財団、変人、うさ耳
財団、変人、うさ耳
うさ耳少女「よう少年、こんなところで立ち尽くしててどうしたんだい?ここは関係者以外立ち入り禁止のはずなんだが」
空井「いや・・・君こそどうしてこんなところに?迷子にでもなったのかい?・・・っはまさか新たなSCP・・・?」
うさ耳少女「・・・君は何を言っているんだい?」
空井「え、だってこんな小さな子がここにいるなんて・・・」
うさ耳少女「は?」
空井「え?」
うさ耳少女「・・・ああ、そういうことか、全く・・・どうして誰も彼も私のことを子供扱いするんだ・・・ほれ、これを見ろ」
空井「は、はあ・・・え?さんじゅうh」
うさ耳少女「誰が年齢を読み上げろつったよ、ん?読むだけにして心の中にだけ留めておけ、いいな?」
空井「アッハイ・・・じゃなくて・・・ええ・・・こんな小さな子が僕より年上なの?・・・」
うさ耳少女「財団ではそんな珍しいことでもないからな、あとお前の上司だからな、一応」
空井「え、そうなんですか?」
うさ耳少女「私のクリアランスは4、Aクラス職員だ、私の言いたいことはわかるね?」
空井「・・・財団も物好きだなあ・・・」
うさ耳少女「君案外失礼なこと言うね、あと、私のことは君とかそういうんじゃなくて名前で呼びたまえ、子供扱いされてるみたいでムカつく」
空井「は、はあ・・・わかりました、ええと・・・月島さん」
月島「よろしい、んで、最初の質問に戻るが、君は何故ここに?」
空井「あ、僕は今日からここに配属されることになった空井圭一です!これからよろしくお願いします!」
月島「ここに配属・・・ということは・・・はぁ・・・」
空井「なんで僕そうそうため息疲れてるんですか!?」
月島「いや、すまない、ここに配属されるやつはだいたい問題児ばかりでね・・・しかも全員が全員、優秀すぎるんだよ、だから普段はこのSCPをなんも管理していないサイトにいて、必要な時だけそのサイトに出張する・・・みたいな感じなんだ」
空井「なんで僕そんなところに配属されたんですか?・・・僕自慢じゃないですけど普通の塊ですよ?」
月島「普通だからこそ・・・じゃないか?」
空井「それはどういう意味で?」
月島「財団職員っていうのは良くも悪くも個性的な奴らが多いんだ、それに加え、ここは変人たちの集まる場所、普通っていうのはここでは貴重だからな」
空井「そ、そんな理由で僕はここに・・・?」
月島「まあ、なくはない可能性だな」
空井「・・・まじですか」
月島「まあそんなくよくよするな、時期に慣れるさ」
空井「それ慣れてるんじゃなくて感覚が麻痺しているだけですよね?」
月島「ははは」
空井「はははじゃないですよ!?」
月島「ま、世間話はさておき、君はSCP、というものについてはちゃんと理解しているかい?」
空井「さっきのは果たして世間話というのでしょうか・・・まあ、一応」
月島「少々不安が残る返事だが・・・まあいいか・・・そうだな、じゃあ私が少し、このSCP財団日本支部で確保しているSCP、所謂SCP-JPってやつを、紹介してやろうじゃないか」
空井「え、だけどSCPによっては確認できない資料とか、してはいけない資料とかあるんじゃ・・・」
月島「ここに新人が送られてくるってことは、つまり君にも何かしらの素質があること、だと私は思う、だからその才能のためにも私が教育してやろうという気持ちがわからんのかね?」
空井「ま、まさか月島さんがそこまで考えてくれているだなんて・・・分かりました!紹介お願いします!」
月島「まあ私が暇だからというのもあるというかそれが理由だが・・・(ボソッ」
空井「なんか言いましたか?」
月島「ははは、なんでもないよ、それじゃ、3個のSCPを紹介してやろうか、では最初のSCPは、こいつだ、SCP-419-JP イースター島異譚、オブジェクトクラスは・・・って、オブジェクトクラスについては理解しているよな?」
空井「あ、はい、えっと、Safeが、一番安全なSCPで、EuclidがまだよくわかってないSCP、Keterが一番危ないSCP・・・ですよね?」
月島「ああ~・・・別にその認識の仕方でもいいんだが、それじゃあ少々語弊があるな、正確にはSafeは収容方法が確立されているSCPだ、Safeオブジェクトの中にも、人類にダメージを与えるSCPもあるから、決して一番安全なSCPではない、次にEuclidだが、こいつは性質がまだ十分に理解できていない、今ある収容方法が常に可能ではない一方で、Keterクラスよりは安全なSCPを指す、また、自我があるSCPもこれに分類されやすいな、大体のSCPはこのオブジェクトクラスを与えられる、そしてKeter、こいつは今の財団では収容できない、放っておけば確実に世界が崩壊するSCPを指す、他にもNeutralized、Explainedなどもあるが、それはそのSCPが出てきた時に解説してやろう、というわけで改めて」
