魔法科高校の月島さん(モドキ) 作:すしがわら
サブタイトルと、本文の最後の部分を少し加筆修正させていただきました!
※注意※
「原作改変」等が多々含まれています!
引き続き第三者視点でのお話です。
次話から、他の視点に変わる予定。
月島さんのおかげ……月島さんの……?
『横浜事変』。そう呼ばれることとなった横浜での大亜細亜連合による侵攻、およびそれによる大亜細亜連合と日本との戦闘。
そしてその翌日、後に『灼熱のハロウィン』と呼ばれることとなる出来事がおきた。
日本への出港の準備をはじめる大亜細亜連合。その艦艇が集まった鎮海軍港が、謎の攻撃により艦艇もろとも消滅した。
この出来事には、当事国である大亜細亜連合と日本以外の国も目を止め……国際魔法協会も大きく動く。
後世において人類史の転換点と評され、軍事史の転換点であり、歴史の転換点とも見做されている。
……という、対外的な話はここまでにしておこう。
第一高校をはじめとした国立魔法大学付属高校は、『横浜事変』の一件を受けて臨時休校となり、授業が再開したのは『横浜事変』から数日経ってからだった。
学校という普段通りの生活の一部が戻ったことで、『横浜事変』を経験した生徒たちは段々と日常を取り戻していく。
しかし、元通りとはいかない生徒たちもいた。
その理由のひとつは、授業の再開された第一高校に来ていない人物がいたこと。
司波達也。
大黒竜也特尉として活動していたため、対馬要塞へと行ったり、戦後処理を行ったりしていた……以外の理由もあるのだが、そういった理由から彼は学校への復帰が遅くなったのだ。
……一つ情報を追加するとすれば、わかっている人にはわかっているだろうが『灼熱のハロウィン』の例の攻撃は、司波達也による『
その司波達也が学校に復帰してからは、彼の周りにいる人間は、彼が軍人だったことを知った上で彼を受け入れ、元通りの日常が戻って……
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1-Eの教室。
放課後となり人もまばらとなった教室で、レオは手元の機械を操作して何かを見ている。
その様子を不思議そうに見ていたエリカが、レオに問いかけた。
「ねぇ、ちょっと。さっきから何見てんの?」
「ん?これか?俗に言うネット掲示板だな」
「……なんていうか、コメントしづらいものを見てるのね、アンタって」
そう言って苦虫を噛み潰したような表情をするエリカに、レオは少しだけ首をかしげて小声で「何考えてるかは知らないが…」と言いながら眉をひそめ、エリカに言った。
「少し気になることがあってな。頭数が多い場所なら何かしら情報はあると思ったんだが……思ってた以上に酷かったぜ。ほらっ、見てみろよ」
そう言って手招きをするレオ。それにつられてエリカが……それだけでなく、たまたま近くにいて、レオとエリカの様子を見ていた美月と幹比古も「何だ?何だ?」とレオのそばまで寄ってきた。
「あー、なるほど。そういうことね」
画面を見て納得したように息をつくエリカ。
美月と幹比古も何とも言えない顔をしており、各々、その画面に表示されている内容へのコメントをもらした。
「『
「みたいだね。でも、他にも『
そう、レオが見ていたのは『横浜事変』に活躍した月島昊九郎に対して様々な事が書き込まれている掲示板だった。……とは言っても、まともに魔法のことが書かれているのは最初のほうだけで、後は皆が好き勝手に呼び名を考えているだけだった。
……ただ、色々とあり過ぎたためか「これだ!」と決まることも無く、数だけが増えていく結果となっている。
それに、匿名のため結構好き勝手に言っている部分も大きい。本当に月島がどう呼ばれるようになるかは、実際に魔法師の中で何がどう広まっていくかによって変わってくるだろう。
「…あっ、これとかウチの学校の生徒が書き込んだんじゃない?」
「えっ、どれ?」
「ほらこれ。あとこれも」
エリカがそう言って指し示した言葉を、幹比古が口にする。
「『
「確かにそうですね」
納得して頷く美月だったが、それとは対照的にレオは腕を組んでうなっていた。
その様子を怪訝そうに睨むエリカが、レオに言う。
「どうしたのよ?…何か不快なことでもあったって言うの?」
「いや、不快っつーか、なんていうかだなー……うーん…」
より一層うなるレオに、エリカだけでなく美月と幹比古も「どうしたんだろう?」とその様子を不思議に思った。
そんな中でレオが言った一言は……
「いやな、こいつら全部、月島は難癖つけそうだなーって思ってよ」
「「「あー…」」」
そう言われてエリカたちも納得したようで、エリカは面倒くさそうな表情を、美月と幹比古は苦笑いをしていた……。
