りっく☆じあ~す 中央混成連隊、前進す!   作:土居内司令官(陸自ヲタ)

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16話 戦況

 陸上自衛隊による長野北部強襲作戦は成功した。が、マグマ軍は今までに確認された中で一番新しい重戦車72(T-72)よりも新しい、重戦車80(T-80)を投入した。

 

 おまけに、152mmカノン砲を装備した突撃砲152(SU-152)も登場した。

 

 自衛隊の新型戦車、10式戦車ならこれらにも対処出来るが、数が少なく大規模な作戦に投入出来ない。一方の90式戦車では装甲が足りないと、陸上自衛隊は問題を抱えていた。

 

「という報告があった」

 

 新発田駐屯地の会議室で、土居内は言った。それを聞き、隊員達は顔をしかめる。

 

「冗談じゃないわ、私の105mmが使えなくなるじゃない」

 

 ナナヨンが言う。

 

「T-80にはリアクティブアーマー(爆発反応増加装甲)が付いているから、歩兵火力では無理ね」

 

 習志野が腕を組みながら言う。すると、久居が質問する。

 

「という事は、このままだとこの部隊は対戦車戦闘が出来なくなるんですか?」

 

「そうだ。今我が隊の対戦車兵器は、パンツァーファウストⅢ(110mm対戦車弾)にグスタフ(84mm無反動砲(B))、そして74式戦車の105mm戦車砲とAH-1S攻撃ヘリのTOW対戦車ミサイルのみ。究極81mm迫撃砲を直接撃ち込むという手段があるが、日中戦争じゃあるまいし、おまけにT-80相手に使えるか怪しい」

 

 土居内が答えた。富山が異論を唱える。

 

「なら、ヘリから撃てばいい。戦車の真上からぶち込めるぜ」

 

「それ、危険ですよ富山士長。対空ミサイルが無い状況じゃないと」

 

 豊川が反論する。土居内が賛同した。

 

「豊川の言う通りだ。パンツァーファウストⅢ(110mm対戦車弾)をヘリから撃つのは市街戦で有効だ、後方爆風(バックブラスト)に気をつければ。だが、市街地でも歩兵携帯型対空ミサイルを撃てるし、『ブラックホーク・ダウン』のようにRPG-7で撃墜される危険もある。それに、俺達の戦場は市街地だけじゃない」

 

 土居内は言い切った。一方の富山はふてくされたように、鼻を鳴らしてそっぽを向く。

 

 さらに土居内は言う。

 

「対戦車戦闘もそうだが、今我が隊は圧倒的な戦力不足だ。ヘリが2機に戦車1両、LAV(軽装甲機動車)2台、高機(高機動車)4台、完全に市街戦専門部隊になっちまっている」

 

 するとそこへ、市ヶ谷がやってきた。

 

「司令官、大変です!」

 

「どうした市ヶ谷」

 

 土居内は、市ヶ谷から渡された書類を読む。

 

「陸自の戦車やその他もろもろがマグマ軍に捕まったそうだ。場所は長野県南部、当然敵の反撃も予想させる。もちろん完全武装で出撃だ!」

 

 土居内が言う。皆立ち上がり、弾薬庫へ向かう。

 

 

 

 山道を2台の軽装甲機動車と74式戦車が走る。上空にはAH-1S攻撃ヘリだけがいる。

 

「そろそろ目的地だ。警戒しろ」

 

 74式戦車の砲手用キューポラから、土居内が言う。

 

 ここは長野県 伊那市南西の山間部。

 

 この先にある水力発電所に、マグマ軍が駐屯しており、そしてマグマ軍に鹵獲された兵器がここにあるという。

 

「よし、全車停車。習志野、富山は俺と来い」

 

 土居内はスコープ付M14自動小銃を手に74式戦車から降りる。続いて習志野と富山も軽装甲機動車から降りた。

 

「これから偵察をする。富山、LAM(110mm対戦車弾)を持っていけ」

 

 富山は軽装甲機動車の荷室から110mm対戦車弾を取り出して背負う。土居内はM14自動小銃のチャージングハンドルを引いた。

 

「さぁて、山登りの開始だぜ」

 

 

 

 森の中を3人が進む。特に何もトラップや妨害は無く、尾根を登りきる。

 

 その先には、森を切り開いて作った宿営地が見える。

 

「10式戦車、90式戦車、99式155mm自走榴弾砲、FH-70 155mm榴弾砲、89式装甲戦闘車、87式自走高射機関砲か。割と大量に捕まってるな」

 

 土居内がM14自動小銃のスコープで観察する。

 

「よし、習志野と富山は突撃の用意をしろ。俺の狙撃と迫撃砲を合図に、まず富山がLAM(110mm対戦車弾)を発射、その後突撃だ。着剣しておけ」

 