月島「SCO-419-JP、イースター島異譚、オブジェクトクラスはSafeだ、こいつは現在サイト-81██の低危険物収容室に保管されている。接触、及び実験は生物オブジェクトの研究担当の上級職員3名以上の認可と、1名以上の研究員の立会いの下行うことになっている、また、SCP-419-JPが使用していた文明が築かれていたことを隠すために回収した資料は、公には失われたものとして世間、考古学会にはカバーストーリーとして"モアイ像建設のための森林伐採と資源の枯渇説"を適用している。ここまではいいな?」
空井「あ、はい」
月島「よろしい、では続いてこのSCPの説明に入る、SCP-419-JPは、1930年代にチリ共和国によって、日本へのイースター島(スペイン語ではパスクア島)の売却が検討された時に、財団が行った現地調査によって発見された、同時に発見された当時の記録から、SCP-419-JPは後述するイースター島で起こった文明の崩壊の原因と考えられている、SCP-419-JPは、元々は約70体ほど存在していたと考えられているが、そのほとんどは破壊され、無力化されていて、オブジェクトとしての異常性が残っている個体はわずか5体のみだったそうだ、しかし、実験によって2体を無力化してしまったため、今異常性を持っている個体は財団が収容している3体のみとなった、しかもその内1体は、休眠状態と呼ばれるものになっている。
さて、SCP-419-JPの外見だが、SCP-419-JPは凝灰岩で構成されている石像で、材質調査により、島にポリネシア人が移住してきた4世紀よりも前に作られていることが判明している、このSCP-419-JPは、所謂モアイと呼ばれる形状(第4期と言われる、全体的に縦長で、窪んだ眼窩に一文字に結んだ口をしている)をしており、内部に有機体があることが確認されている、この有機体は、非活性時には空気に触れると瞬時に凝灰岩に変化し、同時にSCP-419-JPの異常性を消失する、そのため、SCP-419-JPを分解しての調査はすべて失敗に終わっている。
SCP-419-JPは、眼窩部に石灰岩でこうせいされた眼球状の部品をはめ込むことによって、活性化状態になる、しかし、SCP-419-JPと一緒に発見されたため、便宜上SCP-419-JP-Aとするが、SCP-419-JP-A自体は何ら異常性のない石灰岩で、SCP-419-JPの眼窩にはめ込むことができる形状をしていれば、異常性を発揮するために使うことができる。
活性化状態のSCP-419-JPは、顔面下部が融解したように軟化し、強力な粘着力を持ちます、物体が軟化した部分に接するとSCP-419-JPは対象を粘着力によって拘束し、蠕動を以ってその対象をSCP-419-JP内部へと取り込みます、しかし、取り込んた物体が生物ではない、または既に死亡している場合はSCP-419-JPは対象を消失させ、再び融解状態へと戻ります、生物を取り込んだ場合は、活性化前と同じ状態、つまり”モアイ”の形状に戻り、生産状態へと移行します、もし、生産状態であるときに、SCP-419-JP-Aが何らかの手段で取り外された場合、SCP-419-JPは非活性化状態へと戻り、内部に取り込んだ対象は消失します、そのためいずれの状態においてもSCP-419-JP内部へと取り込まれた対象を取り出す試みはすべて失敗に終わっています。
生産状態へと移行したSCP-419-JPは、取り込んだ生物の体内に有機組織を侵入させ、その生体構造を改造します、改造を施された対象は、体内で受精卵(正確には胚性幹細胞と思われる、体のどの部位にも成長できる原初的な細胞)を作り出し、その対象と同一のDNAを持つ個体(以下SCP-419-JP-B)を妊娠することが可能になります、また、この改造にはオスメス関係なく、妊娠部位も腹部、子宮に限定されず、複数個所に同時に発生することがCTスキャンにより判明しています、発生したSCP-419-JP-Bは通常の約█████倍の速さで急速に成長し、生殖が可能になる年齢まで達すると、出産され、SCP-419-JP外部へと排出されます、このプロセスにかかる時間は生物の種類ごとに異なり、また、大きな生物ほど大量に生産されます、特にヒト(Homo sapiens)個体の場合、SCP-419-JPから█時間で最初のSCP-419-JP-Bが排出され、約███時間かけて合計50体から100体前後のSCP-419-JP-Bが生産されます、生産終了後は、SCP-419-JP-Aは消失し、SCP-419-JPは非活性化状態に戻ります、この状態の内部調査をしたところ、取り込まれた対象が消失していることから、死亡したか、もしくは生産によって消費されたものと考えられています。
