IS/Extra・observer   作:Akabane

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8話

⦅昼休み⦆

~一夏【視点】~

 

ようやく昼休みになり俺は箒の席に行く。お節介とはわかっていても大切な幼馴染だ。このまま放っておくわけにはいかない

 

「箒」

 

無視された。が、諦めない

 

「篠ノ之さん、飯食いに行こうぜ」

 

俺は周りを見渡しながら言う

 

「誰か一緒に行かないか?」

 

すると今朝一緒に朝食を取った3人が返事をしてくれた

 

「はい!はい!」

 

「いくよ!ちょっと待って」

 

「お弁当作ってきてるけど、行きます」

 

「やっぱりクラスメイト同士、仲良くしないとな」

 

俺は岸波達にも声を掛ける

 

「岸波達もどうだ?」

 

「もちろん行くとも。でも、僕も白乃も少し用事があるんだ。だから席を取っておいてくれ」

 

「わかった」

 

そして二人は教室を出て行った

 

「さぁ、箒行こうぜ」

 

「私は行かない」

 

「そんなこと言うなよ、ほら立て立て」

 

俺は箒の手を握り強引に立たせる

 

「おい!私は行かないと・・・」

 

強情だなぁ、俺はちょっと意地悪することにした

 

「なんだ?歩きたくないのか?おんぶしてやろうか」

 

「っな!?放せ!」

 

「っぐあ」

 

箒に手を振り払われ突き飛ばされる。予想以上の強さに俺は受け身も取れず背中から倒れる

 

「あ・・・・」

 

「いてててて・・・腕上げたな」

 

「ふん!お前が弱くなったのではないか?」

 

箒はそういいながらも少なからず気遣ってくれる

 

「こんなもの剣術のおまけだ」

 

しかし、先程の3人は引いてしまったようで俺に断りをいれ去っていく

 

「あ~ぁ」

 

俺は箒を見る

 

「む、なんだ。何か言いたいことがあるのか?」

 

「箒!」

 

「私を名前で呼ぶなと」

 

「飯食いに行くぞ」

 

俺はまた箒の手を握る。今度は放さないように強めに、箒は文句を言ってきたがお構いなしだ

 

 

 

 

≪食堂≫

 

俺と箒は食堂の列に並んでいた

 

「あんなにムキになることないだろう?せっかく気を使ってやったのに」

 

「・・・誰がそんなことを頼んだ」

 

「もし頼まれたって、普通はしないぞ?箒だからしてるんだぞ」

 

「な、なんだそれは」

 

「おばさん達には世話になったし、幼馴染で同門なんだ。これくらいの節介は焼かせろ」

 

「あ、その、ありが」

 

[はい、日替わり二つお待ち]

 

「ありがとう。箒、どっかテーブル空いてないか?後で岸波達も来るんだ」

 

「ふん!向こうが開いている」

 

「俺、なんかしたか?」

 

 

 

 

俺と箒は円形状の四人掛けの席に着き、お互いに昼食を食べ始める。そこに用事を終わらせたのだろう岸波達がトレイを持ってキョロキョロしているのが見えた。俺は手を挙げながらこちらに呼ぶ。2人は気付いてこちらに来た

 

「「遅れてすまない」」

 

「いいよ、先食べちゃってたし」

 

「二人も日替わり定食か」

 

「キシナミ達もか?」

 

「「うん」」

 

ハクノは箒にむかって座ってもいいか?と問う。箒は小さくあぁ・・・と呟き席を詰めた。キシナミも俺に、いいか?と聞いてきたので俺も席を詰め、いいぜと答える。俺は昼食に誘った時のハクノ達の用事というのが気になったのので食事時の会話の種にしようと岸波達に問う

 

「なぁ、さっきの用事って何だったんだ?」

 

その問いに白乃が答えてくれた

 

「ちょっと織斑先生とこの学園の生徒会長に許可を取りに行っていたんだ」

 

「許可?」

 

今度は白野が答えた

 

「一夏の特訓用に月見原から機材を輸送してもらうからその許可」

 

「え!?もしかしてハクノ達がISを教えてくれるのか?」

 

「いや、仮にも私たちはクラス代表決定戦の敵同士だ。そんな存在が教えるのは対面上悪いだろう。そこで訓練機材はこちらがそろえるので基本的には箒に一任したいのだがどうだろう?」

 

「わ、私か?」

 

突然話を振られた箒は動揺したようにいう。俺も岸波達に教えてもらえないのなら知り合いの箒に頼みたい

 

「箒、俺にISを教えてくれないか?このままじゃ何もできずにセシリアに負けそうだ」

 

「くだらない挑発に乗るからだ」

 

「そこをなんとか、頼む」

 

そこに上級生の先輩がきた。リボンの色から見て3年生だろう

 

「ねぇ、君って噂の子でしょ?代表候補生の子とそこの月見原の子達と勝負するって聞いたけど、君、素人だよね?私が教えてあげようか?ISについて」

 

それはありがたい申し出だなと、思っていると箒が口を開いた

 

「結構です。私が教えることになっていますので」

 

「え?」

 

突然なんで?と思った。キシナミ達はなにやらおもしろそうだと言わんばかりの顔になった。本当にどういうことだ?

