りっく☆じあ~す 中央混成連隊、前進す!   作:土居内司令官(陸自ヲタ)

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39話 トレンチ

 暗くなり、L16 81mm迫撃砲で照明弾を打ち上げる。74式戦車(改)の大型投光器で地面を赤外線で照らす。

 

〔敵先頭団、距離3000。戦車班、ってぇ!〕

 

 土居内の掛け声で、5台の戦車が一斉に発砲した。新120mm滑腔戦車砲から、M1025キャニスター対人散弾が発射され、マグマ軍歩兵集団がミンチになる。しかし、マグマ軍の進軍は止まらない。

 

〔小銃班、距離600で自由射撃を開始、好きに撃って構わん!〕

 

 土居内の一言に、相馬原はニヤリと笑い、MINIMI機関銃のツマミを回して連射速度を毎分700発から毎分1100発に切り替え、チャージングハンドルを引いた。

 

 

 

 松本はM24 SWS対人狙撃銃を構えている。目測で、距離780といった所だ。既に射程距離内、そして必中ライン内だ。松本は舌で下唇を舐める。呼吸は落ち着き、揺れも安定している。そして松本は、引き金に触れた。

 

〔小銃班、射撃開始!〕

 

 

 

 一斉に銃声が轟いた。二脚を使い、64式小銃と89式小銃が火を吹く。こうした塹壕戦で威力を発揮するアサルトライフルは珍しいが、日本の防衛思想なんだから仕方ない(最も、塹壕を構築する暇があるとは思えないが)。

 

「リロード!」

 

 富山が叫び、塹壕に引っ込んで89式小銃の弾倉を交換する。素早く北富士が支援に回った。

 

「数が多過ぎるんだよ!」

 

 富山が3発制御点射で弾をばらまきながら叫ぶ。マグマ軍歩兵の数が多く、一面見渡す限り歩兵だった。

 

 

 

〔全機、行きますわよ!〕

 

 AH-64D戦闘ヘリが降下する。それにAH-1S攻撃ヘリ(改)、AH-1S攻撃ヘリ、UH-1J汎用ヘリ(改)が続く。

 

〔ファイア、ファイア!〕

 

 70mmロケット弾ポッドからロケット弾を連続発射、見事マグマ軍歩兵集団の先頭が吹き飛び、地面にクレーターが出来た。

 

 アパッチは30mm機関砲M230で残りを片付ける。しかし、マグマ軍も歩兵携行型対空ミサイルを発射して反撃する。

 

〔こざかしい!〕

 

 AH-64D戦闘ヘリはフレアを撒く。しかし、代わりにAH-1S攻撃ヘリ(改)に対空ミサイルが直撃した。

 

〔きゃあ!〕

 

 コブラが悲鳴を上げる。テールシャフトがもげ、AH-1S攻撃ヘリ(改)はくるくる回転しながら墜落した。

 

 

 

「ギュッギュルー(ヤポンスキーをぶっ殺せ)!」

 

「ギュギャーギュッギュ(スターリン万歳)!」

 

 マグマ軍歩兵達はAK47自動小銃やRPK軽機関銃、どこから持ってきたのか、モシンナガンやSKS自動小銃を手に突撃する。仲間が倒れようと、その死体を踏み越え、時に盾にしながら突き進む。

 

 

 

「クソッタレめ! プランBだ!」

 

 土居内が叫びながら89式小銃を乱射する。北富士と鯖江がスイッチを押した。

 

 

 

 地面が盛り上がり500体の歩兵が宙に浮かんだ。4トンものC4爆弾が起爆したのだ。

 

「ギュッギャルギュー(何て卑劣な)!」

 

 しかし、マグマ軍歩兵の進撃速度は変わらない。

 

 87式自走高射機関砲が、35mm連装対空機関砲で掃射する。だが、なかなかマグマ軍歩兵は減らない。

 

 

 

「もう1射だ! 撃て撃て!」

 

 車上のブローニング M2重機関銃をぶっ放しながらコノエが叫ぶ。そしてT-72、T-80から再びM1025キャニスター対人散弾が発射された。

 

 放たれた砲弾は炸裂し、大量の鉄球をばらまいてマグマ軍歩兵をミンチにする。しかしマグマ軍歩兵の突撃は止まらない。

 

 

 

「うっざ!」

 