SCP-419-JPが生産行為を行っている最中に、SCP-419-JP付近の土壌が消費されていることが判明しています、消費されている土壌は全て一定の水分とミネラル分を含む土に限定されていて、砂や砂利、瓦礫などは消費されないことが判明しています。SCP-419-JPが接触部位からそれらの物質を吸収していることは確認されているが、消費された土壌から取り出すことのできるエネルギー量では、SCP-419-JP-Bを生産するためのエネルギー量には到底少なく、どのようにしてエネルギー変換を行っているかは不明です、また、土壌の吸収が遮断された場合はSCP-419-JP-Bの生産数が著しく減少し、早期に非活性化状態へとなります。
また、SCP-419-JPの生産行為には休息期間が必要とされていて、非活性化状態から次の活性化状態絵に入るまでには、20日以上の休息期間を設けずに、4000日以上の生産を行わせた場合、長期間の休眠状態へと移行します、休眠期間は数十年間から、数百年にも及ぶと考えられていますが、長期の実験となるため、正確な休眠期間や、連続生産可能期間は判明していません、なお、この休眠期間に入った時にSCP-419-JP内部にいた対象は、SCP-419-JPの内部で休眠期間が終了するまで生命活動が維持されることを確認しており、休眠期間の終了後には再び生産状態へと移行されると考えられています」
空井「ええと・・・つまり、SCP-419-JPは内部に取り込んだ対象を、オスメス関係なく出産させ、大量のSCP-419-JP-Bを排出する・・・ってことですか?」
月島「ま、大体そんな感じの認識で大丈夫だろう、さて、このSCP-419-JPには添付資料があるから、それも読み上げるとしようか」
SCP-419-JP添付資料
黎明期
4世紀頃にイースター島へ移住してきたポリネシア人がラノ・ララク(イースター島に存在する噴火口跡)にてSCP-419-JPを発見し、その性質について実験をしていたことが分かっています。彼らはオブジェクトの異常性によって生産されたSCP-419-JP-bを"祖先の霊による恵み"だと解釈し、一ヶ月に約1度の信仰の儀式とともにオブジェクトによる家畜の繁殖を行っていました。次第に彼ら独自の宗教文化を形成していき、7世紀頃からSCP-419-JPを模した祖先の像を作るようになりました。
文明の発達と崩壊
先祖信仰の文化はそれから600年程続いていましたが、生活が豊かになってくると島民は食料だけでなく、モアイ製作と運搬に必要な奴隷も生産するようになったとされています。
移住期の島民はオブジェクトの特性を知っており休眠期を設けない範囲での使用方法をわきまえていましたが、時代が変わり人口が多くなると先祖崇拝の儀式とされていたSCP-419-JPの使用は食糧生産のために頻繁に行われるようになりました。そして長い休眠期があることを知らない島民らはひたすらSCP-419-JPに生産を行わせました。
SCP-419-JPがひとつ休眠状態に移行すると、シワ寄せによって使用頻度の増加した個体が同様に休眠状態に入り、次々とオブジェクトは使用不可に陥ったと考えられています。特に需要のあった食糧用の家畜の生産が激減し、オブジェクトによって消費された土壌では作物が育てられず、同時に奴隷の急増によって人口爆発を起こしていたため、島民らは深刻な食糧不足に悩まされました。漁業や脱出用の船を作る資材もすでに無く、供給が断たれたことによって島民同士の資源を奪い合う抗争が勃発したとされており、食糧不足から人肉食のための狩猟が行われていた記録も見つかっています。抗争と混乱の中で活性化状態のSCP-419-JPを奪い合い、時には奪われる前に破壊し、休眠状態となったものも同様に多くが破壊されました。
住民は解決策を求め、SCP-419-JPが発見されたとされるラノ・ララクから材料を削り出し、よりSCP-419-JPに近い造形の像を生産し続けました。当然ながら異常性が発揮されるはずもなく、ただモアイ像だけが増えていく結果となり、末期には生産途中のまま打ち捨てられた多くのモアイがラノ・ララクに見られました。
文明のリセット
抗争と飢えにより島民は1度全滅したと考えられています。その後、数十年の空白の期間を経てオブジェクトが休眠期から回復し、残っていた僅かな家畜たちを生産し、同時に奴隷を生産する為に動かされていたオブジェクトから生産されたSCP-419-JP-bが現在表向きに公表されている生き残りの島民とされています。この文明リセットにより1722年にヨーロッパ人が島にたどり着いた時に、島民は石器時代と同様の生活レベルだったとされている理由です。
人間にとってメリットをもたらすオブジェクトが異常性によってではなく、皮肉にも「異常性を失くした」ことで文明を滅ぼした、非常に稀有な例となりました。
月島「・・・ま、つまりは、これがイースター島での本当の歴史だね」
空井「・・・なんというか・・・人間にとってメリットをもたらすはずのSCPも、こんな使い方をすれば、人間にとって害を成すんですね・・・」