 2人は頷く。土居内は左手首の腕時計を見、M14自動小銃を構え直す。

 

 富山は89式小銃に89式多用途銃剣を、習志野もM4 A1自動小銃にM9銃剣を装着する。

 

「センサーから花火屋。これよりタイムセールを開始する」

 

〔花火屋、了解。初弾発射〕

 

 やがて、音が空から聞こえてきた。土居内はM14自動小銃でマグマ軍歩兵を狙撃する。

 

「弾ちゃーく、今」

 

 習志野が言う。土居内の狙撃でパニックになった歩兵達が迫撃砲弾で吹っ飛ぶ。

 

「初弾、命中! 第2射、修正無し、効力射、ってぇ!」

 

 土居内が叫ぶ。

 

 次々と迫撃砲弾が炸裂し、マグマ軍歩兵達は壊滅する。

 

「センサーより花火屋。これより商品へ向かう」

 

〔了解、最終弾発射〕

 

 最後の迫撃砲弾が命中し、土居内はM14自動小銃を構える。

 

「突撃だ!」

 

 富山が、まず110mm対戦車弾を発射し、そして発射チューブを捨てて突撃を開始する。

 

 習志野がM4 A1自動小銃を構えながら前進、少しでも動く者がいれば5.56mm小銃弾を叩き込む。

 

 富山がそれに続き、89式小銃で残りを撃つ。

 

 

 

 一方の部隊は74式戦車を先頭に発電所に突入した。ナナヨンがブローニング M2重機関銃を撃ちまくり、その後ろから豊川や鯖江、木更津姉妹、久居、新発田が続く。

 

「よし、手分けして探そう。もしかしたら自衛隊員捕虜がいるかもしれない」

 

 鯖江の提案に、皆頷く。

 

 

 

 土居内は、習志野と富山に遅れて発電所に入る。M14自動小銃を背負い、代わりに9mm拳銃を握っている。

 

「仲間も突入を開始した。くれぐれも間違えて撃つなよ」

 

 土居内が言い、2人は同意する。

 

 まずは広場に止まっている自衛隊車両を確認する。10式戦車、90式戦車、99式155mm自走榴弾砲、FH-70 155mm榴弾砲、87式自走高射機関砲、89式装甲戦闘車が1両ずつだけであった。

 

「これ全部がうちの部隊にあればなぁ」

 

 土居内が呟く。富山が土居内を睨み、習志野は軽蔑の眼差しを向ける。

 

 土居内は言い訳をする。

 

「冗談だ冗談。さ、早く仲間と合流するぞ」

 

 

 

 その頃、発電所のある部屋では――

 

「嫌だぁー! やだやだ止めてぇー!」

 

「ギュギュ」

 

 真っ白な制服を着た少女が泣き叫んでいた。必死に暴れようとするが、歩兵達に押さえ込まれ、頭に何かを着けられそうになる。

 

「大人しくしろ! 貴様らが瀕死の所を救ってやったのだ!」

 

 近衛兵が言う。しかし、少女は抵抗する。

 

「マグマ軍の手下になるぐらいだったら死んだ方がマシ!」

 

「強情な! 我々に従わなければ、いずれ我々に殺される運命だと言うのに!」

 

 その部屋には少女の他に、ブレザーを着た女子高生に、女性自衛官らしい格好をした女性、Yシャツにミニスカの女性、そして緑色のスーツとスカートのアラサー(っぽい)女性が縛られていた。皆して目を伏せ、歩兵達に抑えつけられている少女を見ようとしなかった。

 

 するといきなり、扉が吹き飛んで歩兵を下敷きにした。

 

「ゴーゴー!」

 

 64式小銃を構えながら鯖江が突入し、その後から木更津姉妹が89式小銃を手に入る。

 

 素早く引き金を引き、7.62mmNATO弾を連射して歩兵達を撃ち殺し、葵が89式小銃で近衛兵を撃つ。

 

「クリア!」

 

 茜が歩兵の死体を蹴って叫ぶ。鯖江が少女を助け起こした。

 

「大丈夫か?」

 

「え? あ、はい! 大丈夫です!」

 

 木更津姉妹が銃剣で残りの人達のロープを切る。

 

「しかし、あれだけの自衛隊車両がありながら、自衛隊員捕虜が見当たらないなんて……」

 

 鯖江が64式小銃のセレクターを「安全」と「単発」の間に動かしながら呟く。葵が答える。

 

「別の場所か、それとももう既に……」

 

「考えたくはないな。それにしても、どうして民間人がこんなに?」

 

 鯖江の問い掛けに、誰も答えない。鯖江達は首を傾げる。

 

「何で答えないんだ?」

 

 すると、少女が口を開いた。

 

「その、記憶が無いんです」




 読み返すとよ~く分かる、迫撃砲出し過ぎだなぁって。
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