 MINIMI機関銃をぶっ放しながら、相馬原が叫ぶ。脇には、熱々の銃身がずらりと並んでいる。MINIMI機関銃は続々と5.56mm小銃弾を吸い込み、弾丸と薬莢、給弾ベルトが吐き出されていく。

 

 しかし、機関銃の弾幕を持ってしてもマグマ軍の死の突撃は止まらない。ましてや、向こうも撃ち返してきている。

 

「っぐっ!」

 

 守山が腹を押さえる。見れば、白いシャツに血が滲み始めている。

 

「衛生! 衛生ぇ!」

 

「メディーック!」

 

 北富士が被弾した守山の首根っこを掴んで塹壕内に引きずり込み、金沢と北富士が叫んだ。

 

 すぐに三宿が駆け付け、止血処置を行う。守山の白いシャツを引き裂き、サルファ剤を振りかけ、フィブリン包帯を当てて普通の包帯でぐるぐる巻きにする。

 

 

 

「くそっ! キリが無いぞ!」

 

 89式小銃の銃口に06式小銃擲弾を差し込みながら、富山が叫ぶ。その横で、習志野がM4 A1自動小銃の弾倉を交換しながら応える。

 

「少なくとも射撃訓練にはなるだろう!?」

 

「何処がだ! こんなに密集してたら目を瞑ってでも当てられる!」

 

 富山は89式小銃の銃床を肩に当て、引き金を引き絞る。06式小銃擲弾が撃ち出され、マグマ軍歩兵が漫画のように吹き飛んだ。

 

 その近くで和装メイド姿の久居が84mm無反動砲(B)を肩に担いでいた。豊川が84mm無反動砲(B)に多目的榴弾を装填する。

 

「砲尾閉鎖、確認! 後方安全、よし! 発射よぉーい、よし!」

 

 豊川が久居の左肩を叩き、久居は引き金を引いた。

 

 強力な後方噴射炎(バックブラスト)、クロムスキット式で撃ち出された砲弾はマグマ軍隊列の先頭に命中、再び派手に吹き飛んだ。

 

「かるらちゃん、次はフレシェットを!」

 

「りょーかい!」

 

 豊川はグラスファイバーの砲弾ケースから、84mm対人散弾(フレシェット弾)を取り出す。そして84mm無反動砲(B)の砲尾を開けて挿入、砲尾を閉じて閉鎖レバーをロックした。

 

「フレシェット装填!」

 

 豊川が叫び、久居は若干上に向けて発射した。

 

 放たれたフレシェット弾は、隊列中央上空で自爆、そして大量の「鉄の矢」が降り注ぎ、マグマ軍歩兵の体をずたずたにする。

 

 

 

 土居内は89式小銃を連射する。隣の市ヶ谷は、単発で撃っていた。

 

「愛! 怖がる事は無い、遠慮無くフルオートでぶち込んでやれ! なんせ外すほど少なくねぇからな!」

 

「は、はい!」

 

 市ヶ谷は89式小銃のセレクターを「単発」から「連射」にし、撃ちまくる。反動で銃が暴れるが、確かに外れるほどマグマ軍歩兵は少なくなかった。

 

 

 

 いよいよ交戦距離が300mを切った。鯖江は火炎放射器を高機動車から引っ張り出し、いつでも使えるようにする。

 

「来たぞ、近接航空支援!」

 

 土居内が叫んだ。やがてKC-130H空中給油機がやってきて、ジェット燃料を散布した。

 

 

 

「グギュルギュー(一体何だ)?」

 

 勿論、マグマ軍歩兵達はいきなり降り注いだ液体に、首を傾げた。

 

 

 

「行くぞ、全機! 一斉投下だ!」

 

 既に退役したはずのF-1戦闘機が、主翼下の250ポンド爆弾を一斉に切り離す。

 

 

 

 そして大量の250ポンド爆弾は、マグマ軍歩兵達に降り注いだジェット燃料に引火し、文字通りの大爆発を起こした。強力な光が彼らの目を刺激する。

 

「ブラボー! 私達は真珠湾の再現に成功したわ!」

 

 練馬が叫ぶ。朝霞は練馬を粛正しようと89式多用途銃剣を鞘から抜いた途端、練馬が倒れた。

 

「ぐがぁぁぁ! 腹を撃たれた! もう私は駄目だ!」

 

 練馬がじたばたと暴れる。朝霞と富士があの手この手で練馬を黙らせ、三宿を呼ぶ。

 

 