「ダメだわ。その光景がありありと浮かんでくるわ」
「確かに月島くんは、なんだか凄いこだわりを持ってましたからね……」
「アハハ……彼らしいと言えば彼らしいけどね……」
そんな皆の反応に「だろ?」とこぼすレオは、そのまま言葉を続けた。
「まぁ、そんな文句言う姿でも見たいちゃ見たいんだけどな」
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生徒会室。そこには仕事に追われる生徒たちの姿があった。
そこまで忙しそうにしているのには理由があった。その理由の中には『横浜事変』、そしてその後の臨時休校の件も含まれている。
重要な書類に目を通して処理をしていく生徒会長・中条あずさ。
機材で様々な内容をデータとして打ちこんでいく副会長・司波深雪。
校内の他の組織との連絡・連携のために奔走する会計・五十里啓。
そしてそれらの仕事が円滑に進むように仕分け・情報の整理を行う
他にも司波達也と北山雫が、それぞれ深雪とほのかの付き添いとして生徒会の仕事に協力していた。
皆が皆、仕事を着々と進めてゆくそんな中で、深雪がディスプレイから目を離して少し心配そうにある一点を見つめる。視線の先にいるのは、仕事をこなし続けるあずさ。
「深雪、どうしたんだ?」
深雪の様子に気がついた達也がそう問いかけると、少し驚いたような様子で「お兄様!?いえ、その……」と声をもらし……少し迷うようにしてから、達也ではなくあずさにむかって口を開いた
「会長、少し良いですか?」
「はい?何でしょうか?」
「今朝、お会いした時にも聞きましたが……本当に大丈夫なんですか?随分とお疲れになられているように見えるのですが……」
深雪の言葉に、右腕で力こぶを作るような仕草をしながら答えるあずさ。
「大丈夫ですよ!これくらいのお仕事、なんともないです」
「でも……会長、目もとにクマまでありますよ?」
そう指摘したのは、手伝いをしているほのか。そしてその指摘の通り、あずさの顔にはうっすらとだがクマがあり……その他にも顔色なども含め、決して体調万全の健康体には見えなかった。
それでも「大丈夫」と、あずさは言い張った。
「それに、これくらいの…これ以上のお仕事をこれまで
達也は、周りの誰にも気づかれないように、小さくため息をついた。
今のに似たやり取りは、場所を変え、人を変えて何度も見てきた。
あずさに似たような症状の生徒は他にもいる。聞けば、ほのかも少し前まで似たような状態だったとか。……だが、達也が見た現状の中でもあずさは特にひどい状態だ。
あずさに疲労が見られるのは、生徒会の仕事が忙しいから…などと言う理由からではない。精神的なストレスからくるものだろう。……おそらくは、最近は眠れていないのではないだろうか?
「一体、何処で何をしているんだ、あいつは…」
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……この学校には…一部の人間を中心として『横浜事変』以前の日常は戻っていなかった。
そう、司波達也と同じく『横浜事変』以降、生徒たちの前から姿を消した人物がいたのだ。
彼は未だに学校に現れず、誰も彼がどうしているかという情報を得られていない状況であった。
「『横浜事変』の際に、命を落としたのでは?」という憶測もとんでいたが、上陸していた敵の最後の部隊を殲滅したのが月島であろうことから、その線は消えたも同然の扱いだった。
ならば……一体どこへ?
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「魔法科高校の月島さん(モドキ)」
『月島
消えて無くなったわけではないので、「消失」ではなく「失踪」などではないのか?
↓
雰囲気重視です。…意味があるかはわかりませんが……。
主人公が消えていいのか?
↓
作者も月島さんを書きたい…けど、色々と厳しい状況です。
今話からこんなことになってしまった主な原因としては、『横浜騒乱編』で月島さん(モドキ)を活躍・暗躍させたために、『九校戦編』以上の原作とのズレが生まれてしまったからです。主に問題なのが周公瑾あたり……他にもこまごまとしたことが。
今後どうしていくか……というか、気づいた時には機動修正も難しい状況になってました。
そんな中で、無い頭を捻りにに捻った結果が今話、そして次回からの『月島代行消失編』となります。
もちろん、『月島代行消失編』でも月島さん(モドキ)は活躍する予定です。
おそらく、原作にオリジナルをブレンドする形になると思います。もちろん『』ただし、これまで以上にオリジナルの流れが多くなってしまうと思います。ご了承ください。
ここまで来た今作、できる限り頑張らせていただきます。