですね…私達は、このμ'sのメンバーはみんな大なり少なりあの2人と瞬樹達に助けられたことがありまして。かくいう私もなんですよ?」

 

 

声を荒げた俺を咎める事もせず、海未さんは俺に話してくれた。毒を操るコーヌスというドーパントの起こした事件の話だ。

 

犯罪の証拠品を盗み出し、それを使って犯人を脅迫。

 

人の命を弄ぶ極悪非道のゲームに参加させ、ルール違反やクリアできなければその人間を殺す…そんな奴だったそうだ。

 

「あの時に私も毒を受けてしまって死にかけまして。アラシは自分が関わったせいで私を巻き込んでしまったと思っていたらしく…それに責任を感じて当時3人と2人だったμ'sを抜けるとまで言い出したんです」

 

聞いたことがある。

μ'sが初めてアップした曲、始まりの歌である『START:DASH!!』後に今の9人でやったパフォーマンスもあったが、あの時はまだ1年生メンバーも3年生メンバーもいない穂乃果さん達3人だけのものだった。

 

「海未さんは、なんて?」

 

「怒りましたよ。自分から勝手に引き離して守った気になって…そんな人に守って欲しくはない、と。助けになんて来ないでください!と。

けどアラシは…」

 

 

『海未…お前は俺がお前らを引き離して、守った気になってるって言ったよな。

でも本当は違った。俺はただ怖かったんだ、また守り切れないのが…

だからお前らを引き離すことで、守ることから逃げてた……

 

やっと気づいたんだ、俺はお前らと過ごす時間が大好きだった。

出来ることならこれからも、お前らと過ごす時間を諦めたくない!!

そのために…俺はもう逃げない!!!何があったってお前らを守り抜いて見せる!!』

 

 

「拉致された私の所までたどり着き、そう言ってくれたんです。ですから隼斗、あなたはたった一つだけ誤解をしています。アラシは確かに口の悪さは本当にどうしようも無いですが…それでも私達の事を本当に思ってくれている、とても仲間想いな人なんですよ?」

 

「アイツが…?」

 

あんなことを言った奴と同一人物の言葉にはどうしても聞こえない。

俄には信じがたい言葉だった。

 

「さぁ、お話は一旦ここまでにしましょうか。急ぎますよ隼斗!」

 

そう言って土台のパーツを持ち廊下を駆けて行く海未さんの顔は、すごく穏やかな表情をしていた。

 

「切風アラシ…奴は───」

 

仲間思いの男。その一点だけに関してはどうやら同じらしい。

 

姉ちゃんから貰った首元のペンダントにそっと触れ、俺はすぐ海未さんのあとを追いかけた。

 

 

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そして、気づけば陽は落ちかけ夕方。

かなりスピードアップしていたのかステージはほぼ完成。ちょうどそこに永斗少年と凛さんも帰ってきて驚きを見せていた。

 

「これは……また随分と進んだね」

 

「えぇ、隼斗がとても働いてくれました。これなら早くて明日からは打ち合わせや練習に専念できそうです!」

 

「そりゃ全速全開で張り切りますよ!何せあのμ’sと……いや、なんでもないっす」

 

っぶね〜また口滑らせる所だった…

あぁ、そうだ

 

「それで永斗少年はどこに行ってたんだ?」

 

「過去」

 

「過去!!??」

 

いやでも俺も今過去に……ん…!?え?

