りっく☆じあ~す 中央混成連隊、前進す!   作:土居内司令官(陸自ヲタ)

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53話 捕虜

「馬鹿な……」

 

「今までの犠牲は、何だったんだ……」

 

 自衛官達が口々に言う。その視線の先では、ゼファストポリが「撤退」を始めていた。

 

 

 

「そんな、司令官と市ヶ谷さんは!?」

 

 新発田が叫ぶ。富士は静かに首を横に振るだけだった。

 

 中央混成連隊を始め、全ての部隊に撤退が命じられていた。

 

 中央混成連隊の隊員達は静かにヘリに乗り、新発田駐屯地へ帰投した。

 

 

 

「おい、起きろ、地上人」

 

 頬を殴られる。口の中を切ったのか、血が流れ出す。

 

 暗い部屋だった。私は椅子に縛り付けられている。腕には手錠、さらには足枷まである。完全に自由は奪われている訳だ。

 

「……拷問しても、何も吐かないわ」

 

 私は、殴ってきた近衛兵を睨みながら言った。すると、近衛兵は溜め息をついて再び私を殴った。口から血が吐き出る。

 

「今更お前達から情報を得てどうする。お前を拷問する理由は無い。そんなにお望みなら、暇を持て余した奴らにさせるが」

 

 そう言って、近衛兵は瓶入りのウォトカをラッパ飲みする。アルコールの臭いが鼻を突く。

 

「じゃあ、何で私を拘束するの」

 

「上からの指示だ。処刑は明日、銃殺だ」

 

「なら、最後にあの人に合わせて」

 

「それは無理だ。お前の頼みを聞く訳が無いだろう」

 

 そう言って、近衛兵は私を蹴り倒して部屋を出ていった。

 

 私、市ヶ谷 愛はマグマ軍に捕まった。

 

 

 

 俺は目覚めた。酷い目覚めだった。吐き気を催す酷い臭いに、気分は最悪だった。最も、胃の中には既に吐く物は無いが。そういえば、捕まってから何も食べていない。愛が作ったブラウニー、オレンジスプレッドを少しつけた乾パン、金属の風味がついたウィンナーソーセージ、愛との晩酌で食べた余剰の牛肉味付煮、皆でマズいと言い合った味付ハンバーグ、霧本や需品科の人達が作った温かい食事、74式戦車(改)の砲手用ハッチでパリパリ頬張った味付海苔、愛と食べた五目飯、その全てが恋しかった。

 

 空腹、そして愛への想いで狂いたかった。が、空腹の所為で元気が出ない。

 

「起きたか、地上人?」

 

 近衛兵が、3匹の歩兵を従えて部屋に入ってきた。俺は椅子に縛り付けられており、自由は無かった。

 

「ああ、空腹の所為で一睡も出来なかった」

 

「そうか、食事だ」

 

 そう言って、近衛兵はあごで歩兵に指示を出した。1匹の歩兵が、雑にトレーに載せられたピロシキを、迷う事無く俺の口に突っ込んだ。水を飲んでいないため、カラカラの口が冷めたピロシキを受け入れない。

 

 それでも、歩兵は構わず俺の口に押し込む。満足に噛み締められないまま、ピロシキは食道へと落ちていく。

 

 一息つき、俺は近衛兵を睨む。お付きの3匹の歩兵は、全員がサイガ自動散弾銃を手にしている。近衛兵も、4本ある内の1本の腕でPP-2000短機関銃を持っている。丸腰の俺には無理な状況だ。

 

「愛はまだ、生きているんだろうな?」

 

「ああ。処刑は明日だからな。明日会わせて、そのまま一緒にあの世行きだ」

 

 そう言って近衛兵は、護衛の歩兵にPP-2000短機関銃を持たせると、しゃがみ込んで俺のズボンのチャックを弄る。

 

「何のつもりだ」

 

「決まっているだろう? 我々も、戦闘で溜まっているんだ」

 

「ギュエ、ギュグー!(上官、ズルい)」

 

「五月蝿い、上官特権だ」

 

 歩兵の抗議を一蹴し、近衛兵は俺の○○○を取り出した。

 

「止めろ、俺は――」

 

「黙れ。それに男は誰でもいいからシたいと聞くぞ。……流石に萎えているか」

 

 そして、近衛兵が俺の○○○を咥えて刺激を伝えてくる。今までされた事が無いため、頭の中でスパークが起きるような感覚が走る。

 

「やめ……ろ……」

 

「そうは言っても、すっかり大きくなっているぞ?」

 

 そう言って、近衛兵が俺の○○○から口を離す。唾液と○○○でテラテラと光る○○○は、確かに大きくなっていた。

 

「これだけ大きければ……」

 

 そして近衛兵は、下着を脱いで俺の上に跨がった。○○○は○○○の入り口に触れている。

 

 止めろ、それは愛のために使うんだ。お前のような化け物に使うためにあるんじゃない!!

