りっく☆じあ~す 中央混成連隊、前進す!   作:土居内司令官(陸自ヲタ)

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57話 地下へ

 AN94自動小銃の引き金が、あと少しで引ききられる。土居内と市ヶ谷はぎゅっと手を繋ぎ、死を待った。

 

 が、突然重い衝撃が伝わってきた。

 

「何だっ!?」

 

「ギュッギューギュ(敵襲です)!」

 

 マグマ軍の近衛兵や歩兵が慌てふためいている。そして再び衝撃がやってきた。

 

「これでは処刑どころではない! 捕虜を連れていけ!」

 

 近衛兵が叫び、歩兵が2体、2人を連れていく。残りは近衛兵と共に廊下へ飛び出していった。一体何なのか、2人は分からなかったが、チャンスだった。

 

 

 

 アメリカ海軍のEA-18G グラウラー電子戦攻撃機や、ロシア空軍のSu-34 フルバック戦闘爆撃機が一斉に対レーダーミサイルを発射した。ミサイル達は、マグマ軍 富士司令部の防空レーダーに命中、残りの攻撃機達は対地ミサイルで対空ミサイルや対空戦車を破壊する。

 

〔お出迎えだ! ビースト21、エンゲージ!〕

 

 F-22A ラプターとF-15MJ イーグル、MiG-29 ファルクラム、KF-16 ファイティングファルコン達が、マグマ軍の真っ赤なSu-27 フランカーとドッグファイトを始める。

 

 一方、駿河湾では、原子力ミサイル巡洋戦艦キーロフを中心とするマグマ軍の艦隊と、上陸部隊を護衛する多国籍軍の連合艦隊が戦闘を始めていた。

 

「ミサイル接近!」

 

「野郎共、海岸にありったけの対艦ミサイルを用意してやがる!」

 

「左の弾幕薄いぞ! 何やっている!」

 

 ロシア海軍のキーロフ級戦艦〈ピョートル・ヴェリーキイ〉や、あたご型イージス護衛艦、旅洋Ⅱ級駆逐艦が、沿岸に艦砲射撃を加え、マグマ軍のシルクワーム対艦ミサイル発射機を破壊する。さらにそこへ、Su-25 フロッグフットやF/A-18C ホーネットがクラスター爆弾を投下し、留めを刺す。

 

〔いてこましたれ!〕

 

 マグマ軍の艦隊目掛け、F-2A バイパーゼロと殲-11が低空飛行、空対艦ミサイルを一斉射する。

 

 放たれたXASM-3とKh-35はマグマ軍艦隊の30mmCIWSの弾幕をかいくぐり、命中した。

 

 

 

 やがて、マグマ軍は制空権と制海権を奪われた。富士山南側斜面に設けられた、地下司令部との入り口付近に固まるマグマ軍機甲部隊へと、C-130H ハーキュリーズ戦術輸送機から超大型爆弾モアブが投下され、重戦車14號や自走榴弾砲7號が吹き飛ぶ。

 

 残敵はパニックになりながらも、携行地対空ミサイルで反撃、3機のC-130Hの内1機が犠牲になった。が、そこへA-10C サンダーボルトⅡが急降下、残敵を駆除した。

 

〔くそう、まだ出てきやがる!〕

 

〔あの入り口を吹っ飛ばさせろ!〕

 

〔駄目だ。今、歩兵部隊が突入する!〕

 

 

 

 入り口へ向け、多国籍軍の地上部隊が富士山を登る。先陣を切るのは、陸上自衛隊 中央混成連隊だった。先に行ったAH-64D戦闘ヘリ、AH-1S攻撃ヘリ(改)、AH-1S攻撃ヘリが攻撃を加え、入り口から出てきたマグマ軍を駆除する。

 

「下車戦闘! 敵を殲滅しろ!」

 

