魔法科高校の月島さん(モドキ)   作:すしがわら

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※注意※
「独自解釈」「捏造設定」「ご都合主義」「原作改変」等が多々含まれています!
原作と大きく異なる流れがある部分が存在します。細かい点や話の流れも、諸々の事情により変更されている部分があります。ご了承ください。
不定期更新です。


今回も引き続きリーナ視点です。


自分の中のモノを上手く表現できている自身はないけれど、今の全力を最大限にやっているつもりではあります。
それはそれとして、次回のアニメBLEACHが待ちきれないすしがわらです。


USNAや大亜連など外交で友好関係が無理なく続いているのも、月島さんのおかげ


月島代行消失編-17:月島さん

初(・)代(・)・総(・)隊(・)長(・)「シ(・)リ(・)ウ(・)ス(・)」

 

昊九郎(KOKURO) 月島(TSUKISHIMA)

 

 

シルヴィの口から出たその言葉は、あまりにも信じられないものだった。

 

聞いたことも無い話。

ツキシマは日系とかじゃなくて普通に日本人のはず。

そもそも、初代って……ツキシマは今何歳だっていうの?

 

 

「どうやら、まだピンときていないようね」

 

 

ワタシの様子を見てか、シルヴィはそう言葉を続けてきた。

 

「あえてこう呼びましょうか、ア(・)ン(・)ジ(・)ー(・)・シ(・)リ(・)ウ(・)ス(・)。貴女は何を考えてツキシマさんを襲った?」

 

シルヴィだけでない。

みんなの目が物語っている。悲しそうに、困惑して、怒って……ワタシを責めている。

 

何故と問われても、わからない。

だって、ワタシからしてみれば、むしろみんなが何でツキシマに付き従うか分からないから。さっき言っていたように、ツキシマが「スターズ」の味方として活動していたなんてことはありえないんだもの。もしかしたら。ツキシマが洗脳だとか何か精神操作系の魔法を扱ったのかもしれないと考えもしたが、そこまでの規模の精神操作魔法なんて聞いたことも無い。

 

反論が聞き入れられるだろうか? これまでの何度かは全てワタシの知らない事(・)実(・)によってコチラが混乱してしまうだけだった。

洗脳の可能性を訴える? ツキシマはありえないほどの信頼を得ているのがわかる。これまで通りにワタシがおかしいって話にしかならないんじゃないか?

 

 

 

「待つんだ、みんな」

 

批難の目、言葉。そして怒りを一身に受けるワタシに救いの手を伸ばしたのは、他でもないツ(・)キ(・)シ(・)マ(・)だった。

 

「リーナのことを責めてはいけないよ」

 

「しかし、ツキシマさん。こんなことを何も無しに不問にしてしまっては……!」

 

「そもそも、僕にはある疑念があった。それゆえに、今回シルヴィアには少し無理を言っていたんだ」

 

ツキシマのその言葉に、疑問符を浮かべて、ワタシも他のみんなもその声に耳を傾ける。

 

「僕が人払いを済ませた運動公園(ここ)に、「パラサイト」が現れたことにして誘導をしてくれ、とね」

 

……? どういうこと?

 

ワタシと同様に、他の隊員も訳が分からない様子がみられる。

そしてシルヴィも、少し不満そうに唇を尖らせながら首を軽く振っている。

 

「ツキシマさんの頼みだったから曲げたが、本来嘘の情報で軍を動かすなど……」

 

「無駄じゃあなかったよ。予想は当たった――当たってしまったというべきか」

 

「?」

 

どういうことだ?とみんなの視線がツキシマに集まる。

何故、みんなに偽の情報を流して運動公園(ここ)に集めさせたのか? そんなことをしている間に、他の場所で脱走者が誰かを襲うかもしれないというのに。

 

 

「運動公園(ここ)に来るまでは指令通りだ。けれど、本来すべきではないことをした者(モノ)がいた」

 

 

本来すべきではないこと……?

 

 

「そして、その者(モノ)は本来知っているはずのことを知らなかった。そう――――

 

 

 

 

 

――――君が最後の一人だね、アンジー・シリウス(パラサイト)」

 

『!!??』

 

「…………は?」

 

 

今日何度目になるかも分からない、放心。

ワタシが、パラサイト? 正しく軍人であったはずの隊員たちが脱走者になった原因であろう言われ方をしていたパラサイトが、ワタシ?

