「ふぁ~~」
欠伸が出る。窓の外を見た後に時計を見た。
「あと二時間か。準備をしておくか・・・・眠たいけど」
そう言いながら空井は準備をする。今日は人類が初めて大規模反撃作戦を決行する日だ。その為、今でも多くの戦闘機がこの基地から発進している。二時間後には空井達もその仲間入りだ。
「”オペレーションカウンターアタック”か」
そのままの名前だ。だが空井はシンプルな名前が逆にいいとむしろ納得していた。そしてもう一度戦闘機が飛び交っている空を見た。
地中海 イタリア空母「カヴール」にて
「艦長、一時間後にイギリス、フランスの艦隊が我が艦隊に合流する予定だそうです」
「そうか。予定よりも早いな」
現在、彼らがいる地中海には人類が大規模反撃作戦を成功させるためにヨーロッパの各国々の主力空母艦隊とアメリカから一個空母艦隊、民空からは精鋭部隊が送り込まれている。更に後方には上陸を今か、今かと待っている兵士達が乗っている強襲揚陸艦を中心とした上陸部隊が待機している。
「ついに我が祖国を取り戻す時が来たのだ。第二艦隊の方はどうなっている?」
第二艦隊は空母「ジュゼッペ・ガリバルディ」を中心をした空母艦隊だ。「ジュゼッペ・ガリバルディ」はまだドッグ入りだったものを慌ててもってきたのだ。少し不安な点はあるが戦闘機が発進出来ればそれでいいと言った感じだ。
「イギリスもさすがに女王様は連れて来れなかったみたいだな。フランスはどうやら違うようだが」
艦長はそう言うとまだレーダーでしか見えない味方艦隊に向けて笑みを浮かべた。
フランス空母艦隊 旗艦「シャルル・ド・ゴール」にて
「そろそろか」
格納庫で彼らは準備をしていた。彼らの後ろには「シャルル・ド・ゴール」の艦載機である「ラファールM」である。彼らの内の一人が飲み物を置いて手を叩いた。
「はい注目!私たちは全部隊の作戦準備が整いしだい空に上がる。いいか野郎共!これは味方同士の馴れ合いながらの戦いじゃねぇ。いかに自分が見つけた相手を落としていくかに掛かっている。味方に構うな自分だけが生き残ることに集中しろ」
その言葉に全員が不敵な笑みを返す。それを見て彼もまた同じように無邪気な子供のように笑みを返す。
「じゃあ、俺達の協奏曲を始める準備をしようか」
アメリカ空母「エイブラハム・リンカーン」にて
「いよいよです」
「分かった」
こちらでも着々と準備が進んでいた。既に何機かは空へと上がっている。作戦開始時間は残りわずかだ。兵士達は自分が思いついた限りの身の区切り方を付けている。
「隊長、例の民空ですがどうやらこちらとイタリアの空母に来るそうです」
その言葉に隊長は眉を顰めた。
「”彼女”はこっちに?」
聞きたいのはそれだけだ。しかし兵士は困ったように言う。
「それはさすがに聞き出せていません。どうやら割り振りはランダムのようです」
「そうか。こんな時に限って用意周到な奴らだ」
そして視線を下に移した。それを見た隊員は無言のまま敬礼して去っていく。それに目もくれずただ写真を見た。
地中海 主力艦隊の近海。
アメリカからここまで何度も給油機を使いながら燃料をつねに満腹にしてアバランチの機嫌もいいようだ。
「振り分けはもう見たな?」
「はい!」
「そんなの分かっているでしょ」
振り分けは空井と岬は「エイブラハム・リンカーン」に行くことになり、柊は「アメリカ」と共に「カヴール」に合流することになった。
「と言う訳だ。アバランチ、岬、今回はよろしくな」
「任せとけ!!」
「今度こそお役に立ってるように頑張ります」
どうやら二人ともやる気は十分みたいだ。周囲に気を配っていれば岬も大丈夫なはずだ。
「じゃあ、行くぞ「エイブラハム・リンカーン」へ」
彼らは空母に着陸態勢に入った。これから二時間後にイタリア解放に向けた大激戦の幕があがろうとしていた。