魔法科高校の月島さん(モドキ)   作:すしがわら

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※注意※
「独自解釈」「捏造設定」「ご都合主義」「原作改変」等が多々含まれています!
原作と大きく異なる流れがある部分が存在します。細かい点や話の流れも、諸々の事情により変更されている部分があります。ご了承ください。
不定期更新です。


今回はエリカ視点です。


戦闘描写の書き方を半ば忘れてしまってて、少し困ってしまう今日この頃。
ま、まぁ、戦闘がメインとなる話ではないですから、この小説は。
……メインのはずの月島さんがいない? そだね。


2027年の原画展が楽しみでしょうがないのも、月島さんのおかげ。


月島代行消失編-13:あと一つ

 

 

レオが襲われて入院した。

 

その襲撃の犯人を偶然にも知る機会を得られた。けど、同時にその犯人の危険性とあたしじゃあ倒せない事を、ある男に(いち)から丁寧に説き伏せられた。

これにはわたしも流石に理解ができたし黙るしかなかった……兄達に(しか)られ(さと)されたようで居心地が悪かったけど、真っ当なこと言ってるのは分かったからね。

 

 

だからといって「はい、そうですか」と諦められるほど、簡単に矛を収めることは立場的にも心情的にもできない。

 

 

それに、運が良いことに犯人である「パラサイト」への対策が可能であることは知れた。その対策を知っているであろう人物は身近にいたうえに、協力を断りはしないだろうことは半ば確信を持てたから。

 

実際に、その人物――幹比古にはOKを貰えた……物凄く色々と言いたげだったけど、最後には大きくため息をついて了承してくれた。

(ひと)りでも行こうとするし、行かせた後に後悔したくないからね」…とのこと。

どことなく生意気に思ったけど、一丁前(いっちょまえ)に格好付けた事を言えるくらいの度胸と実力をつけてきたんだなぁと思えて、いっそ嬉しく思えた。

 

 

 

そんなわけで幹比古と二人で始めた、夜の犯人(パラサイト)捜し。

レオが襲われた渋谷を中心に、CADとか必要なものを隠し持ちながらパトロールを始めた。

 

 

そんなにすぐに遭遇できるわけじゃあないとは分かっていて、実際にそうだった。

むしろ「吸血鬼事件」の連続的な被害もあってか、警察の眼も多く、気を付けないとあたしたちの方が事情聴取とか補導とかされそうなくらいだった。だから、ちょっとコソコソ隠れたりしながらの活動になっていたりもした。

 

 

 

 

……と、不自然に人がウロついている姿がチラホラ見られた。等間隔ではないけれど、どうにも変にその場に(とど)まっている事にどこか引っかかってしまう。

それに、()()()()()()()()()。無音ってほどじゃあないけれど、風とかそれに伴った音があまりにも聞こえない。もしかすると、防音とか認識阻害のような魔法とか決壊でも使われたりしているんじゃないかと勘ぐってしまう。

 

この近く……何かあったかしら?

 

そんなわたしの疑問にはすぐに答えが出た。

というのも、この道のすぐそばに公園があることを思い出したから。いわゆる、遊具などがそうあるわけじゃあない開けた土地が。

 

 

――何かある。

 

 

ここまでの違和感と、最後には自分自身の勘を信じて行動に移す。

その公園の周りを張っているんだろう人たちの隙を見て道から外れ、植え込みの草木や公園の敷地の街路樹をかき分け、幹比古を引き連れて公園へと向かった。

 

 

わたしを動かした感覚は間違いじゃなかった。

街灯と月明かりに照らされた公園に、仮面を着けた謎の女と、白い覆面で顔を隠した存在がそこにいた。

 

 

襲われたレオ本人から聞いていた帽子と覆面とロングコートを身に着けたという特徴と一致する人物――()()()とでも呼べばいいのかしら?――と、赤く長いクセ髪をなびかせる()()()()が距離を取りながら交戦しているところだった。

 

その光景を見たわたしは、一瞬だけ考えて幹比古に指示を飛ばした。

 

 

「ミキはそっち! わたしは仮面の方を!」

 

