りっく☆じあ~す 中央混成連隊、前進す! 作:土居内司令官(陸自ヲタ)
〈ウォースパイト〉のフィリップ艦長によってティアンム艦隊と名付けられた空母艦隊は、太平洋を北上していた。
新たに第2小銃小隊として配属された豊崎 恵那は、〈サラトガ〉の武器庫を覗いていた。
「さすが、最新装備がいっぱい……」
武器庫内のガンラックは、細かく隊員ごとに区切られている。「習志野 飛音」と書かれた所には、M4A1 NWS自動小銃が立てかけられていた。そして、第1小銃小隊の隊員の全てに、MP7A1短機関銃が置かれている。
武器は自衛隊装備で整っているが、「松本 亜衣梨」の所には、最新のM24E1対人狙撃銃が、「鯖江 静香」には64式7.62mm小銃とHK417自動小銃が置かれていた。また、「試験用」となっている所には大量のHK416自動小銃とM27 IAR自動小銃があった。本来着いていない着剣ラグがある他、レシーバーには「陸上自衛隊」と掘られている事から、自衛隊特別仕様なのだろうか。
そして、豊崎はちらりと第2小銃小隊のガンラックを見る。89式5.56mm小銃にM4A1 NWS自動小銃、MK18 mod0自動小銃、AKM自動小銃、RPK軽機関銃、M24 SWS対人狙撃銃、M82A2対空/対物狙撃銃、M249 MK2軽機関銃、M249 PARA軽機関銃と、装備は見事にバラバラだ。そもそも、複数の学校から寄せ集めてきたのだから仕方無い。
豊崎は武器庫を出ようとし、ふと足を止めた。そして、「新発田 渚」を見る。
何で、ハチキューが4丁もあるんだろう……
揚陸艦〈サラトガ〉談話室――
「JKばっかだけど、使えんのか?」
富山が、USP自動拳銃の整備をしながら言う。
「富山曹長、私達の格好を見て同じ事が言えるのかな?」
「うっせ」
鯖江に指摘された富山が、金沢の手からポテロングを1本盗む。
「あ! ひみ子曹長!」
「いいじゃねーか。減るもんじゃねーし」
「減りますから! 現に減ってますから!」
「ったく細けぇなぁ」
揚陸艦〈サラトガ〉兵員室――
「……ここね」
椎名が部屋に入った。部屋の扉には「2小隊 2班 西部愛 椎名六花 蓮星文奈 白根凛 照安鞠亜」と書かれた札がある。
中に入ると、既に蓮星がくつろいでいた。部屋の中には2段ベッドが4つ、壁沿いに置かれ、部屋の奥にロッカーが並んでいた。
ウォークマンで音楽を聞いていた蓮星が、イヤホンを外して椎名を見た。
「どうしたの? 入り口で突っ立って」
「……いや、何でもない」
「そ? アタシ、蓮星 文奈。私立丹下高校 特殊戦科の2年よ」
「私立城宗統合学院女子高等学校 統合特殊作戦科の椎名 六花」
「ほー。デルタやグリーンベレーのような?」
「どちらかというと、GIGNやGSG-9」
「というと、CQB(近接戦闘)がメイン?」
蓮星が尋ねると、椎名は頷いた。そして荷物をロッカーに収め、ブレザーをハンガーに掛けた。その腰には、USP自動拳銃を収めたホルスターがぶら下がっていた。
イージス駆逐艦〈ピアーズ〉ソーナー室――
「艦長、パッシブソナーに反応です」
ソナー員がそう報告する。
〔ソナーに?〕
「深度600フィートと思われます」
〔了解、アクティブでの捜索を開始しろ〕
「アイサー」
そして、揚陸艦〈サラトガ〉に警報が鳴り響いた。
《総員、対潜戦闘用意。総員、対潜戦闘用意。即応混成中隊隊員はその場にて待機。第4科は直ちに隔壁閉鎖を行え。これは演習にあらず。繰り返す、これは演習にあらず》
イージス護衛艦〈たかお〉CIC――
「総員、配置つきました」
「よし。航空機、発艦準備でき次第発進せよ」
「了解。航空機、即時待機せよ」
CICに重い空気が流れる。
「短魚雷、VLA(垂直発射型アスロック)準備よし」
「目標、データベースと照合。北朝鮮のロメオ級と思われる!」
その言葉に、艦長と砲雷長が耳を疑う。
「ロメオ級だと? 間違いないのか?」
「〈ひびき〉のと照合しています。間違いありません」
砲雷長が意見具申する。
「艦長、マグマ軍が北朝鮮において大量の物資及び人民を略奪した件を合わせると、マグマ軍の可能性が――」
「早計ですよ砲雷長。北朝鮮の生き残りの可能性があります」
「下原1曹の言う通りだ。敵、とは限らない。味方でないのは確実だがな」
その時、ソーナー室から報告が出た。
〔目標、魚雷発射! 数4!〕
輪形陣で進むティアンム艦隊へ、4発の魚雷が迫る。
〔こちら〈シーリヌイ〉。これより魚雷防御を実行する〕
「頼む」
フリゲート艦〈シーリヌイ〉がRBU-6000 一二連装対潜ロケット砲を発射、大量の爆雷を敵魚雷の進路へ落とす。
そして、爆雷達が一斉に起爆、魚雷を誘爆させる。
〔これより反撃を行う! 右・対潜戦闘、短魚雷、ってー!〕
〈はぐろ〉が12式魚雷を、〈スコールイ〉がSET-65対潜魚雷を発射、反撃を開始する。
その時、上空を飛んでいたE-767早期警戒管制機が警告を発した。
〔スカイワッチからティアンム艦隊へ。方位310より複数の航空機。数40、速度マッハ0.7、到達予想時刻は6分後〕
直ちにCAP(戦闘空中哨戒)中だった2機のF-35B ライトニングⅡが迎撃に向かう。
〔レーダーコンタクト。IFF応答無し〕
〔FOX3〕
2機は計4発のAIM-120 アムラーム中距離空対空ミサイルを発射、同時にチャフを撒きながら旋回し、BVR(目視距離外)先制攻撃を行った。
見事、ミサイルは敵戦闘機に命中した。航空母艦〈ウォースパイト〉から増援のF-35B ライトニングⅡが発艦していく中、敵機がティアンム艦隊目掛けてミサイルを発射する。
〔数48、ASM(空対艦ミサイル)と思われる!〕
〔ASMD(対艦ミサイル防御)実行! CIC指示の近付く目標、SM-2攻撃始めっ!〕
〔Recomend Fire!〕
艦隊の駆逐艦や護衛艦が続々と艦対空ミサイルを発射、迎撃を始める。フリゲート艦〈スコールイ〉〈シーリヌイ〉もキンジャール短距離艦対空ミサイルや短SAM・30mm複合CIWS コールチクで迎撃する。
そして、対艦ミサイルは迎撃された。