GATE:Modern Warfare   作:ゼミル
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仕事場で原稿作業できない分の鬱憤晴らしに書いてたら続きができてた件(オイ)


1:Call of Duty/デイビス特派員の取材記録

 

 

<2017年夏/11:50>

 デイビス特派員

 東京・銀座

 

 

 

 

 イギリスの大手メディアから特派員として日本に駐在していたデイビスは、後に銀座事件と呼ばれる異世界とのファーストコンタクトの代表的な目撃者として現場に居合わせた。

 

 その日は、故郷のイギリスとは比較にできないぐらい蒸し暑い日であった。

 

 ほんの1年近く前、ロシア軍による電撃的欧州侵攻の先駆けとして勃発したヨーロッパ各地での化学兵器テロ、その標的の1つであったロンドンへの攻撃によって彼は妹夫妻を喪っていた。

 

 当時、既に日本に派遣されていたお陰で難を逃れた彼は、異国の地での仕事に全身全霊を注ぐ事で血縁者を失った悲しみを紛らわせようとした。

 

 アメリカ本土から欧州全域まで巻き込みながらも、ほんの数ヶ月で終戦を迎えた第3次世界大戦。

 

 その中で日本という島国は、アメリカとロシア、戦争の当事者双方と密接な間柄にありながら何故か戦火に巻き込まれることなく国体と平和の維持を保つ事ができた、不思議を通り越して奇跡的な立場だったのである。

 

 どうして化学兵器による大規模な不意打ちまで仕掛けてくるような当時のロシアが日本を無視したのかは専門家の間で今でも大きな議論を呼んでいるが……

 

 ともかく、デイビスは事件当時、謎の平和を維持してみせた奇跡の国に暮らす人々についての現地取材を同行のカメラマンと行っていた、そんな時であった。

 

 のちに『門(ゲート)』という単純明快な通称が与えられる、異世界と繋がる門が銀座の中心部に現れた。

 

 そこから溢れ出す、中世ヨーロッパ風の武装をした軍勢。人のみならずオークやゴブリン、トロールにはたまたジャイアントオーガーとも呼ばれる、醜い風体と異様な巨体を持つ怪異達。

 

 銀座は瞬く間に異世界の軍勢による屠殺の場へと変貌した。

 

 海外特派員であるデイビスは、取材の一環で紛争地帯やテロ現場での殺人の一部始終を見た経験――ロシアによるアメリカ本土侵攻の原因となった、あの悪名高きザカエフ空港テロの監視映像を検証したこともある――を持つが、目前で繰り広げられる異形による殺戮は流石の彼も最初は茫然自失となってしまった。

 

 ただ、復帰するまでは他の人々よりも格段に早かった。のちにその事が彼と他の被害者に決定的な違いを生み出すのである。

 

 

『今すぐここから逃げるんだ!』

 

『おい撮らなくていいのか!?』

 

『馬鹿、逃げるのが先だ!』

 

 

 呑気な事をぬかしたカメラマンを引きずるようにしてその場から急いで離れる。デイビスもカメラマンも取材用の機材は小型マイクとラジカセサイズのビデオカメラ程度という身軽な装備だったのが幸いだった。

 

 背後から怒号と悲鳴と破壊音の大合唱が聞こえてくる。合間から聞こえてきた、水っぽくて生っぽい物体が潰れるような音の正体を確認する気には到底なれなかった。

 

 

『OH!?』

 

 

 短い悲鳴がデイビスのすぐ後ろで聞こえ、遂に後ろを振り返ったデイビスの目に、足から矢を生やしてうずくまるカメラマンの姿が映った。

 

 

『大丈夫か!』

 

『俺の足、足が……』

 

『肩に掴まるんだ。必ず安全な所まで連れていく!』

 

 

 助け起こそうと駆け寄ってきたデイビスを、カメラマンは縋るどころか逆に『よせ』と拒んだ。それから大事に抱えていたビデオカメラをデイビスの手に無理矢理押し付ける。

 

