りっく☆じあ~す 中央混成連隊、前進す! 作:土居内司令官(陸自ヲタ)
翌朝、新発田駐屯地・ヘリポート――
「作戦内容は先程言った通りだ。墜落したAH-64D戦闘ヘリの乗員の捜索保護、及び機体の回収もしくは爆破だ。陸自の第1戦車大隊が支援に回る。搭乗!」
戦闘装備の土居内が叫び、中央混成連隊の面々はヘリコプターに乗り込む。UH-1J汎用ヘリ(改)やUH-60JA汎用ヘリ、OH-6D偵察ヘリ、AH-1S攻撃ヘリ(改)が飛び立った。
航空自衛隊の救助ヘリ・UH-60J ブラックホーク SP+は撃墜された。そのため、土居内達中央混成連隊に、「救難捜索及び三重県解放作戦」を渡されたのである。
中央混成連隊のヘリ編隊は、朝日を背に飛ぶ。UH-1J汎用ヘリ(改) 1号機の副操縦士席に土居内が座っていた。
「ナナヨン! ヘリからの眺めはどうだ!?」
「とても慣れそうも無いわ!」
「そうか! 慣れると楽しいぞ!」
「何処が!?」
UH-1J汎用ヘリ(改) 1号機のキャビン左縁に、64式小銃を手にしたナナヨンが座り、スキッドに足を掛けている。その横に、89式小銃を手にしたヒトマルが座って目を輝かせ、同じく89式小銃を持ったキューマルが青白い顔で外を見る。
「そろそろ作戦空域だ! 松本、BGMだ! コンポの電源を入れろ!」
土居内が叫ぶ。キャビン右で、銃架に固定されたブローニング M2重機関銃を構える松本が、本来なら車載用無線機を置くスペースに固定されたコンポの電源を入れた。
そして、ミリヲタなら誰もが知っているであろうクラシック曲、ワーグナー作「ワルキューレの騎行」が大音量で流れ始めた。
隣のUH-1J汎用ヘリ(改) 2号機のキャビン左縁に座った北富士が足をぶらぶらさせ、練馬が88式鉄帽の上に座っている。
「何でテッパチの上に座ってるの!?」
女子高生の格好の上から防弾チョッキ 3型を着た守山が問いかけると、練馬はニヤリと笑って答える。
「大事な部分を守るためよ!」
UH-1J汎用ヘリ(改) 1号機のキャビン右縁に座った鯖江が、64式小銃の弾倉を88式鉄帽に軽くぶつける。「排莢不良、装弾不良が起きませんように」という、一種のおまじないだが、当然変形の原因になるし、最近多いプラスチック製弾倉だと逆に起きやすくなってしまう。
やがてヘリ編隊は開けた農場の上を飛ぶ。既に第1戦車大隊が攻撃を加えていた。粗末な小屋が74式戦車の105mm戦車砲で吹き飛び、マグマ軍歩兵がRPG-7ロケットランチャーを持ち出すと、10式戦車の74式車載機関銃が火を吹いた。
農場のど真ん中に、UH-60J ブラックホーク SP+とAH-64D アパッチ・ロングボウが置かれ、乗員と見られる6人の男女が磔にされていた。周りには大量のマグマ軍歩兵と近衛兵。
「射撃用意! ただし機体と磔に当てるなよ! 撃て撃て!」
土居内が副操縦士席から立ち上がりながら叫ぶ。UH-1J汎用ヘリ(改)のパイロット(ただし中央混成連隊所属ではない)が操縦桿のボタンを押した。キャビン両側から生える短翼下の70mmロケット弾ポッドからロケット弾が連射され、松本と富山がブローニング M2重機関銃を撃ちまくる。
AH-1S攻撃ヘリ(改)が小屋に向けて30mm機関砲M230を撃ち、小屋を吹き飛ばした。OH-6D偵察ヘリから、茜と相馬原がMINIMI機関銃を乱射し、副操縦士席の市ヶ谷がM26 A1J破片手榴弾を投げる。
「いいぞクソッタレ!」
いつの間にかキャビンに移った土居内が、左手で手すりを握り締め、右手でM16 A1自動小銃を乱射する。
すると、森の中から、対空戦車23號が現れた。ソ連製のZSU-23自走高射機関砲を、マグマ軍が改造した物だ。
「まずいぞ! 回避しろ!」
土居内がナチュラルに叫んだ。すると、AH-1S攻撃ヘリ(改)が急降下しながらヘルファイア対戦車ミサイルを発射した。見事、対空戦車23號が破壊される。
「コブラ、よくやった! 戻ったらビールを1ケース奢る!」
〔司令官のためでなく、茜お姉様のためだ。勘違いするなよ。茜お姉様~、褒めてくださ~い〕
〔気持ち悪い! お姉ちゃん、あのAH-1SにMINIMIをぶち込んでやって!〕
土居内達は呆気に取られる。が、それも束の間、UH-1J汎用ヘリ(改) 1号機のキャビンに何かが飛び込んだ。
「手榴弾だ!」
「早く出せ!」
「転がって上手く取れない!」
皆がパニックになる中、土居内は余裕で拾い上げ、逃げ散るマグマ軍歩兵達に向かって投げる。
「たかが照明弾だ! 何をビビって――」
ドッカーン!