「うん!」

 

 

急を要する場面だったからか、いつもは一々(いちいち)嫌がる呼び方でも、一言返事で了承して指示通り白覆面のほうに向かって行った。

 

正直なところ、わたしもレオを襲った白覆面(パラサイト)()り合いたい。最初はその気だったし、対策をしてきてくれた幹比古となら、外身を弱らせたうえで本体を封じることが出来ると踏んでいたから。

けれど、白覆面(パラサイト)と戦っている相手がいて、ソイツがどう見ても日本の警察関係者には思えなかったうえに、あからさまに怪しい恰好をしていた。コッチの味方にもなるとは思えないし、目を離すと何をしてくるかわからないから対処せざるを得ない。

 

それに、おそらく――いや、間違いなく仮面の女(コッチ)の方が強い。仮面の女に寄られた幹比古と距離を取られたわたし…という劣勢の場面を想定すると、どっちが()()()()かと問われれば、わたしの方が生き伸びられる…と思うから、この選択をした。

ついでに、やっぱり白覆面(パラサイト)の相手は対抗手段を持つ幹比古が対応した方が確実性があるはずだし……。

 

さらに言えば、あの時の達也君と銀城(ぎんじょう)空吾(くうご)とのやり取りが頭に(よぎ)ったことも、あたしがそう行動に移した理由になっている。

 

 

――()き方を変える。お前がUSNAなら、この件にどう対応する?

――まず使うのは、()()()()()()()()()()()。時間や手間がかからねぇ

 

 

二人の対話の内容を改めて読み解くと、十中八九「パラサイト」と関わっている勢力の1つは間違いなくUSNAなんだろう。そしてその実行者は、日本での「吸血鬼事件」が発生した時には(すで)に日本にいたUSNAの人間。

そう考えると、今、白覆面(パラサイト)と戦っていた仮面の女はUSNAの人間である可能性が高いんじゃないかしら?

()()()()()()、その人物は――――

 

 

 

そんな様々な考えの(もと)、動き出し参戦したわたしたち。

 

戦闘は想定通りだった。

……()()()()()()()仮面の女(あいて)の方が一枚上手…いや、それ以上。

 

一見、拮抗しているようでコッチは攻めきれずに、かすめる弾丸と魔法によって蓄積するダメージでコッチのが削られていって劣勢。さらに言えば、仮面の女(あいて)にはまだ一段階はギアが上げられそうな様子があり、それに対応しきれるかと問われたら……悔しいけど、十……いえ、何分持つかの話になるだろう。

 

 

そうなると、この仮面の女をなんとかするには一人の力では無理ってわけで……不本意ではあるけど幹比古の援護が必要。つまりは、白覆面(パラサイト)を幹比古が一人で戦闘不能にした後での話になる。本当は、白覆面(パラサイト)相手にその逆の幹比古メインでわたしが援護ってする予定だったんだけど……。

 

相性として良いっぽいらしいから、幹比古の方は優位に進んでなんとかなってないかしら?

確認したいけど、流石に今の状況で一瞬でも仮面の女から目を離すのは自殺行為。幹比古を信じるしか――――

 

 

「AGyaAaaGegYyaaa――――!!??」

 

 

――――瞬間、聞こえた絶叫。

仮面の女(あいて)の視線がわたしから離れる好機……なんだけど、いくらなんでもな奇声に視線がソッチを見てしまい、わたし自身も同じように声のした方向へ目を向けてしまう。

 

 

そこにいたのは、銀城(ぎんじょう)空吾(くうご)。先日レオの病室で会った、うさん臭くて口が悪くて、ついでに()()()()してる男。

そんな男が見たことも無い形をした巨大な剣で、幹比古と戦っていただろう白覆面を背後から叩き斬っていた。

 

 

わたしに対して、普通に倒してもダメだ何だと言ってたけど、銀城空吾(あのひと)もただ普通に斬っているだけに見えるような……? いや、なんだか物凄く苦しんでいるっぽいから、パッと見でわからないだけで、何か対策がされているのかしら?

