りっく☆じあ~す 中央混成連隊、前進す!   作:土居内司令官(陸自ヲタ)

48 / 77
47話 東京開放 その4

 完全に日が暮れた。中央混成連隊の小銃班はコンビニを捨てて逃げる。

 

「車両班は一体何処に!?」

 

 久居が、89式小銃の弾倉を交換しながら叫ぶ。その横で、新発田が着剣した89式小銃でマグマ軍歩兵を斬り殺す。

 

「分かりません! 無線に応答がありません!」

 

 金沢が叫び、そこへ手榴弾が飛んできた。

 

「グレネード!」

 

 練馬が叫び、隊員達は咄嗟に伏せる。

 手榴弾が爆発し、破片が辺りに撒き散る。その破片により、何人もの隊員が切り傷を負った。

 

 

 

 土居内は駆け寄ってきた市ヶ谷を抱き締める。

 

「どうして戻ってきたんだ!?」

「だって……私、佳樹さんの事が心配で、心配で……!」

 

「それでお前が死んだら元も子も無いだろう! お前が死んだら、死んだらさぁ!」

 

「ごめんなさい! でも、佳樹さんが死んだら、私……!」

 

「それは俺もだよ、愛! お前の葬式なんて、俺……」

 

 見かねた習志野が口を開いた。

 

「とりあえず、語り合うのは移動中にしてくれ。ここは一応敵勢力下だし」

 

「あ、ああ、そうだな」

 

 5人はGAZ-69に乗った。

 

 

 

 その頃、相馬原と新町は路線バスの中に隠れていた。

 

「相馬原さん! 味方が何処にいるか知ってます!?」

 

「何だって!?」

 

 しかし、新町の声は相馬原に届かない。外の雑音が大きいからではない。先程、新町が相馬原の真正面で62式機関銃をぶっ放したため、相馬原は一時的に難聴になっていたのだ。

 

「ですから! 味方は何処に!?」

 

「だから、聞こえないって! もっと大きく喋れよ!」

 

「みぃかぁたぁのぉ! いぃちぃはぁ! どぉこぉでぇすぅかぁ!?」

 

「味方ぁ!? 知るかそんなもん! とにかく歩いて探せ!」

 

 新町は溜め息をついた。

 

 

 

 航空自衛隊のF-35AJが、国籍不明機を捉えた。ウェポンベイにはAIM-120 アムラーム中距離空対空ミサイル、主翼下にはAAM-4B中距離空対空ミサイルが吊されている。そして、応援としてドイツ空軍のEF-2000とロシア空軍のSu-35がついてきている。

 

〔レーダーコンタクト! アサシンリーダー、FOX1!〕

 

 編隊の戦闘機達が一斉に中距離空対空ミサイルを発射した。目標の大型機は回避機動も取らずに、ただミサイルを喰らう。そして、護衛と思われる小型機達が加速した。

 

〔雑魚共が来るぞ……アサシンリーダー、エンゲージ!〕

 

 多国籍軍の戦闘機達は増槽を切り捨て、アフターバーナーを焚いて加速する。

 

 そして、マグマ軍のSu-27とドッグファイト(近接空対空格闘)が始まった。

 

 

 

 〈アドミラル=クズネツォフ〉から、AH-64D戦闘ヘリとAH-1S攻撃ヘリ(改)が発艦する。そして、艦載戦闘機Su-33が爆弾を抱いて飛び上がった。

 

 

 

 相馬原と新町が走る。もちろん、マグマ軍も追い掛ける。

 

「誰か来ます!」

 

 金沢が叫んだ。守山が振り返ると、機関銃を抱えて走る相馬原と新町の姿があった。

 

「しまったすっかり忘れてた」

 

 守山が呟く。2人は小銃班の所へ走るが、マグマ軍歩兵の放った銃弾が相馬原に命中した。

 

「うぎゃっ!」

 

 相馬原が倒れ、MINIMI機関銃が転がる。すぐに新町は立ち止まり、振り返って62式機関銃をぶっ放すが、ジャムってしまった。

 

「この単発機関銃!」

 

 新町は叫びながら62式機関銃を投げ捨て、9mm拳銃を発砲する。そこへ練馬と金沢、新発田がやってきて89式小銃を連射する。

 

 ある程度マグマ軍歩兵が片付いた所で、練馬と金沢が被弾した相馬原を運ぶ。そして、小銃班はそこら辺にあったビルに、再び籠城し始めた。

 

 久居が89式小銃の弾倉を交換しようと、腰に巻いたピストルベルトにぶら下げたマグポーチから、30連弾倉を引き抜こうとしたが、弾倉が無い。

 

「しまった、弾が無い!」

 

 そして、少し離れた先に、AK74自動小銃を構えるマグマ軍歩兵の姿があった。久居は二度目の死を覚悟する。

 