 

 

「脱走し、逃げ、人を襲うモノだけだった「パラサイト」の中に、知的に宿主を装って紛れ込むミカエラに憑いた個体がいた時点で疑うべきだった存在。他(・)に(・)も(・)紛(・)れ(・)込(・)ん(・)で(・)い(・)る(・)の(・)で(・)は(・)な(・)い(・)か(・)、と(・)ね(・)」

 

な、なにを言い出したの、このツキシマは……!?

 

「誰も気付けないほど巧妙だったが、「パラサイト」にも予想だにしていない奇跡が……いや、意(・)地(・)があったんだ」

 

「……っ! まさか!?」

 

わけの分からないことを言い出したツキシマだけれど、その言葉にシルヴィがハッ!とした様子で反応を示して声を上げた。

それを見たツキシマは頷いてみせた。

 

「気付いたかい? 完璧に紛れ込めるはずなのに、あからさまな違和感があるその矛盾の意味が。リーナの足掻(あが)きが」

 

「そうか! 軍の中でも特に重要人物であるツキシマさんの情報を守ろうと抗って!」

「「パラサイト」に全てを奪われそうになりながらも、成し遂げたのか!」

「恩人であるツキシマさんを想って、リーナは……!?」

 

 

「リーナを誇りに思うよ。褒めはしても、責めるのはあまりにも非情だ」

 

 

ふざけないで……!?

気付けば、みんなの中でワタシは身体を乗っ取られながらも必死に抵抗をしてみせた健気(けなげ)な子でありながら、軍人の鑑とでも言いそうなほどになっていた。

まるで悲劇のヒロインかのように祭り上げられ、人によっては涙まで溢れさせていた。

 

 

 

「その献身に応えるには、決して逃がさず、他へ移らないよう確実に捕らえ、「パラサイト」のみを消し去りリーナを助け出すしかない」

 

 

 

「おかしい、こんなの……ふざけないで……!」

 

ようやく絞り出せた言葉は、単純な感想だけだった。述(の)べたというよりも、本当に気持ちそのままが言葉として口から出てきただけでしかない、まとまりきらない感情。

 

それは目の前のみんなには、どう聞こえたのか……どう感じられたのか、わからない。

ただ一つ確かなのは――――

 

 

「その口を開くな」

「その顔でしゃべるな」

「我々の総隊長を……アンジー・シリウスを、リーナを! これ以上汚すな!!」

 

 

――――気に障るモノであったという事くらいだ。

 

 

 

 

 

 

逃げた。

逃げた。逃げた。逃げた。

 

追いかけられているか、魔法が飛んでくるか、そんなことも考えられずに、確かめることもせずに只々(ただただ)力の限り走り続ける。

 

勝てないとか、戦いたくないとか、そんな理屈じゃない。

 

分からない、気持ち悪い、怖い。

 

 

 

嫌だ、誰か、助けてッ!!

 

 

 

走る、走る、走る。

 

逃げるの――――どこに?

 

マンション――――シルヴィが同居していて真っ先に見つかるだろう。

 

任務のために押さえてる仮拠点――――他の隊員が利用するということは、さっき居たみんなも当然知ってる場所だ。

 

学校――――そんなところに行ったところで、何になるの。

 

 

この街はツキシマのホームグラウンド。そして、私の知っている場所は軍のみんなが把握している。

逃げ場が無い。あえて言うなら、交通機関のあるところ――悠長に乗っておくことはできないし、現実的とは言えないけれど。

 

なんとかして、逃げ切って、そうでなくても本国へ……!!

 

 

USNA(ほんごく)へ……?

 

 

気付く。気付いてしまう。

 

あそこには、USNAで処断したはずの人もいた。

その遺体はワタシも確認したし、軍の管理下で調べられたうえで正規の順序で本来されるべき埋葬の手順を行われるはずだ。

 

それが、ツキシマのもとに在(あ)る。

もしかすると、す(・)で(・)に(・)本(・)国(・)は(・)ツ(・)キ(・)シ(・)マ(・)の(・)手(・)に(・)堕(・)ち(・)て(・)い(・)る(・)の(・)で(・)は(・)な(・)い(・)の(・)か(・)?