 

 

スローモーションのように感じる視界の中で動く光景。

叩き斬られた白覆面(パラサイト)がのけぞり、裂けたコートや帽子、覆面が身につけられない状態になり(ほど)け、ズレ、飛び、外れる。

 

見えた、見知らない顔。

取り憑かれるとかいう話だったから、なんというかもっと異形化でもするのかと思ってたけど、(あら)わになったその顔は、絶叫する表情こそ強烈だけど人間の顔から大きな変化は無いように見えた。

 

 

 

「ミア……?」

 

 

 

白覆面の胸部を貫いた巨剣が地面に突き刺さり、明確に(とど)めとなったことが(はた)から見てもわかったのと時をほぼ同じくして、わたしの身体が向いていた方向からそんな呟きが聞こえた。

 

わたしとは違い、まるで白覆面(パラサイト)の素顔の人間(ひと)を知っているかのような反応。それに、ついちょっと前にも学校で聞いた声――――

 

 

 

「その声……! まさか本当にアンタは……!!」

 

 

――――あの病室での達也君と銀城空吾の会話を聞いたときに想像してしまっていた一つの可能性。

 

それを肯定するように、目の前の出来事がピースとして(はま)ってしまう。

 

 

――「パラサイト」を追っている存在は、USNAからの留学生・リーナことアンジェリーナ=クドウ=シールズである。

 

 

「……っ!!??」

 

その答え合わせかのように、わたしの声にハッとした様子の仮面の女は(ひと)跳びして距離を取りながら改めてわたしの方へ向き直り、拳銃を構えた。

 

()()

 

構えた拳銃に震えは()()()()

 

けれど、半分は仮面に隠れて見えない顔でもわたしにはわかった。リーナは動揺している。

無理もない。敵だと思っていた相手(パラサイト)がリーナにとって見知った(あいて)であった。しかも、その見知った顔(パラサイト)が知らない男にいきなり無惨に殺された。追加で、隠していたはずの自身の正体がバレたかもしれないときているのだもの。

 

 

 

言葉か、それとも手が出るか。さらに言えば、どっちから仕掛けるか。

 

数秒、ある種の膠着状態に(おちい)ったこの場を動かしたのは――――

 

 

「で、どうするよ?」

 

 

 

――――貫いた白覆面(パラサイト)だった人から剣を引き抜いて、赤く染まった地面に転がせた銀城(ぎんじょう)空吾(くうご)のその言葉だった。

 

「こっちは終わったが、そっちは続けるのか?」

 

「!!……ッチ!」

 

目の前のわたし、声をかけた銀城空吾と幹比古、その足下に転がる白覆面(パラサイト)だった人とに順次に目をやった仮面の女は、小さく舌打ちをしてから一発、拳銃を銀城に向けて撃ち――銀城は当然のように剣で銃弾を弾いたが――わたし達のいない、公園の闇へと駆け出した。

 

 

「あっ!…待ちなさい!!」

 

()めとけ」

 

一瞬、わたしも追うか迷いはした。その一瞬に、銀城空吾に強く静止をかけられた。

視線を向ければ、あんなに大きな剣をいつの間にかどこかにやってしまって身軽になった銀城空吾が、足元に転がっている斬殺体の胴体を左手で掴み抱えようとしているところが視界に入った。

 

その容赦無い巨大な斬り傷と刺し傷、もはや流れ出るものも無くなってきたのかわずかばかり(したた)る血に流石のわたしも顔をしかめてしまい――その数秒で、仮面の女を追いかけることは確実に不可能になったことを感じ、諦めて小さく息を吐く。

 

 

「逃がして良かったの?」

 

「ああ。今アイツを変に追い詰めたら道連れ覚悟でドデカい魔法をぶっ放しかねないからな。俺はともかく、お前らは無事じゃ済まねぇだろうよ」

 

その物言いは、確かに考えられうる可能性ではあるけど、まるでわたしたちが足手纏いでそのせいで逃がしてしまったように言われたみたいで良い気はせず……けど、病院の時もそうだけど、わたしたちの身の安全のことばっかり考えてて根は優しいんだろうなって思ってしまい、何とも言い難い気持ちになってしまう。

 

 

