魔法科高校の月島さん(モドキ) 作:すしがわら
「独自解釈」「捏造設定」「ご都合主義」「原作改変」等が多々含まれています!
つまりは大体タグ通り。
コンペ当日に突入する前段階のお話です。
つまり、次回からコンペ当日となります。
コタツとミカン、そしてアイスがあるのも、月島さんのおかげ。
『全国高校生魔法学論文コンペティション』をほんの数日後に控えたとある日の学食。
コンペメンバーである達也を筆頭に、それぞれが忙しかったこともあり、僕を含めた『お兄様と愉快な仲間たち』は久々に全員で顔を合わせていた。
「それにしても、意外ね。てっきり月島君はコンペの共同警備隊に参加してるって思ってたんだけど…」
「俺もそう思ってた。…で、月島に頼んで警備の手伝いをさせて貰おうって思ってたんだがな……」
そう言ったのは、少し前までふたりして学校を休んでいたエリカとレオ。
二人は何故か面倒事を引き受けようとする……というのも、数日間学校を休んでいたのはレオがエリカから必殺技(?)を教わるためで、せっかく習得したそれを使える場を探しているのだろう。
まあ、彼らの言っている「月島が警備隊に参加していると思っていた」という言葉については理解できる。事実、当初は僕自身もそうしようかと思っていたんだけど……
「生徒会の役割もあったからね。それに……最近、他にもしなくてはならないことがあったから、そっちの話に参加出来なかったのも一因かな」
僕がそう言うと、メンバーの大半は「…何のこと?」といった風に首をかしげた。
…だが、僕はそれを特には気にせずに、話題を進める。
「その話と全く関係無いわけじゃないけど……この前、演習場でしたっていう十文字先輩や警備隊の練習に、幹比古も手伝ったそうじゃないか。どうだったかい?彼らの様子は」
「えっ、ああ、うん。皆、意欲があって良い状態だったと思うよ。…ただ、十文字先輩を相手にする人たちはかなり大変そう…というか、大変だったんだけどね…。あはははっ…」
話を振られた幹比古は、しっかりと返答をするものの……こころなしか、目が少し泳いでいた。…ついでに言うなら、他には美月が顔を赤くしていたり……。
その二人の何とも言えない反応の原因は……アニメ通りならば、幹比古が参加したその日に、幹比古と美月の間でラッキースケベがあったから。
……だからと言って、その日の事を思い出すだけで反応するなんて…。前々から思ってはいたけれど、この二人は
「……で、月島さんがしていた「他のこと」って、何?」
話の途切れたところで、前の話を引っ張ってきたのは雫だった。
…幹比古と美月を中心に漂い出していた何とも言えない空気を振り払ってくれる一言ではあるのだが、その内容は正直なところ、僕としては面倒なものだ。
「さて、どうしたものか」と思いつつ、皆の様子を見てみると……僕の事情をおおよそ把握しているであろう司波兄妹は、そこまで関心があるようではないが、その他のメンバーは少なからずこの話題に関心を抱いているようだった。
特にエリカとレオ、そしてほのかが食いつきが強い。
前者の二人は「もしかして、活躍の場がある!?」といった雰囲気で目をらんらんとさせており、後者のほのかは「大丈夫ですか?危ないことだったりしませんか?」と潤んだ目で見つめてきている。
その様子に一つ大きなため息をついた後、僕は彼らに話し始める。
「どこから話すべきか……そうだね、僕の知り合いの女の子が青空の下で男の子に押し倒されたところから話そうか」
そう僕が言うと、例の初心な二人を中心に皆が驚いた顔をした。…それもそうだろう。事情を知らなければ、僕だってそういう反応をする。
とはいえ、変に話を膨らませてしまうのも面倒なので、早急にその女の子と男の子を明かしていく事にする。
「まあ、その押し倒したほうは、ここにいるレオなんだけどね」
「「「「「へっ!?」」」」」
皆がさらに驚き、視線は当然ながらレオに集まる。
当のレオも「オレェッ!?」と驚き、皆の視線には大きく首を振った。
そんなレオに救いの手を差し伸べたのは、みんな大好きお兄様だった。
ただし、直接的な救いの言葉では無かったのだが…。
「珍しいな。月島が中条新会長以外の人間をからかうのは」
「おや?レオ本人よりも先に、達也が気がつくのかい?」
「お前が何をしていたかを知っていれば、すぐにわかることさ」
僕と達也の会話を聞いて、皆は「いったい何のことだ?」と首をかしげる。
そんな中で、最初に「あっ!」と手を叩いたのはエリカだった。
「もしかして、月島君の知り合いの女の子って、平河千秋?」
「……ああっ!!」
エリカが言った後、数秒遅れてレオが思い出したようで、軽く声をあげて納得していた……が。
「アレは押し倒したってわけじゃなくて、取り押さえたってだけで……あれはとっさの行動で仕方なくてだな」
「知ってるよ。…まあ、そもそもあれはヤンチャしちゃった千秋くんに少なからず責があるからね」
僕がそう言うと、レオは安心したように息を吐いた。
「…あの、月島さん」
おずおずと僕に声をかけてきたのは、ほのか。僕が「どうしたんだい?」と軽く微笑みながら問いかけると、申し訳なさそうに口を開いた。
「その平河って言う人は確か……達也さんに変な因縁をつけてきて、コンペの実験の妨害をしようとしていた生徒でしたよね?」
「私もそうだと記憶してる。…月島さんの知り合いだったの?」
ほのかに続いて言ってきたのは雫。その二人様子から、皆の平河千秋の印象は相当悪いものだとうかがえた。
