魔法科高校の月島さん(モドキ) 作:すしがわら
「独自解釈」「捏造設定」「ご都合主義」「原作改変」等が多々含まれています!
原作と大きく異なる流れがある部分が存在します。細かい点や話の流れも、諸々の事情により変更されている部分があります。ご了承ください。
不定期更新です。
今回も達也視点です。
終盤、というかもう日常回ですね。書きたいものを書ききった感が出てきました。でも、方向性が違う最後の盛り上がりが…ここから……!!
そして、注意喚起が必要かはわかりませんが、今回これまで特に理由もないんですけど封印していた顔文字を解禁しております。どうしても、ね?
こうして創作物を書いたり他の人の創作物を楽しめたりするのも、月島さんのおかげ
バレンタインデー。
一か月以上前から市場で取り上げられ、盛り上がりをみせる。
そうして数日前には多くの人が浮足立つ、そんなイベント。
特に、「惚れた腫れた」といった
そんな中、第一高校では例年のバレンタインデーとは比較にならない盛り上がりを見せていた。
最も、その原因は恋愛関係ではなく、
朝一番、授業が始まる前の1-A教室。様子を見に来たエリカやレオ、その2人に
『「「「「「おかえり(なさい)! 月島(さん)」」」」」』
「ああ、ただいま」
クラスメイトの大半に加えて、他クラスからも顔を見に来た同級生、そして一部剣道部など縁のある上級生たち……それが、数か月ぶりに登校してきた月島へと一斉に歓迎の声をあげた。
対する月島はと言えば、自身の席に着いた状態でいつものように薄っすらと
「まさか、こんな扱いを受けるなんてね」
「いや、むしろ何事も無いように登校する月島が大雑把過ぎるだけだろ」
「そうかな?」
まるで現状を理解していない様子での月島の呟きに、そばにいた森崎がツッコミを入れて呆れた様子をみせるが……やはりと言うべきか、本人は「何を言っているんだ?」とでも言いたげな様子で肩をすくめるだけだった。
と、そんな月島のもとにひとりの女子――A組ではなさそうだが制服に花弁のエンブレムがあるから一科生、BかCかDの所属だろう――が駆け寄ってきた。
「あの、コレ!」
「ん? これは……?」
「友チョコ用ですけど……とにかくチョコです!」
そう言った女子生徒の差し出していた手には、掌大の可愛らしくラッピングされた包みがひとつ。本人が言っているように、その中身はチョコなのだろう。
そんな女子生徒の行動に、周囲からは「おー!」という感嘆の声と「きゃー!」という黄色い悲鳴、「くぅ!!」という妬みや「先を越された!?」という焦りの声が少々
「今日帰ってくるって知っていれば、もっとしっかりした物を用意してきたのにぃ~!」
「待って」
恥ずかしそうにしながら、何やら言い訳らしきものを吐き捨てながら駆けて教室を出ようとした女子生徒を月島は呼び止め、記憶にある以前の登校の際には使っていなかったカバンから
そして、立ち上がって女子生徒の右手を取り優しく引き上げ、その掌に乗せるようにして
「量は少ないけど、お返しだよ。口に合うといいんだけど……」
「は、はひぃ…!」
月島から手渡された小さな紙袋を受け取った女子生徒は、受け取った紙袋と月島に触れられた右手を左手で自身の胸元に抱くように抱えて――顔を真っ赤にして走り去った。
女子生徒と月島の
「意外だなぁ、貰えるなんて。配る分の数は作ってきたからいいけど、部員と
と、月島自身は特に変わった様子も無く受け取ったチョコをしまいながら呟いていた。
その呟きを聞いた森崎が「いやいや」とまたもや呆れた様子で苦笑いを浮かべて月島に喋り掛けた。
「みんなを守ってくれてたお前だからな、本命でも義理でも貰えるだろ。大変だと思うぞ、今日は」
「え?」
「横浜のことも、大亜連のことも、今回の「吸血鬼事件」だって、全部月島ががんばってくれたんだってことは、みんなが知ってるさ」
「……???」
月島の肩を叩きながら誇らしげにする森崎に、表情こそ大きく変化が見られないものの困惑している様子が感じられる月島。
その視線がこちらへ向いたため、俺は首を横に振ってみせた。
