世界平和と己の幸せが俺の夢 作: 黒兎
新学期始まり、真面目に執筆出来なかった『 黒兎』です
いやぁ………3日も筆を持たないだけで、案外書きにくいものですね。ビックリです
これからも頑張って書かねば………
後書きでちょっと提案があるので、ちょいとコメントくれると有り難いです
「は?」
深夜真っ盛り。
突如、管理局から掛かってきた電話に黒乃は普段ではあり得ない声を出していた。
「ホント、嘘だろ………」
溜息と一緒に溜息しか出せないという溜息だらけの黒乃。
普段以上にダルそうなのには訳があり、それが電話先で説明された状況が故だ。
超大型《アンノウン》––––俗名、リヴァイアサン級の討伐作戦。それは三都市合同の作戦にして、明朝決行……だったのだが、
「クソっ……あのバカ朱雀」
どうやら、東京首席の朱雀が独断専行で事を終わらせようと真夜中に特攻しに行ったそうなのだ。加え、次席のカナリアを含む、東京上位勢––––人数にして、一小隊分だけで助太刀に行ったらしい。
しかも、相手のリヴァイアサン級は東京陣営の偵察隊–––上位勢から選抜された奴らの猛攻を余裕綽々で耐え忍べる相手だ。
それを大して人数も変えずに挑んだ? バカにも程がある。
「あの《アンノウン》は一筋縄で勝てる相手じゃないっての……俺も早く向かわないとな」
これ以上、悪態を突いても意味が無いのは分かっていたから、用意を済ませた黒乃は直ぐに寮を飛び出す。
―――*―――*―――
夜も夜。街中の灯りも全て落ち、完全に暗闇の中、黒乃は走っていた。
《世界》を足裏で発現させ、道路を壁をスルスルと擦り抜ける要領で駆けていく。
「夜、こうやって走るのはよくあるけど………やっぱ、静かだ」
静かは良い。煩いよりも数倍良い。
静かと言う事は、音がしない。つまり、煩くない。
この理論を展開し続ければ、延々と続く気がするが、気にしない方向で。
「それにしても朱雀め………あの《アンノウン》相手に単独行動とかホントに止めてほしいな。アレはあいつだけじゃ、絶対に勝てない」
そう言わんとする根拠はある。ただ、多くは言えない。
言えるとすれば––––黒乃は多く知り過ぎている。
だから、リヴァイアサン級を一小隊程度で倒すのは不可能だと知っている。
あれは最強の盾と矛を兼ね備えているのと同等だ。
きっと、舞姫の全力もほぼ無傷でやり過ごせるだろうし、リヴァイアサン級が火を吹けば、中途半端な防御を貫く。少なくとも、カナリアの《世界》で能力強化を極限まで重ね掛けし、朱雀の本気を打ち込んでも、あの守りを破るに敵わない。
「それを見越しての合同作戦じゃなかったのかよ………首席なら、ちゃんとしろよ。あんなのバカがする所業だっての………」
………何か、霞っぽいセリフだが、そう言いたくなる位に朱雀には呆れた黒乃。
ただ、早く向かおう。
黒乃の直感が告げている。
––––凄く………酷く嫌な予感がする………
―――*―――*―――
ようやく、海が見えた。
夜だから当然だが、真っ暗––––でも無く、一本。大きな緋柱が水上に立っていた。普段なら出ている月もあるのだが、緋柱の輝きには負ける。
あれがリヴァイアサン級《アンノウン》。
「相も変わらず、デカイこと…………って、なんだ? 通信か」
一応、装着していたイヤホンからザザッと
この声は………朱雀。
『……む。…………くれ』
普段の大きな態度とは思えない声音に黒乃は聞き取れなかった。
ただ………酷く嫌な予感というものは、大概当たるのだ。
『………頼む。カナリアを………カナリアを助けてくれ』
「はぁ………そんな事だろうと思った」
黒乃はそうボヤくが、きっと声は届いていない。通信は一方的に繋がっているだけだから。
だから、朱雀は黒乃の声など聞こえずに言葉を繋ぐ。
『後で何と言われようとも構わない………俺が全て悪い。カナリアを危ない目に合わせたのも、全て俺が悪い………』
このまま、雑音混じりの朱雀の泣き言に聞き入るのも手だが、そういう訳には行かない。