仕方あるまい。アニメでもかなり印象は悪い感じだった上に、そこに姉の平河小春が引きこもった原因が僕のままの状態で彼女は達也にちょっかいを出したのだ。もはや逆恨みにすらなっていない、ただの妬みからの行動だととられていることだろう。
だが、そうなることはあの時に挟み込まなかった時点で想定していたため、僕の中ではそこまで問題では無かった。
「彼女とは少し前からの付き合いさ。…でも、お姉さんの小春先輩のほうが接点があるんだけどね。で、そんな千秋くんの様子が少しおかしいと気付いたから、周辺を含め色々と調べていた……それが僕が最近やっていたことさ」
「おかしい…って。何か違和感でも感じたのかい?」
幹比古の問いに僕は頷いて言葉を続ける。
「ああ……春の『ブランシュ事件』の時に感じたものと近いかな?それで独自に調べてみたんだけど、やっぱり精神操作が行われていたんだ。どうやら思考をある方向に誘導するタイプのものみたいで、小さな
「なるほど……それで、あんな無茶苦茶な理由で達也を狙っていたんだね」
そう言って頷く幹比古。だが、皆が皆納得しているわけでは無く……特に達也のことが好き・敬愛しているメンバー…深雪さんや雫、ほのかあたりは不満げな顔だった。
別にこのままスルーしてもいいんだけど……せっかく、僕がちょっと面倒を見てあげることにした千秋くんへの風当たりが強くなるのは、出来れば避けたい。
けれども、そこまで肩を持ってあげるほどでもないか……そんなことを考えていると、達也から予想外のパスが飛んできた。
…ただし、キラーパスというか……非常に扱い辛いものだった。
「それにしても、月島は
当然、その発言に達也以外の…深雪さんを含めた全員が目を見開いて驚いていた。
…というか、達也は僕の本の一件の犯人はすでに分かっていたんだね。やはりあの時…僕が遅れて到着した時にはすでに分かっていたのだろうか?
「……はぁ、達也。これ以上話を荒立てたくないから、分かっていても人に言わないで欲しいんだけどな。できれば闇の中に葬りたいし」
「だが、少なからず交友のあるお前の物にまで手を出したのは、あの生徒がおかしくなっていた証拠だろう?むしろ明かしたほうが良いんじゃないか?」
確かに、それはそう考えられなくもないかもしれないが……
僕がそう考え、悩んだんだが……よくよく周りを見ると、皆が「それだけ異常な精神状態だったのか」と納得していた。
……これが
―――――――――
そんなことがあっての、放課後。
誰よりも先に生徒会室に入った僕は、一人思考をめぐらせていた。
当面の優先事項であった平河姉妹への対処は、とりあえず終わったと言える。
色々やってしまった妹、引きこもってしまった姉、お年頃の子供たちへの対処が出来なかった親。全員を本来あるべき状態以上にできたし、姉妹のほうは約束通り並の魔工技師に勝るとも劣らないレベルの技術と知識を叩き込んだので、心身ともに学校へ復帰が可能な状態だ。
ならば、次に考えるべきは……この間、顔だけは見たスタイリッシュ警報押しの人だ。
彼はよくわからない。アニメでも結局最後まで何がしたかったのか、よくわからないキャラだったわけで……だが、確実に何か裏が有るとは思う。彼の雰囲気は何か「毒」のようなものに感じられたのだ。
遠回しにではあるが釘刺しはしておいたので、このまま大人しく素直に手を引いて、今後関わる事が無ければいいのだが……。
2,3日前に、達也と渡辺先輩、七草先輩が戦い捕らえたという
…確か、この呂剛虎は彼の手引きで脱走するはずなのだが……それはコンペの当日だったはずだ。つまり、それまでは彼が大人しく引いてくれたかどうかはわからないわけだ。
…こんなことなら、あの時、面倒でも挟み込んでしまうべきだっただろうか?
だが、もう後の祭りだ。…出来るのは、彼が動いたら速攻で始末しに行くことだけだ。
「……とりあえず、後はコンペ当日か…」
そう呟いて、僕はイスの背もたれに体重を預ける。
…と、それとほぼ同時に出入り口のドアが開いた。
「あっ!こんにちは、月島君」
「お疲れ様です、中条会長」
僕の挨拶に「はいー」と返事をしながら、会長になった事で定位置となった中央の席に座る中条会長。
そんな会長に10枚ほどのひとまとまりの冊子と一枚の紙を差し出す。
「これがコンペ当日の警備の予定についてで、こっちがその確認証です」
警備の詳細ということで漏洩が心配されるため、こういった重要な内容のものは大抵デジタルではなく紙媒体で回ってくる。…まあ、そういったものでなくとも紙の時は時折あるのだが…。
「……今日のお仕事、これだけですか?」
「コンペ関連はそうですね。通常業務のほうはあちらのディスプレイのほうに3つほどありましたが…終わらせました」
「おかしいです……去年のこのころはもっと追い込まれていた気が…!」
そう言って「むーっ…!」と
正直なところ、僕がいる時点でこれが普通になるだろうから、慣れてほしいものである。
「あの……月島君」
冊子に目を通している会長から声をかけられた。
「今度、ヒマな日があったりしますか…?」
何とも漠然とした問いを少し不思議に思いつつ、僕は答える。
「ええ、今週末はコンペがあるのでヒマは有りませんが、それ以降ならまぁ……いつかは有るんじゃないでしょうか?」
「そ、それじゃあ……その時に、月島君が行く本屋さんに案内してくれませんか…!」
「……本屋さんにトーラス・シルバーのCADは置いてませんよ?」
「月島君は私を何だと思ってるんですか!?」