魔法科高校の月島さん(モドキ)   作:すしがわら

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予定よりも長く音沙汰無しでいて申し訳ありませんでした。

これからは感想への返信、過去話の修正等を順次行っていきます。
なお、過去話の修正は表現などの細かい点のみの予定ですので、話の内容そのものは変わりません。なので、読みなおす必要は特にありません。

そして今回は「?編」なとど意味深なサブタイトルですが大したものではなく、偏と編の間の話というだけです。
「捏造設定」等が多々含まれています、ご注意ください。



これも月島さんのおかげ?


?編:月島昊九郎について

 

 

「あいつって普段は物静かにしてて近寄り辛い感じがするけど、実際話してみると結構面白いぜ?なんだかんだ言って付き合いもいいしな」

西城レオンハルト(1-E)

 

 

 

「んー、ちょっと掴みどころがないけど良い奴だとは思うよ?…結局、実力がどれくらいなのかがわかってないのは不満だけどね」

千葉エリカ(1-E)

 

 

 

「えっと、私はそんなに親しくはないですけど、凄い人だとは思います。…それ以上に不思議な感じがする人ですけど……」

柴田美月(1-E)

 

 

 

「クラスメイト。……他に?…「本の虫」って言葉が彼以上に似合う人は他にいない…かな?」

北山雫(1-A)

 

 

 

「勘違いする人もいますけど、月島さんは優しい人なんですよ?魔法実技の授業のペアの相手の人に丁寧で的確なアドバイスをしてあげてたりもするんです。頼み事も断ったりしません。あと、少しキツイ事を言ったりもしますけど、それは相手の事を考え(以下略」

光井ほのか(1-A)

 

 

 

「真面目な奴だ。風紀委員としての仕事は報告も含めちゃんとやっている上に、事務仕事も積極的にやってくれるから助かっている。…しかしだな、「最善」と思えば単独行動をするところは何とかしてほしい」

渡辺摩利(風紀委員長・3年)

 

 

 

「摩利を探して『生徒会室』に来ることがあるくらいかしら……あっ!そういう時は決まってあーちゃんをからかってから帰るの!なんていうか、足して割りたいわよね、あの二人って」

七草真由美(生徒会長・3年)

 

 

 

「彼ですか?風紀委員の事務か何かの用事で委員長を探しに『生徒会』に来ますから知っていますが、特には。後は、彼の作る書類は綺麗だということくらいですね」

市原(いちはら)鈴音(すずね)(生徒会役員・3年)

 

 

 

「月島君ったら、いつもからかってくるんですよ!?口では「先輩」って言いますけど、絶対私のこと年下扱いしてます!……風紀委員の仕事は真面目にやってるそうですから、文句は言い辛いんですけど…」

中条あずさ(生徒会役員2年)

 

 

 

「「恩人」、かな?あの時、彼がいなかったらきっと今の私は存在しなかったと思うから、この言葉で合ってると思うよ。お父さんも「一度会ってちゃんと礼を言いたい」って言ってたわ」

壬生紗耶香(剣道部・2年)

 

 

 

「敵だ。いつか絶対に勝負の場に引っ張り出して、その剣を俺の剣で打ち負かさんと気がすまない」

桐原武明(剣術部・2年)

 

 

 

「少し頑固なところはありますけど、真面目で模範的な優等生かと。ただ、その落ち着き様と雰囲気のせいか同じ学年だとは思えないことと……あとは、やはりいつも本を持っているのが印象に残っています」

司波深雪(1-A)

 

 

 

 

 

「そういうお兄様はどう思われているのですか?」

 

「大体は深雪と同じだよ。…ただ、どこか底知れない感じがして、少し気になるところがあるかな」

 

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

その日、達也と深雪はとある寺院…九重寺に訪れた。

 

そこで待っていたのは、この寺院の住職であり古式魔法の伝承者である『忍び』九重(ここのえ)八雲(やくも)だった。達也たちにとっては師でもある存在だ。

 

彼は達也と深雪を庫裏(くり)へと迎え入れその縁側に座る。

それにならい達也と深雪も縁側に腰をおろすと、達也はさっそく話を切り出した。

 

 

「それで、月島昊九郎については何かわかりましたか?」

 

達也の問いかけに、九重八雲は困ったように自身の頭の後ろを撫でるようにした。

 

「いやぁ、それが困ったことに特に何も無かったんだよ」

 

