幸福と不幸は女神様次第!?   作:ほるほるん

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3人の夕食 【挿絵】

 サリアに話を聞いたところ、彼女は近くの宿屋を借りているらしい。なのでまた明日、ギルドで待ち合わせることにし、一旦別れる。そして、俺とレアはアルスター城に戻ることにした。すっかり夕方だ。

 

 「エレナとの夕食の約束もあるし、急いで帰るか!」

 

 「まったく…女の子と食事だからってはしゃいでますね。言っておきますが私も一緒なんですからね!」

 

 「わかってるって」

 

 ギルドから離れようとした俺達だったがふと耳に入ってきた話が気になった。

 「林で木を伐採していた木こりが倒れてきた木に潰されて…」

 「マジかよ?そりゃ気の毒に…」

 「ああ、なんて…」

 

 ギルド前で立ち話をしている二人に耳を傾けていたが、レアに服を引っ張られ、

 

 「早く行きますよ、急いでいるんでしょう?」

 

 「あ、ああ…」

 

 どうしてレアが急ぐのか違和感があったが、それはすぐに消えてなくなる程度のとても小さな違和感だった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 アルスター城についた俺達は、自分たちの部屋へ向かう。というか入り口からずっとメイドさんが付きそうので、勝手な部屋に入ることができない。これも監視ってやつか。

 

 部屋に着いた俺達は、夕食が来るのを待つ。すぐに持ってくるそうだ。俺達が椅子に座って待っていると…

 

 ――コンコン

 

 ドアをノックする音、料理が来たのかな?

 

 「どうぞー」

 

 「失礼致します。」

 

 「エレナ!」

 

 当たり前かもしれないが、夜は違う服を着ている。普段のザ・お姫様って感じもいいが、落ち着いた服もいいな。

 

 「あの、その…あまり見られると困ってしまいます。」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 いかんいかん、思わず凝視してしまっていたようだ。

 

 ――ジィーッ

 

 レアの「なに呆けた面してるんですか」的な視線が痛い。しょうがないじゃない男の子だもの。

 

 そんなやり取りをしている間に、料理が運ばれてきた。流石に昨日の俺達の食事よりは遥かに豪華だ。まぁ、エレナに合わせたものなのだろうが。兎も角、こうして夕食の時間は始まった。

 

 「エレナのお父さんはさ、今どうしてるんだ?」

 

 ふと疑問に思ったことを聞いてみる。城に俺達がいるのに見かけないということは恐らく今はこの城にいないんだろう。

 

 「はい、お父様は国務のため、他の国へ行かれています。」

 

 「そっかぁ、寂しいよなぁ」

 

 「そうですが…私の我侭でお父様に迷惑をかけるわけにはいきませんので…」

 

 「おいおい、娘に甘えられて嫌がる父親なんていないんだぞ?」

 

 冗談交じりに言ってみる。

 

 「そう…でしょうか」

 

 おっと、あまりこの話題は触れないほうが良さそうだな。

 

 「エレナは兄妹はいるのか?」

 

 「いえ、現在、お父様の実子は私のみです」

 

 「へぇ、一人っ子か。広い屋敷なのに寂しいな」

 

 「いえ、使用人の方が良くしてくれているので…」

 

 おべっかじゃない、エレナは本当にそう思っている。育ちの良さが出てるよな、ほんと。

 

 「そういやエレナってずっと屋敷にいるのか?」

 

 「はい、そうですね」

 

 「じゃあ友達とかは?」

 

 「友…達?あっ、たまに城に来られる他国の方となら仲良くさせて頂いて…」

 

 ――ビシッ

 

 「アイタッ」

 

 俺はエレナのおでこを軽く指で弾く。

 

 「ははっ、それは友達じゃないぞ。友達ってのは、もっとこう…そうだな…、そう!名前を呼び捨てで呼んだりするんだよ。だからほら言ってみ?俺はワタル」

 

 「そんな、できません」

 

 「ええ、俺とは仲良くしたくない?」

 

 大げさに落ち込んで見せる。冗談のつもりだがエレナは本気で落ち込んでると思いそうだな。

 

 「そんなことはありません!えっと、その…ワタル…」

 

 「そう!君はエレナ!俺はワタル!それで友達の第一歩だ!ついでにこいつはレア」

 

 黙々と料理を食べるレアを唐突に指差す。

 

 「レア…さん」

 

 まぁそりゃいきなりは無理だよな、レアとエレナはそこまで接点ないしな。まぁ、そのうち仲良くなるだろ!

 

 「それじゃ友達同士、今度、屋敷の外にでも遊びに行こうぜ!」

 

 「それは難しいと思います…」

 

 「えっ?どうしてだ?この前、街に一人で…」

 

 ――ムグッ

 

 エレナに口を塞がれた。誰にも聞かれていないかエレナが周りを見回す。

 

 エレナの指、細いんだなと口に当たった感触からそう思った。正直、ちょっときもいな、俺。

 

 「あっ、ごめんなさい!」

 

 俺の口から手を話すエレナ、もう少し塞いでてもよかったのに。

 

 「そのことはどうか、ご内密でお願い致します。」

 

 「お、おう」

 

 ここでその話をするのはマズいようだ、今度二人きりになる時があればその時聞くことにしよう。

 

 

 その後も、取り留めのない話をしたあと、俺達の夕食はお開きとなった。とても有意義な時間だった。また誘ってみよう。

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