 

 

いいえ、ありえない。

ワタシ達「スターズ」の一部が離れていたとしても、それ以上の戦力がUSNAには残っている。ましてや、軍関係の施設は魔法師だけでなく様々な面で万全なセキュリティであり、ひとりの人間…魔法師と、協力者がいたとしても不可能に決まっている。

例え、ツキシマがワタシと同等の戦略級魔法師であったとしても――――

 

 

 

 

 

「『横浜事変』って、建物とか道路とかの被害は多かったけど、人的被害はほとんど無かったってさ」

「それって、月島が避難誘導したり、色んな場所の戦闘をフォローしたからだろ?」

「あっ、私も助けられてたんだ……」「命の恩人だな」「さんをつけろよデコ助野郎」

 

……

 

「飛行術式をしこんだヘンテコな格好の装備で空飛んでる集団が敵を殲滅してるのを遠目で見たぜ」

「その装備を開発したのも月島さんなんじゃね?」

「そうなんじゃない?」「ありえる」「月島さんなら……!」

 

……なんで

 

「あの黒い箱の後に、逃げてく大亜連の船を消し去った光ってあったよね?」

「あれも月島さんの能力(チカラ)の一端なんでしょ」

「知ってた」「当然だろ?」「他に何の可能性があるんだ?」

 

なんで!

 

「『灼熱のハロウィン』って呼ばれる理由になったあの一撃って……」

「何を言ってるんだ?アレは月島さんによる大亜連への裁きだよ」

「強(つよ)…早(はや)…!」「―だが、本当の力は―」「月島さんの本当の力はこれの…五百倍だ…」

 

どうして!?

 

「つまり……俺たちがこうして生活できてるのも、月島さんのおかげってことじゃないか?」

「「「「流石(さすが)です、月島さん!」」」」

 

 

こんなことを思い出すの!!

 

学校でツキシマについて調べた際に、聞くことができた「月島(ツキシマ)さん伝説」なんて話。

どう考えても、尾ひれがついたような……なのだけれど、無視はしきれないツキシマの偉業を讃(たた)えるような一連の話。

そんなものを、何故か今、思い出してしまっていた。

 

 

「うるさい! ハァハァ……!」

 

頭の中を廻る声に、吐き捨てるように叫ぶ。

あの場から逃げるため、駆け出し闇雲に走っていたその足が止まった。

 

車なんて通りようもない、建物と建物の間の細い裏路地。

 

 

この程度の距離なんて訓練で倍以上を走ったこともあるはずなのに、息が上がりきっていて、苦しくて、涙も溢れてて、胃からこみあげてくるものさえあって……大きく息を吐くたびに出て来そうな気しかしない。

 

違う、走ったからじゃない。

痛い、心が。

どうして、なんで、こんなことになったの?

悪い夢なら覚めてほしい。でも、覚めやしない。

この痛みが耐えられない。

 

軍人として様々なことに耐えてきた。

訓練の苦しさも、プライドが許しがたいことも、女性として屈辱さえ感じてしまうことも……

そして、任務の中で自身の意志と反していようと、目的のため、国のため、軍人として振舞った。今回の任務だって――

 

 

「ぁ……ぅ……!」

 

 

涙を拭(ぬぐ)う。

すると、ぼやけていた視界も幾分か鮮明になって……ふと気付く、周囲の明るさに。

 

あの青白い狼の光じゃない、街灯でもない、やわらかなもの。

 

 

満月。

 

 

自然と頭上を向いていたワタシの目に映る。

こんな裏路地さえ、分(わ)け隔(へだ)て無く今日の月は照らしていた。

 

 

 

ワ(・)タ(・)シ(・)は(・)、逃(・)げ(・)て(・)何(・)が(・)し(・)た(・)か(・)っ(・)た(・)ん(・)だ(・)ろ(・)う(・)?

 

 

力が抜けて、その場に座り込んでしまう。

 

 

 

――――月島さんは、人知れず人々に害をなす悪を裁く正義の味方!