 

「説明は後で。とりま情報共有しよう。

もう遅いし、皆はそろそろ帰った方がいいんじゃない?」

 

「そうですね。今日は随分と進みましたし…そろそろ片付けましょう」

 

そう言うとμ'sの皆さんは片付けを始める。

よし、とりあえず俺は憐の方に連絡を…

 

永斗少年も同時にアラシに連絡しようとしたのか携帯で電話をかける。

だが意外にも着信音は近距離から聴こえた。

 

ドアが開くとそこには疲弊した様子のアラシと、実に楽しそうな希さんと憐。何があった…

あと何やら負のオーラを撒き散らすにこさんがいた。

 

「……今戻った」

 

「なんかめちゃくちゃ疲れてねえかアイツ」

「うわ絶対面白い事あったじゃん。見逃したの痛すぎ」

 

「うるせぇ…お前んとこのコイツが…その…お前が……あぁもういい。情報共有するんだろ、早くしてくれ」

 

疲労からか、語彙力の低下+あの悪態からキレが消失している。

アイツが戻ってきたらもう一度見定めようと思ってたんだが…これじゃどうしようもねぇな…

 

「えーと…僕は例の研究所兼実家に行ってきたんだけど、そこで過去に触れて全知全能になりました」

 

「……ゼウスか」

 

アラシの言葉に永斗少年は文字通り雷が落ちたかのようなとてつもない驚きの表情でこちらを見ていた。

 

「ヤバいよ隼斗さん、アラシがクソツッコミした。これは重症だ」

 

「おい何があったんだよ憐。あのMad dog(狂犬)が老いたブルドッグみたいになってるぞ」

 

「何ってずーっと褒めてたダケ。そしたらアラシサンがフニャフニャに。なんでダロ?」

 

「…よく分からんが、褒め殺しが実現し得る事象だってことは分かった」

 

そんな状況はさておきと言わんばかりに永斗少年は手に入れた情報を話し始めた。

 

「まず塔のドーパントね。アイツは僕らの世界の敵組織の構成員確定で、アイツが創る塔には『原料』がある。具体的に言えば壊れた建物のリサイクルね」

 

「質量保存の法則だな」

 

「隼斗さん理系?話が早くていいや。どうにも原料は組織が所有してた建物を再利用してるみたいで、調べた限りだと崩壊したまま放置されてた建物が二件まるっと消えてた。大きさは大体同じくらいのやつ」

 

「塔は今のトコ二本…つまり一件で一本ってことダナ、エイくん」

 

「エイくんって僕?」

 

「永斗だからエイくん」

 

「あそう。そんで僕らと憐くんの前に現れたあの女の人だけど…彼女は胡蝶(フーディエ)。組織の最高幹部『憂鬱』の側近。タワーことデュオン・ヴァン・スーザも憂鬱の部下」

 

「『憂鬱』だと…!最高幹部は七人じゃねぇのか!?」

 

7人!?うち1人が確か朱月だって言ってたからそれ以外にあと6人か…だが7人ってならその憂鬱ってのはなんだ?8人目がいるじゃねえか…

 

「ここに来る前ハイドから聞いた。僕が記憶を失った直後に八幹部『憂鬱』が謀反を起こし、朱月の手によって処理されてる。憂鬱は朱月でも倒せず、取られた処刑方法は……ゲートの能力での別世界追放」

 

ゲート・ドーパントの能力での別世界追放…まさか!

 

「おい、てことは俺たちが戦ったのが…!」

 

「使用メモリはディストピア、その名はエルバ。称号は『憂鬱』にして組織最高の万能を持った最も完全に近しい人類。そいつが今、この世界に戻って来ようとしてると見て間違いない」

 

「…何が何事も起こらないように、だよ。未曾有のピンチじゃねぇかよクソが」

 

「あんな危ないヤツがこの世界に…!早く帰ってぶっ倒さねえと!この世界のμ’sの学園祭、邪魔なんてさせてたまるか!手を貸せよBad detective(不良探偵)、μ’sを守り抜くんだろ?」

 

「初めて意見が合ったが言われるまでもねぇ。これ以上アイツらの道を歪めさせねぇよ。そのためにお前が手を貸せ」

 

ここにきて初めてコイツと意見が合った。

どうやら海未さんの言ってたことは事実だったらしい。少しは認めてやってもいいか…

 

「よーし。変わらず目標は異世界御一行をお帰しするでいいね。他にも色々分かってるから明日からは憂鬱の作戦を探りつつ、ワンチャンその異世界転移を利用して隼斗さんと憐くんを送るって流れで。それで一つ気になるんだけど……お二人はどこ泊まるの?」

