りっく☆じあ~す 中央混成連隊、前進す!   作:土居内司令官(陸自ヲタ)

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25話 愛知・長野南部解放作戦 後編

 中央混成連隊は国道151号を南下し、愛知県 新城市に突入した。そして、北西からやってくる陸上自衛隊 第10師団や、渥美半島に上陸した米海兵隊と豊橋市で、マグマ軍を挟み撃ちにする事になった。

 

「全員、長距離行軍で疲れているだろうが、このまま豊橋へ向かい、マグマ軍を挟撃する!」

 

 土居内が叫ぶ。しかし、皆の顔は疲れで沈んでいた。

 

「元気出せよ! 言っとくが、この作戦が終わったら休息が約束されている」

 

 その途端、皆の顔が明るくなった。

 

「休息?」

 

「バカンス?」

 

「温泉?」

 

「誰だ温泉なんて言ったのは!? ただの休みだ!」

 

 再び顔が暗くなった。土居内は頭を抱える。

 

「分かった分かった。何か奢るからそれで許せ」

 

 また元気になった。

 

「私の手にかかれば、マグマ軍なんて一発よ」

 

「サイキョーだってこと、証明してやる!」

 

「私だって、結構戦えるわ」

 

「最新鋭の力、とくとご覧あれ!」

 

「茜お姉様のためなら、この体を犠牲にしてでも!」

 

 すっかりテンションについていけてない土居内、市ヶ谷、久居、豊川、新発田。土居内はまた頭を抱える。

 

「ホント、女って分かんねー……」

 

 

 

 やがて、中央混成連隊は移動を始める。国道151号に沿って豊川市を目指す。

 

「マグマ軍の対戦車陣地ですね」

 

「厄介だな。キューキュー、射撃用意。敵陣地への突撃支援射撃だ」

 

 途中、マグマ軍の防御陣地に遭遇した。斥候に出ていた土居内と久居は、キューキューに支援射撃を要請する。

 

「車両班、小銃班は突撃用意。特科班の射撃が終わったら、即時突撃を開始」

 

〔了解〕

 

 ナナヨンが応えた。そして後方から砲声が響いた。

 

 155mm榴弾がマグマ軍の対戦車陣地に炸裂する。重戦車72號が爆発し、対戦車ミサイルが破壊された。

 

「初弾命中、特科班撃ち方止め。車両班、小銃班、前へ!」

 

 土居内が無線機で指示を出した。

 

 

 

 10式戦車や74式戦車、90式戦車、89式装甲戦闘車、軽装甲機動車が動き出し、対戦車陣地へ突撃する。

 

「煙幕弾、ってぇ!」

 

 ナナヨンが全車に言う。戦車や装甲車に搭載された煙幕弾発射筒から煙幕弾が放たれ、部隊を隠す。

 

「班長より各車、目標自由、敵戦車の排除を優先!」

 

 ナナヨンが叫び、戦車砲が吼えた。74式戦車は行進間射撃を行い、105mm戦車砲で歩兵戦闘車2號やBTR-80装輪装甲車を破壊する。10式戦車や90式戦車も続いて120mm戦車砲で、重戦車72號を破壊した。

 

 89式装甲戦闘車は一旦停止し、砲塔左右にあるミサイルランチャーから79式対船艇対戦車誘導弾(重MAT)を発射した。

 

「ふっ、逃がしはしないわ」

 

 タイガーが、砲塔内でミサイル照準器を覗きながら呟く。逃げようと左へ走る重戦車72號を捉え、ミサイルを誘導する。

 

 そしてミサイルが重戦車72號に命中した。車体側面の爆発反応装甲を吹き飛ばし、キャタピラを千切る。しかし、与えられたダメージはそれだけだった。

 

「くっ! もう1発!」

 

 タイガーが2発目の79式対船艇対戦車誘導弾(重MAT)を用意する。が、重戦車72號が吹き飛んだ。

 

「え……?」

 

 見れば、74式戦車が敵陣地に接近して戦っていた。他の車両も軒並み接近しつつあった。

 

「遅れ取ったわ! FV、移動開始!」

 

 89式装甲戦闘車が動き始めた。

 

 

 

 軽装甲機動車が敵陣地に近付く。習志野が車上ハッチから身を乗り出し、01式軽対戦車誘導弾(軽MAT)を構える。照準器が重戦車64號のエンジン熱を捉え、ロックオンする。

 