多分、管理局からの緊急連絡を入れられた神奈川陣営及び千葉陣営の首次席が戦場に集結しつつあるのだろう。あの
海上を占拠しているリヴァイアサン級《アンノウン》と戦うには海戦得意な神奈川陣営が担当するのだろう。つまり、舞姫とほたるはリヴァイアサン級《アンノウン》の気を引く役を請け負う訳になる。
そして、千葉の千種兄妹––––霞と明日葉は重体と思しき、カナリアだけでも回収しつつ、東京の生徒の避難に手伝う。
この布陣は管理局が提示した物で、黒乃に課せられたのは『勝手にしろ』。すなわち、遊撃だ。
という事で––––
「舞姫到着までは、俺が頑張りますか……面倒だけど」
―――*―――*―――
黒塗りの水面に脚を着けた黒乃は、身体中を循環させた
リヴァイアサン級を相手取るのに、半端な速度で接近したのであれば、放たれる真紅の閃光で蒸発必須。
つまり、下手に接近に時間を掛ける事即ち、“死”である。舞姫クラスの命気使いならば、閃光直撃でも、辛うじて重傷は避けれるかも知れないが、高々一般生徒枠の黒乃が無事な訳無い。………まぁ、黒乃の《世界》ならば、防げる気もするが。
目下の目標は援軍到着まで、ひたすら《アンノウン》と戦い続ける事だ。
雑魚《アンノウン》も殲滅も勿論、リヴァイアサン級のヘイト値も稼いで、タゲ取りもしなければならない。やはり、接近した方が良いだろう。
遠距離でブレードライフル乱射して、突く位は出来るが、周りの被る害度を考えれば………取る訳に行かない。
「……ったく、面倒だって」
気怠気に吐き捨てる黒乃は眼前に迫る緋い壁––––リヴァイアサン級の体皮にブレードライフルの大刃を思いっ切り叩き付ける。
剣の都、神奈川産の刃とは言え、リヴァイアサン級の硬く、堅牢な体皮を切り裂くに叶わない。それ程に奴は防御に適している。ただ、弱点と言えば––––
「––––よっと」
天高く聳えるリヴァイアサン級の先が真紅に煌めき、森羅万象を無に帰す一閃を放つ。
それを水面を走り、難無く回避する黒乃。特に苦し気も無く、余裕綽々に。
リヴァイアサン級の弱点。それは、絶対的な破壊力を持つ光線を乱射出来ない点にある。
威力を落とせば、確かに可能なのかも知れないが、それでは黒乃を落とすに決め手に欠ける。
ならば、必然的に最大火力で黒乃を焼かねばならない。
しかし、それではまず擦りもしない。
詰まる所、どう足掻いても黒乃をリヴァイアサン級単体で倒し切るのは不可能に近いのだ。
だが––––それは黒乃も同じ。
堅牢なるリヴァイアサン級の体皮を裂く手段が無いのだ。………いや、語弊があった。黒乃の《世界》を使えば、正直な所、どんな相手でも斃せる。斃し切れるだけの力がある。
但し、今は人目が無いとは言え、誰かに露見すると面倒だ。
少なくとも、管理局から内地送りされる可能性もある。
「………それは嫌だな」
ただ、その可能性が現実になるのだけは耐えれない。だって––––
「まだ………遣り残した事があるから」
––––だから、黒乃は負けられないのだ。
―――*―――*―――
その後––––と言うよりは随分、時間が経ち、本来の作戦決行時間。明朝前になった頃、千種兄妹の先導で東京陣営の避難が終わった。
但し、合流した舞姫&ほたるの助力があっても、未だに湾岸部を占領しているリヴァイアサン級を退けるに叶わなかった。
さてさて………
………これから一体、どうなるのやら………………
はい、何かサラッと4話「炭鉱のカナリア」の部分を組み込んだ一話と成りました。
で、前書きで書いた提案なのですが………リヴァイアサン級討伐後にオリジナルイベント入れたいんですけど………皆さん欲しいですか? 厳密に言えば、デート回なんですけど………おかげでTwitterの方で、少し投票も開いちゃう始末です、はい
このイベントは正直、無くても良いんですけど………まぁ、入れてみたいし、入れてたら一気に凄い方向に話が飛んで、黒乃の秘密も明かせるんですよね………そのイベントの有無は読者の皆様に任せますよ