 

え?泊まる…泊まる……あっ

 

「っべ!?完全に忘れてた!!」

「どーすんのハーさん?そこまで手頃な宿はこの辺りネーはずダロ?」

 

確かにこの辺りは期待は出来ねぇ…例の東京イベントの時の所もそれなりの値段はしたはずだ。鞠莉が出してくれたからよかったものの……ええい、Incrediblyに不本意だがコイツ(アラシ)の事務所で…

露骨に嫌な顔しやがったぞコイツ。

 

マズイな…このままだと野宿不可避だ。流石に何かと物騒な東京のど真ん中でそれだけは避けたいぞ……

 

 

「それなら、ウチたちの内誰かの家に泊まるってのはどう?」

 

その時、困っていた俺達に女神の救いの手が差し伸べられた。と同時にとんでもなく驚く言葉が飛び出した。

 

「はいっ!?」

 

思わず変な声出たわ!!

ののの希さん!?何をおっしゃっておいでで!!!!????

 

「あーなるほどそういう展開…希ちゃんそんなこと言ってるけど、どうするアラシ?」

 

「あ?いいんじゃねぇか別に。コイツら泊めなくていいなら願ったり叶ったりだ」

 

その瞬間、気づけば0.001秒でアラシに掴みかかっていた。

 

「はっ!?バッッッカじゃねぇのお前!あのμ’sだぞ!?そもそも俺ら初対面でいきなりは迷惑だし、男二人がこんな美少女アイドルと、しかもあのμ’sと一つ屋根の下って!?」

 

「ハーさんあのμ'sって2回言ったゾ」

 

 

「何がダメなんだよ。俺も何人かの家に泊まったことあるけど、別に邪険に扱われるなんて無かったぞ」

 

俺も何人かの家に泊まったことあるけど

 

俺も何人かの家に泊まったことあるけど

 

俺も何人かの家に泊まったことあるけど

 

 

その言葉で脳のcapacityがオーバーしたのか、そこから先の言葉は覚えてない。

 

「あ、ハーさん死んだ」

 

「アラシはその辺の観念ガバいからね…希ちゃんも分かって言ってるでしょ。依頼人で遊ばないで」

 

「んー?なんのことかウチさっぱりわかんな〜い」

 

「うるせぇのが寝てるうちにさっさと決めろ。誰の家に泊まるんだ?」

 

「えぇ…本当に泊めてくれるのカヨ……」

 

あ、ハーさん倒れたから俺っちが変わるナ。

多分ハーさんが準備チームで頑張ったんダロうか。その提案には意外にもμ'sの皆さん肯定テキだった。

 

「はいはい!私の家に泊まってよ!みんなはどう?」

 

誰の家に泊まらセテもらうかを決める時、真っ先に手を挙げたのは穂乃果サンだった。

 

「穂乃果!?いえ…流石に私は見知ったばかりの男性を泊めるのはその…やはり少し抵抗があると言いますか……」

 

「私はお母さんに聞いてからって思ったけど…穂乃果ちゃんは大丈夫なの?」

 

「大丈夫だよことりちゃん!二人も急に泊まった時あったじゃない!それと同じだよ!」

 

エイくんも頭を抱えてタ。

アラシサンも穂乃果サンも多分テーソーカンネンってやつが低い。

大丈夫なんかねこのチーム…

 

んで、結局俺っち達は穂乃果サンのお家にお世話になることになりましたトサ。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「ハッ!Where is this! ?(ここは何処だ!?)

