魔法科高校の月島さん(モドキ) 作:すしがわら
「独自解釈」「捏造設定」「ご都合主義」「原作改変」等が多々含まれています!
原作と大きく異なる流れがある部分が存在します。
不定期更新です。
今回は深雪視点です。
思った通りに書けているか不安がありながらも、なんとかやっていけてる感。
返信は返せていませんが、感想は全てチェックしております。
もらえることの嬉しさもありますが、見覚えのあるお名前の方が結構な数おられて驚きもしています。
あのころから、そして今も、ありがとうございます。
BLEACH最終章 禍進譚のOPに出てくる月島さんがカッコイイのは、月島さんのおかげ。
お兄様と私が暮らす家のリビング。
そこにあるモニターにはいくつかのウィンドウにわけられて資料や写真が表示されている。また、そのモニターの正面、少し離れたところに置かれたテーブルの上にもいくつかの書類が置かれている。
お兄様と私は、そのテーブルを挟むように置かれたソファの片側に並んで座って、それら情報に目を通していました。
これらの資料や写真がこうしてお兄様の前に集まったのには理由があります。
とある2人の人物が関わってきます。
私達が通う国立魔法大学付属第一高校に赴任しているカウンセラーの女性。
ただ、それは表の顔。
ついでですが、お兄様と同じく忍術使い
そして、
こちらは国防軍に所属している女性。電子・電波魔法を得意とし、その魔法を用いて磨かれたハッキングスキルは彼女の活動に大きく関わっており、「
お兄様がそんなおふたりにコンタクトを取った理由は、私にもすぐにわかりました。きっと
お兄様が月島さんから預かっていたモノ。あのカードに記されていた番号で繋がった通話の相手だった男性。
彼についてわかっていることは、【
だからこそお兄様はあの通話の後、学校から帰るその最中からおふたりに連絡を取って調査を始められたのでしょう。
私個人が抱いた印象は、掴み処が無い人。
口の悪い不遜な人……けれど、変に親切さがあり、その物言いは軽薄さを感じさせて、どこか義理人情に厚い人物のようでした。
信用に値するとは言い切れない。けれど、無償で情報を渡してくれて、どこか意図的に隠しているような部分もありはしましたが、その全てがこちらに有益なものではあったと思います。
そんな人物の情報が、こうしてお兄様の前に集まりました。
ほんの1,2日程度しか経過していない中、これだけ収集されたとなると、流石はその手では有名な方々とはいえ驚きました。
同時に、巷では例の「吸血鬼事件」が大いに話題になってきているのですが……
そしてわかったことは様々でしたが……予想外と言わざるをえません。
「まさか、本名だったなんて…」
私の呟きに、お兄様は「ああ」と頷いてくださりました。
十中八九、偽名だと思っていたのですが……どうにも御二方がそれぞれ調べたうえで「
というのも――――
「月島との関連性もあることは確認が取れているから間違いないだろう。それに、人柄や口調といった部分も一致しているとあれば……」
「そう、ですね」
お兄様の言葉に肯定し、再び情報に目を通す。
目に留まるのは、その容姿がわかる写真。どうやら、空港内の監視カメラの一瞬をきりとったような光景のものでした。
面長な顔立ちは比較的ほりの深さはありながらも整ってはいる部類でしょう。眉毛は少し濃ゆく、肩まであるであろう黒髪は後ろに流しています。
身長は写真では比較が難しく分かりづらいですが、他の情報では月島さんと同じ190㎝前後はあるそうです。
白いシャツに首元に白いファーのついた黒のコート、黒のズボンといった色味の少ない服装。
あと、首からは十字の装飾品を鎖で下げています。少し気になる点としては、それがいわゆる「十字架」のような長方形に収まる形ではなく、×印のような状態で落ち着くようにつくられた同じ長さの棒が交わった形であることでしょう。
決して目立たないわけではありませんが特別突出しているほどでもない、とでも言うべきな人物でしょうか?
年齢は、見た目からして20代前半か中ごろ程度だと思え――実際にそのくらいだそう。
そして、住所は
正確に言うと、月島さんの部屋のちょうど真下の階。そして、その階には月島さんが定期的に行っていたことが、マンション内の防犯カメラから確認できたそうです。これが、月島さんとの繋がりのひとつとされています。
マンションに関連した情報として2つほどあります。ひとつは月島さんがいなくなったすぐのころ、十師族のいくつかが月島さんの部屋だけでなくそのマンション全体を捜査したそうですが、その時には居て捜査協力をして自身の部屋の捜査や情報提供をしていたとのこと。もうひとつは、その彼の部屋の内装は生活観は薄くどこかバーのような雰囲気に改造されていたということ……何かお店でもしていたのでしょうか?