 

「ふっ……ふふふっ、ほら食べてしまった♪」

 

 近衛兵が嬉しそうに、俺を見て言う。胸をはだけさせ、俺に押し当てる。

 

「ほらほら、いつもの威勢はどこ行った?」

 

 近衛兵が俺の上でバウンドする。俺は、俺は……

 

 

 

 新発田駐屯地は、沈黙で支配されていた。談話室に人が集まっているが、雰囲気が沈んでいる。

 

「ほら、元気出しなさい。今日は出撃よ」

 

 富士が手を叩く。しかし、誰も頭を上げない。

 

 あまりの士気の低さに、富士は空気を吸い込んだ。

 

「殺されたいのかっ!?」

 

「れ、レンジャーッ!!」

 

「レンジャー!!」

 

 つい癖で、習志野と松本が立ち上がって敬礼した。しかし富士は気にせず続ける。

 

「以前の威厳はどこに仕舞った!? 愛知・長野南部解放作戦、南関東攻略作戦で成功を収めた中央混成連隊はどこに行った!?」

 

 富士が怒鳴る。

 

「言っとくけど、例え1人死のうが10人死のうが、戦争は待ってくれない。兵士が1人死んでも、誰も気にしない! あなた達は、誰が死のうと戦果を上げ続けなくてはならない! あなた達にくよくよしている暇は無いのよ!」

 

「でもよ、上官が行方不明なんだぞ!?」

 

 富山が言い返した。が、富士は語調を強めたまま言う。

 

「だから何!? ベトナム戦争で何人の米軍将校が死んだか知っているの!?」

 

「……!?」

 

 富山は何も言い返せない。

 

 すると、富士が胸に手を当てた。

 

「私だって心配よ。可愛い教え子が行方不明なんだから。でも、それに打ち勝たなくては勝利は無い!」

 

 富士が叫んだ。

 

「それに、あの男はレンジャー徽章と、今は無いけど空挺徽章を持っている。そう簡単に死ぬ筈がない」

 

「富士1尉……」

 

 新発田が立ち上がり、敬礼をした。それに、皆が続く。

 

 

 

 俺は、何をやっているのだろう。

 

「またでた……! ふふっ、やはり活きが違うな」

 

 近衛兵が、俺の上から降りた。入れ替わるように、歩兵が跨がってくる。

 

 どうして、敵にこんな事をやらされているのだろう。

 

 

 

「や、やめ……」

 

「グギュッギュー(すぐに良くなる)」

 

 私の中へ、異物が入ってくる。止めろ、そこはあの人しか許していない!

 

「あああああっ!」

 

 電気が走ったような感覚が広がる。目の前が真っ白になる。一体、何が――

 

「クスリが効いているようだな。続けろ」

 

「ギュイ」

 

 私の上に覆い被さった72號が動きだす。簡易ベッドの上に横にされた私の奥をつつく度、電気が走るような感覚が来る。

 

「大丈夫だ。お前が妊娠する事は無い。最も、明日には死ぬ運命だがな」

 

 近衛兵がそう言う。もうやだ、感じたくないのに、感じてしまう。72號が私にキスをする。舌を絡め合うキスなのに、あの人の事が頭をちらつくのに

 

「もっとぉ! もっと抉ってぇ!」

 

 どうして私のカラダは欲しているのだろう。

 

 

 

 東北自動車道、某サービスエリア――

 

「ふぅ……」

 

 大型トラックから女が降りた。やたらと露出度の高い服を着た女は、軽く伸びてフードコートに向かった。

 

 

 

 新発田駐屯地から、中央混成連隊が出撃した。行き先は福島県、東北方面への橋頭堡を確保するためだ。

 

「中央混成連隊、前進!」

 

 指揮官代理の富士が、89式装甲戦闘車の車長用キューポラから指示を出した。

 

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