気付けば、米俵のように白覆面(パラサイト)だったものを抱えた銀城空吾はのんびりとした足取りで、わたしの戦っていたその近くまで近寄ってきた。

 

「まぁ、今日は大人しく引いてくれたが……明日は気を付けとけよ、学校」

 

「学校?」

 

「どういうことですか?」

 

わたしのオウム返しに続いて、遅れて駆け寄ってきた少し顔色の悪い――きっと抱えられた死体とそうなる過程を目の前でみていたからかしらね――幹比古も銀城の言葉に疑問を投げかける。

 

「まず間違い無く、自分の正体が本当にバレたか探ってくる。学校内でいきなり殺しにかかったりはしないだろうが、できれば何も分かってないふりを……」

 

不意に止まる言葉。

どうしたのかと思えば、口を半ば開けた状態で横目にわたしのことを見ながら止まってて……

 

「何よ。言いたいことがあるなら言いなさいよ」

 

「忠告もまともに聞かなかった嬢ちゃんが、感情を押し込めて演技できねぇだろうなー…と。ついでに坊ちゃんの方もテンパりそうだ」

 

「それはそれ、これはこれで話が別でしょ!!」

「なんで僕もついでみたいに!?」

 

「できるのか?」

 

「「うぐっ…」」

 

あたしも幹比古も言葉を詰まらせる。

でも、見ず知らずのはずの銀城空吾(こいつ)にそんな風に言われるのは癪に障るというか……反論したいけど、反論できない。

 

 

 

「そこんところ、明日だけでもどうにかできねぇかー? ()()()よぉ」

 

いきなり、ちょっと声を大きくして話し出した銀城に驚いていたら、その視線の先に公園内の道に止まっているバイクとそこから歩いてくるフルフェイスのヘルメットを身に着けた男が。

 

いったい何時(いつ)の間に…? というか、「お兄様」って呼び方からして達也君なの!? シールドが加工されてるからか、コッチからその表情は見えないけど……。

というか、なんでここに? もしかして、達也君も個人的にパラサイトを探していたとか?

 

 

近くまで来たフルフェイスヘルメットの男は、立ち止まった後、数秒間を空けてから、そのヘルメットを取り外した。

そこにいたのは、やはりと言うべきか間違いなく達也君だった。

 

「必要なのか?」

 

「相手の出かた次第だが……明日一日なんとか大丈夫なら、どうにでもなるな」

 

()()()()()()()()()()()

 

達也君には時々ある、なんというか一、二歩先を行っているというか、先に一周(まわ)ったうえでの考えを言葉にしているというか……こっちには何の話か分からない、いきなり話題が飛んだかのような言葉。

 

えーっと? 達也君は銀城空吾(このおとこ)もUSNA側の人間だと思ってるの?

 

でも、なんで? あえて仮面の女を逃がしたように見えたから?

病院での最後のやりとりでの話の内容は嘘だと思ってってこと?

そしてこの場でのことはマッチポンプって考えて……いや、そんなことしないで標的(パラサイト)を優先したとしても、邪魔したわたしたちを何もしないっていうのは……それに、仮面の女(リーナ)のあの予想外の反応からして色々と予想外っぽかったし、情報提供とかしてないのにグルっていうのは無いんじゃない?

 

……だとすると、本当になんで達也君はそんな考えになったの?

 

 

すると、さっきまで眉をひそめてた銀城が「あー…ソコか」と何か独りでに納得したように呟いて、首を横に振った。

 

「何をもってそういう考えに至ったかはなんとなく理解できたが、()()の共通点と所属の共通とは違う。俺が追ってて、アイツが追われる側。アンタが気にしてる事については、()()()()()()()()()()()()()()()

 

わたしには分からないことを言い出した銀城空吾。

けど、達也君には何か伝わったようで、(いぶか)しげにしながらも十数秒間じっくり考えた様子をみせたうえで「わかった」と小さく呟いた。

 

「……二人のことは気にかけておく」

 

「頼んだぜ、お兄様」

 

ニヤリと笑う銀城に対して、要件を飲まされた――あるいはまたお兄様と呼ばれたのが嫌だったのか、わずかに顔をしかめた達也君。

 