 

「あ、気がついた!」

 

「大丈夫カヨハーさん…」

 

 

「ああ、大丈夫だ。すまん…畜生あの野郎…!よくもそんな軽率に…!!」

 

「まぁまぁハーさんその辺デ…」

 

「そうだよ!さぁ、着いたよ!」

 

「着いたって…」

 

ふと見上げてみると、そこには和風な建物が一件。看板には穂むらと書かれていた。

 

 

「穂むらァァァ!!!?」

 

 

「そ!ようこそ私のお家へ!って、2人とも私達を知ってたって事は、もしかしてうちが和菓子屋ってことを知ってたり?」

 

「マァ、そんなトコっス。俺っちもハーさんもμ'sのファンなんデ。もっともハーさんの場合は幼馴染のヒトから聞いた話からっていう後天的なファンですケド…」

 

「ほ、ほ、本当にいいんですよね穂乃果さん?今日だけとはいえ泊めてもらうなんて…」

 

「ただいまー!!」

「人の話聞いてください!!」

 

俺の質問を華麗にスルーして引き扉を開ける穂乃果さん。流石です…はい

 

「あ、お姉ちゃんおかえ…り」

 

そこにいたのは割烹着を着た赤毛の少女。

確か雪穂さん…だったはず。

 

姉の穂乃果さんと同様アイドル研究部に属してたと何処かで資料を見たような…

 

「雪穂!紹介するね!こちらちょっと訳ありの……」

 

「お姉ちゃんが男の人2人も連れてきたぁぁぁぁ!!」

 

驚愕したような声をあげる雪穂さん。

まあそら驚きますわ。スクールアイドルってこともあって色恋沙汰とか無さそうだしな。

 

「ちょいちょいちょい待って待って!俺ら…自分ら別に穂乃果さんとそういう関係じゃないから!」

 

「え?じゃあ一体…」

 

 

「ちょっと雪穂?どうしたのいきなり…ってあら、おかえり穂乃果。…その人達は?」

 

「あ、お母さん!実はこの人達ちょっと困ってるらしくて、今日うちに一晩泊めてあげたいんだけど…」

 

穂乃果さんに紹介され、俺と憐は2人とも揃ってお辞儀。この人が穂乃果さんのお母様か…何処となくおふたりの面影が…

 

「困ってる?」

 

「はい。訳を話すとかなり長く複雑になるので簡潔に申し上げると、自分たち道に迷って帰れなくなりまして…」

 

「そうなの!それにそれに、その人に話せない訳故に警察の人とかも頼れないみたいだから…なんとかウチに泊めてあげられないかな?」

 

「俺っち達にできることがあったら何デモお手伝いするんで!」

 

「ね!お母さん!いいでしょ!?あ、あとこの2人はね!文化祭の準備とかも手伝ってくれてすっごく頼りになったんだよ!絶対いい人だから!ね!?」

 

「うーん…そうは言ってもね…」

 

何やら悩んでるお母様。まあそりゃそうだ、俺ら現時点だと急に来て泊めてほしいって言ってる知らん人だからな。

仕方ない、他の人を頼るか…と思った次の瞬間、何処からか着信音が聴こえた。

 

「あ、私だ…誰だろう…」

 

雪穂さんがスマホを取り出すと、その画面を見た途端表情が変わる。

何やら溜息を吐きそのまま「ちょっと失礼」というと俺達から離れて電話に出た。

 

 

「もしもし?」

 

『やあ雪穂ちゃん、こんにちは』

 

「もう日本はこんばんはの時間ですよ…で、ミツバさん。今度は何ですか?」

 

『お仕事。また新しいお宝の情報が入ったんだ。アリサちゃんもシオンが既に迎えに行ってるから、あとは君だけさ』

 

「またですか…」

 

 

なんかがっくりと肩を落とした。

ミツバ…一体電話の相手は誰なんだ?日本はってことは相手は外国人?名前的には日本人だが…

 

『…賢王の右目の弁償代』

 

「うぐっ…」

 

『普通に働いたら一生かかっても払えないけど、オレ達のとこならそこまで長くはかからない。それに、仲間は沢山いた方が楽しいからね!』

 

「…はぁ…分かりました。それで、何処に行けばいいですか?」

 

『オーケー!オレからシオンに伝えておく。彼に拾ってもらってくれ。合流ポイントはこちらから連絡するよ。じゃ、今夜も楽しもうか!!』

 

 

「…はぁ〜…」

 

電話を切り、また溜息を吐く雪穂さん。

何か面倒事でも起きたのだろうか?

