魔法科高校の月島さん(モドキ) 作:すしがわら
「独自解釈」「捏造設定」「ご都合主義」「原作改変」等が多々含まれています!
原作と大きく異なる流れがある部分が存在します。
前回に引き続き、達也視点でのお話です。
BLEACHフォロワーの漫画の連載が開始し、アニメ化し、連載終了し…
BLEACH最終章のアニメ化が発表され、1期、2期、3期と終了し…
そして最終章アニメも最後の4期が放送開始され……
もうこのタイミングを逃したら後はないと
当時考えていた約9年前の古びたプロットを引っ張り出してきました
ブランクや何やら色々と拙いかと思いますが、
当時お相手していただいた方々、おひまな時間がありたまたま巡り会った方
お付き合いいただければ幸いです
こうしてまた書いて、誰かの目に留まることができたのであれば、それは月島さんのおかげじゃないか
陽が傾く放課後。
生徒会副会長の深雪と付き添い俺。そして不在の月島の代わりに書記業務を請け負っているほのか。
俺たち三人が業務のため訪れた生徒会室で待ち構えていたのは、生徒会長である中条あずさ先輩の一人のみ。別件で何かあったのか、あるいは
消息不明となった月島の行方を探っていた中条会長が最後の望みを託したのは、軍という特殊な手立てのある俺だったのだが、それは特秘事項であり触れられるのは俺にとっても、深雪にとっても良い気のしないものだった。
だが、まぁ、幸いにも軍とは無関係なところに月島の手がかりを持っていたオレは、大義名分を得て
唯一の手がかり。俺が月島から預かっていた封筒――その中に入っていたカードに書き記されていた番号で会長の携帯端末と繋がった通話。
『ハイ、【エクスキューション】、デス』
スピーカーモードになっていたのだろう。中条会長の携帯端末から聞こえてきたのは、合成音声。抑揚の無い淡々とした調子で音声が紡がれた。
「あ、あのっ!」
『バンゴウ、ガ、ミトウロク、デス』
「え、あ、うぇ?」
中条会長が話しかけようとしたが、その出端はくじかれた。
相手はあくまで合成音声。一般的な留守番電話のように、事前に設定された音声を流しているだけに過ぎないのだろう。
しかし、だ。どうやらそれだけではないようだな。
『ゴシンキ、ノ、カイインサマ、デス、カ』
「かいいん?」
合成音声の発言に、ポカンと気の抜けた様子で中条会長がおうむ返しをする。おそらくは、予想だにしていない「会員」という単語に理解が追い付かなかったのだろう。
しかし―――俺としては想定の範囲内、やはりというべきかカードに最も大きく描かれていた【XCUTION】という言葉は団体や組織名であり……その前に小さく描かれている「welcome to our」を含め文字列が意味通り、カードは組織への招待状となるわけか。
そして、
それは何故なのか?
意図した時とは別に使われたり、人の目にさらされる可能性もあっただろう。それでも、他人に託してまで想定していた事態は何なんだ?
第一、託す相手が俺だった理由は?