それにしても……

 

「明日だけって、それで何が…?」

 

わたしと同じ疑問が浮かんだんだろう幹比古が、銀城に聞いた。

 

「月島のおかげで、「()()()()()()()()()。今日はもう無理だが、明日の夜には(おび)き寄せて片が付く。そうすりゃあUSNAとも話を通せるんでな」

 

元々何体が日本に居たのかはわからないけれど、パラサイトはもうあと一体だけらしい。

しかもそれは月島君のおかげって……姿は見えないけど、本当にすごいのね月島君ってば。

 

さらに誘き寄せることができる方法も確立してるっぽいことも驚きだ。

 

 

「それなら――」

 

―― 一枚かませて。

そうわたしが言う前に「待った」と静止をかけてきた。

 

「いーや。忠告を聞かねぇ嬢ちゃん達はやらなきゃなんねぇ事があるんで、コッチには手をだせねぇよ」

 

 

やらなきゃならない事…?

何の事か思い当たることが無かったんだけど、「ほら」とでもいう様子で空いている右手で指を指す銀城空吾。

 

指している方向は、公園内の歩道の続く先。入り口のうちの一つがある方向で、釣られる形でソッチを見てみると……

 

 

「げっ!?」

「あっ…」

 

複数の人影がコッチに向かって歩いてきているその人たちの顔は、街灯にしっかりと照らされていて見間違いようは無かった。そして知った顔だった。

 

見知った顔も何も、先頭で来ている三人のうち二人は学校の3年の先輩であり知らないはずもない元会長の七草先輩と、十文字先輩。

そして、あと一人は完全身内で千葉家の長男で警部をしてる和兄貴(かずあにき)――千葉(ちば)寿和(としかず)。もの凄い呆れたような顔をしてるのが、ココからでも見えた。

それぞれの後ろには、数人の人が……おそらくは、それぞれの組織の部下なんだろう。

 

 

いや、なんでこんなことに……!?

 

 

「前に言っただろ? 日本に入ってからややこしい事態になって、話を通したりしたって。その相手が日本警察と十師族ってわけだ」

 

つまりは、こうして集まっているのは銀城空吾(こいつ)のせい!?

 

公園の周りを見張ってたのはてっきり仮面の女(リーナ)の方の人間かと思っていたけど――実際そうかもしれないけど――七草や十文字といった十師族の下の人間や、わたし達も見た警察の人達も周囲に展開してて……。

そのうえで、銀城空吾(このひと)情報提供(リーク)で動いていたってわけ!?

 

いやまぁ確かに日本で好きに動いているなら、そのあたりから許可と言うか最低でも黙認してもらっているんだろうって予想はできなくもないけど…!

 

なんにせよ、わたしたちは連行からの事情聴取、そしてお説教は(まぬが)れないだろうな。あと、何かペナルティもあるかも……。

 

 

 

 

 

「ああ、司波達也は協定を結んだ俺の協力者だから手出し無用だ」

 

「「えっ!!」」

 

「…!?」

 

逃げ出そうにも逃げ出せず、諦めるしかなく先輩達や和兄貴にあたしたちが連れて行かれるって時に、銀城がそんなことを言い出して……って、達也君もなんかビックリしてるじゃん!? 本人も知らないっぽいのに、何なのソレ!?

というか、それが通るならわたし達だって…! 忠告無視したから? だから、それって達也君だってそうなんじゃ…!?

 

あ、でも先輩二人は「どういうこと?」といった感じの視線を達也君に向けてるから、学校で詰められそうな気が……。ほら、本人もため息吐いて面倒そうにしてる。

 

 

「学校のことは頼んだぜ、司波達也」

 

そんなことを知ってか知らずか、いい笑顔でそう言って白覆面(パラサイト)だった人を俵担ぎした左手とは逆の右手を軽く振った銀城空吾は、足元に淡い緑色の光を出したかと思えばその場から姿を消した。

 

……なんだかんだ助けてくれてるし良い人かと思いかけたけど、やっぱりいい性格してるよ銀城空吾(このひと)

 

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