土居内が投げた何かが爆発し、その破片で歩兵達が転び、腕がもげた。
「え、マジ?」
土居内が一番驚いていた。
ヘリコプターが着陸できそうなエリアは制圧した。が、まだマグマ軍歩兵が大挙してやってくる。
「ブラックホーク、着陸しろ! 他は直上支援!」
衛生科隊員や医務官、そして三宿を載せた2機のUH-60JA汎用ヘリが着陸、一緒に乗っていた習志野達と降り、磔にされていた6人の男女に向かい、習志野達が援護する。
「クソッ! そろそろカンバン(弾切れ)なのに、まだ来やがる!」
UH-1J汎用ヘリ(改)も着陸し、機関銃手以外降りて飛び立つ。降りた隊員は小銃を撃ちまくる。
土居内もUH-1J汎用ヘリ(改)から降り、M16 A1自動小銃で応戦する。
そこへヘリコプターがやってきた。双発のエンジン、巨大な体、陸上自衛隊のCH-47JA輸送ヘリだ。機体側面と後部ランプドアにブローニング M2重機関銃が合計3丁取り付けられた「キャリバーCH」と呼ばれる仕様だ。
「中混連の土居内っつうのはあんたか!?」
着陸したCH-47JA輸送ヘリから降りた男性隊員が叫ぶ。
「そうだ!」
「中即連(中央即応連隊)の霜月2尉だ! 津田沼集団長からの指令で援護に来た!」
「助かった! あと人質をヘリに載せて機体を爆破するだけだ!」
「了解した! 小隊散開!」
CH-47JA輸送ヘリから89式小銃やMINIMI機関銃を手にした普通科隊員達が降り、射撃を開始した。
やがて、衛生科隊員達や三宿が担架で6人の男女を運んできた。
「バイタルは安定していますが、万が一のために病院へ!」
看護服のまま首から64式小銃を提げる三宿が叫ぶ。土居内は頷いた。
「急いでブラックホークに! 鯖江、例の物を!」
リュックを背負った鯖江が駆け、土居内と久居、新発田が続く。
と、そこへ航空自衛隊のF-2A戦闘機の編隊がやってきた。
〔こちらワイバーンリーダー! マイク01、綺麗に地底人共を吹き飛ばしてやる!〕
そして、主翼下の爆弾を全て投下した。農場の大半が爆ぜ、その爆風は土居内達を襲う。
「急げ!」
土居内が叫んだ。鯖江はUH-60J ブラックホーク SP+に駆け寄り、リュックの中からC4爆弾を取り出す。
「新発田! 何があっても鯖江に近付けさせるなよ!」
「了解!」
新発田が満面の笑みを浮かべ、89式小銃に銃剣を装着し、マグマ軍歩兵の群れへ突っ込む。
「違うバカ!」
土居内が叫んでも無意味だった。そこへ朝霞と練馬が来る。
「司令官!?」
「新発田が特攻しやがった! 2人は新発田の背中を守れ!」
「了解!」「りょーかい!」
2人も89式小銃に着剣し、射撃する。
新発田は戦っていた。歩兵の喉を銃剣で切り裂き、別の歩兵の腹を刺して引き金を引く。血に塗れた銃剣をそのままに、89式小銃の銃床を肩に当ててフルオート射撃、弾切れになったので空の弾倉を外して歩兵に投げつける。歩兵が怯んだ所で距離を詰め、銃床で殴った。そのまま新たな弾倉を挿し、別の歩兵の胸を突く。歩兵の心臓を銃剣で貫くと、その状態でチャージングハンドルを引いて引き金を引いた。