月島「ま、SCPなんてそんなもんさ、SCP財団本部にあるSCP-500だって、人間にとってメリットしかないSCPとされているが、それを二日酔いに使用する職員もいる、結局はSCPも使いようによっては、人類にとってメリットにもデメリットにもなりうるって事さ・・・さて、次のSCPに行こうか、次のSCPは・・・こいつだ」
月島「SCP-282-JP、注視者、オブジェクトクラスはEuclidだ。
SCP-282-JPは、サイト-81██の金庫に、不透明な袋に入れて厳重に保管します、このとき、SCP-282-JP実例は、お互いに30cm以上の距離を保つようにします、金庫の開錠及びSCP-282-JPへのアクセスはセキュリティクリアランスレベル4以上の職員3人以上の許可が必要です、実験を除き、SCP-282-JPのディスプレイ部は注視してはいけません、不注意によりSCP-282-JPの影響を受けた職員は即座にクラスA記憶処理を施されます。また、未収容のSCP-282-JP実例は保管されなければなりません。
さて、ではSCP-282-JPの説明へと移るぞ、SCP-282-JPは箱型の一つの面にディスプレイがついたデバイスです、財団では現在2例のSCP-282-JP実例を収容していま。SCP-282-JP実例にはそれぞれ異なる数字が刻印されていて、それぞれ、005、031と刻印されています。そのため、これら以外に少なくとも29例のSCP-282-JP実例が存在していると考えられていて、調査が進められています。
SCP-282-JPを目視すると、通常ディスプレイに記号化された表情が見えます、表情は音や接触などの外部からの刺激に反応し、変化します。しかし変化には一貫性が見られず、知性や自我があるかどうかは、議論されています。SCP-282-JP実例同士を近づけるとそのディスプレイには一般的に電波を表すギザギザの図形が表示され、この表示はお互いの距離が30cmに近づいてから、およそ3秒間継続し、その後は通常時と同じになります。その3秒の間にお互いを30cmより離すと、ディスプレイは5秒間赤一色になります。その後は通常時と同様に表情を示します、長い時間SCP-282-JP実例同士が30cm以内の距離にある場合は、およそ13時間毎にこの表示が繰り返されます。この表示の意味については現在調査中です。
SCP-282-JPのディスプレイを10秒以上注視した人間はSCP-282-JPの影響を受けると考えられています(以下影響を受けた人間を被験者と表記)。写真などの間接的な観測では影響を受けることはありません。この影響は一度受けたら永続しますが、クラスA記憶処理により回避することができます。SCP-282-JPの影響を受けた直後から、被験者はSCP-282-JPのディスプレイにある映像を見るようになります。被験者はSCP-282-JPのディスプレイに様々な映像を観測します。映像のその時々により映像が異なることと、さらに二人以上の被験者で観測したとき、それぞれが同じ映像を見るとは限らないことが判明しています。この映像は影響を受けていない人間は観測することがないことが実験により分かっています。また、影響を受けている受けていないに関わらず、写真やビデオ中継、録画映像ではディスプレイは真っ黒に見えます。
SCP-282-JPの映像を見た人間は自分が誰かに見られていると訴えます。この妄想は影響を受けた被験者全員必ず見られる共通の症状です。次いで、テレビやモニター、窓ガラスや鏡、あるいは暗い穴や隙間などに視線を感じ、それを見たり、近付いたりすることに恐怖を感じます。また、被験者によってはそれを排除しようとします。しかし、今までに被験者からはそこに何が見えるという報告はされていません。監視妄想は時間の経過と共に悪化することがわかっています。SCP-282-JP対しても僅かに嫌悪感を示しますが、被験者は皆SCP-282-JPのディスプレイを見なければならないと訴え、それが叶わないと状況下では明らかに焦燥し、暴力的な手段を取ります。およそ1ヶ月後から、被験者は身の回りにある光を反射するもの、あるいは何かを映すようなものを極力排除し、それができない場合は何らかの手段により破壊しようとします。2ヶ月後には瞳に対して恐怖を抱き、写真やイラストなどにある目やそれに類似するものを塗りつぶしたり破いたりしようとします。そして、3ヶ月後には他の人間には他の人間の視線を極端に嫌うようになり、自ら人間を避けるか、あるいは暴力的な手段によりその人間の目を潰そうとします。それ以上の症状の悪化については罹患者が報告の拒否、自殺、もしくは他殺のため、詳細は分かりません。
2005年、8月8日、2つのSCP-282-JP実例がサイト-8128に移送されました。この時点ではSCP-282-JPの異常性は明らかになっておらず、サイト-8128の多くの職員が影響を受けたと考えられています。これが後述の事件記録-いにおける事件を招く結果になりました。」