 

「どうしたの雪穂?」

 

「ごめんお姉ちゃん、お母さん。私急用ができた」

 

「え?急用って…」

 

「ほんっとゴメン!早めに帰ってくるようにはするから!」

 

そう言って奥の方へと消えていった雪穂さんは何やら少し荷物を持つと店を出て行ってしまった。

 

「行っちゃった…」

 

「本当あの子なんか知らないけどよく出かけるようになったわよね…」

 

「でも、雪穂もたまにはリフレッシュしないと!受験のためとはいえお勉強ばかりじゃダメだからね!」

 

「いやアレはrefreshって感じには見えませんでしたけど…」

 

「ってかあの子店番してたよナ?大丈夫カ?」

 

「あ、そういえば…」

 

「…そうね、ちょうど手が足りないみたいだし…いいわ。お2人とも、うちでよければいいですよ?」

 

「本当ですか!?」

 

「ただし、店番を手伝ってくれるとありがたいわね。穂乃果、2人に色々と教えてあげて」

 

「わかった!2人とも、いいよね!?」

 

「of course!それぐらいやりますよ!」

「俺っちも同じク!」

 

「よーし決まり!じゃあ2人とも、ついてきて!」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

で、あの後穂乃果さんに連れられて家の中へ。その後着替えたり何やかんやして…

 

 

「…ハーさん存外様になってんナ」

「そういうお前こそ」

 

「うんうん!2人ともバッチリ!似合ってるよ!!」

 

何故か和菓子職人(っぽい)格好に俺達はなっていた。

 

「そ、そうですかね?」

 

「で…俺っちタチは何をすれば?」

 

「2人に和菓子は作れないし…っていうか作るのはお父さんが全部やっちゃってるから店番だけかな?といっても、この時間はほとんどお客さんは来ないからそんなに大変じゃないよ!」

 

「そうなんすか…」

「なんか泊めてもらうワリにほとんど手伝うコトが無いってのもナ…」

 

「あ、じゃあ…その代わりといってはなんだけど、私2人のことが聞きたいな!」

 

「俺らの…ですか?」

 

「うんうん!だってほら、2人はどんな学校に行ってるのかなーとか!隼斗君からは手伝いながら話したりもしてたけど、詳しくは聞いてなかったからさ!」

 

「俺達のことですか…ん〜」

 

憐をクイクイと手招きし、耳を貸してもらう。

 

「(とりあえずμ'sの未来については触れずに話す。Aqoursのことだけをいい感じにボカして話そう)」

「(リョーカイ)」

 

「2人とも?」

 

「いいですよ!そうですね…まずは──」

 

そして、歴史に関することは暈して穂乃果さんに聞かせてあげた。俺達のことや、仲間のこと。そして────浦の星のことを。

 

「ええっ!2人の学校も!?」

 

「そうなんすよ。なにぶん小さな学校なもんで。つい(未来の)この間、入学希望者が100人集まらずに正式に統廃合されることになって…」

 

「…そっか…実は私達の学校も今ちょっと危なくてね」

 

「1年生はひとクラスしかないんでしたっけ?」

 

「そうそう!…あれ、そこまで話したっけ?」

 

「あー!エイくん達に連れられて来た時にチラッと見たンすよ!ネ!?」

 

「そうそうそう!けど、音ノ木坂の方がまだ可能性ありますよ!東京ですし、これからきっと…」

 

「それがそうもいかないんだよねぇ…すっごく大きくてすごい学校がこの辺にあってさ」

 

「…UTX」

 

「そうそう!よく知ってるね!」

 

「A-RISEの学校っつったらそら有名ですヨ」

 

「すごいよね…。あの人達を見てると、私も頑張らなきゃ!ってなるんだ。学校のこともあるし…」

 

