コードギアス 反逆?そんなこと後回しだ!! 作:常時厨二病患者
「愛しています・・・!お兄様・・・!!」
全ての憎悪、全ての悪意を己に集めたゼロレクイムはここに成された。
薄れ行く意識の中で最愛の妹から発せられた言葉から彼女が全てを理解してしまった事をルルーシュは悟った。
(・・・ああ、お前はそうやって手を握った相手の心を読むことができるんだったな。全く・・・今際の際でさえ詰めを誤るとは・・・我ながら情けない・・・)
心臓を貫かれても意識があるのは如何なる奇跡・・・いや、あれだけの罪を重ねてきた俺が楽に死ねるわけがないか・・・。
これは奇跡ではなく罰―――朱雀がゼロという仮面を被り続けて生きて行かねばならないことに比べれば随分と軽い罰だが―――、神の気まぐれというヤツなのか。そう簡単に逝かせてくれないようだ。
「ルルーシュは死んだぞ!人質を解放しろ!」
「いかん。引け!ここは引くんだ!!」
「ゼロ!ゼロ!ゼロ!!」
潜伏していたコーネリア達が人質救出に向けて動き出し、ジェレミアはそれに応じるように撤退命令を出す。そして観衆から沸き立つゼロコール。ここまでは計算通り・・・後は英雄となった我が親友の身を案じるばかりだが、ギアスで従わせたシュナイゼルがいる。異母兄の優秀さは誰よりも理解しているつもりた。うまくやってくれると信じよう。
そう考えた矢先に、かつてアリエス宮で母と妹と幸せに過ごしていた日々が脳裏に浮かんできた。
―――何も知らない日々。知らなくてよかった日々。優しかった小さな世界。
―――それは唐突に終わりを告げる。
―――母の死。妹に遺された癒えぬ痕。父であるブリタニア皇帝からの死の宣告。
―――戦火に塗れた日本で友と過ごした日々。そして別れ。
―――ギアス。黒の騎士団。偽りの記憶と弟。愛する者の死。皇帝即位。
自らの人生の様々な情景が脳裏に現れては過ぎ去っていく。
(・・・これが走馬燈というヤツか・・・最後の最後に俺に未練を感じさせてくれるとは・・・全く、神というヤツは余程俺が嫌いらしいな・・・)
悔いが無いと言えば嘘になる。できることなら生きて償いをしたかった。しかしそうしていくためには俺は罪を重ねすぎてしまった。
シャーリー・・・
ユフィー・・・
ロロ・・・
俺を信じ、俺を案じ、俺を愛し、そして俺が殺した人達。例え自らの死をもってしても彼らに報いることができるとは考えていないが、そうしなければ自分が許せなかった。俺が求める優しい世界は、俺という存在を否定しなければ成し得ない。だから俺はゼロレクイエムを決意した。
そもそもたった一人の人間の死をもって、世界の意思統一をするなどできるわけがない。人の本質は悪だ。他者を妬み、貶めることで優越感を得る。他人に優しくするのも、社会的地位の促進や自らの偽善性を正当化するための行為でしかない。
・・・だが彼らは違った。そして彼等だけではない。自分の知る大切な人の想いを無駄にしない世界こそが俺の求める本当の優しい世界なのだと・・・
・・・意識が混濁してきた・・・眼も霞み始めてきた・・・終わりが近づいてきたようだ。
視界の脇に赤毛の少女が写る。もはやどのような表情をしていかも伺うことができない・・・が、彼女は自分の名を何度も叫んでいるようだ。どうやら俺と朱雀の目的に気づいてしまったらしい。・・・ナナリーもお前も、どうしていつも俺の予測の斜め上を行ってくれるんだろうな・・・。
斜め上と言えばC.C.。お前は今何をしているんだ・・・。新たな契約者を求めて世界を放浪としているのか・・・それとも・・・
「あぁ・・・俺は・・・世界を、壊し、世界を・・・つくる・・・・・・」
・・・その言葉を最後に俺の意識は途絶えた。
皇歴2018年。神聖ブリタニア帝国最後の皇帝ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア―――後の歴史書に独裁者、悪逆皇帝、魔王と記された―――はその短き生涯を終えた。
そう・・・童貞のままで・・・
※初めまして。常時中二病患者と申します。
色んなギアスssを読んで面白そうだから俺も投稿してみっか!!的なノリで書いてみました。稚拙な文章ですがよろしくお願いいたします。