月島が「吸血鬼事件」に関わっていたであろうことは深雪以外には話していない。そして、それ以外についても俺が何か話したり噂を流したりした事実は無い。……というか、それらは噂が独り歩きした結果生まれた
そんなやりとりを見ていた周囲の生徒たちは、ようやく意識が目の前の状況に戻ってきた様子で――――
「月島さん!私も!!」
「いつもみんなのために、ありがとうございます!」
「取りにいかないと…!」
「待ってて、月島くーん!」
「「さん」!でしょ!!」
――――主に女子生徒が一気に動き出した。
本命なのか、義理なのか……はたまた月島が用意したという「お返し」目的なのか、我先にとチョコを渡しだしたり、走って教室を出て――おそらくは自身の教室にチョコを取りに――行ったりし始めた。
目をまんまるにする月島。
「待て!!」
声を張り上げたのは、月島の前に立ちはだかった森崎。
「今から順次受け付けるから、一列に並べ! 月島に迷惑をかけるな!!」
「森崎君……?」
「並べばちゃんと手渡し出来てお返しも手渡しだ! ついでに握手もついてくる」
「森崎君?」
またもや「何言ってんの?」と森崎へと視線を向けた月島だったが、森崎の言葉は効果抜群だったようで女子生徒たちはいっぺんに真っ直ぐ列を作り出した。
すると、森崎と同じくA組であろう男子たち数人がいつの間にか集まり、どこからか取り出した紙を小さく破って番号を書き始め……手分けしてその紙を並ぶ女子生徒に配り始めた。さらに言えば、列の途中途中で整列をさせる男子や最後尾で他の教室から来る女子を並べ始めている男子まで。
「「「渡すチョコを用意して無い俺たちは、こういう所で感謝を示すぜ、月島!」」」
「?????」
「ほら、授業までに極力終わらせるぞ」
当たり前のように月島の横で列の先頭――つまりは順番の来た女子を誘導し始める森崎。
こうして、月島本人は流されるままに「月島へのチョコ渡し会」が始まるのだった……。
それを避けるため、A組の深雪とほのかは俺たちのいる廊下へと出てきて、教室でのチョコの受け渡しを眺めながら話し始めることとなった。
「凄いことになってるなぁ」
「本人が一番驚いてるみたいだけど…?」
モテていることに一瞬羨ましそうにしたかと思ったが列の長さを見て嫌そうにするレオ。対して、幹比古は月島の様子を見て心配そうにし同情している様子。
「元々顔も整ってたし、身長も高くて魔法師としても強くて……モテそうな要素は多かったものね。ちょっと胡散臭さがあるけど」
「九校戦で優秀な成績を
「横浜での活躍の話だけじゃなくて、実際に助けてもらった人もいたからね」
俺は、エリカの発言に内心頷きながら、美月とほのかの発言の内容について考える。
……「九校戦」にて、クラウド・ボールでは魔法の巧妙な技術力を、アイス・ピラーズ・ブレイクでは十師族の一条に負けず劣らずの瞬発力と破壊力を見せつけた。注目を集めたし、憧れる人物やファンになった人物も少なからずいることだろう。
「横浜事変」にて、実際に助けられた一般人や学生、さらには義勇軍の話があるうえに、「月島さん伝説」に語られるように飛行魔法を扱っていた俺たちの部隊、さらには大亜連の軍艦やその後の大亜連の港を消滅させた超爆撃ついても月島の功績である認識が
「月島さんの功績ではなく、お兄様の……」
俺の思考を読み取ったのか、あるいは月島にチョコを渡す女子の言葉に俺がやった事が混じっていたのを聞き取ってしまったのか。周囲に聞き取れないであろう
その方に手を置き、軽く引き寄せて耳元で
「気にするな。……むしろ、俺たちに疑いの目が向けられない」
「それは、そうですが……」
理解はできるのだろうが収まりきらない深雪に、続けて「深雪だけが知ってくれていればいい」と囁くことで納得してもらう。
「Oh……」
「リーナか。遅かったな」
いつもはもう少し早くに登校しているリーナが、珍しく遅れて――むしろこの時間まで来ていなかったら「事情で休み」だったりした――今、教室に到着した。
俺の声に、グループメンバーの視線が月島の方から廊下で立ち尽くすリーナの方へと向けられた。
「いやぁ、色々と最後の仕上げををしていたら遅くなっちゃって……渡すのは後の方が良さそうね」
……?
今の発言、まさか……いや、だとしたら、もう少し隠すべきでは……?
