神崎蘭子のマネージャーは通訳?   作:スレ主

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少ない


17話

「案外どうにかなるもんだな」

「魂の共鳴故にだな」

 

二人三脚の練習をするが、正直練習が必要なのか?ってレベルで俺と神崎の息は合っていた。

 

神崎は夏合宿の時もラブライカのメンバーと二人三脚してるし、俺も運動自体は苦手じゃないし。

 

「どうするか」

「どうしよっか?」

 

同じ二人三脚のクラスの練習しているを見て見ると中々悲惨だ。

 

「どう思う?」

「うむ………もう一つの翼が固いな」

 

うちのクラスの男子は正直全員が運動が得意だ。

敵ならともかく、味方ならこれほど頼もしいものはない。

が、この二人三脚だけは妙に弱いというか、へっぽこなのだ。

………まぁ、原因は主に男子だけどな。

 

「ヘタレだなぁ」

 

なんというか、うちのクラスの男子が女子と触れているせいで、大変動きが固い。

男子も緊張すれば、女子もそれが伝染する。

ちょくちょくとラブコメの雰囲気を感じるけど練習しろよお前ら。

 

「どうするグランド一周するか?」

「もう一度魂の共鳴だな」

 

 

 

 

 

 

side蘭子

 

足首の調子確かめてからお互い腰を屈む。

私の身長に合わせて、腰を屈んでくれるので隣に顔がくる。

 

隣の体温、呼吸、肌の感触など私に伝わって少し緊張する………息を整え

 

「「せーの」」

 

数回練習して我が盟友に「俺に合わせるな、リズムに合わせて」と言われた意味はさっき分かった。

 

レッスンで刻まれた8ビートのリズムに合わせて足を出す。

 

「まだ上がるよね?」

「準備運動だな」

 

お互い喋る余裕があるくらい私達は揃ってた。

 

「トラックの半分のコーンからあげるぞ」

「サビ前のテンポでな」

 

なんの曲とは言わない、お互い分かってるから。

 

グランドの半分を切った。

同時にお互いの足のテンポが変わる。

 

ほんのちょっと違和感を覚えたが我が盟友は即座に合わせる。

私の足の歩幅がちょっとズレたのを合わせてくれた。

目も合わせない、会話もないけど、「合わせるからこのまま」って言われたような気がした。

 

「サビっ!!」

 

ゴール5メートル前で、私はそう言うと最初から分かってたようにテンポが上がる。

 

このままゴールにっ!!

 

ラインを踏んでゴールをした時、私の身体がふわっと浮いた。

 

 

 

 

 

 

 

「だ、大丈夫か我が盟友?」

「そこそこ痛いけど、怪我はしてないよ」

 

ゴール前にペースを上げてくるだろうと分かっていたが、どうやって止まるかはお互い考えてなかったな。

 

だから咄嗟に神崎の体制を崩してから、抱え上げ、俺が地面の下になるように転んだ。

 

怪我しないようにと長袖をお互い着ていたので擦り傷はなかったが擦れて痛い。

 

が、それよりも

 

「神崎大丈夫だから、そろそろ降りて」

 

俺の腰に乗っかるように座っているせいか色々とマズイ体制だ。

神崎は一瞬キョトンするが今の体制の不味さに気づいたのか急いで離れようとするが、足が繋がっていることを忘れてる。

 

「よっ」

「っ!?」

 

後ろに倒れそうな瞬間、手を引っ張って整えようとするが勢い余ってこっちまできてしまった。

………めっちゃ軽っ。

 

「落ち着けって、足繋がってるから」

「う、えっ、あっ」

 

顔真っ赤にしていて、何か言おうとしているが言葉が出てこないみたい。

足の紐を解いてゆっくりと離れる。

 

派手に転んだせいかみんなの注目を集めていたので怪我してないことを伝えて、また神崎に所に戻る。

 

「サビのテンポだと止まれないから、今度から禁止な」

「う、うむ………本当に怪我はしてないんだな?」

「神崎が軽かったお陰でな………とりあえず今日の二人三脚の練習こんな感じで。今日はいろんな競技練習しなきゃいけないし」

「わ、分かった」

 

その後は男女別の競技練習をして学校は終わった。

 

 

 

 

 

 

スタジオ

 