月島「ま、大体はこんな感じのSCPだね、簡単でいいから要約してみ?」
空井「えっと・・・ディスプレイを見ると、色々な映像を見るようになって、影響を受けた人は徐々に光を反射するもの、視線を嫌うようになり、死ぬ・・・って感じですかね」
月島「おk、ちゃんと分かっているようだね、ちなみに、SCP-282-JPはこんな感じの見た目をしている」
空井「こんな可愛い見た目してるのに能力は結構悪質なんですね」
月島「まあ、SCPだからな」
空井「その便利な用語やめてください」
月島「はは、さて、では次は今まで報告されている映像、そして事件記録-いを見てみるとするか」
今まで報告された映像リスト
サイト-8128のラウンジ(20分間、映像は1つのSCP-282-JP実例に映ったもので、その時間は別のSCP-282-JP実例がそのラウンジに置かれていた)
一般的な日本人家庭の居間(3時間、家人が気付く様子なし、詳細未特定)
██博士の自室(24時間)
森の中(5分、詳細未特定)
前述の電波を表すような表示(3秒、██助手が1つのSCP-282-JP実例に顔を近づけた時。他のSCP-282-JP実例は近くにはなかった)
50の人間が無表情でこちらを見ている映像(25分、29人がサイト-8128職員・10人が他の所属の財団職員と同定、他は詳細未特定)
サイト-8173の監視カメラ3番と同じ映像(5時間)
サイト-8128の2F男性用トイレ(9時間)
詳細不明の映像(少なくとも3時間、観測した職員は吐き気や頭痛を訴える)
██助手を追う映像(1時間、撮影者から逃げているように見える、映像最後で██助手は撮影者にナイフで刺殺される、後に██助手の遺体を発見、実行犯と考えられる███博士は別の場所で自殺)
オフィス用デスクの上にサイト-8128職員3名の生首(15分、該当する3名の職員はSCP-282-JPの影響を受けておらず健康状態に問題なし、後に下記暴動により死亡)
この後サイト-8128職員の大多数の要請により、SCP-282-JP実例は全て2005/9/29にサイト-81██へ移送される
サイト-81██の金庫室(5時間、2005/10/21にSCP-282-JP実例にアクセスした際の様子を天井からの視点で映している)
SCP-282-JP実例2つ(50時間、記事写真と同じ)
SCP-███-JPに関する情報(この件によりアクセスレベル引上げ)
月島「また、SCP-282-JPの影響を受けた人間の一部には、自分の視界が突然SCP-282-JPに置き換わる現象を報告している、さて、では最後に、事件記録-いを見てみようか」
事件記録-い: 2005/11/02にサイト-8128にて職員による暴動が発生。緊急隔離されたSCP収容区画を除いて内部設備のほぼ全てが破壊されていたため詳細はわかっていません。ほぼ全ての遺体において目の周囲の損傷が激しかったものの、全員の身元の確認ができ、生存者は1人もいなかったことがわかっています。サイトの各所に描かれていた瞳を表すシンボルは、主に他職員を殺害し眼球周囲を破壊した複数人の職員の手によるものだと判明していますが、その意味は不明です。暴動の原因は直接的あるいは間接的にSCP-282-JPにあると考えられています。サイト-8128は建て替えられ、現在では何の異常も発生していません。
月島「とのことだ」
空井「これは・・・」
月島「こういうことが起きるから、財団は常にオブジェクトの効果を把握していなければならないのさ、ま、これは極端な例かもしれないがね、さて、では最後のSCPに行くとしようか、最後のSCPは・・・こいつだ」
月島「SCP-228-JP、霧の男、オブジェクトクラスはKeterだ、SCP-228-JPが出現する公園敷地内は、現在サイト-81██として指定されています。サイト-81██周辺地域に霧の発生が予報された場合、サイト-81██内の遊歩道に、隠しマイクを装備したレベル3SCP-228-JP職員を4名以上巡回させてください。職員はSCP-228-JPを捜索し、発見次第、財団支給のサイレンサー付き拳銃で射殺してください。SCP-228-JPとの会話は禁止されています。SCP-228-JPと会話した場合、またはマイクの電源を切るなどして音声監視を遮断した場合、当核職員は拘束、または終了させられます。SCP-228-JPの処理現場を目撃した民間人は即座に拘束し、クラスA記憶処理を行ってから解放してください。
SCP-228-JPの概要、SCP-228-JPは████県に位置する████公園が霧に覆われた際、公園内に不定期に出現する人型実体です。黒いスーツを着た、男性のような姿をしていますが、常に濃い霧にSCP-228-JPが包まれているため、詳細な観測は成功していません。霧が自然に晴れるか、SCP-228-JPに接触した人物との会話を終えると、SCP-228-JPは消滅します。SCP-228-JPの出現中には人工的な風で霧を解消することはできず、この理由は現在判明していません。