仮説はいくらか立てられなくはないが…しかし、答えは出そうにない。
『オナマエ、ヲ、ドウゾ』
「な、
『ナカジョウ アズサ、サマ、デス、ネ』
そして――――
『
――――この状況は、月島の想定していた通りのようだ。
「「「…!?」」」
中条会長だけでなく、深雪やほのかも息を飲んでいた。
単純に定められた音声が流れるのではなく、音声認識ができるAIによる受け答えができるなんてことは、もちろんこのご時世に驚くようなことでは無い。やはり会長についてすでに知らされている――カードに書かれていた番号に電話をすることが想定されていた――という点に驚いたんだろう。
そんな周囲の驚きにするわけもなく、携帯端末に聞こえてくる合成音声はあくまで淡々と言葉をつむぎ続ける。
『ヨウコソ、【エクスキューション】、ヘ』
中条会長は迎え入れられた。はれて【
結局のところ、今、この組織が何をしているのか、会員になるとどういったことができるのかは全くわからないが……それでも、中条会長としては最後とも言えるかもしれないほど貴重な「月島への手がかり」なのだ。ようやく、一歩踏み出せたといったところだろうが重要だろう。
「勢いでやっちゃいましたけど……こ、これって危ないものだったりしましぇんよね?高額会費とか言われたらどうしよう……!?」
何か呟きが聞こえてきた気もするが、聞き流すことにするか。
こちらとしても、コレが何なのかは知っておきたいからな。
『イマ、ノ、バンゴウ、ノ、マツビ、ニ、「00800」ヲ、オタシニナッテ、モウイチド、オカケ、クダサイ』
『ツギ、ハ、2コールメ、ガ、ナリオワル、ト、ドウジ、ニ、オキリ、クダサイ』
「えっ?」
『3ドメ、ノ、オデンワ、デ、ツナガリ、マス』
「ええっ!?」
細かくて段階的で遠回りな――平たく言えば「面倒な」――指示が立て続けに伝えられた。
カードを用いたアナログな連絡先のやりとり。事前に特定の個人を把握したうえでの会員制。それが段階を踏んで別の番号へ誘導してのやりとりとなる、か。
当然、その程度ではセキュリティ面の穴が残っている点など、雑さを含めどことなく素人臭さもある。だが、色々と警戒してのやり方だということは理解できはする。
ブツッ
「き、切れました……」
通話は一方的に即時切断されたようだが……まぁ聞いた内容を考えれば、合成音声の役割は終わったのだから自動で切れるようにでもなっていたのだろう。
中条会長は唖然としていたが、案外早く気持ちを切り替えられたようで、改めて携帯端末を――――
「ええっと、番号は……」
「会長、付け加えるのは00800ですよ」
――――ほのかと確認しながら、指示された通りに操作していっているようだ。ほのかも大概月島を心配しているから積極的なのも当然と言えば当然か。
そんなふたりをよそに、隣に寄り添う深雪が上目遣いに視線を投げかけながら口を開いた。
「お兄様」
「すまない、月島に渡された封筒のことを黙っていて」
声をかけてきた深雪に、まず俺は、隠し事をしていたことが露呈したことに関して謝罪をした。
しかし、俺の言葉に深雪は小さく首を横に振る。
「私はお兄様を信じていますから……きっと深い考えがあっての事だと」
「…ありがとう」
「いえ、当然です」
微笑み返す深雪は「それにしても」と言葉を続ける。
「何故彼は、お兄様にあのようなものを預けたのでしょうか?」
つい先ほど、考えを巡らせていた疑問を問われ、改めて俺も思考する。
最終的に手にするのは、さきの電話でのやりとりから中条会長だったのはほぼ間違いなく最終的な目的は
だが、横浜事変の戦後のあの
封筒を渡した時点でカードや【XCUTION】のことを俺に知られる事は想定済み、予測できないはずがないからな。そのうえで
あくまでも想像でしかないそれらの考えは、確信も持ちようが無く、口にするほどでもない。ましてや、相手はあの月島だ。これまでのことも含め、あいつの考え方は俺たちからズレている部分があると言わざるをえない。こちらの真っ当な思考では考慮しきれる気がしない。
つまりは――
「正直に言えばわからないな。月島がどうしてこんなことをしているか、判断材料が足りない。だが……」
「…?」
僅かにではあるが小首をかしげる動作をした深雪から視線を外し――携帯端末を操作する中条会長とほのかのほうへと視線を移す。深雪も同じように2人に目を向けたようだ。
「あれが繋がれば、少しは何かわかるかもしれない」
ガチャ
「……っ!繋がりましたっ!」
指示されていた操作を終えたのだろう中条会長会長が、決して小さくはない声を「つい」といったようにあげた。
『ッたく。このタイミングでくるとはなぁ。運がいいのか、
合成音声ではない、男の声。
『つうか、聞き損ねたり操作をミスったりして1,2回失敗するもんだと思ってたんだが……案外どんくさくねぇんだな』
口の悪い、極端に言えば乱暴な言葉遣いである通話相手の男。
流石に月島が電話に出るとは思ってはいなかった。だが、あいつでは考えられない口調と声色でしゃべる相手に、どうにも違和感というか不快さを感じた。
おそらくは、俺以外の全員も似たような感覚を得たのだろう。深雪もほのかも、表情が強張り、音声を発する携帯端末から目を離せなくなっている様子がみられた。
そして、中条会長も同様に…しかし、それでも会長は携帯端末を持っている口を開いた。
「あ、あなたは……?」
『あぁ?俺か?俺は――――