 89式装甲戦闘車の車長用キューポラから、富士が叫ぶ。軽装甲機動車や96式装輪装甲車、89式装甲戦闘車から隊員達が降り、06式小銃擲弾や110mm対戦車弾、84mm無反動砲(B)でマグマ軍を蹴散らした。さらにそこへ、89式装甲戦闘車から79式対船艇対戦車誘導弾(重MAT)が発射され、マグマ軍歩兵達が吹き飛んだ。

 

「撃て撃てぇ! 吶喊!」

 

 89式装甲戦闘車の35mm機関砲や軽装甲機動車の25mm機関砲が唸り、突破口を切り開く。素早く相馬原と北富士が機銃をぶっ放し、突入を支援する。

 

「突撃!」

 

 06式小銃擲弾を発射した富山が叫んだ。その横で、習志野がM4 A1自動小銃を撃ちまくる。

 

「行くよ、香林ちゃん!」

 

「勿論、普通に頑張ります!」

 

 着剣済みの89式5.56mm小銃を手にした新発田と、MP7 A1短機関銃を手にした金沢が敵陣へ突撃、64式7.62mm小銃(スコープ付)を構える鯖江と、M700 EBR狙撃銃を持つ松本がバックアップする。

 

「やぁぁぁっ!」

 

 新発田がマグマ軍歩兵を刺し殺す。そして金沢がMP7 A1短機関銃で4.6mm高速弾を撃ちまくり、新発田の背中を守る。

 

「さすが本陣ね! 数が違うわ!」

 

 守山が、89式5.56mm小銃 2型を撃ちながら言う。マグマ軍歩兵を屠るも、89式5.56mm小銃 2型がホールドオープン(弾切れ)、素早くホルスターから9mm拳銃を引き抜いて発砲した。

 

 しかし、9mm拳銃もホールドオープンになってしまう。正面のマグマ軍歩兵がAK74M自動小銃を構える。が、守山のすぐ隣から銃声が聞こえた。

 

「大丈夫ですか姐さん!」

 

 マグマ軍歩兵が倒れる。見れば、守山の隣には、5.56mm MINIMI機関銃を腰だめで構える春日井の姿があった。

 

「春日井……!」

 

「お久しぶりです! 今は第3混成中隊に属してます!」

 

 春日井は再び5.56mm MINIMI機関銃をぶっ放す。その間に守山は89式5.56mm小銃 2型と9mm拳銃の弾倉を交換し、射撃を再開した。

 

 

 

 土居内と市ヶ谷は、2体のマグマ軍歩兵に連れられる。

 

 細い通路をどんどん進み、遂に周りに人気が無くなった。土居内はマグマ軍歩兵を殴り、市ヶ谷はマグマ軍歩兵の下腹部を蹴る。

 

 2体のマグマ軍歩兵はあっという間に黙り、2人はAN94自動小銃と予備弾倉を奪った。

 

「佳樹さん、自衛隊が助けに来てくれたと思います?」

 

「分からん。が、逃げ出すのは今がチャンスだ」

 

 2人は辺りを見回す。出口はどちらか分からない。また銃声はするが、トンネルで音が反響して方向が分からない。とりあえず2人は適当に歩き出した。

 

 

 

 中央混成連隊や、その他混成中隊を先頭に、連合部隊が基地内を徐々に進んでいく。相馬原、そして新町が弾幕を張り、新発田と金沢が敵を屠り、鯖江と松本が正確に撃ち抜く。

 

「アイドルの度胸舐めんな!」

 

 富山が89式5.56mm小銃の銃床でマグマ軍歩兵を殴り、撃ち殺す。そこへ飛びかかってきたマグマ軍歩兵を、第6混成中隊所属の多賀城が刺し殺す。

 

「塹壕銃剣術を舐めて掛かるなよ、虫けらが」

 

「あんたとは馬が合いそうだな」

 

 富山が89式5.56mm小銃の弾倉を交換しながら言う。すると、多賀城はふっと笑った。

 

「そういうのは帰ってからにしてくれ。だが、同感だ!」

 

 2人はマグマ軍歩兵目掛けて駆ける。

 