「その程度か地底人! 足りない、物たらなさ過ぎる!」
新発田は叫ぶ。そしてホルスターから9mm拳銃を引き抜き、別の歩兵を撃ち殺す。既に息絶えた歩兵の下腹部を蹴って銃剣を抜き、別の歩兵を見る。そいつは着剣したAK47自動小銃を手にしている。
「ギュッ!」
歩兵が着剣したAK47自動小銃を突き出し、新発田を殺そうとする。が、新発田は素早くジャンプし、AK47自動小銃の上を走った。そして歩兵の頭を蹴り飛ばした。頸椎が折れ、頭が180°近く回転した。
「ねえ美月……」
「ん……」
「私達、いらないんじゃない?」
練馬と朝霞は、ただ見ているだけだった。
「司令官、AH-64の中に!」
鯖江が叫ぶ。土居内が近付くと、AH-64D戦闘ヘリのコクピット後席に誰かがいた。ブロンドがかった長い髪、インパクトのある胸――
「司令官?」
「別に、やましい考えはねえよ」
土居内はその女性の頬を叩く。
「はぁぁぁ!」
新発田が歩兵の腹を突く。大量の返り血を浴び、白い髪や服が血に濡れる。銃剣を引き抜き、発砲。別の歩兵を見、飛びかかって銃床で殴る。が、銃床が折れてしまった。
「あちゃー!」
新発田が驚く。既にフレームやハンドガードにもひびが入っている。
「朝霞さん、練馬さん! どっちか銃貸して!」
新発田が叫んだ。朝霞は素早く自分の89式小銃を投げ渡す。新発田は受け取り、使い物にならない89式小銃を投げた。
「何をどうやったらこうなるの……」
銃床が折れて無くなった89式小銃を手に、朝霞が呟いた。仕方無いので9mm拳銃で応戦した。
「……ここは?」
AH-64D戦闘ヘリの中にいた女性が目を覚ます。
「やっとか。あんた、名前は?」
土居内が問い掛ける。が、女性は何も思い出せない。
「……私は、誰?」
「おいおい、嘘だろ? また『記憶無し』かよ!」
土居内が嘆く。すると、鯖江が64式小銃を撃った。
「司令官、かなりまずいよ」
みれば、歩兵がかなり近付いている。
「こうなったら!」
土居内はコクピット前席に飛び込んだ。離陸出来なくとも、予備電源があれば機首下の30mm機関砲M230で射撃出来るかもしれないと判断したからだ。
しかし、何が何だか分からない。スイッチやボタンが多すぎるのだ。
「わたくしに任せなさい」
女性が言う。機体の予備パワーユニットが起動、右エンジンが始動した。必要な電力を得ると、30mm機関砲M230が動く。
「ファイア!」
強力な30mm機関砲M230の銃声。機体が震え、鯖江や朝霞、練馬が耳を塞いだ。そしてマグマ軍歩兵達がミンチになった。
「このまま離陸出来るか!?」
「駄目、燃料が!」
どうやら、エンジンを始動させる文の燃料しか無いらしく、すぐにエンジンが止まってしまった。
だが、大半のマグマ軍歩兵は蹴散らした。第1戦車大隊が残党を駆除し、まだ息の根があればとどめを刺されていた。
土居内はコクピットから抜け出し、M16 A1自動小銃片手に立ち尽くす。ヘリコプターが次々着陸し、代わりに2機のUH-60JA汎用ヘリが離陸していく。
中央混成連隊、SAR(捜索及び救難)作戦完了。