あと、オマケの情報として、去年のハロウィンパーティから少ししたころに中条会長と剣道部部長の
そんな彼の動向は、さきの十師族からの捜査の後、そう経たないうちに飛行機でUSNAに渡りつい先日――あの通話をしたその日に日本に帰ってきていたことが判明しています。
それを聞いたお兄様と私は、通話相手とこの銀城空吾が同一人物なのだと半ば確信を持ちました。なぜならUSNAで始まった吸血鬼事件の対応をしているという話と一致していることと、電話を掛けた際の『このタイミングでくるとはなぁ。運がいいのか、悪ぃのか』という発言が「日本の本拠地に戻れたタイミングだったがまだ事が済んでいなかったから」という風に解釈ができたからだからです。
例の写真もその際に空港で撮られていた防犯ビデオから抜き取ったものなのでしょう。
経歴としては……正直なところ、不審な点もなく、魔法とも縁のない特別何ともない人物としか言えないものでした。
あえて、特筆すべきこととしてあげるのならばm月島さんやその後輩――あの独特の髪形をした不良さんたち――が所属して
そのわりには、九校戦の際に会った彼らが
こうして、謎の存在であった銀城空吾という人物を知ることができました。
月島さんとの関係性やその所在についても、ある程度までではありますがわかりました。
まだまだわからないこともありますが、情報から見えてきた銀城空吾という人物は怪しいところが一般人であるといえるでしょう。
ふと、隣に座るお兄様に目を向けると、眉間にシワを寄せてモニターをジッと見られているようでした。
その視線の先には……おそらくは、
「お兄様? どこか気になるところでも?」
「いや、この中の事じゃあないんだが……」
そう言ったお兄様はモニターから目を離し、私を――ではなく、自身の手元に持っていたお兄様自身の携帯端末に視線を落としました。
「あの時、ヤツはこちらを把握していた」
あの時、ヤツ……となると、
目を向けている通信機は、その時使われていた中条会長のものとは違いますが……それでも何か思うところがあるのでしょう。
「それは、月島さんのお仲間だからなのでは…?」
「ああ。だが、それだけじゃあ説明がつかないんだ」
私の率直な意見を否定はされませんでしたが、どうやらお兄様には納得ができていない点があるようです。
……確かに、なんとなくではあるけれど私もあの通話の際に違和感は感じていました。
けれど、話の内容が内容なだけに、そちらへの疑問や驚きにどうしても意識がいってしまい、何故自分が違和感を感じたのか、その理由をどうにも捉えられずにいました。お兄様は、私と違いその全てを理解していらっしゃるのでしょう。
そんな私の想像通り、お兄様はその違和感について私に教えてくれます。
「会員登録をした会長ひとりなら何の問題も無かった。だが、俺たちが口を挟んでもすぐに返してきた」
思い返してみれば……確かに、ほのかの「吸血鬼…?」というつい漏れてしまったような呟きや、お兄様の「連続殺人犯の犯人がわかっているのか」という問いかけにもスムーズに反応を返していた。
「俺だけならカードを渡してすぐならいることに納得できる、他に月島を心配する人物がいることも想定すれば他にも人がいることは予想の範囲内ではあるかもしれない。だが、スピーカーモードになっていることを知っていなければ――いや、知っていたとしても不特定多数の誰かがいる状態で自身の名前を晒したりするか? ましてや会員制なんていう手段を取るような組織ならもっと警戒をするはずだ」
「なるほど……確かにその通りです」
お兄様の考えに同意を示します。
こちらに複数人いて会話に加わっても何の反応がなかったことも、会員制にしてはオープンな態度であったことも、確かに不自然です。
ただ、お兄様も言っているように、あくまで予測はできそうな範囲で反応を返しているだけな気もします。そうなると、そこまで驚くことでもないような気も、わざわざ確認するほどまでの事でもない気もするのですが……?