 

『俺の生涯最後のスクープだ。コイツを持って、俺を置いて今すぐ逃げろ』

 

 

 赴任以来の付き合いであり、妹一家を亡くした時も公私共に自分を支え続けてくれた相棒の言葉を、デイビスは無視してビデオカメラを手放し、カメラマンの服を掴んで安全な方向へ引っ張り出す。

 

 放り出されたビデオカメラは引きずられたカメラマンによって慌てて回収された。

 

 

『嫌だ! そんな頼みは……』

 

 

 不意にデイビスとカメラマンを影が覆った。

 

 太陽を背に、太い棍棒を振り上げた巨躯……トロールがいつの間にか2人の目前まで近づいていたのである。

 

 

『おお神よ――――』

 

 

 キリスト圏の出身者が絶望的な状況と直面した時にお約束のように発する神への祈りの言葉など、暴虐を行使するためだけに異世界への侵攻に加わった知能と暴力性が反比例している怪異が解するはずもなく。

 

 満面の嗜虐の笑みと共に、棍棒が振り下ろされる。

 

 このまま妹一家の下へ自分も向かうのかとデイビスは目をつぶった。 逆にカメラマンは撮影者の矜持を貫かんといわんばかりに、最期の瞬間まで目を見開いてトロールへとカメラのレンズを向け続けた。

 

 だからこそ、突如猛スピードで交差点から飛び出してきた青色の装甲車がトロールへと横合いから正面衝突した瞬間も、バッチリカメラに収められたのであった。

 

ぶよぶよとした巨体は数メートルもの距離を撥ね飛ばされ、動かなくなる。突然の救援にポカンと呆けるデイビスとカメラマン。

 

 すると装甲車の分厚いドアが押し開けられたかと思うと、私服の上にボディアーマー、手にサブマシンガンを持った男が飛び出してきたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<2017年夏/12:10>

 伊丹耀司

 東京・銀座

 

 

 

 

「大丈夫かっ! 怪我をしているんですかっ」

 

 

 トロールを撥ね飛ばして助けた要救助者が外国人である事を見て取った装甲車の運転手――伊丹は途中から英語に切り替えて容体を確かめる。

 

 

『私は無事だがカメラマンが足を怪我して……』

 

『矢が貫通してます。下手に抜いたら出血が酷くなるので、矢は抜かずに何かで付け根を縛ってください。それが終わったらこの人と一緒に車の後ろに乗って!』

 

 

 手早く応急処置の指示を出した伊丹はデイビス以外にも負傷して動けなかったり、無傷だが恐怖で蹲ってしまっている周囲の一般人へ助けに来た事を告げに廻って乗ってきた装甲車に乗るよう促していく。

 

 動けない市民は道路の反対側にも複数存在した。装甲車の陰から道路の先を覗き見れば大小様々な怪異の兵士を先鋒に、更にその後方に盾に長槍を構えた戦列歩兵の大軍が着実に接近しつつあった。戦列歩兵の後方からはひっきりなしに弓矢も飛んできている。

 

 伊丹が乗ってきた装甲車は、新橋駅で真っ先に壊滅した警視庁の銃器対策部隊、彼らが使用していた特型警備車と呼ばれる車種だ。使う警官が全滅したのでそのまま拝借してきたのである。

 

防弾加工済みなので弓矢程度なら屁でもないが、包囲されてしまったらなすすべもあるまい。オークやジャイアントオーガ―の棍棒も脅威だろう。

 

 そのまま矢雨を横断して道路を横切るには危険すぎる。伊丹は装甲車に一旦戻り、後部空間の装備ラックに備え付けられていた防弾盾を引っ張り出すと再び車外へ出た。

 

 左手に防弾盾を保持して身を隠しながら右手のみでMP5Jを構え、道路の横断に挑戦する。

 

 銃器対策部隊の防弾盾はチタン製。ズシリと重いが、その分防御力は折り紙つきだ。

 

