神崎蘭子のマネージャーは通訳?   作:スレ主

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なんか短いけどとんでもないのが出来てしまった


27話

 

いつも通り……それが俺が彼女に求めたことだ。

 

「煩わしい太陽っ!!」

「おー、おはよ神崎」

「おはよう蘭子ちゃん」

 

学校のいつもの挨拶。

彼女がいつもより元気なのは誤差の範囲。

 

が、その後の行動が良くなかった。

 

ほんの半歩近いのだ。

普段の距離より。

 

一瞬藤井さんも「……ん?」と考えるそぶりを見せたけど、にっこにっこの蘭子を見て「……まぁ可愛いからいいかー」と放置している。

 

うーんでも見てる人は気付くよな……

 

半歩だけ距離を取る。

半歩詰めてくる。

さらに半歩だけ距離を取る

また半歩詰めてくる。

 

そこで俺は諦めた。

 

前の関係でも普段の距離は気持ち近めだったけど、今は完全に近い。

具体的に言うとちょっとよろけるだけで身体触れる距離。

 

「あっ、私提出物があるから先行ってて」

「おうよー………なんか近くない?」

「えっ?……そうかな?」

 

無自覚かー、全くもって無自覚なのね……

 

「で、でもバレてないから大丈夫だよね?」

 

バレバレなんだよなぁー、流石にこれは気付くと思うんだよなー

 

「あー、でも……」

 

否定しようとするが、彼女の顔が目に入る。

上目遣いと潤んだ瞳、そして悲しそうにこちらを見てくる。

 

……誰かこれに勝てる人いるか?

 

「注意されたら、ちゃんと離れるんだぞ」

「うー……分かった」

 

譲歩に譲歩してこれだ。

まぁ、うちのクラスならすぐに「おいテメェ蘭子ちゃんと距離ちけぇぞゴラァ!!」くらいは言うから大丈夫なはず。

 

……俺も蘭子に甘くなってる気がするなー

 

 

 

まぁ、もちろんこの後すぐに男子からチェックが入ったけどね。

 

 

 

 

 

 

 

side蘭子

 

授業中の時、空想の世界を考える時間が減った。

 

……和也のせいだ。

 

ふとした時に目で追っちゃう。

 

クラスの子と喋っているのに視界に入ると、つい見てしまう。

 

流石に見すぎて、藤井さんに「熱い視線送ってるねー」と言われて見ないように意識したけど、やっぱり駄目だ。

 

……あっ、和也消しゴム落とした。

 

わっ、こっちに気づいた。

 

……口パクで集中しろって言われた。

 

うぅぅ、まぁ、確かにそうだけど……

もっと色々あるじゃん、ちゅーもしたのにっ!!

 

 

 

 

ちゅーしたなぁ…………

 

 

 

 

 

…………ちゅーしたい。

 

 

 

いやいやダメダメ、だって学校だし。

 

うー、でもなんか口が寂しいというか……

 

 

 

 

……すっごくちゅーしたい。

 

 

 

「蘭子ちゃん次移動教室だよー」

 

……はっ、いつの間にか授業終わってた。

うぅぅ、どうやってちゅー出来るかで終わっちゃった。

……待ってでもこれはチャンスだ。

 

「すまぬ、少し我が盟友に相談事ができた」

「ありゃ?なんかお仕事関係かな?それじゃさっき行ってるよー、和也くん蘭子ちゃんがお仕事の事で用事あるってよー」

「ん?んー?……おう、分かった」

 

一瞬考えるそぶりみせた和也。

まぁ、基本的にお仕事は和也に回ってくるようになってるから、私に仕事関係のメールはあんまりない。

和也もだから一瞬「あれ?」って思ったんだど思うけど。

 

「んで、どうかしたの?」

「す、少し場所を変えていいか?」

「まぁ、一応スマホ禁止だしな」

 

学校にスマホの持ち込みは基本的に禁止だけど、お仕事の関係で私と和也は持ってていいことになってる。

だからといって堂々と出す訳にも行かない。

 

私は和也の袖を引っ張って人気のない所にいく。

 

「んで、なんだって?」

「……うぅぅ」

 

なんか急に恥ずかしくなってきた!?

 

えっ、なんで私、和也と2人きりになろうとしたの?

 

「ん、どうかしたか?顔も赤いし?」

 

和也が私の顔を覗き込む。

 

……あっ、唇。

 

「………ちゅーしたい」

「………………もしかしてその為に呼んだ?」

 

コクリと無言でうなづく。

 

「…………駄目、節度を保つって大事だろ?しかも学校だし」

 

分かってるっ、分かってるんだけど……

 

ぎゅーって和也の袖を握ってしまう。

 

「………ちゅーしたいもん」

 

和也を見つめる、私は我儘を続ける。

和也もほんの少し顔を赤くした、握ってない左手で顔を覆う。

 

「………1分だけな」

 

示し合わすように和也のおでこと私のおでこがくっつく。

 

目をつぶって、ゆっくりと唇を合わせる。

 

幸せな気持ちが胸の中から溢れて、身体全部に流れていく。

 

頭がふわふわして、胸がじんわりと暖かい。

 

「ねー、もっと」

 

甘えるように彼の唇に啄むようにキスをする。

 

もっと彼を感じたい。

 

自然と舌が和也の唇をなぞってしまう。

ほんの少し和也は唇を固くしたけど、諦めたように唇を開けてくれた。

 

舌先を彼の舌先に絡め合わせる。

 

くるくる舌が回って気持ちいい。

 

だけど少ししてすぐ離れる。

 

「……時間、もう駄目」

 

「……分かった」

 

名残惜しいけど、これ以上は時間が取れない。

 

袖を掴んだまま少し離れる。

 

 

……恥ずかしくなって、和也の顔が見れなくなった。

 

うぅ、私ほんとなにやってるんだろ……

 

「さ、戻るよ……あー、あともうちょい顔は引き締めてくれ、ゆるゆるだぞ」

「えっ?」

 

自分の頬を触るとずっと口角が上がってた。

 

「うーー……ごめんなさい」

 

もうなんか色々だ、色々ごめんなさいだ。

 

「あー、俺も、その、な?悪い気じゃなかったからさ……」

 

……それって

 

「だー、行くぞ、次の授業に遅れちまう」

「わっわっ、待って和也」

 

 

 

 

 

その時握ってくれた和也の手は私より暑かった。

 





なんだろう……

なんか砂糖が出来上がってたんですよ。

世の中不思議ですね?

蘭子可愛い。
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