 

「数が減った! 全隊、着け剣! 突撃にぃ、前へ!」

 

 かなり減ったマグマ軍歩兵の隊列を前に、土居内は突撃を指示する。戦車や装甲車は機関銃や機関砲を連射しながら前進し、隊員達は小銃に着剣して突撃する。

 

 土居内は89式小銃に着剣し、駆け出す。そしてマグマ軍歩兵を刺し、斬り、撃ち殺す。

 

 

 

「AHAHAHAHAHAHAHAHA!」

 

 着剣した89式小銃を手に、新発田は暴れる。89式小銃の銃床でマグマ軍歩兵にアッパーを決め、SKS自動小銃を奪い、投げ槍の感覚で遠くの歩兵に投擲する。見事、SKS自動小銃の銃剣が歩兵に刺さった。89式小銃を腰だめでフルオート射撃、弾切れになったために空っぽの弾倉を外して別の歩兵に投げつける。そしてホルスターから引き抜いた9mm拳銃でとどめを刺した。素早く89式小銃に弾倉を差し込み、近付いてきた歩兵の首を斬る。足元に落ちていたRPK軽機関銃を拾い上げ、また腰だめでぶっ放す。

 

「弱い、物足りない! もっと血を!」

 

 新発田は叫び、弾切れになったRPK軽機関銃を投げ捨てる。そしてM26 A1J破片手榴弾の安全ピンを引き抜き、安全レバーを弾き飛ばすと、近くにいた歩兵の口に突っ込んだ。素早く離れ、逃げようとしていた別の歩兵の背中目掛けて跳び蹴りを喰らわす。そして、口にM26 A1J破片手榴弾を突っ込まれた歩兵の頭が葡萄のように弾けた。

 

 

 

「いいんですか、あれ……」

 

「司令官次第、かな……」

 

 89式小銃や9mm機関拳銃を手に、豊川と久居は立ち尽くしていた。

 

 

 

 鯖江は大きなタンクを背負い、火炎放射器を操る。40mにもなるゲル化燃料の炎によって、近付くマグマ軍歩兵は火達磨になる。

 

 富山と習志野、金沢が直衛に回り、鯖江の死角を補完する。

 

 次々とマグマ軍歩兵が炭化していき、鯖江はニヤリと笑う。

 

「お嬢さん、グリルパーティーはお好きかな?」

 

 そう言ってのた打ちまわるマグマ軍歩兵を焼き尽くす。それを見た金沢が一言。

 

「メカニカル鯖江さん……」

 

「何だって?」

 

 

 

「Let's party, 焼き肉party!」

 

 相馬原がMINIMI機関銃を腰だめで撃ちながら叫ぶ。体には無数の給弾ベルトを巻き、下手したらオーバーヒートで壊れるんじゃないかと思うほどMINIMI機関銃は弾をばらまく。

 

「アパーム! もっと弾ぁ持ってこーい!」

 

 案の定、ジャムったMINIMI機関銃のチャージングハンドルを引きながら、相馬原が叫ぶ。

 

「もう4000発に達しますよ! そろそろ予備が――」

 

「うるせー! 撃ちして止まん!」

 

 緑色のアモボックスを抱えてやってきた明野を一喝し、相馬原はMINIMI機関銃に新たな給弾ベルトを差し込む。明野は、ため息をつくしかなかった。

 

 

 

 やがて、マグマ軍歩兵の集団は壊滅した。土居内は生存者がいないか確認する。

 

「――はひゅー、ひゅー――」

 

 いた。地面に仰向けで倒れている近衛兵の息があった。

 

「ヤポンスキー……私を……殺せ……」

 

 近衛兵は言う。土居内はホルスターからM9 A1自動拳銃を抜き、セレクターを「発射」にする。

 

 すると、T-72戦車がやってきた。砲塔の上には、ブローニング M2重機関銃を構えるウラールと、74式車載機関銃を構えるコノエの姿。

 

「同志司令官、私にやらせてくれ」

 

 停車したT-72戦車からコノエが降りる。そして、9mm拳銃を抜いて構えた。

 

「安らかに眠れ、元同志」

 

 近衛兵の顔が引きつった。

 

「貴様、裏切り者の――」

 

 パンパン。

 

 

 

 中央混成連隊、マグマ軍歩兵集団の壊滅に成功。




 多分これで年内最後の投稿です。また来年もよろしくお願い致します。
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