「そうそう! 約束通り、レオにチョコを用意してきたの」
「マジで!」
「みんなにも友チョコってヤツよ!」
レオが「結局みんなにやるんじゃん」と文句を言いながらも嬉しそうに受け取り、色々と言いたそうにしながらも予想外にも自分に対してもあったことに驚くエリカ。幹比古も驚き慌てて受け取り、その様子を珍しく何とも言えない顔をして見る美月。
もちろん、俺や深雪の分もあったのだが……俺の『眼』で見たことに加え、さっそくチョコを食べたレオの様子からして、怪しいものも混じっていない真っ当なチョコのようだ。
それはそれとして、俺の感じた疑念はどうなることか……
昼休みも多くの人に
月島は所属している剣道部の方へ行くのかと思ったが、生徒会のほうに顔を出すそうだ。
なんでも、剣道部の部長の壬生先輩のほうには、昼間のうちにすでに話を通して――ついでにバレンタインデーの
「あの中身、クッキーだったんだ」
「? それがどうかしたのか?」
生徒会室までの移動中、月島がお返しで渡していた紙袋の中身について何故か言及するエリカと、それを不思議そうに見るレオ。
……そう。普段は生徒会室に来ることの無いエリカやレオ、幹比古に美月まで同行している。ほのかは、月島がいない間の手伝いとして来ていたので、そこまで特別ではないが……。
その他には、当然生徒会のメンバーである深雪と留学中は手伝いで参加しているリーナも一緒にいて、もちろん月島も一緒に歩いている。
「そうだよ。まだあるからレオも食べてみるかい? 生徒会室でお茶も用意しよう」
「復帰初日に、どれだけ用意していたんだい?」
「正気かい?」ともはや引き気味な幹比古の言葉に、多少差はあれど同意し苦笑いを浮かべる数人。
それに、生徒会室でお茶会……いや、今日は言うほど仕事も無いはずだからいいのだが……かなり私的な利用な気が……。
そんなことを考えながら、後ろについてくるリーナがやけに緊張していることが気にかかりつつも歩き続け、生徒会室にたどり着くのだった。
「おかえりなさい、月島君っ……って、多い!?」
「まぁ、倍くらいはいますね」
相手が前会長の七草先輩ではなく中条会長であるためか、メンバーは大抵「お邪魔します」と言いながらも遠慮なく入室している。
申し訳なさそうにしているのは幹比古と美月くらいだった。
なお、月島は道中に言っていたようにお茶を用意し始めた。
と、この前もいなかったが会計の五十里先輩の姿が見えないことに気付き、いちおう中条会長に問いかけてみる。
「
「お休みをあげて返しました……イチャイチャしだしたので」
疲れた様子で言う会長に、事情を把握した俺と深雪、ほのかは「あぁ…」と納得する。
それは、仕事的にもバレンタインデー的にも邪魔にしかならないだろう。
五十里先輩には
それがバレンタインデーともなれば……まぁ、そういうことだろう。むしろ、追い帰した中条会長は良い仕事をしたと言える。
それはそれとして、だ。
バレンタインデーには帰ってくることを知って色々と準備していたであろう中条会長からすれば、俺たちも十分お邪魔虫なのだろうが……。
正直、俺はどうでもいいのだが、どうにも中条会長の事情を知った深雪がほのかと共に面白そうにかつ興味深そうに会長の様子を観察しキャアキャアしているのだ。なので、俺としては気を利かせて月島と2人だけにしてやるなんてことはしないことにした。
というか、あの中にどれだけ本気の女子生徒がいたかは分からないが今朝の様子からして、俺たちがいるくらいで尻込みするならば月島争奪戦には加われないだろうからな。むしろ親切心と言ってもいいのかもしれない。
さあ、会長はどうでるか……
「あのっ!」
「ツキシマさん! ワタシからのチョコ、受け取ってください!」
お前か、リーナ。
いや、そんな気はしていた。
だが、いきなりそんな
「チョコを?」
「ハイ! 前にツキシマさんがレシピを教えてくれた「わたびチョコパフェ」作ってみたの! 食べてほしくって!!」
長い間、休学していた月島とは今日初めて会うことになるのがあたりまえ。さらに言うなら、以前「会えてないから」という理由で月島について学校内で聞き回って「月島さん伝説」を知るに至ったことを俺たちは知っているから、これまでに会ったことが無いのは確実だと思われているって分かってるのか?