そんな私の思考などお見通しであったように、お兄様は言葉を続けて来ました。
「おそらくあの通話の際、周りに他に人がいたことも、俺たちがどういった人物かも把握していたんだ。そのうえで、問題ないと判断し話を続けていたんだろう」
その内容は、にわかにも信じられないようなものでした。
銀城空吾が出る通話までは、中条会長しか電話で話していなかった。ほのかが手伝いをしていたけれど、通話中には発言はしていなかったはず。そしていわゆるテレビ電話でもないのに、誰が居て、その人がどんな人なのかも知っていた? どういうことなのでしょう?
月島さんから聞いていたとしても、音声だけで誰がどの声なのかまで、初めての相手を判断していた? いえ、やはり、想定はできても本当に誰がいるのかわかるはずがありません。
ですが、何故お兄様は「誰が居るか」「どんな人なのか」までわかっていたと思ったのでしょう?
「そして『これ以上必要そうなヤツには
確か、話しを切り上げる際に銀城空吾が言っていた言葉でしたか。
それが、何故、こちらにいた人たちのことを把握していたという話と繋がるというのでしょうか?
「おそらく、俺たちに【
「!?」
今までの流れから、なぜそのような話になったのかわからない話が飛んだような感覚。何か、途中の思考というか、段階が抜けている?
そんなお兄様のいきなりの発言とその内容に困惑してしまいます。
「何故あの場であんなことをわざわざ言ってきたのか。中条会長に有償の取引を持ち掛けるためか……いや、それならもっと率直に言うだろう。だとすれば、あれは遠回しな誰かへのメッセージ。あの場にもっと深い情報を必要とする人物がいると判断しての事だろう」
あの場にいた人物は4人。お兄様と私、あとは中条会長とほのか。
2人は月島さんのことを心配していて、安否もその居場所も気にしていた。あの通話で得られた情報だけで納得・安心できたわけではないと思います。詳細な居場所は不明なまま、安否についてはむしろ危ないことに関わっていると知ってしまったので、マイナスな印象に傾いてしまった気さえしますから。
けれど、あれ以上深い話を必要とするかと問われると疑問があります。知りたいか知りたくないかという話ではなく、知ったところでどうしようもないというわけでもなく……正確に言うなら
先ほどもそのような考えが頭によぎりましたが、銀城空吾という人物は
不満を言いながらも月島さんについて無償で教え、それだけでなく追加情報とこちらの安全面を考えてのアドバイスまでされました。そんな人が、本来漏れてはいけない機密情報などが関わる「面倒な情報」というものを、あくまで魔法師であるだけな学生である2人に教えて巻き込むようなことをするとは……私にはどうにも思えない。
では、消去法的に考えれば残るのはお兄様と私の2人しかいないわけで……。
なら、なぜお兄様と私が?
確かに、お兄様は様々な問題に関わることが多い。それこそここ最近の高校に入学してからも。けど、それはお兄様に限らず他の多くの第一高の人たちが関わっていること。他の理由を考えると――――まさか!?
「まさか……
「少なくとも、月島が知っていることは知っているだろう」
私が思い当たったことが正解だと肯定するように、お兄様は頷いた。しかし、同時に「全てではないだろうがな」と付け加えました。
発言からして、それはお兄様が偽名で国防軍に所属しているということまでは、ということでしょう。
ですが、もしかしたら……十師族の全てのそれぞれと会合をしたとしたら、あの月島さんなら……
当然、私でも想像できるそんな可能性についてお兄様が考慮できないはずはありません。それでも大きな動揺や焦りを見せないのは、その可能性を低く見ているからか……あるいは私を不安にさせないために表に出していないのか。
「ただ情報をよこしてくるだけなら言うほど問題は無い。取引を持ち掛けてくるならまだやりようがある」
お兄様はその次の言葉は言いませんでしたが、私には「だが…」と続いているであろうことはすぐにわかりました。それ以上の事を仕掛けてくるのであれば厄介なことになりかねない……お兄様と私の平穏な学生生活は脅かされることを危惧されているのでしょう。
「どのタイミングでどのような接触を行ってくるかはわからない。
家はもちろん、登下校の際も用事があってもそれに合わせて2人で行動はできます。しかし、どうしてもクラスが異なる以上授業時間中などは共にいることはできません。そこを心配してくれているんでしょう。
「はい。わかりました、お兄様」
お兄様と私が【
その翌日。
西城君が吸血鬼に襲われて入院したことが、私たちの耳に入りました。