 

 

 一方、久居達も戦っていた。

 

「リロード!」

 

「援護します!」

 

 久居が89式5.56mm小銃の弾倉を交換し、豊川がバックアップする。その横で、練馬、朝霞、大宮が89式5.56mm小銃を撃ちまくる。

 

「何だか『めぐり合い宇宙』の最後を思い出すわ!」

 

「アニメの話は後!」

 

「何をぉ! 美月! 日本を代表するアニメ『機動戦士――」

 

「黙ってて!」

 

 大宮が、柄に無く叫んだ。空の薬莢が金属らしい音を立てながら床へ落ちていく。

 

「あとそれ、最後に愛機と帰る艦を失うじゃないデスカ」

 

 突然、聞き慣れない声がし、64式7.62mm小銃の銃声が響いた。

 

「ドーモ、第1混成中隊の座間陸士長デス」

 

 それは、金髪の少女だった。他にも、91式携行地対空誘導弾(携SAM)を背負った茶髪ロングの女性や、蒼髪のくのいちのような格好で62式7.62mm機関銃を抱えた少女がいる。

 

「勝利の美酒まであと一息だー! ヒャッハー!」

 

 茶髪ロングの女性が、元豪華客船の某航空母艦のように叫びながら64式7.62mm小銃を撃ちまくる。

 

「下志津さん! 撃ちすぎです!」

 

「うるせー! 撃ちして止まん!」

 

 64式7.62mm小銃があっという間にホールドオープンになる。下志津と呼ばれた女性は弾倉を交換、コッキングハンドルを引いてまた撃ち始める。

 

 練馬達は呆気に取られながら戦った。

 

 

 

「うわっ!」

 

 新発田と金沢が角に隠れる。直後、複数の銃弾が壁を削った。

 

「向こうにバリケードが!」

 

 金沢がMP7 A1短機関銃の弾倉を交換しながら言う。

 

「ど畜生が!」

 

 富山がM26 A1J破片手榴弾を取り出した。が、習志野と鯖江が止める。

 

「習志野1曹、発煙弾はあるかな?」

 

「ああ。海保から借りてきたものだけど」

 

 そう言って、習志野は黄色いボール状の物体を取り出した。そして安全ピンを引き抜き、角から投げた。

 

「ギュギェ?」

 

 PKM汎用機関銃を構えていたマグマ軍歩兵が首を傾げる。そしてそれは、大量の煙を吹き出した。

 

「今だ!」

 

 鯖江が叫び、新発田と金沢が飛び出した。煙幕を突き抜け、バリケードを突破、そしてマグマ軍歩兵達を殺戮する。

 

「突撃!」

 

 富山、習志野、北富士、多賀城、山形、仙台が後に続いた。

 

 

 

 土居内と市ヶ谷は通路を進む。そして、サイガ12自動散弾銃を手にしたマグマ軍歩兵と遭遇した。

 

「ギュ?」

 

「ちっ!」

 

 土居内は素早く2点バースト射撃でマグマ軍歩兵を撃ち殺した。そして進む。

 

「ギュッギューギャ(銃声だ)!」

 

「ギュエギューギュ(敵はこっちだ)!」

 

 マグマ軍歩兵の声が聞こえる。とにかく2人は銃声がよく聞こえる方へ進む。

 

 

 

「AHAHAHAHAHA!」

 

 相馬原が5.56mm MINIMI機関銃を腰だめで撃ちまくる。次々とマグマ軍歩兵が倒れ、通路は死屍累々の状態になった。

 

「あーすっきりした」

 

「まだ戦いは終わってないです……」

 

「えー」

 

 新町の一言に、相馬原はがっかりする。そして新たな給弾ベルトを5.56mm MINIMI機関銃に差し込んだ。そして再び発砲する。

 

「前進!」

 

 06式小銃擲弾を発射した守山が叫ぶ。それに、他の中隊の春日井や宇都宮、古河、福岡や湯布院が続く。

 