実際のところは、月島=銀城であれば「吸血鬼事件」の時に出会っていて、俺を遠ざけたあの夜から数日間は今日まで猶予があったからその間に……って可能性があるにはあることもわかるが、
というか、どこから取り出した? そのパフェは。
ガラスのパフェ容器に、白と茶色と緑が何層にもなって縞々に重なっている。おそらく先ほどの名前からして白はクリーム、茶色はチョコ、緑はわさび味の何かが詰められているんだろう。…『眼』でみたところムースのようだ。
その上にバニラアイスの半球が乗り、そのバニラアイスに緑の線がウネウネと走っている……これは練わさびなのか。そのアイスの周囲をぐるっと一周角を立てたクリームでデコレーションされている。
最後に、存在感のある
アイスも解けていないし、よく冷えている……本当にどこに保管してたんだ?
受け取った月島もポカンとしている。
そして、俺は既視感に襲われた。
――――「トリック・オア・トリート」
無機質な声。
メイド服の上から無理矢理クマの着ぐるみを顔出しで着た姿。
「あ、ハロウィンの時の…!」
ほのかの声で完全に思い出した!
「十師族の下から月島が帰ってくる」そんな情報がありながらも結局は帰ってこなかった「ハロウィンパーティー」。
そこで起きた問題の一つ。「ロボ研」の人型ロボット、ヒューマノイド・ホーム・ヘルパーの「
「ピクシーがソレを配っていたのは、お前が原因なのか……!?」
「ああ、あの時は本当に帰るつもりだったから事前に潜入してサプライズの下準備をしていたのさ」
「あの、リーナさんはいつ月島さんに会って……?」
「エ、あっ! それはぁソノー……?」
「リーナが休んでいた時があっただろう? その時の用事と僕のやっていた事が重なったことがあってね、そこで色々と話す機会があって「日本の食べ物を使った料理を知りたい」って言われて教えたものの中のデザートがコレだったんだ」
気付いたことを聞いた美月に、うっかりが過ぎるリーナのフォローをするように月島が説明を付け加えたが……
「いや、それでそんな変なモノを教えるって、むしろ嫌がらせじゃないの?」
「配合を間違えなければ、意外とイケるモノにはなるんだけどな」
「マジかよ……! アレはマズかったぞ!?」
「間違えなければ意外といけるって時点で、マトモじゃないって言っているようなものじゃないか!?」
引いているエリカに、実際に食べ始めて「ウマい」と呟く月島。ピクシーが作ったものを食べていたことに驚かされるレオが戦慄し、幹比古はツッコミを入れた。
「いい腕をしているね、リーナ」
「ツキシマさん……!!」
奇怪なパフェを片手にいつもの胡散臭い笑みを浮かべて賛辞(?)を述べる月島を前に、リーナはその身を小さく震わせて感涙で目を潤ませている。
気のせいか、月島の目元にも涙が薄っすらと見えるような……? 微笑んでいるが、まさかツンときたのか?
「どうしてこうなるのー!?」
この騒がしい混沌とした状況に、チョコとか色々と準備していたであろう中条会長が膝をつき、リーナや月島とは別の意味の意味で涙を
……まぁ、仕方ないな。コレは。
「あっ、会長。今週末の予定空いてますか?」
「え」
「前に言っていた僕の行く本屋に案内するって話、お付き合いいただけませんか?」
「……………………え?」
(。´・ω・)?(; ・`д・´)(´艸`*)(◎_◎;)
いきなりの事に、顔を上げた中条会長が「ワケガワカラナイヨ」と表情をコロコロと変えて困惑していた。
……本当にお前は会長をどう思っていて、どうしたいんだ?
五十里先輩は……うん、書き辛いのよ。
※月島=銀城関連について、本編中にネタとして拾えなかった部分
・月島のことを一番知っているのは、間違い無く俺
(月島さんは僕だし、原作月島さんを知ってるのは僕だけだからね)
・アイツ自身のこと、アイツが関わったこと、なんでも知ってる
(僕のことは知ってるに決まってるじゃんか)
・月島が稼いでいた信用分くらいは、話を聞いてもらえてたと思ってたんだがな
(僕、信用無いのかい? 悲しいなぁ)
・月島ならもっとスマートに治しちまうだろうがな
(六花を出すわけにはいかないから、変装している今は無理なんだよなぁ)
・嫌だぜ、俺は。元嬢ちゃんをご家族や友人に始末させるなんてお涙頂戴展開はよ
(嫌だなぁ僕は。エリカを家族や幹比古、自分で始末するのは)
・感想欄返信:銀城が主人公です
(月島さんが銀城だもの)