――――不法な闇取引の現場を押さえ、テロリストを無力化し、密入国を許さず、侵略者を制圧する、あらゆる分野に精通した日本を護るエージェント!

 

 

ああ、そうだ。

ワタシは悪なんだ。

ツキシマにとっての、この街の人にとっての悪。

そして、きっと、それ以上の何かになろうとしてた。

 

だって、そもそもワタシは人殺しなのだもの。

軍人として仕方ないことだ。それは入隊時には覚悟していた。

それでも、国を、多くの人の命を守るために必要な存在だからと思っていた。

だから、もしも最後の審判があってその時にどんな内容が下されてもいいと思っている。

その考えは今でも変わってない。

 

けど――――

 

 

 

 

見上げた月に、人影が現れ――そのままスルッとおりてくる。

座り込んだままのワタシの前に降り立った、ツキシマ。

 

 

ツキシマを前に、ワタシは腕を動かす。

 

どこからか取り出したのか手にした刀(カタナ)の切っ先をワタシに向けた。

けれど、ワタシは動きを止める気は無かった。座り込んだまま、手を開き、腕をツキシマに向けて広げてみせる。

 

 

「ねぇ、ツキシマ」

 

「なんだい?」

 

 

 

 

 

「ありがとう」

 

 

今回、仲間であったはずの隊員を処断した時から、何かがズレた気はしていた。

本当にこれが正しいのかって。こんなことをするために軍にいるのかって。

脱走をするはずがない、もっとちゃんと話を聞いたり、調査していったりするべきだって。

もっと何かできることがあるんじゃないかって。

 

実際、そうだったんだから。

 

 

 

「みんなを助けてくれて」

 

 

 

ワタシが護れなかったものを、ツキシマは護ってみせた。

 

死んでいたはずが生きていたり、大規模な洗脳術か何かか分からない状態を見せられて……正義の味方だとか、そんなのとは違う、神(・)か(・)悪(・)魔(・)か(・)常識を超越した何か。もっと恐(おそ)ろしく悍(おぞ)ましい何かを感じたのも事実。

だとしても――――

 

 

 

「……ワタシはもう、みんなを殺さなくて――」

 

――いいのね

「いいんだよ」

 

ワタシが言おうとした言葉を肯定するように、言葉をかぶせてきたツキシマ。

見上げて見えるその顔は、薄っすらと微笑んでいるけど、涙(・)が(・)浮(・)か(・)ん(・)で(・)い(・)た(・)。

 

その声色は、みんなと一緒にいた運動公園(あのとき)とは全然違う柔らかなもので、どこまでも優しくて――――

 

 

「おやすみ、リーナ」

 

 








ガチバトルを期待していた方は申し訳ございません。
……。
…………どうしても、ね?
アニメとか見返したけれど、リーナがここから奮起して徹底抗戦に移るイメージが湧かなかったんですよ。
USNAの宗教とか価値観とかも考えてみたけれども。

元仲間を殺すことに心を痛め、背負い、それを理由に止まれない状態になってたあのリーナが、殺したはずの仲間が生きていて、自分と月島さん以外はみんな以前通りで……正直なところ、モチベーションもなければ、色んな意味で心ぼきぼきですので戦える気がしません
仲間がまだいれば……「月島を殺せば戻るのか」って原作一護のような感じでその情報を知れていれば、あるいは……?

それはそれとして、盾舜六花で拒絶したものって織姫が死んだらどうなるんでしょうね?(アニメ最新話を繰り返し視聴しながら)





以下<おまけ>

「ふざけないで!」
「何をしたかは分からないけど、みんなを開放して!」

 リーナ「ヘビィ・メタル・バースト」ぼっかーん

 月島さん「三天結盾」無傷

「そ、そんな……!?」

「本物の隊長なら驚きもしないだろうね」
「ああ、むしろ「ツキシマさんが本物か試しただけよ」とかドヤ顔で言いそうだ」
「何故なら「ヘビィ・メタル・バースト」を開発したのも、ブリオネイクを作ったのも、ツキシマさんなのですから」

「もちろん、リーナに教えたのも、鍛えたのも僕だよ」

逃げる間もなく、容赦なくボコされて捕縛されるリーナ……


……うーん、ボツですね!
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