 

 

 土居内が角で足を止めた。それに応えるように、別の足音も止まる。

 

(敵がいる……)

 

 

 

 久居達も足を止めた。久居はハンドサインを出し、射撃準備をさせる。角から敵が出てきたら、蜂の巣にするためだ。そして久居は、角の向こうに89式5.56mm小銃を向けた。

 

 

 

 土居内は、角から出てきた銃身をAN94自動小銃で払った。が、相手は自動小銃を諦め、拳銃を出してきた。土居内はAN94自動小銃を投げ捨て、相手の拳銃を奪う。しかし、相手は土居内の首筋に銃剣をあてがった。

 

「……久居か?」

 

「司令官さん……?」

 

 2人は驚いた。

 

 

 

 富山達はずんずん進む。マグマ軍が抵抗しようとも、新発田が切り裂き、金沢が殺戮し、多賀城が斬り捨て、習志野が殴り殺し、鯖江と松本が撃ち抜く。

 

「書記長様! 早くお逃げに――」

 

 近衛兵が松本に射抜かれた。その隣の赤髪の女性は、驚いて富山達を振り返った。

 

「私達は陸上自衛隊です! お怪我は?」

 

 金沢が話し掛ける。女性は驚きながらも応えた。

 

「無いわ」

 

「そうですか。後続の部隊があなたを――」

 

 金沢がそう言いかけた所で、新発田と習志野が金沢の首を掴んで引っ張って投げ飛ばした。

 

「痛い! 普通に何するんですか!?」

 

 飛ばされた金沢は文句を言うが、すぐに前髪が数cm短くなっている事に気付いた。

 

 皆が一斉に銃を構える。見れば、赤髪の女性は折り畳みナイフを手に、笑っていた。

 

「あんた、何者だ?」

 

 89式5.56mm小銃の照準を、女性の胸に合わせながら富山が言った。すると、女性は口を開いた。

 

「ふふふっ、少しは口の聞き方に気を付けな、小娘」

 

「……代わりに訊こう。あなたの役職は?」

 

 鯖江が言った。

 

 すると、女性は笑いながら応えた。

 

「あっはっはっ! 素直だねぇ! 教えてあげるよ、私はマグマ軍と呼ばれている組織の、共産書記長、つまりマグマ軍のボスだ」

 

「マグマ軍の……」

 

「ボス……」

 

 新発田と金沢が繰り返す。習志野や多賀城は、今にも撃とうとしている。

 

「残念だが、私を捕らえようが殺そうが、マグマ軍は止まらない。これは、今までの人類が好き勝手やってきた利息の支払いなのさ!」

 

 そう叫び、女性は一番近くにいた富山に飛びかかった。

 

「くっ!」

 

「富山士長!」

 

 富山と習志野は咄嗟に発砲、8発もの5.56mm小銃弾を喰らい、女性は倒れた。

 

 富山は、89式5.56mm小銃の銃口を下ろす。

 

「……まさか、人を撃ち殺すなんてな」

 

「そうか、士長は初めてだったのか」

 

 習志野も、M4 A1自動小銃の銃口を下ろした。

 

 

 

「司令官!」

 

 土居内へと、明野や新発田、金沢が飛びかかった。

 

「うわっと!?」

 

 土居内は受け止めきれず、倒れる。それを見て、市ヶ谷や富山、64式7.62mm小銃を手にしたナナヨンが嫉妬の眼差しを向ける。

 

 多国籍軍による、マグマ軍 富士司令部攻略は終わりに近づいていた。そして、無事に土居内と市ヶ谷は見つかり、中央混成連隊は退却を始めた。

 

「愛……?」

 

「アユ……!?」

 

 市ヶ谷は、旧友の錦川2尉と再会した。

 

「愛!」

 

「アユ!」

 

 2人は抱き締め合う。土居内は複雑な心境で見ていると、富山が土居内の肩を叩いた。そして微笑む。それに、土居内が微笑み返した。

 

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