 そしてミサイルが発射される。重戦車64號は煙幕弾を放って回避しようとするも、ミサイルは上昇して煙幕弾をかわす。そして砲塔上部目掛けて急降下して命中した。

 

 重戦車64號が吹っ飛ぶ。習志野はランチャーを車内に仕舞い、車上ハッチに搭載した25mm機関砲で撃つ。BTR-80装輪装甲車が蜂の巣になり、逃げ出した歩兵達が挽き肉になる。

 

 

 

「う~ん、戦争みたいだな」

 

「今は戦時ですよ」

 

「言ってみたかっただけだ」

 

 土居内が立ち上がり、側に止まった74式戦車をよじ登る。久居も89式装甲戦闘車に乗り込んだ。

 

「このまま豊橋市へ向かう! 中央混成連隊、前進!」

 

 土居内が、74式戦車の砲手用キューポラから叫んだ。

 

 

 

 陸上自衛隊の機械化部隊は名古屋市を制圧、豊川市を制圧した米陸軍と合流して豊橋市に向かっていた。

 

 渥美半島に上陸した米海兵隊も豊橋市を目指していた。

 

「もうすぐ豊橋市だ! 気を引き締めろよ!」

 

 74式戦車の上で、土居内が指示する。

 

 中央混成連隊は田んぼの間を通る道を突き進んでいた。それぞれが四方を警戒するなか、市街地から何かが飛んでくる。

 

「対戦車ミサイルだ! 回避機動!」

 

 中央混成連隊は煙幕弾を発射して散り散りになり、田んぼへと飛び込む。刈り入れが終わった後の田んぼに、キャタピラの跡が付く。

 

 そして、ミサイルは10式戦車に命中した。

 

「ヒトマル! 無事か!?」

 

〔大丈夫です! 最新技術の装甲にはこの程度じゃ効きませんよ!〕

 

 ヒトマルは無事だった。そして10式戦車は走り出した。

 

 当然、ミサイルのみならずRPG-7ロケットランチャーや戦車砲の対戦車徹甲弾も10式戦車目掛けて飛んでくるが、10式戦車の装甲はそれを弾き、120mm戦車砲やブローニング M2重機関銃、74式車載機関銃でマグマ軍を殺戮する。

 

〔効かない、効かな~い♪〕

 

 10式戦車の猛攻に、マグマ軍は対処出来ない。

 

「……どうする?」

 

「……ついて行くしか無いだろ」

 

 74式戦車の砲塔で、ナナヨンと土居内が話す。そして土居内は指示を出す。

 

「全車前進! ヒトマルに続け!」

 

 田んぼに飛び込んだ戦車や装甲車は畦道に登り、10式戦車の後を追う。

 

 

 

 10式戦車の通った跡は酷かった。ありとあらゆる物が破壊され、歩兵はミンチになっていた。

 

「うっわ、ひでぇ」

 

 土居内は顔をしかめる。舗装路に赤い何かがこびり付き、そのすぐ側にはぼろぼろのマグマ軍歩兵の服があった。

 

〔あの子、どうしちゃったんだろう……〕

 

 キューマルが呟く。10式戦車の姿はもう見えなかった。

 

 

 

「あっれ~? 皆どこに行っちゃったんだろう?」

 

 10式戦車は、既に豊橋市街に突入していた。交差点で重戦車64號と鉢合わせするが、ヒトマルは何事も無かったかのように120mm戦車砲から対戦車成形炸裂榴弾を放って重戦車64號を破壊する。

 

「まぁいっか!」

 

 ヒトマルは市街地を突き進んだ。

 

 

 

 豊橋市に、米海兵隊が突入した。LAV-25装甲車を先頭に、海兵隊員が市街戦を開始する。

 

「応射! 地底人をやっつけろ!」

 

 海兵隊員がM16 A4自動小銃を撃ちまくり、マグマ軍歩兵を倒す。しかし、そこへ歩兵戦闘車2號が30mm機関砲を連射して反撃してくる。

 

「くそっ! ブラボー20、敵の攻撃を受けている! 相手はIFV(歩兵戦闘車)2台!」

 

〔任せろ、ブラボー20。綺麗にみじん切りにしてやる〕

 

 TOWⅡ対戦車ミサイルを搭載したハンヴィー多用途車がやってきて、歩兵戦闘車2號を破壊する。すると突然、ハンヴィーやLAV-25装甲車が吹き飛ぶ。

 

 見れば、マグマ軍の重戦車80號の中隊が接近していた。

 

