世界平和と己の幸せが俺の夢   作: 黒兎

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えーと、初めましてですよね。『 黒兎』です。

クオリディア・コード熱が凄くて、本能的に書いてしまいました!





因みに文字数は少ないです。






プロローグ

 ––––夢を見た。

 

 

 それも深く深く深く深い、微睡みの様な夢を。

 

 詳しくは覚えていない。だって、数年前の夢なのだから。

 

 ただ––––大雑把には覚えていた。

 

 

 いつもとは違う紅い空。

 

 降り注ぐ災厄の化身。

 

 絶望に絶望を重ねた世界を。

 

 

 ––––だが、その全ては実際に起きた話だ。

 

 正体や詳しい事など一切分かっていない様な化け物。通称、《アンノウン》。

 何処からともなく現れた奴らは無慈悲にも全てを壊した。

 発展した街中も。栄えた人々も。何よりも––––掛け替えの無い日常も。

 その全てを蹂躙し、破壊の限りを尽くした。

 

 それに対し、人側も対策を取った。

 未来に希望を持つ少年少女のみを冷凍睡眠(コールドスリープ)を行ったのだ。

 結果、多くの子供は助かったが、反比例するかの様に大人は死んだ。

 既存の兵器の殆どは通じなかったのだし、当たり前と言われれば当たり前。

 そして、少年少女が眼を覚まし始めたのはその10年後くらい。

 

 

 そして、長い夢に終わりを迎え––––とても苦しい現実を目の当たりにした。

 

 

 荒れ果てた大地に記憶とは違う地形。きっと、災厄が抉って行った後に違いない。

 ある少年は憤怒を、ある少女は悲哀を浮かべていた事だ。

 だが、それでも理不尽な現実に抗って、生き続けた。

 

 

 ––––何があっても、あの化け物(アンノウン)を撃退する。滅殺する

 

 

 と、心に楔を打ち立てて。

 

 その誓いは普通に考えて、荒唐無稽も甚だしい。何故なら、戦前の軍隊でさえ、マトモに戦えなかったのだから。

 

 だが––––目覚めた少年少女は違っていた。

《世界》。

 俗にそう呼称される能力を発現したからである。

 ある者は、触れなくても触れれる夢を。

 ある者は、地球が引きし、重力を息をするかの様に支配する夢を。

 ある者は、全ての運動を意のままに操る夢を。

 その超常現象を絵に描いた様な“夢”を見たままに冷凍睡眠された少年少女は、目覚めを境に“夢”を現実へと投影出来る様になっていた。

 

 それぞ、《世界》。《アンノウン》に対抗しうる唯一の方法だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ––––––––––––と、ここまで、この世界に関しての情勢や事情に関して、説明してきた訳だが。

 

 そんな絶望的な状況でも、世界は––––人間は頑張って、生き続ける。生き続けている。

 

 そう、世界は–––––––

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ––––––––素晴らしい程に美しいのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――*―――*―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ………」

 

 スゥッと眼を開く。

 射す木漏れ日は仄かな暖かみを帯びていて、寝起きを考慮しても、不思議と機嫌は悪くない。

 すると、青髪の少女が視界に割り込み、木漏れ日を遮る。

 

「九重さん、もう《アンノウン》の発生予報があって、随分経つんですが………」

 

 普段は気弱な少女な筈だが、今は半眼で冷たい声音で言葉を発していた。

 大分、機嫌が悪いのだろう。………まぁ、大方の原因は寝転がっている男に有るのだが。

 

「別に寝てても良いだろ。………どうせ、我らが姫がフルボッコして終了のイージーゲームだ。俺が出張るだけ無駄だ」

「確かにそうですけど………でも、姫様だって起こしには来たんですよ。まぁ、《アンノウン》の発生警報が鳴ってからは即座に皆さんを率いて、飛び出して行きましたが」

「あいつの世界平和願望は異常な位に高いからな。そりゃ、飛び出していくだろ」

「あと、ほたるさんから伝言を預かってます」

「何?」

 

 寝転がりながら、気抜けた声で尋ねる男に少女はコホンと咳払いしてから、伝言を伝える。

 

 

「『寝るのは構わんが、起きたら前線に直行しろ。貴様の《世界》を利用すれば簡単なのだしな。………あと、貴様が起きなくて、ヒメが若干悄げていた。どうなるかは………分かっているな?』と………」

「おー………そりゃあ、面倒な話になって来たな」

 

 はぁ………

 短く、溜息を吐き、男はノソッと身を起こす。

 そして、傍に置いてあったブレードライフル状の出力兵装の持ち手を握り締めた。

 

「じゃあ、青生。戦況の共有を頼む」

「了解致しました」

 

 青生––––そう呼ばれた少女は、男の手を握る。

 別に二人が恋仲だとかいう話では無い。

 彼女の《世界》を使用するのに重要な工程なのだ。

 すると、男の頭の中に––––様々な映像が流れてくる。

 

 色んな人々が人型では無い化け物––––《アンノウン》と戦う姿が。

 

「よし、ありがとな。………んじゃ、行くとしますか」

 

 そう言うと男は、自分の首筋にソッと手を添える。そして、ブレードライフルを斜に構え––––近くにあった木に斬りかかった。

 すると、木々が切れる寸前で止まり––––男の身体は反対方向に弾き飛んだ。それも凄い速度で。

 これが男の《世界》の能力の副作用だ。

 

「お気を付けて下さい」

 

 青生の言葉は微かに耳に届き––––男は静かに微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







注釈1:時系列は一話です

注釈2:主人公は今の所は神奈川陣営です


その他、質問および感想があれば、お送りいただけると有難いです!
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