 

「あなたも一年でしょう?私三年生。私の方がうまく教えられると思うなぁ」

 

「私は、篠ノ之束の妹ですから」

 

「っな!?」

 

「ですので結構です」

 

「そ、そう。それなら仕方ないわね」

 

そうして、先輩は立ち去って行った

 

「教えて・・・くれるのか?」

 

「あぁ、放課後からみっちりな」

 

そこに肩を震わせながら笑いを含ませたしゃべり声でキシナミが口を開いた

 

「よかったじゃないか一夏。白乃、僕たちはとんでもない敵を相手にするかもしれないよ」

 

「そうだな白野、私たちは勝てるだろうか」

 

「からかうのはやめてくれ。ところで、貸してくれる機材って何なんだ?」

 

「あぁ、ISだよ」

 

「「え!?」」

 

キシナミの答えに俺と箒は一緒に驚いた

 

「でも、ISって今、予約がいっぱいで借りられないはずだよな?」

 

俺の問いにハクノが答えた

 

「うん、この学園のは借りられなかった。だからこの学園の生徒会長と織斑先生に許可貰って、月見原に借用届を出したんだ。あっさり許可が下りたから今日の放課後には空輸で届くと思うよ」

 

その話に箒が疑問を口にした

 

「それは、ハーウェイ製なのか?」

 

「うん、そうだよ」

 

「ではおかしくないか?ハーウェイのISは選ばれた者しか乗れんと聞いたが・・・」

 

その疑問にはキシナミが答えた

 

「あ~、実は、今回手配してもらってるやつは厳密にいうとISじゃないんだ」

 

「「ISじゃない?」」

 

「うん、ハーウェイがISを制作するにあたってできた副産物的存在でISもどきなんだ」

 

「どういうことだ?」

 

今度は俺が聞いた

 

「ISに近いんだけど、経験の蓄積による成長ができないんだ。そして、ISが本来持つ意思のようなものも持たない人形。操縦者の腕を鍛えるにはいい存在だけど、専用機相手じゃ30秒持てばいい方じゃないかな?まぁ、そんな存在だから訓練機としか使えないし今の月見原じゃ埃を被ってる存在なんだ。性能としては第一世代後半から第二世代くらいかな。でも、操縦に変な癖をつけることもないし旧型の装備なら基本的にどれでも持てるから訓練機としては汎用性は高いよ?大掛かりな記録装置とでも思っといていいよ」

 

「ふーん」

 

「放課後届いたら知らせに行くよ。それまでは特訓でもしててくれればいい」

 

「わかった」

 

「承知した。放課後は一夏、剣道場に行くぞ。久々にみてやる」

 

「お、おてやわらかにな?」

 

 

 

 

⦅放課後<剣道場>⦆

 

竹刀を打ち付けあう音が道場内に響き渡る。そして最後に竹刀を落とす音が鳴り、男の荒い息づかいの音だけが道場内に残る

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・」

 

「どういうことだ!」

 

「いや、どうって、はぁ、言われても・・・はぁ、はぁ」

 

「どうしてそこまで弱くなっている!?中学では何部に所属していた!?」

 

凄まじい箒の剣幕を見ながら俺ははっきりと答える

 

「帰宅部!三年連続皆勤賞だ」

 

「鍛えなおす。IS以前の問題だ!これから放課後一時間から二時間、私が稽古をつけてやる。ISはそのあとだ」

 

「あ、あぁ、わかった」

 

そこで、道場の戸が開かれキシナミ達が入ってきた。

 

「「失礼します」」

 

2人の手にのはキシナミがスポーツドリンクをハクノがタオルがあった

 

「よう、2人とも」

 

「うわぁ、凄い汗。大分しごかれたみたいだね一夏、はい、タオル」

 

「サンキュなハクノ」

 

「箒さんもはい、スポドリ」

 

「すまない。だが当然だ。何しろ前より弱くなっていたからな」

 

「へぇ~、ってことは、一夏は剣道をしていたのか」

 

キシナミが聞いてきた

 

「おう、篠ノ之道場っていってな。そこに幼いころに千冬姉に連れていかれたのが始まりで、それ以来、箒が転校するまで通ってたんだ」

 

「そうだ一夏、なぜお前は剣道をやめたのだ!」

 

「いや、中学からバイトし始めたし」

 

「だからなぜバイトなど!」

 

「あ~、俺、千冬姉が公務員だって知らなくてな、ほら、うちって親がいないだろ?だから、少しでもバイトして家庭の助けにしようと・・・まぁ、全部杞憂だったわけだけどな」

 

それを聞いてなぜかバツの悪そうな顔を箒がしていた。なんか悪いこと言ったか?少し気まずい沈黙が俺と箒の間に流れ始めたので俺は話題を変えることにした。

 

「ところで、キシナミ達が来たってことは機材が来たのか?」

 

「あ、うん。第二アリーナに届けてもらったからISスーツに着替えたらきて。一夏に会いたがってる人もいるるし」

 

「あ、急いだほうがいいか?」

 