「今日の蘭子はどこか緊張してるね」

 

後ろから声を掛けてきたのは飛鳥。

今日は神崎と飛鳥の付き添いだ。

 

「飛鳥もそう思う?」

「理由は分からないけど、君が原因だと思うよ」

「多分な」

「自覚はあったのかい、ならすぐにマネジメントするのがマネージャーの仕事だろ?」

「出る前に気を紛らわせておくから」

「ん?理由は分かってるのか?」

「俺が名前呼びしてるからかな?」

「名前呼び?」

「今日の番組プロデューサーさんが神崎さんって人なの」

「なるほど、普段のように神崎って呼ぶ訳には行かない訳か」

「一応ね」

 

スタッフさんから準備をお願いされる。

 

「ほら、呼びに行きなよマネージャー」

「なんでちょっと楽しそうなんだよ」

「別に、蘭子が緊張してる理由が分かったからだよ」

「そりゃそうかい………蘭子そろそろ準備だから」

「んっ!?う、うむ承知した」

 

呼ぶと肩がビクッと動くのでちょっと面白い。

俺が笑っているのを見て、急にムスッと怒ったような顔になった。

 

「ほら、らんらん笑顔笑顔」

「らんらん呼ぶなっ!!」

 

怒ってるような、照れてるような、そんな表情をしている。

珍しく神崎がため息をしてから、ジト目でこっちを見てくる。

 

「いつも通り頼むぞ」

「ふっ、我を誰だと心得る?」

「愚問だな」

 

いつも通りの神崎になったな。

 

「頼むぞ」

「任せよっ!!………か、和也っ!!」

「!?」

 

俺が驚いた顔をするとしてやったりという顔をする。

 

「こりゃ一本取られたな」

 

 

 

 

オマケ

 

「美嘉さんおめでとうっ!!」

「「「おめでとうー」」」

 

「あはは、わざわざこんなことしなくていいのに」

「北原さん意向ですよ、「アイドルの誕生日は盛大にね」ってね」

「北原さんらしいわね………まぁ、じゃあお祝いされちゃいますか」

 

「「「いぇーい」」」

 

にして。

 

「相変わらず、アホみたいな人数ですね」

 

ちひろさんに話しかけると

 

「ほとんどの人たちが来てますよ、仕事してる人以外は除いて」

 

事務所のアイドル達は50を超えているのでちょっとした同窓会になる。

 

「それに未成年組はこれで終わりますけど大人組は二次会ありますし」

「本人いないのに二次会って………」

「みんなでお酒飲む理由が欲しいんですよ」

「あはは、プロデューサー達もですか?」

「一応参加予定ですね、高梨くんはどうします?」

「参加させていただきます、あんまり大人組とは関わりがないので」

「確かに大人組は自分で管理してる人が多いですからね」

「まぁ、二次会のことは後なので今は」

「そうですね、美嘉さんの誕生日をお祝いしましょうか」

 

 

「「「美嘉姉お誕生日おめでとうー」」」

 




飛鳥「今なら泥のような苦いコーヒーが飲めそうだな」
蘭子「待たせたなっ、我が片翼よっ!!」
飛鳥「良いものが見れたから別に構わないさ」
蘭子「良いもの?」
飛鳥「こっちの話さ………蘭子はいい相方の見つけたね」
蘭子「我が盟友のことか?」
飛鳥「あぁ、彼にはボクも世話になってる」
蘭子「ふっ、我が盟友は優秀故に駆り出されることが多い………私の専属なのに」ボソッ
飛鳥「そうだね、………思わずボクが欲しがるくらい優秀だよ」ボソッ
蘭子「?」
飛鳥「さっ、蘭子行こうか。ボクは片翼で君も片翼だ、片翼では空は飛べない」
蘭子「うむ、我らの力今ここに示す刻っ!!」


なんてことがあったりなかったり


もし最初に飛鳥だったらっていう話も面白そうですよね。

ということで、誰か飛鳥さんのイチャラブの2次創作書いてくださいお願いしますっ!!

それとなんとか美嘉姉さんの誕生日に間に合わせました。
薄っぺらいけどお祝いさせてもらいます。

短いですがちょっと早めに投稿でしたっ!!

ここまで読んでくださりありがとうございますっ!!

感想評価等お願いしますっ!!


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