 

「ロシアの時よりはマシ、アフガニスタンの時よりはマシ……!」

 

 

 過去の経験を念仏のように唱えながら矢雨を突破。盾に矢が当たる感触は銃弾よりも軽い分楽ではあったが、キンキンキンと奏でられる鋭い金属音はやはり精神衛生に悪いものがあった。

 

 

「自衛隊です、救助に来ました。動けるようなら援護しますので、急いで車に乗ってください!」

 

「嫌よ、あんな所に出たら殺されちゃう!」

 

「ここでジッとしてたって殺されるだけですよ! 盾で守りますから、早く!」

 

 

 道路の反対側で怯えて駐車車両の陰で身を縮めていた女性へ、他の要救助者と同じように話しかける。

 

 女性は最初は嫌がったが、異形と兵士の軍団が迫りつつあるのに気付くと、半ば腰砕けになりながらもどうにか立ち上がって移動する意思を見せた。

 

 言葉通り女性が装甲車へ向かうのに合わせ、彼女を背後に庇う形で防弾壁を掲げる。格好の獲物とばかりに矢を集中させる弓の撃ち手達。次々と鋭利な鏃が防弾盾にぶつかっては跳ね返ってアスファルトに落ちた。

 

 弓に気を取られれば地上から怪異が迫る。実際の所、統一された装備に身を包んだ人間の兵士達はゴブリンやオークといった怪異を仲間とみなさず、流れ矢が当たっても構わないとばかりに撃っていたのだが、怪異も怪異で巻き添えなどちっとも気にせず獲物を求めてズカズカと進軍しているのであった。

 

 小柄で膂力はオークに劣るが代わりにすばしっこいゴブリンの群れが数体、短剣を片手に要救助者の下へ迫る。

 

 防弾盾を構えながらMP5Jを短連射。MP5は本来サブマシンガンらしからぬ優れた命中精度を生かした単発での狙撃が主体の銃だが、多数の敵に対する牽制と制圧には精度よりも瞬間火力が必要だった。

 

 フルオートに設定した銃を指先のコントロールで数発おきに区切っては銃撃を繰り返した。小柄な体躯のゴブリンは拳銃弾でも十分通用した。

 

 火力差をゴブリンは獰猛さと数の力で対抗してくる。放置車両の上に飛び乗り、防弾盾が生み出す死角へ潜りこんだゴブリンが伊丹の左手側より襲いかかる。

 

 伊丹も弾幕を掻い潜ったゴブリンの接近は把握していた。気合を入れてチタン製の防弾盾を突き出せば、10キロ近くある装甲板がゴブリンの顔面に叩きつけられて異形の顔面が血で染まった。撃墜されたところにトドメの9ミリ弾を忘れない。

 

 しかしゴブリンに続いて現れた2回りも3回りも大きなオークにトロール、下手なアニメの人型戦闘ロボットともタメを張れそうな巨人であるジャイアントオーガーともなれば、サブマシンガン1丁ではあまりにも心もとなかった。

 

 装甲車の乗員スペースも伊丹が誘導したり、警察の車両を見て保護してもらえると勝手に逃げ込んできた市民でとっくにギュウギュウ詰め状態だ。

 

 

「乗ったな! よしそれじゃあ逃げるぞ。皆さん掴まってて!」

 

 

 見える範囲に逃げ遅れた人が残っていないのを確かめた伊丹もさっさと装甲車に飛び乗った。警察車両でも特に荒っぽい扱われ方を前提に設計された特型警備車は、オークの巨体を跳ね飛ばした直後にもかかわらず快調にエンジンを唸らせていた。

 

 運転席に収まると一旦バックし、車の鼻先を軍勢とは反対方向に向けるなり思い切りアクセルを踏み込む。追撃の矢は装甲に弾かれ、ジャイアントオーガーが道路から引っこ抜いて投げつけた交通標識が装甲車がたった今まで停まっていたアスファルトに突き刺さった。

 