「全然、ゆっくりシャワーを浴びてきてからでもいいよ」

 

「わかった。箒、行こうぜ」

 

「・・・あぁ」

 

 

 

⦅第二アリーナ⦆

 

俺と箒は互いに更衣室のシャワーを浴びた後、ISスーツ(箒は普通の制服)に着替え第二アリーナに急いだ。そこにはキシナミ達の他に橙色の制服を着た金髪の少年と、水色の髪をした恐らくこの学園の上級生と思われる人がいた

 

「それじゃあレオ君この企画宜しくね?」

 

「えぇ、こちらでよく検討してみます。いやぁ、楽しみですねぇ。ではたっちゃん、また今度」

 

「それじゃあね。バイバイ」

 

 

水色の髪をした人が立ち去った。そこで、キシナミ達がこちらに気付いた

 

「レオ、来たよ」

 

レオと呼ばれた少年がこちらを向く

 

「おや、もしやあなたがミスター・織斑一夏さんですか?」

 

「え、あー、はい」

 

「これは失礼、自己紹介が遅れました。ボクの名はレオ・ビスタリオ・ハーウェイ。月見原IS操縦者育成特殊私立学園の生徒会長をさせていただいています」

 

「え!?月見原の生徒会長!?ってか、ハーウェイって」

 

「うん、レオは西欧財団の御曹司にして次期当主だよ」

 

「えぇ~!!?で、でも、なんでここに?」

 

「それはミスター・ハクノさんとミス・ハクノさんという大切な生徒会役員雑務のお二人の頼みごとを聞いて生徒会長のボク直々に届けに来たのです。おっと、もうこんな時間ですね僕は戻ります。ミスター・ハクノさん、ミス・ハクノさん出向任務頑張ってください。ミスター・織斑、そして、ミス・篠ノ之、お会いできてよかった。ではまたお会いするときまでさようなら」

 

そうして、レオはアリーナに上空に現れたヘリから垂らされたロープ梯子に掴まり去っていった。それを見届けた後、俺は二人に向かって聞いた

 

「2人って月見原の生徒会役員だったんだな」

 

それに対しキシナミが答えた

 

「あ、うん。雑務だけどね。あ、これが2人に貸すISもどきの訓練用情報保存IS『ドールMkⅡ』だよ」

 

そこにはフルフェイスの乳白色のISが2機並んでいた

 

「これが・・・」

 

ハクノが制服の箒にISスーツを渡す

 

 

「箒はまだ、ISスーツの注文してないよね?一応レンタル品だけど用意したからこれ使って。サイズはあっているはずだけどあってなかったら言って何着か用意してるから」

 

「あ、あぁ。わかった」

 

箒はそれを持って更衣室に向かっていった。それを見届けたキシナミが口を開いた

 

「さて、じゃぁ、箒さんが戻ってくる前に一夏の方を先に調節してしまおうか。乗ってくれ一夏」

 

「おう」

 

俺はISもどきとやらに乗り込んだ。キシナミ達は投影デバイスのキーボードを叩き何やら入力を始めた

 

「調子は?」

 

「悪くない」

 

「腕とか足を動かしてみて」

 

「おう」

 

「OK,次に飛行してみて」

 

「えっと、こんな感じか?」

 

「お、うまいうまい」

 

順調に調節は終わり、いつの間にか戻ってきていた箒の調節に入った。同じような調節が終わり次に武装を選ぶことになった。その時ハクノがこう言ってきた

 

「いろいろ用意したから全部試してみて。成長はしないとはいえ経験は蓄積されるから」

 

「「わかった」」

 

その後は様々な射撃武装を撃ったり様々な接近武装を振り回したりした。そして

 

「やっぱり俺、刀が一番しっくりくるかもしれない」

 

「わたしもだ」

 

それを聞いた岸波が

 

「それじゃあそれを基本に練習してくれ」

 

「「わかった」」

 

「それじゃぁ、解散。一夏、箒さん。そのISは一応、一週間のレンタルだからそのまま持ってていいよ」

 

「いいのか?」

 

「うん。IS解除すれば勝手に待機状態になるから、明日から頑張って」

 

「もし当たったら、いい試合にしよう一夏」

 

「おう」

 

「「それじゃあ、おやすみ」」

 

そう言ってキシナミ達は戻っていった

 

「俺たちも戻るか。明日からよろしくな箒」

 

「あぁ任せろ」

 

 

そうして、俺と箒は次の月曜に向け特訓を開始した

 

 

 

 

 

to be continued




書く時間ねぇぇ!!俺が書くの遅いだけだけど・・・

ほんと他の作者さん尊敬します

次の難題は戦闘描写ですかね

雑より酷いときもある作品ですが今後もよろしくお願いします

それではまたお会いしましょうノシ



ちなみに脳内設定では

ISもどきの待機状態は木目の付いた腕輪

月見原のISスーツは原作ISスーツに指ぬきのロンググローブ付き。一応命令権ではないけど令呪の文様(一人ひとりちがう)が手の甲に浮かびそれがISとの繋がりを補強または補助する役割を持っているって設定
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