魔法科高校の月島さん(モドキ) 作:すしがわら
「独自解釈」「捏造設定」「ご都合主義」「原作改変」等が多々含まれています!
原作と大きく異なる流れ、大きく話が省かれている部分が存在します。
今回は基本的にあずさ視点でのお話です。
随分と引っ張ってきたあーちゃん関係の事が……少しだけ進みます。
そして、他にも久々の登場のキャラも…?
わさび味のチョコやわさびのスイーツがあることを知れたのも、月島さんのおかげ。
「はぁ……」
つい出てしまっていたため息に気付き、ハッとして辺りを見回すけど、そこには夕日が差し込む無人の生徒会室があるだけだった。
今日は別段何か仕事があったというわけじゃない。そのため、他の生徒会メンバーの皆さんはすでに下校している。
私が残っていたのは、ただ、生徒会室にいたかったから。
「……月島君」
思い出されるのは、皆に頼られたり、人一倍仕事をしたり……私をからかったりしてきていた月島
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『横浜事変』と呼ばれるあの出来事。
ヘリに乗る七草先輩たちに合流する直前の、私を抱き上げていたあの時。月島君はあれ以降、私の前から消えてしまい、12月になろうというのに未だに会えないまま……。
あの時、私の制服のポケットにいつの間にか入っていた月島君のケイタイを、私はいつも持ち歩いている。月島君がいつ帰って来ても、すぐに返してあげられるように…と。
ただ、あれ以降、全く月島君に関する情報が無かったわけでもない。
七草先輩が教えてくれた、「月島君は無事だ」って。なんでも『十師族』のもとで過ごしているらしかった。けど、色々機密事項があるらしくて詳しくは教えて貰えなかった。
そして、そんなにかからずに学校に来れるようになるって聞いて、「今は」会えないことは残念だったけど、月島君が無事だと知れて安心する。そして、月島君が戻ってきた後ごろに開催できるであろう『ハロウィンパーティ』の開催へと一生懸命に準備に取り組んでいった。
……けど、『ハロウィンパーティ』開催を目前に控えた前日に、七草先輩から頭を下げられた。
「ごめんなさい!本当にごめんなさい!そのっ、実は月島君が、ちょっと前からいきなりいなくなってしまったの!『
要するに、月島君が今どこにいるか、どうなっているか、いつ戻ってくるか……その全部がわからなくなったってことだ。
でも、私はその言葉に「そう、ですか」としか返せなかった。……実は、なんとなく前からそんな気がしていた。数日前から、七草先輩の様子が少しおかしいことに気がついていたから。
…きっと、いつ私に話そうか悩んでいたんだと思う。そして、ギリギリまで月島君を探して……それでも見つからなかったから、直前のタイミングで話したんだろう。
……「そんな気がしていた」。だからといって、全く悲しくなかったわけじゃない。
『ハロウィンパーティ』、その賑やかな空気から外れた裏方の端で、私はひとり、泣いてしまった。……あの歓声に沸く会場の中に、私と月島君がいる情景を思い浮かべた分だけ、泣いて……。
―――――――――
「……他にも、コンペが終わって時間ができてから、本屋さんに案内してもらう約束もあったのに……」
コンペの少し前、月島君の所持物である本が燃やされるという事件。
結局、未だに犯人はわからないままですが、その後月島君とした約束は確かなものだった……はず。……でも、その機会は月島君が学校に戻ってこない限り、訪れないでしょう。
ひとりの生徒会室。今度は意図的に、一度大きなため息をついた。
イスから立ち上がり、私は帰る前に室内の確認をする。
「あとは……今日も少しだけ、寄り道してから帰ろう…かな?」
そうポツリと呟いてから、生徒会室を後にした……。
―――――――――
最近、私の日課になっているのは、帰宅前の寄り道……正確に言うなら、遠回り…かな?