「何もですか?」

 

不審に思い聞き返す達也に、九重八雲は首を振った。

 

「いや、別に情報が何も無かったわけじゃない。ただ達也君が望むような内容は無い。「いたって普通の」情報しか無かったんだよ」

 

 

そう言い、九重八雲が語ったのは何の変哲の無い一人の人間の半生だった。

 

 

「…と、おおよそこんなところだね。…あえて特筆するとすれば、彼の家系には魔法師は母親の一人しかいないのに、彼自身はかなりの才能を持っているようだということくらいかな」

 

「そうですか…」

 

難しい顔をして唸る達也に、少し首をかしげる九重八雲が問いかける。

 

「どうして達也君は彼をそんなに気にするんだい?」

 

怪しいところの無い真っ白な経歴の人を気にかけているとなれば、当然と言えば当然の質問だった。

 

 

「それは、今回の一件で彼に不明瞭な点があったからです」

 

「お兄様、それはいったい…?」

 

深雪の問いに頷いた達也は、自分の感じたことを述べた。

 

「深雪も疑問に思っていたことだが、魔法を使った戦闘経験が皆無に近かったあの月島が、ほんの一日そこらで侵入者を無傷で取り押さえられるレベルになるとは思えないんだ」

 

「ほう…「あの月島」というと、何かあったのかな?」

 

「ええ、実は……」

 

九重八雲の質問に達也は、ブランシュ事件の2日前にあった月島とエリカの試合の出来事を説明した。すると九重八雲は「なるほど」と頷いた。

……が、今度はそれを聞いていた深雪が首をかしげて言う。

 

「ですが、お兄様。彼がテロリストを瞬時に倒してみせ、魔法を併用した剣技で壬生先輩を倒したことは、倒された壬生先輩ご本人から確認したと…」

 

「ああ、()()()()()事実だろうと判断した。あの時はな」

 

そう言ってから一旦話を切った達也は「…だが」と言葉を続ける。

 

「やはり1日ほどでその域に達するのは無理がある。可能性があるとすれば、最初から実力を隠していたか、もしくは急速に開花するほどの潜在能力……例えば『十師族』のどこかの人間であるか…だ」

 

「それはもしかして」

 

「私たちのような…?」という続きの言葉は深雪の口から出てくるには至らず、そのまま飲み込まれてしまったが、達也には深雪の言わんとすることが伝わっていた。

 

 

「なるほど、だから血縁関係に関しては前もって念入りに調べるように言ってきたのかい。…だけど、残念ながら彼は血縁どころか知り合いに関しても、あまり魔法師には縁がなかったよ。あって『森崎家』くらいで『十師族』には程遠いね」

 

「そうですか…」

 

「だけど、もしかしたらその彼に関係するかもしれない情報があったよ。けど…」

 

何故か言葉に詰まり、深雪を見る九重八雲を達也は不思議に思ったが、話を続きを促すように「お願いします」と言った。すると小声で「すまない」と言ってから、その情報について話しだした。

 

 

「これは警察へと引き渡された後の襲撃犯たちに関する情報なんだ。知っているとは思うけど、大なり小なり傷を負ったものやそれ以上の者もいて、様々な場所に収容されているんだ」

 

ここで達也は先程の「すまない」の意味に気がついた。

この話に出てくる「それ以上の者」の中に、深雪の精神干渉系魔法『コキュートス』によってコールドスリープ状態になった人間も入っている。そしてその事を深雪が気に病んでいる部分があることを知っていたので、話す前に謝ったのだろう。

 

「そして、事情聴取が可能な者に対しては様々な事を尋問したらしいけど、その中に「図書館へと行った」と言う者は()()()()()()()()そうだ」

 

「一人も…?いや、確かに縛り上げられた襲撃犯が5人はいたはずですが」

 

「らしき人物はいるにはいる。だが、確認の取りようが無いらしい。その5人がロクに意思疎通ができる状態じゃないそうだ」

 

どういうことかと戸惑いを見せる深雪。対して達也は眉間にシワを寄せ、表情をいっそう険しくした。

 

「その5人全員が、生きていながら中身がからっぽだそうだ」

 

「「からっぽ?」」

 

「専門家によれば、肉体と精神体が完全に離れてしまっているらしい。故に感情も意思も記憶も存在しない状態になってしまっているらしく、その上『精神干渉』の痕跡も無く、打つ手が無いらしい」