 車内の後部では窮地からの脱出に安堵した市民がすすり泣いたり、負傷者のうめき声が暗い合唱を生み出している。

 

 そのような中でデイビスは伊丹から教えられた通りの応急処置をカメラマンに施し、そのカメラマンはといえば苦痛に顔を歪めながらも、商売道具のビデオカメラを構え一部始終を撮影し続けていた。矢が突き刺さったまま鮮血に染まっている己の怪我すら撮影対象にするという見上げたプロ根性であった。

 

 運転席から怒鳴り声が聞こえた。声の方へとカメラマンは顔と一緒にカメラも向けた。

 

 警官の装備で武装した命の恩人である伊丹が片手で運転しながら、もう片方の手で装甲車の車内無線機のマイクを口元に当て何やら叫んでいる。

 

 

「銀座方面の全ての警察官へ。大規模な武装集団が銀座5、いや4丁目方面から侵攻中。取り残された民間人を皇居方面へ避難誘導を!」

 

『皇居に避難誘導だぁ? 何を言ってるんだ貴様は!』

 

「だから皇居に民間人を収容して立て篭もるんだよ! 避難してきた人達はそのまま半蔵門から西に逃がせばいいんだって! 皇宮警察にも話を通して、早く避難民を中に入れてもらうんだ!」

 

 

 伊丹が無線機に向かってがなりたてる様子は一言一句、映像としてカメラに記録されていた。

 

 映像はのちに、皇居への避難誘導により難を逃れた数千人の民間人を救った男の雄姿として全世界に配信される事を、当の伊丹はこれっぽっちも知る由もなかったのである。

 

 

 

 

 

 運転と平行して融通のきかない警官へ無線越しに避難誘導の意義を熱く語っていた伊丹は唐突に急ブレーキをかけた。交差点の中心部で装甲車は急停止する。

 

 停車した理由は他でもない。水堀を挟んで皇居を取り囲む幅広の国道が、押し寄せる一般市民と放置された車両で埋め尽くされていたのである。

 

 ここから先は大柄な装甲車では通行が難しいと判断し、伊丹は後部に乗せてきた避難民に徒歩で皇居へ向かうよう指示を出した。近くを通りがかった人にも頼んで負傷者を運んでもらう。

 

 

『おい、まだ撮影を続けるつもりなのか』

 

『ここまでくればもう大丈夫だろ。それよりもあのジャパニーズの軍人をもっと記録しておきたいんだ』

 

 

 海外のマスコミ関係者らしき男性と足を負傷したカメラマンのそんなやり取りは、周囲の狂騒に遮られて伊丹の耳には届かなかった。

 

 

「さっき出くわした連中からもそれほど離れられてないってのに、まだこれだけ避難できていない人達がいるのか」

 

 

 苦いうめき声を伊丹は漏らした。皇居が開放されて各門が通れるようになっても、大量の避難民を皇居内に収容完了できるまではそれなりの時間が必要だ。

 

 避難誘導を行っていた制服警官に駆け寄って状況を問い質す。

 

 

「避難民の状況は、皇居内への避難誘導は開始されたのか!」

 

「皇宮警察がまだ許可を出していないそうで……これがテロによるものだとすると、避難民の中にも危険物を所持したテロリストが紛れているかもしれないので、簡単に入れるわけにはいかないと」

 

 

 皇宮警察が恐れているのはロンドンの二の舞だと伊丹には想像がついた。イギリス王室が住まうバッキンガム宮殿を筆頭に歴史的な建造物が集まるウェストミンスターもまた、マカロフによる化学兵器テロの被害を受けている。あの時のイギリス政府は囮の情報に兵力を誘引された挙句本命を見逃してしまったのだと、イギリス軍に強いコネクションを持つプライスから伊丹は聞いていた。

 

 何より世界で最初に化学兵器テロを体験した国こそ、この日本なのだ。ビニール袋に入った神経ガスの原液と傘さえあれば容易に大量殺戮を行えるのだと、歴史が実証してしまっているのである。