特にあても無く歩いて回って、それから帰るというだけのこと。
私は探している。月島君を。……でも、さすがにこんなことだけで見つかるとは思っていない。
他にも遠回りしてあちこち見て回るのには理由はある。…月島君以外にも探しているのだ。
それは、小人さん。
『横浜事変』の時、月島君のそばを飛んでいたちっさな人たちだ。
あの時、その小人さんの一人…シュンオウさんから言われたことがある。それは…「僕ら以外にさっき話した『精霊』とかが見えるようになったりするかもしれないんだ」…つまり、小人さんや「精霊魔法」に用いられる『精霊』を見ることが出来るようになるかもしれない……という話だ。
今現在、
そもそもシュンオウさんもそうだったけど、月島君も私には「
……でも、私は諦められなかった。「もしかしたら、『精霊』が見えないだけで、小人さんたちのことは見えるんじゃないか?」…そう思いたかった。
だから私は放課後、街を歩き回っている。どこかにシュンオウさんやツバキくん、もしくはそのお友達が何処かにいないか探し回っている。
月島君の居場所を知っているかもしれない…という以上に、ただ単に見たかった。見て、私はあの時と同じ状態なんだって思いたかった。小人さんが見えている時……あの月島君に抱き抱えられている時、いつもはちょっと何を考えているかわからなかった月島君の事が、近くに感じられたから。それはきっと物理的な近さだけじゃなくて、月島君が普段見ている世界を直に感じることが出来たからだったんだと思う。
「……あっ、もうこんなに日が落ちて…。これ以上暗くなったらダメだから……そろそろ帰らないと」
結構歩き回ったけど、今日も小人さんは見つからなかった。
……心の何処かで「もう、本当に見えなくなったんじゃあ……」と思ってしまいながらも、私は諦めきれない。
明日もまた……
「ちょぉーっと、お嬢さん。こんな時間まで女性一人でウロウロしているのは、いかがなものかな?それも、生徒の模範であるべき生徒会の…それも会長さんが」
「ぴぃ!?」
後ろから至近距離でいきなり声をかけられて、つい飛び上がってしまう。
そして、とっさに身体を反転させて頭を下げる。
「ご、ごごごめんなさいっ!ちょっと寄り道しちゃって!い今、今すぐ帰りますから、ご心配なくぅっ!!……う?」
……そして途中で気づいた。目の前にいる人が、見知った人だということに。
「あれ?小早川先輩?それに、紗耶香ちゃんも」
「やぁ、あずさちゃん。すごい反応の早さで謝ったね!」
「まあ、一時期よりも元気があるみたいで、少しは安心したけど……」
そこにいたのは、三年生の
二人とも、個人的に知っている…というのもあるけれど、それ以上に、月島君と仲が良いという点でも知っている。そのこともあって、何度かカフェで月島君にからかわれたことを愚痴ったこともあったり……。
「…あれ?でも、なんでふたりがここに?」
私が不思議に思って首をかしげたら、小早川先輩がニカリと笑った。
「ちょっとね。色々気になることがあって、尾行させてもらってたよ……まあ、隠す気も無いから言うけど、あずさちゃんが元気が無いのって、やっぱり月島君のことだよね?」
「うっ……それは、その……そうです」
自分の気持ちを言うのは少し躊躇われたけど……きっと、ふたりも月島君の事を心配してるんだと思い、隠すことなく認めることにした。
そうやって肯定すると、今度は紗耶香ちゃんが少し眉をひそめながら問いかけてきた。
「『ハロウィンパーティ』の開催が決まった頃から元気になっていったみたいだけど……また最近どんどん元気が無くなったみたいだし……何かあったの?」
紗耶香ちゃんは積極的に剣道部への入部に誘ったりと、月島君とは交友は深い。もちろん部活だけじゃなくてそれ以外でも一緒にいる場面は何度も見てきた。
『ハロウィンパーティ』の時は、私はわたし自身のことで精一杯だったけど、何も知らない……七草先輩から話も聞いていなかったら、それこそ楽しめる心境じゃなかったと思う。もちろん、準備期間中にもモヤモヤした気持ちがあったはず……。
……そのことを考えると、私の中に罪悪感が生まれた。
「その……ホントは、本当は話したらダメなことなんだって言われたんだけどね……」
私はふたりに、七草先輩から聞いた月島君のこと……そして、『ハロウィンパーティ』直前に謝られたことを、声を小さくしながら話し始める……。
「…知らなかった。そんな事があったなんて……」
「私も初耳だ。というか、おそらくおいそれと公表できない内容なんだろう。秘密にされていたのは仕方ない気もするね」
話を聞き終えた紗耶香ちゃんと小早川先輩はそう言った。
私は申し訳なく思いながらも、こう続けて言いました。
「…それで、結局何もわからない状況に戻っちゃてて……どうしようもなくて、こうしてあても無く探し回ったり……」
シュンオウさんたち、小人さんのことも話そうか少しだけ迷ったけど……さすがにそれは月島君から「ひとに言わないで」と言われているから、話さずにおいた。けど、それでも現状の8割以上は伝えることが出来たと思う。
何ともいえない空気が漂っていたけど……そんな中で、小早川先輩がポンと手を叩いた。
「なぁ、ふたりとも。今日はもう暗くなりそうだから……明日の放課後、時間あるかい?」
「えっと、特には……」
「私も剣道部はちょうど休みですから」
その答えに満足そうに頷いた小早川先輩は、私たちにこんな
「前に月島君が不登校になってた小春ちゃんのところに行ったみたいに…………明日、私たちで月島君の家に行ってみないかい?本人がいなくても、なにかしら手掛かりはあるかもよ?」