 

「…そんなことが有り得るんですか?」

 

「理論的には…だそうだ。なんでも、肉体と精神体を結ぶ『幽体』がボロボロになってしまうことで起こりうるらしい」

 

達也と深雪…特に深雪が顔をしかめた。

そして、達也は肝心の部分を聞く。

 

「それで、そんなことを魔法で意図的に引き起こせるんですか?」

 

「方法は至って単純だけど、とても困難だろう。なんていったって、精神体に超過度のストレスを与えることで、機械でいうところのショートのような事象が起こる()()()…って話なんだからね」

 

「精神体にストレスを?どういうことでしょう…?」

 

「驚きとか悲しみといった、そういうショックの(たぐい)でいいらしい。ただ超過度って言うだけあって、ほぼ机上の空論だったそうだよ」

 

九重八雲が言うには「起きる・起こせるとは言われていたが、実際に起きた実例は無かった」そうだ。精神干渉系の魔法が使われたような痕跡も無いとなると、さらに可能性は狭まるだろう。

…では、何故そんなことが図書館を襲撃した者たちに起こったのか。九重八雲を含め、三人とも首をひねった…。

 

 

 

 

 

「……いや、案外簡単なことかもしれません」

 

静寂を破ったのは達也だった。そして、とある仮説を話しだした。

 

「もし、限りなく現実に近い幻覚を見せ続けることができれば、精神体にストレスを与え続けることは可能かと」

 

「確かにそれなら幻覚の内容によってはできるかもしれない……けれど、そんなことが彼に可能なのかい?」

 

「それはわかりません。ですが、もし彼が「対象に任意の幻覚を見せることができる」ような魔法を独自に扱えるとすれば色々と納得できる部分があります。例えば彼が1日で強くなった理由。そのような魔法を隠し持っていれば問題無いでしょう。敵であるテロリストには過激な幻覚を見せ、学校の生徒である壬生先輩には負ける幻覚を見せればいいだけですから」

 

 

さらに達也は「それに…」と言いかけて……言うのを止めた。

 

エリカとの再戦をしたがらないのは、壬生先輩の記憶にある月島が幻覚であった可能性を知られないため……などの仮説はいくらか建てられるが、まだ()()()()()()()があったため、達也はこれ以上の先入観を持ってしまうのは好ましくないと考えたからだ。

 

 

そして、一通り情報を得た達也と深雪は帰路へとついた。

 

 

―――――――――

 

 

達也には、まだ誰にも話していないことがあったのだ。

 

それはブランシュ事件の日、図書館へと急行した際に『精霊の眼(エレメンタル・サイト)』で図書館内部を観ようとしたときのことだった。

 

寝かされた人、縛り上げられている人、縛り上げている人……それらの形を認識することは出来た。

だが、()()()()()()()()()()()()()()()()。それらをそれぞれ上から塗り潰すように軽くノイズのようなものが走っていたからだ。しかも、そのノイズは(さかのぼ)れば遡るほど…過去のエイドスになるほどそれは激しくなっていた。

 

達也にとって、そのような現象は初めてであり、何故そんなことになっているのか理解ができなかった。

『精霊の眼』はイデア(情報体次元)にアクセスすることで存在の認識をする魔法。本来であればイデア内にあるエイドス(個別情報体)を観ることもできる。

なのに、そのエイドスそのものにノイズのようなものが走っていて認識が阻害されていたのだ。

 

 

エイドスにノイズのようなものが走っていたのは、図書館全てとその中にいた人間全員。

そのノイズ自体は1日ほど経つといつの間にか無くなってしまい、普通の状態に戻ってしまったため、結局何だったのかは達也にはわからないままだった。ただ、あの日あの図書館の中で何か出来たのは月島だけであろうことを考えれば、おのずと答えは絞られてくる。

 

「あのノイズのようなものは月島によって起こされた何かの魔法の余波、もしくはそのもの」であると達也は自身の中でそう結論づける。

エイドスの認識そのものを阻害するような魔法があるかはわからない。故に、それが正解かどうかは達也自身もわからずにいた。だが、月島が何かを隠しているということはほとんど確信となっていたのだった。





……謎について書いていくつもりが、書き終わったら謎が増えてしまっていました。

お兄様が視たという「ノイズ」については、今後明かされていく予定です…。「捏造設定」なので、上手く話をまとめられるかはわかりませんが頑張ってみます。
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