SCP-228-JPは、公園内を徒歩で徘徊しており、自分からは他人に接触しようとはしません。他人がSCP-228-JPに接触を試みた場合、SCP-228-JPは初老の男性の声で会話を始めます。話の内容は主に天気や服装、連れているペットについてなど、多様な雑談から始まりますが、198█年以降の時事問題に触れることはありません。会話を進めると、SCP-228-JPは犯罪心理学に関する話題を持ち出し、自分はその研究者であることを名乗ります。SCP-228-JPは「この公園で殺人が行われたら」と仮定し、被験者に例を挙げさせようとします。
SCP-228-JPは対象から提示された例に納得した様子を見せた場合、近日中にその内容に沿った内容の殺人事件が、日本内の公園のどこかで発生します。この事件の容疑者は、自分の意志で犯行に及んだと供述しており、SCP-228-JPとの関連性は現在確認されていません。
また、SCP-228-JPを納得させられる回答ができなかった場合、または回答を拒否した場合には対象は全身の麻痺を発症し、数秒後に心臓麻痺により死亡します。現在まで、蘇生の試みは成功していません。対象の死亡後、SCP-228-JPは霧に隠れるようにして消滅します。なお、殺害方法例の定時前であれば、SCP-228-JPを殺害することで無力化できます。死亡したSCP-228-JPも同様に消滅します。
SCP-228-JPの封じ込めのための公園の破壊は、SCP-228-JPの転移が予想されるため、保留されています。同様に、公園全体の封鎖は、公園が都市部にあり、長期にわたる封鎖とカバーストーリーの流布が困難であるため、保留されています。また████地方に霧が発生することは年に1~2回程度であるため、現在の収容方法で十分であるとの結論が出ています。詳細は議事録228-JP-3を参照してください。」
空井「ええと、月島さん」
月島「なんだい?」
空井「ここまで見ても、その、SCP-228-JPがKeterだとはいまいち思えないのですが・・・」
月島「ふむ・・・まあ、それもSCP-228-JPに対する実験記録を見れば分かると思うから、それを見てみようか」
実験記録228-JP-1 - 日付20██/██/██
対象: D-228-JP-1
方法: 「公園内で遅効性の毒薬入り飲料を飲ませたあと、公園外で死亡させる」方法を提案。
結果: SCP-228-JPは「それは私の提示した条件に反する」と回答。D-228-JP-1は心臓麻痺で死亡。
分析: 「対象を公園内で殺害」することが必須条件である模様。
実験記録228-JP-2 - 日付20██/██/██
対象: D-228-JP-2
方法: 「衆人環視の中、大声で[編集済、財団職員のみが知りえる情報]と叫んでから堂々と刺殺」する方法を提案。
結果: SCP-228-JPは「変わっているな」と回答。翌日、同様の事件が████県で発生。ただし叫んだ言葉は支離滅裂な内容であった。
分析: 提案と同様の事件は発生するが、完全に再現するわけではない。
補足: この実験は「SCP-228-JPに納得されない」または「財団職員のみが知る情報を含めることで民間人は被害者にならない」という結果が予想されていました。実験結果を受け、より確実に民間人の安全を確保できる実験方法を検討するよう研究チームに厳重注意がなされました。
実験記録228-JP-3 - 日付20██/██/██
対象: D-228-JP-3
方法: 「D-228-JP-4を公園に呼び出して後ろを向いたところを絞殺」する案を提案。D-228-JP-4は財団で拘束中。
結果: SCP-228-JPは少し考えた後で「君の考えたプランは、どうやって呼び出すかが考慮されていない、まったく浅はかなものだ」と回答。D-228-JP-3は心臓麻痺により死亡。
分析: 名指しの殺害は現実的な可能性が必要。おそらく明らかに動機がない殺人も却下されるだろう。
実験記録228-JP-4 - 日付20██/██/██
対象: D-228-JP-4
方法: 「地雷を埋めておいて踏ませる」案を提案。SCP-228-JPの承認後、地雷を████県████公園の敷地の境界線付近に埋設。D-228-JP-5を公園敷地外の地雷の直近に配置し、D-228-JP-6に公園内の地雷を踏ませる。
結果: D-228-JP-5、D-228-JP-6ともに死亡。その後同様の事件は発生していない。
分析: SCP-228-JPの影響する事件は、財団が故意に起こすことで民間人の被害を防ぐことができる。またSCP-228-JPの影響する事件は、公園外にいる無関係の人間も巻き込むことができる。