 

 欧州全土で化学兵器テロが行われたのも記憶に新しい。皇居を守るのが仕事の彼らがBC兵器持ち込みを防ぐべく過敏になるのも無理はない。

 

 ないのだが、直接異世界から出現した侵略者や異型の軍勢と相対した伊丹からしてみれば、

 

 

「今度の連中はまったくの別口だっての!」

 

 

 と叫んでやりたいのだった。というか、伊丹は実際にそう吐き捨てると後ろを振り返った。そして気付いた。

 

 真夏の直射日光で熱せられたアスファルトが生み出す蜃気楼、その向こう側に先程引き離したはずの敵、異世界からの軍勢の姿が早くも迫りつつあった。日本側からいまだ組織的な遅延工作が加えられていないとはいえ、予想以上の進撃速度である。

 

 皇居の門はまだ開かない。異界の軍勢は既に視認できる距離まで迫っている。伊丹の背後に広がる皇居前の道路や広場には大量の避難民。

 

 

「援軍はまだ来ないのか」

 

 

 伊丹が制服警官に短く訊ねると、無線を耳元に当てていた警官はやがて絶望的な表情を浮かべた。

 

 

「情報が錯綜していて……官庁街にも武装集団が攻め込んで、何とか編成できた戦力もほとんどがそちらに向かっているらしく……皇居警察も『自分達の役目はあくまで皇居とそこに住まう方々の護衛である』と」

 

 

 もう1度伊丹は皇居前へと集結した避難民を見やった。彼らは老若男女問わずみな、伊丹の指示によって避難誘導されてきた人々である。

 

 次にこう考えた。こんな時一緒に戦った戦友達だったらどうしただろうなぁ、などという疑問を。

 

 答えはすぐに出た。そんなもの決まってるじゃないかと。

 

 

「やるしかない、かなぁ」

 

 

 伊丹は兵士なのである。喰う寝る遊ぶ、その合間にほんのちょっと人生がモットーで嫌な事や面倒な事から逃げるのが特技でも、兵士としての義務(Call)(of)使命(Duty)は魂に刻みつけられている。

 

 ともすれば無気力な不良軍人扱いされてもおかしくない伊丹の魂へ似つかわぬ強固な使命感を刻んだのは愛国心でも、理念でも、信仰でも国家でもない。

 

 

 

 

 ローチ、ゴースト、ロイス、ミート、ローク、カマロフ、1回だけの合同任務で散ったデルタフォースのメンバー、そして――――ソープ。

 

 

 

 

 部隊ごと捨てられ大国に追われ、それでも標的を探し、追い、そしてやり遂げる過程で死んでいった戦友達。

 

 彼らの亡霊が『やり遂げろ』と伊丹に叫ぶのだ。兵士としての義務(Call)(of)使命(Duty)を果たせと。

 

 兵士の義務(Call)(of)使命(Duty)とは? 兵種によって違いはあるが、歩兵である伊丹の役割は兵士としての基本であり原点であり頂点である、シンプルな内容だ。

 

 すなわち部下に命令を下して準備を整え、敵を殺し、非武装の一般人を守る事。

 

 後頭部を掻いた伊丹は修羅場にそぐわぬ力の抜けた声を発し、装甲車へ乗り込んだかと思うとすぐに制服警官の下へ戻り、銃器対策部隊の死体から回収しておいた予備のMP5Jを手渡した。

 

 

「避難民の避難が完了するまで、ここに防衛線を敷いて敵を足止めするぞ」

 

 

 

 

 断固とした口調で言い切った伊丹に対し「え? へ?」と呆ける制服警官の姿を見て、伊丹は「ああこれが普通の反応なんだよなぁ」と、戦場に順応してしまった己の境遇に切なさを覚えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

『戦争において必要な知識は極めて簡略であるが、この知識を実行に移すことは本当に容易ではない』 ――クラウゼヴィッツ

 

 

 




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