そう言って真っ直ぐに何かを見つめる穂乃果さん。その表情を見た俺の口から思わず一言出ていた。

 

 

「…なれますよ、穂乃果さん達なら」

 

 

「え?」

 

「あぁ、いえ。こっちの話です。けど、μ'sの皆さんならきっとやれますよ!なぁ憐!」

 

「ソーソー!あのメンバーが揃ってるんナラダイジョーブだって!!」

 

「そっか…そうだよね!2人ともありがとう!!」

 

「…どういたしまして!」

 

感謝の言葉と共に向けられる笑み。

それは向こうにいる千歌と同じような太陽のような輝きを持っていた。

 

「そうだ!2人の仲間のみんなもスクールアイドルなんだよね?名前は何ていうの?」

 

「俺達の方は、Aqoursって名前なんです」

 

「アクア…水?」

 

憐はポケットからスマホを取り出すとしっかり日付を隠したのを確認した上で穂乃果さんに見せた。

 

「Aquaとours…二つの単語を掛け合わせてうちの先輩方が考えたチーム名デス。海沿いの町のスクールアイドルらしい名前でしょ?」

 

「へぇ…いい名前!でも聞いたことないな…にこちゃんなら知ってるかな?」

 

「さ、さぁ…?確かににこサンってスクールアイドルに詳しいみたいだケド、流石に田舎の方のグループまでは…」

 

「ソーソー!あの人今活躍してるランク上位陣なら知ってるだろうケド流石に下位の方までハ…」

 

俺も憐も思わず焦る。

そう、そもそもこの世界には未だ姉ちゃん達先代Aqoursすら誕生していないのだ。

スクールアイドルに詳しいにこさんなんかに調べられては色々面倒なことになる。

 

「あーそっか…にこちゃん確かにランキングトップなら詳しそうだしね…」

 

「そうですそうです!」

 

まあ一応Aqoursは決勝進出決めてるレベルの実力なんですけどね。みんなには悪いがここはあえて黙る。ゴメンな…

 

「大切な仲間の人達がいるなら、なおさら早く戻ってあげなきゃね。解決するといいね、隼斗君達の問題!」

 

「えぇ、本当に…」

「ダナ…」

 

その為にも、早くディストピア(アイツ)をぶっ倒さねえと…俺と憐は互いに顔を見合わせ、決意を新たにした。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

翌朝。夜明けを告げるように昇る太陽と同時に現れたのは、『第三の塔』と轟音。

 

 

「Good morning…なんて気分じゃねえな、クソ」

 

「遅ぇぞ、呑気に寝坊しやがって」

 

「穂乃果さんの家だぞバカ!こちとら疲れてたのに緊張で全然寝付けなかったんだよ!」

 

「ハーさん寝たのほとんど朝だったらしいゼ。エイくんは?」

 

「寝てる。いつものことだ、どーせ起きねぇから置いてきた。それはいいとして…コイツは随分と分かりやすい号砲だ」

 

 

俺は頭に巻いてた包帯を取っ払い、絆創膏を勢いよく剥がした。

体内に残っていたオーバーブレイクの余剰エネルギーのおかげか、傷もほとんど完治している。我ながらcrazyな体質だ。

 

 

「いち早く俺たちの世界に帰って、ディストピアから姉ちゃんたちを守る」

 

「憂鬱の帰還作戦を阻止して、学園祭を守る」

 

「「この一日が勝負だ」」

 

 

アラシと俺は力強く決意を口にする。

2つの世界を巻き込んだ、最大級の戦いが今始まろうとしていた───

 




μ'sとの出会い、そしてアラシの真意を知る隼斗。短くて長い夜は明けいよいよ次回から決戦です!憐・アラシ組の調査パートは、146さんのラブダブル側限定シナリオとなっていますのでそちらもセットで見てください!

https://syosetu.org/novel/96993/66.html ←こちら146さんサイドのリンクです

それでは次回もお楽しみに!!
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