実験記録228-JP-5 - 日付20██/██/██
対象: D-228-JP-7
方法: 「SCP-███-JPを使って殺害する」案を提案。SCP-███-JPはサイト-81██に収容中のSafeクラスオブジェクト。特異性に殺傷能力はなく、鈍器として扱わない限り、人体に危害を加えることはない。実験に先立ち、高セキュリティ収容室に移動。
結果: SCP-228-JPは承認。直後、████研究員として財団に勤務していた要注意団体のスパイによりSCP-███-JPの収容違反が発生。████研究員はSCP-███-JPを[編集済]という方法で、再収容までに財団職員██人を殺害した。████研究員は拘束前に自死した。殺害場所にはサイト近傍の████公園が含まれていた。
分析: SCP-228-JPがどういう基準で提案が可能か不可能かを判断しているかは不明だが、承諾されさえすれば、それは必ず発生すると思われる。たとえば 「中性子爆弾を爆発させ、自分もろとも相手を殺害する」とか「Keter級SCPオブジェクトの収容違反を起こして地球ごと破壊する」といった通常ありえない方法であっても、彼が「納得」しさえすれば確実に発生するだろう。
月島「さて、ここまで実験記録を見ても、まだ理由が分からないかね?」
空井「はい・・・」
月島「まあ、このオブジェクトは、数あるKeterクラスのSCPの中でも、まだマシな方の分類に入るだろうね、だが、それは、ただマシなだけだ、例えば、この公園は封鎖することは難しい、よって、最悪民間人がSCP-228-JP発生中に入り込み、SCP-228-JPと接触し、SCP-228-JPが納得する回答を示し、その通りの殺人事件が起こってしまうかもしれない、実際、その付近の小学校では一時期、”霧じじい”として、SCP-228-JPが広まってしまったこともある、まあ、そのときはとあるエージェントにより、なんとかなったがね」
空井「だったら別にKeterなんかじゃなくても・・・」
月島「もしも、民間人がSCP-228-JPと接触してしまい、SCP-228-JPの話を間に受けず、核で殺す、なんて言ったら?もしも、それをSCP-228-JPが納得してしまったら?それは、僅かな可能性の、もしもの話でしかない、しかし、財団はそのもしもすら許してはいけないのだよ、もしそのもしもが起こってしまったら、もうその時にはいかに財団でも手遅れなのだよ、だから、そのもしも、は起こしてはいけない、だからこそ、こいつはKeterクラスなのさ・・・納得いったかい?」
空井「ええ・・・まあ、なんとなくは」
月島「ま、こいつ以上のKeterクラスとか平気でいるからな、そこらへんは気にしてはいけない、さて、では次に、インタビュー記録を見てみようか」
インタビュー記録228-JP-1 - 日付20██/██/██
対象: SCP-228-JP
インタビュアー: ████博士
付記: SCP-228-JPが殺害方法の提示を求めた場合、即座に射殺することを条件とする。
<録音開始>
████博士: こんにちは、今日は霧が濃いですね
SCP-228-JP: やあ、こんにちは。そうですね、でも私は霧が好きですねえ、風情があって。
████博士: そういえば以前も霧の中であなたを見かけましたよ。
SCP-228-JP: そうですか、私はよくこの公園を散歩しているので、きっと私でしょうな。
████博士: そのとき、[D-228-JP-2の風貌]のような人と会話していませんでしたか?
SCP-228-JP: ええ、いつのことだったでしょうか、彼とはとても楽しく散歩ができました。
████博士: では、彼が話した内容と類似した事件がその後発生していたことを知っていますか?
SCP-228-JP: ニュースで見ましたよ。あれは痛ましい事件でしたねえ。
████博士: では(D-228-JP-4の写真を提示)この人物は知っていますか?
SCP-228-JP: ええ、彼ともこの公園で会いましたね。なかなかユニークな人でした。
████博士: 彼が話した内容と類似した事件が発生していることも、ご存知ですか?
SCP-228-JP: もちろんです。このご時世に地雷とは、どうやって用意したものなんですかねえ。物騒になったものです。
████博士: 実はその事件の詳細は、一般には公開されていません。もちろん地雷が使われたことも、公には別の情報が流布されています。なぜあなたが事件のことを知っているのですか? それともあれはあなたが起こした事件なのですか?
SCP-228-JP: (笑いながら)私には友人が多いんですよ。実は私は犯罪心理学を研究していて、いろいろな情報を教えてくれる人がいるのです。それを総合した推理の結果ですよ。さて参考までに、もしあなたならこの公園内でどうやって人を殺すか、お聞かせ願えますか?