 しかし、死んだのはマグマ軍歩兵の方だった。見れば、豊川が構えている89式小銃の銃口から硝煙が上っていた。

 

「真津梨士長! 大丈夫ですか!?」

 

「ごめんね、かるらちゃん。あと、弾を少し貰える?」

 

 すると、守山が30連弾倉を2本、久居に差し出した。

 

「私のはまだあるから」

 

「ありがとうございます、守山3尉!」

 

 

 

 土居内達は、途中でGAZ-69を乗り捨てて入間基地に辿り着いた。

 

「中央混成連隊、土居内1尉だ!」

 

「よく来た! 乗ってくれ!」

 

 そして、駐機場のCH-47JA輸送ヘリがエンジンを始動させ、土居内達はその広過ぎるキャビンに入った。

 

 土居内はキャビン内に設置された簡易ベンチに座った。隣に市ヶ谷が座り、頭を土居内に預ける。

 

「愛?」

 

「佳樹さん、もう私から離れないでください。私が心を許せるのは、あなたしかいないんです……」

 

「愛……」

 

 土居内は市ヶ谷の頭を撫で、そして引き寄せた。誰も、何も言わない。CH-47JA輸送ヘリは離陸し、新発田駐屯地へ向かった。

 

 

 

「CAS(近接航空支援)接近!」

 

 練馬が叫んだ。隣では、金沢が血まみれになりながら相馬原の止血をする。

 

「さっきの二の舞にならないでよ……!」

 

 守山が呟いた。そしてヘリのローター音が近付いてきた。

 

「我が隊のアパッチとコブラだ!」

 

 見れば、中央混成連隊所属のAH-64D戦闘ヘリとAH-1S攻撃ヘリ(改)がやってきて、機関砲でマグマ軍歩兵をミンチにしていた。

 

「いいぞ、もっとやれ!」

 

 練馬が叫ぶ。新町が、守山から借りた9mm機関拳銃で応戦した。しかし、マグマ軍歩兵達が束になってやってくる。

 

「もう駄目ですね……」

 

 金沢が、床に膝をついて呟く。すると、練馬が叫んだ。

 

「諦めるのはまだ早い! 皆で帰って、そして『け○のフレンズ』を見るのよ!」

 

 その時、皆は確信した。こいつとは、もう会話は出来ないと。

 

 

 

 F-35AJが左急旋回を行い、マグマ軍のSu-27の放った30mm機関砲弾をぎりぎりでかわした。しかし、Su-27はまだ食らいついている。

 

〔駄目だ、振り切れない!〕

 

 そこへ、ドイツ空軍のEF-2000がやってきて、IRIS-T短距離空対空ミサイルを発射してSu-27を撃墜した。

 

〔ドイツ空軍!? 助かった~〕

 

〔日本人、ぼけっとしてるとあの世行きだ〕

 

 そして、EF-2000は旋回して次の獲物を狩り始めた。

 

 

 

 AH-64D戦闘ヘリが、強力な対地火力を見せつけてマグマ軍歩兵を駆逐する。一升瓶のような薬莢がぼろぼろと吐き出され、地面にへばりついたマグマ軍歩兵達の死体を上に積もる。

 

 そこへ、対戦車ミサイルが発射される音が響いた。歩兵達が吹き飛ばされ、中央混成連隊の小銃班が振り返ると、89式装甲戦闘車の砲塔側面の79式対船艇対戦車誘導弾(重MAT)発射器の蓋が開いていた。

 

「皇国騎兵隊の登場よ!」

 

 89式装甲戦闘車の砲塔上面の車長用キューポラから顔を出したタイガーが叫ぶ。ふと見れば、89式装甲戦闘車の後ろには96式装輪装甲車や74式戦車(改)、90式戦車等、中央混成連隊の車両班が勢ぞろいしていた。

 

「頼もしい連中が帰ってきた!」

 

 練馬が叫ぶ。直ちに北富士と新町、新発田が援護する中、久居と金沢が負傷した相馬原を96式装輪装甲車の中へ担ぎ込んだ。

 

 守山は89式装甲戦闘車の砲手用ハッチに登り、指揮を執る。

 

「中央混成連隊、前進!」

 

 

 

〔東京にお住まいの皆さんに連絡です。たった今、我々自衛隊及び多国籍軍が、地底特殊甲種害獣から東京都を解放しました! 繰り返します! たった今、自衛隊と多国籍軍は、この東京都の解放に、成功しました!〕

 

 遂に、自衛隊と多国籍軍は東京都内のマグマ軍を一掃するのに成功した。陸上自衛隊のUH-1J汎用ヘリに装着されたスピーカーが、こんな放送を流しながら旋回していく。

 

 中央混成連隊の隊員達は、その放送を聞き、一部は涙を流す。この成功は、日本解放への大きな一歩だった。




やっと東京を開放したよ……

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。