〔駄目だ! T-80とは真っ向から戦えん! こっちはケツをまくるぜ!〕

 

「くそっ! 意気地無し共め!」

 

 車両部隊が後退する。海兵隊員達は何も出来なかった。重戦車80號が近付いてくる。

 

「ここまでか――」

 

 海兵隊員が呟く。するといきなり、重戦車80號の砲塔が吹き飛んだ。

 

「な、何だ!?」

 

 見れば、10式戦車が近付いてきていた。戦車長用キューポラから、ヒトマルが頭を出し、ブローニング M2重機関銃のグリップを握っている。

 

「大丈夫ですか!?」

 

 ヒトマルが訊く。しかし、海兵隊員達は唖然としていた。

 

(ジエータイに女戦車兵だと!?)

 

 しかし、その合間にマグマ軍が近付いてくる。10式戦車は海兵隊員達の盾になるように停車し、戦車砲をマグマ軍に向ける。

 

「とにかく、ここは任せて下さい!」

 

 ヒトマルが叫び、ブローニング M2重機関銃でマグマ軍歩兵を駆逐する。海兵隊員達は素直に従い、市街地へと向かう。

 

 そこへ、中央混成連隊が到着した。90式戦車が120mm戦車砲で重戦車80號を破壊、そして89式装甲戦闘車や87式自走高射機関砲が35mm機関砲で歩兵やマグマ軍車両を蹴散らし、99式155mm自走榴弾砲が直接榴弾を敵戦車にぶち込む。

 

「この距離なら、外しはしないわ!」

 

 ナナヨンが、砲塔内でスコープを覗き、狙いを重戦車80號に定める。

 

「弾種HEAT(対戦車成形炸裂榴弾)、目標・正面の敵戦車! ファイア!」

 

 74式戦車の105mm戦車砲L7 A1が唸り、対戦車成形炸裂榴弾が飛んでいく。砲塔内に熱々の薬莢が転がり、弾は重戦車80號の左側面の爆発反応装甲を吹き飛ばした、だけだった。

 

「くっ! T-80に勝てないなんて!」

 

〔やっぱり時代じゃないですか?〕

 

「うっさい!」

 

 キューマルの一言に怒鳴るナナヨン。上空からAH-1S攻撃ヘリがTOW対戦車ミサイルで歩兵戦闘車2號を破壊し、木更津姉妹の乗るOH-6D偵察ヘリがマグマ軍のジープに弾幕を加えていた。

 

 爆発反応装甲が吹き飛び、素の装甲が剥き出しになった重戦車80號に向け、小銃班が110mm対戦車弾や01式軽対戦車誘導弾(軽MAT)、06式小銃擲弾を撃ち込む。

 

 土居内は74式戦車の砲塔の上からM14自動小銃を構えてマグマ軍歩兵を狙撃する。

 

 

 

 やがてマグマ軍は愛知県から撤退した。つまり、自衛隊の勝利だった。

 

「よぉし、我が隊の損害無し! これより新発田駐屯地へ帰還する!」

 

 

 

 極東ロシア・シベリア 某山麓――

 

「報告、自衛隊、米軍の猛攻により、愛知県を奪われました」

 

「チッ、せっかく量産化出来た重戦車80號を4個大隊分送ったのに。残党ロシアやヨーロッパとの戦いに最新兵器を回さないとならないのに、何の資源が無いちっぽけな島国に何の価値がある?」

 

「日本には大量の活火山があり、我が軍の重要な補給路でもあります。これら火山の一つでも陥落すれば、地下の本部まで攻略される可能性が――」

 

「ならば訊く。どうして勝てない? 重戦車80號は、ソ連がアメリカに対抗するために作った物で、自衛隊の90式戦車や10式戦車と充分に殺り合える。おまけに、日本の主力は旧式の74式戦車で、馬鹿な官僚と少ない予算のおかげで兵力も足りてない自衛隊に、何故我々は勝てない!?」

 

「それは、やはり質かと。第2次世界大戦においても、日本は兵器や量で圧倒的劣勢の最中、大国アメリカ相手にあれだけの戦いを行えたのは、兵士の質が高かったからで、さらに警察予備隊や自衛隊の初代教官には元日本兵が多く――」

 

「もういい! 日本中部軍団の指揮官は!?」

 

「既に、富士山麓に退却しています」

 

「今すぐ連れてこい、逃げる事が大罪であると教育しなければな」




 わーい、愛知・長野南部解放作戦終わったぞい
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