████博士: こうやるよ。
[発砲音]
<録音終了>
終了報告書: SCP-228-JPは前回以前の出現の記憶を持っており、何らかの方法で事件の発生を知覚している。方法は不明。
追記: インタビューから1ヵ月後、████県の公園で射殺体が発見されました。████博士の最後の回答が、殺害方法例の提示と判断されたものと思われます。直後にSCP-228-JPが死亡、消滅しているため、SCP-228-JPが反応を示すことができなくとも、SCP-228-JPの影響を受けた事件が発生することが判明しました。
月島「さて、では、これが今回の最後、SCP-228-JPについての補遺を読もうか」
空井「ほいほ~い!」
月島「トマトぶつけんぞ」
空井「すみませんでした」
補遺: ████大学で犯罪心理学の教授をしていた██████氏が198█年以降行方不明になっています。教授の長女は197█年に行方不明になっていましたが、████教授の失踪の前年に████公園の雑木林で白骨死体が発見されています。████教授とSCP-228-JPの関連性は不明です。
月島「さて、では、今回の紹介はこれで終わるとするか、あいつの拷問を受けてる二人をもうそろそろ助けないとだしな、全く、あいつも人のこと言えないだろうに・・・」
空井「あ、僕もいきま」
月島「お前は来るな、慣れてない奴があいつのコレクションみたら最悪トラウマになるぞ」
空井「なんですかそれ新手のSCPですか・・・一体あの人のおたからがぞうってなんなんですか?・・・」
月島「そうだな・・・お前、ネクロフィリアって知ってるか?」
空井「え、ええ、確か死体しか愛せない人たちでしたっけ?それがなにか・・・まさか」
月島「そのまさかだ、御手洗は財団に入る前は腕がいいと評判の医者だったんだが、どこで道を踏み間違えたのか、あるいは最初から歩むべき道が間違っていたのか、死体しか愛せないそうだ、それでも死体なんてそうそう見れるものじゃないから、手術中の解剖で我慢してたらしいがな、あいつも、あと1mm道を踏み外してたらDクラス職員だったかもな、さて、そんなやつのお宝画像だが・・・見たいか?」
空井「遠慮させていただきます」
月島「懸命な判断だな、さて、じゃあ私は行ってくるわ」
空井「気お付けてくださいね、月島さん」
月島「わかってる、油断しなければ吐くことはない」
空井「(昔吐いたんだろうなあ・・・)」
空井「・・・さて、じゃあその間に・・・掃除でもしてるかな、聞いた感じ重要な資料とかは個人で保管してるだろうし」
―――さて、これからお話するわ、SCP財団日本支部のとあるサイトの奇妙な日常、さてさて、今度の彼らの日常はどんなのかな?
どうも、作者です、さっき英雄の船ってゲームやって[編集済み]点取ってきました
さて、小話はさておき、今回初めてのSCP紹介でしたね、いかがでしたでしょうか?見辛い、わかりづらい等のご指摘は随時募集しております。
今回使用SCP、tale
SCP-JP
SCP-419-JP イースター島異譚 http://ja.scp-wiki.net/scp-419-jp
SCP-282-JP 注視者 http://ja.scp-wiki.net/scp-282-jp
SCP-228-JP 霧の男 http://ja.scp-wiki.net/scp-228-jp
tale-JP
夏休みの偽装工作──SCP-228-JP隠蔽任務 http://ja.scp-wiki.net/shinjimao02
当然、本家の方が分かりやすく、画像もあるので、ごじかんあれば見ていってみるのも良いと思います、もちろんこれをきっかけにSCPの世界へとのめり込んでくれれば喜ばしい限りですミーム汚染?はは、何を言っているんですか。
また、SCPの紹介リクエストは随時活動報告にてお待ちしております、もちろん、本家、J、他の支部のSCP、未翻訳のSCP、taleでも構いません。
それでは、皆さん、また次のお話で会いましょう、それでは、ノシ
前回あとがきでの使用SCP(毎回最初と最後にネタを挟むから考えてみると面白いかも知れない)
SCP-240-JP 0匹のイナゴ http://ja.scp-wiki.net/scp-240-jp
今回出てきたサイトの種類
サイト-8173
SCP-073-JPの棲息する池の周りを囲むように建造されたサイトです。現在は動植物型オブジェクトを中心に、低危険度オブジェクトの保管・研究が行われています。
サイト-8128
███県の山中に新規に建造されたサイトであり、以前はSCP-282-JPの研究が行われていました。危険性の高いオブジェクトを収容・研究するための最新の設備が備えられています。現在はSCP-134-JPなどが収容されています。
スゴイやお馬さんの高速移動!