りっく☆じあ~す 中央混成連隊、前進す!   作:土居内司令官(陸自ヲタ)

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2話 バトル イン 富山

もうどれくらい歩いたのだろうか。携帯していた乾パンや水筒の中身は無くなり、背負った89式小銃の重みが負い紐(スリング)によって肩に伝わる。

 

 長野県北部での、陸上自衛隊・第1師団対マグマ軍機械化歩兵部隊の戦いから3日経った。

 

 全国の活火山から際限なく湧き出る地底からの侵略者・マグマ軍。彼らによってもう日本の大部分は占領された。もう残っているのは富山県、石川県、福井県だけだ。いや、もう陥落したかもしれない。

 

 もはや世界中が同じ状態だった。他国との戦争をする余裕すらない。自分達を守れるかさえ怪しい。

 

 土居内は、右太ももに着けたレッグホルスターに収めている9mm拳銃を取り出し、残弾を確認する。一回も使ってないから、弾はフルだ。

 

 しかし土居内は9mm拳銃をレッグホルスターに仕舞い、再び歩き出す。

 

 富山が陥落していたら死のう、そう考えながら。

 

 

 

 富山市に辿り着いた。そこで土居内は驚愕した。

 

「普通…?」

 

 そこにはごく普通の光景が広がっていた。戦いの雰囲気すらない。一瞬自分が死んだのかと思った。すぐに背負った89式小銃を手にする。相棒として使い込んだ感触や、私物のドットサイトを含めた4kg越えの重量が伝わってくる。間違いなく、彼の愛銃だ。

 

 すると、制服警官が近付いてきた。

 

「一体どうしたんですか?」

 

「ここは、あの世なのか?」

 

「はい?」

 

 警官は目を見開く。この自衛官は正気なのか?

 

 その態度を見、土居内はここがあの世ではないと理解した。

 

「いや、失礼。愚問だったな。今の戦況はどうなっているんだ?」

 

「今の戦況ですか? 自衛官であるあなたが詳しいのでは? 今じゃどこのマスコミもろくに働いてませんからね、我々はありもしない空襲警報に怯えてるだけですよ」

 

「とてもそうは見えないが」

 

「せめて昼の間は、ですよ。ああ見えて皆狂ってる。自分も油断したら狂ってしまいそうで、でも警察官である以上そうは出来ないんですよ」

 

 それを聞き、土居内はふと悲しみに襲われた。自分の両親や、死んでいった部下達、彼らを思い、涙が溢れた。

 

 比較的若い警官は、土居内の流す涙を見て悟った。そして言う。

 

「富山駐屯地ならここからしばらく行った所です。お疲れ様」

 

 土居内は若い警官に礼を言い、富山駐屯地へと向かう。あそこに行けば、何とかなる、そう信じて。

 

 しかし、いきなり銃声が聞こえた。自衛隊やNATOの制式の5.56mm小銃弾ではなく、特徴的な乾いた破裂音に近い銃声だった。

 

「カラシニコフだ!」

 

 それはAK47の銃声だった。日本国内でAK47を使うのは、せいぜいどこかの暴力団かゲリラかマグマ軍ぐらいだ。

 

 土居内は89式小銃を手に、銃声がした方へ走る。

 

 逃げ惑う一般市民を掻き分け進むと、マグマ軍歩兵がAK47を撃っていた。恐らく富山市内に紛れ込んだのだろう。土居内は素早く右親指をグリップの左側から右側へと移し、セレクターを「安全」から「単発」にし、障害物となるビル角に近付く。

 

 まだマグマ軍歩兵は土居内に気付いてない。89式小銃の上に取り付けたドットサイトを覗き、狙いを定める。そして引き金を3回引き絞った。

 

 放った3発の5.56mm小銃弾の内、2発が命中する。しかし、土居内はそれを確認する間もなくビルの角に隠れる。

 

 直後、無数の銃弾が、ビルの壁を抉る。AK47だけではなく、7.62mmDT機関銃の連続的な銃声も混じっている。

 

「くっ、市街地戦のセオリーをわきまえてやがる。奴らはスペツナズか!」

 

 すると、重々しいディーゼル音が聞こえた。その方向を見ると、やたらと車高の低い96式装輪装甲車が2台近付いてくる。

 

 土居内はその増援にほっとした。

 

 しかし、土居内の目にあるものが入った。それは植え込みの影に隠れる女性だった。

 

「畜生!」

 

 土居内はその女性の元へ走り込む。見るからにOL風の格好をした女性は頭を手で守り、地面に伏せている。

 

「おい、あんた! 生きてるのか!?」

 

 女性は土居内の声に、ビクッと体を反応させ、顔を上げる。乱れた茶色の前髪から、化粧の崩れた顔が見える。恐らく銃撃されている時にさんざん泣いたのだろう。

 

「あ…あなた誰?」

 

「俺は自衛隊員だ! とにかくこんな所にいては危ない!」

 

 ただの植え込みでは銃弾を防ぐ事は出来ない。それにロケット弾や手榴弾を使われたら一環の終わりだ。

 

「とにかくここから逃げろ!」

 

「で、でも撃たれちゃう!」

 

「俺が援護する! いいか? よく聞け! 俺が向こうを確認したら『行け』と言うから、路地裏へ走れ! 途中何があっても立ち止まったり、振り返ったりするな! その途端、お前は死ぬからな!」

 

 そう言い切ると、女性は小さく頷く。それを確認した土居内は植え込みの上から頭を出し、89式小銃を構える。20メートル先にマグマ軍歩兵が4体、自動車の残骸などを利用して先程の96式装輪装甲車から展開した普通科部隊と銃撃戦を繰り広げている。

 

「行け!」

 

 土居内はそう叫び、女性は細い路地へと走り出す。

 

 しかしまた銃声。AK47や5.56mm小銃弾とは異なる銃声だった。

 

 銃弾は女性の足元に着弾し、女性は立ち止まる。

 

「馬鹿野郎! 死にたいのか!? 走れ走れ!」

 

 そう言って、土居内は銃声のした方へ89式小銃を構える。そして女性は再び走り出す。

 

 土居内は通りの向かいのビルの屋上に人影があるのを見つける。狙いを定め、引き金を絞る。

 

「っ!?」

 

 屋上でスコープ付AN94を構えていた奴の辺りに土居内が放った5.56mm小銃弾が着弾する。

 

 奴はとっさに隠れ、呟く。

 

「地上人め、殺り損なったか」

 

 土居内はビルの屋上へ89式小銃を向けながら、女性が走っていった方へ向かう。

 

 ビルの影に女性がうずくまっていた。土居内は無言で彼女の手を引っ張り、富山駐屯地へと走り出す。

 

 そして交差点に飛び出した時、緑色の車両が目の前にいた。土居内にとっては見慣れた車、軽装甲機動車だった。

 

 土居内は、このままでは2人共跳ねられると悟る。

 

 素早く女性を突き飛ばし、相棒である89式小銃も女性へと投げ、自分も横飛びをしようとする。

 

 しかし土居内の体は軽装甲機動車に当たり、全く違う方向へと飛んだ。

 

 そして地面に叩きつけられ、気を失った。




 駄目だ、まだ陸娘出なかった・・・

 次こそは出します・・・(フラグ)
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