りっく☆じあ~す 中央混成連隊、前進す!   作:土居内司令官(陸自ヲタ)

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9話 市ヶ谷捜索救出作戦

茜達は車両庫を捜索し、1人の女性を見つけた。その女性は真っ白な長い髪、そして幼い顔つき、真っ白な制服、さらには真っ赤なおブラ――。

 

「わ、下着は大人っぽい」

 

「お姉ちゃん、脱がしていいの?」

 

 茜が女性の服を脱がしていた。

 

「だって呼吸してないんだよ」

 

 茜が言う。葵が確かめると、本当に呼吸をしていなかった。

 

「だから心肺蘇生をする」

 

 そう言って茜が女性に唇を近付ける。すると葵が止めた。

 

「いやいや私がするよ!」

 

 茜は首を傾げながらも、89式小銃を手に辺りを警戒する。

 

 そして葵は人工呼吸をする(本来は心臓マッサージが先で、さらに今では人工呼吸は感染症予防の観点からしなくていいが)。

 

(はああ、お姉ちゃん以外とキスするなんて……)

 

 葵はそう思いながら人工呼吸を施す。すると、女性の目が開いた。

 

「あ、起きた」

 

「え、本当!?」

 

 茜が見ると、女性の目が完全に開いていた。

 

「良かった~」

 

 すると、女性の口がゆっくりと開く。

 

「ゥア、ニン…ゲン?」

 

「………え?」

 

 それは、確実に日本語だった。しかし、何だか人間の言葉らしくないというか、ボーカロイド等の機械のようであった。

 

 

 

「待てっ!」

 

 土居内はM16 A1を構える。その先には、AKM自動小銃を持った歩兵が3体、そして縛られ、口に猿ぐつわを咬まされた市ヶ谷を引き連れる歩兵らしき未知の敵が1体いた。

 

「地上人、よくここまで来たな」

 

 歩兵らしき未知の敵が、市ヶ谷の首筋にトカレフ TT-33自動拳銃の銃口をあてがいながら言う。

 

 土居内はM16 A1の照準を歩兵らしき未知の敵に合わせ、訊く。

 

「あんた、初めて見るな。しかも日本語ペラペラじゃないか。一体あんたは何なんだ?」

 

「地上人にしゃべる義理はないが、言ってやろう。我が名は近衛兵、崇高なる女王陛下をお守りする武力だ」

 

「で、そんな皇宮警察みたいのがここに何の用だ? まさか赤い服着てL85掲げてパレードしに来たのか、それも俺の部下を拉致りやがって」

 

「情報収集だ。これからの戦いのためにな」

 

 土居内は、引き金に掛けた人差し指に力を込める。

 

「たかがそのくらいで拉致ったというのか!?」

 

「ああそうだ。我々は長い間地底から人間を観察し、人間を効率よく絶滅させる方法を検討してきた。情報収集はそのためだ」

 

 土居内は、M16 A1の照準を近衛兵の頭からトカレフ TT-33へとずらす。そして引き金を引き絞った。

 

 銃声、トカレフ TT-33は真っ二つに割れ、歩兵達はAKMを撃とうとする。が、富山が89式小銃を発砲して制圧、さらに扉を蹴破って豊川と鯖江が登場して銃を構える。

 

「司令官! 怪我は!?」

 

「大丈夫だ豊川1士!」

 

 すると、近衛兵は縛られた市ヶ谷を蹴り飛ばし、別の腕で保持していたAN94自動小銃を手に土居内に飛びかかる。

 

「うああああ!」

 

「危ない野郎だな!」

 

 着剣したM16 A1で、AN94の銃口をそらす。そして近衛兵の下腹部を蹴った。

 

「ぐふぇ!」

 

 近衛兵が倒れる。素早く富山がAN94を蹴り飛ばし、豊川と鯖江が近衛兵を束縛する。

 

「あの、鯖江3曹?」

 

「ん?」

 

「この縛り方って――」

 

「亀甲縛りだよ」

 

 土居内は市ヶ谷に駆け寄り、銃剣を使ってロープと猿ぐつわを切る。

 

「怪我は無いか?」

 

「し、司令官ー!」

 

 市ヶ谷が土居内に泣きつく。土居内は、そんな市ヶ谷を優しく抱き締め、そして防弾チョッキを着た事を後悔した。

 

 なお、鯖江は無表情にそれを見、豊川は頬を赤らめ、富山は嫉妬の眼差しを向けていた。

 

「よし、帰るぞ!」

 

 土居内の指示に、皆は従った。

 

 

 

 建物を出ると、そこには74式戦車が止まり、砲塔の上には茜と葵がいた。

 

「司令官ー! こっちこっち!」

 

 茜が手招きする。土居内達は74式戦車の砲塔に乗る。すると、74式戦車は走り出した。

 

「しかし、この74は何処にあったんだ?」

 

 土居内が訊くと、茜が頬を掻く。

 

「えっと、あの建物に置いてあったのをパクってきたというか……」

 

「まあ上出来だ。こいつは自衛隊のだからな」

 

 そして土居内は気付く。砲塔の戦車長用キューポラに、見ず知らずの女性がいたのだ。

 

「誰だ?」

 

 すると葵が説明する。

 

「砲塔の中で意識を失ってて、起こしてみたら何か人間ではなさそうだし、それにこの戦車を自由に動かせるんです」

 

 土居内はそれを聞き、さらなる事に気付いた。操縦士がいないのだ。

 

「まさか、マン=マシン・インターフェース? いや、74は旧式だからそんなのを搭載するメリットが無い……」

 

 土居内がぶつぶつ呟いていると、市ヶ谷が何かを見つける。

 

「司令官! 後ろから!」

 

 振り返ると、後ろから歩兵達が乗ったジープや軍用トラックが追いかけてきている。

 

 鯖江が64式小銃のセレクターを「安全」から「単発」にしながら言う。

 

「しつこいのは嫌いだな」

 

 土居内は89式小銃のボルトハンドルを引きながら賛同する。

 

「同感だな。豊川、捕虜を砲塔の中へ。市ヶ谷もだ、これを持ってな」

 

 そう言って土居内は、市ヶ谷に89式多用途銃剣を渡す。豊川が縛られた近衛兵を、砲手用キューポラから砲塔内へと落とし、市ヶ谷が続く。

 

「撃ちまくれ!」

 

 土居内が叫び、面々は射撃を開始する。大量の銃弾はジープやトラックに穴を開け、次々と歩兵が地面に落ちる。

 

「司令官、伏せて!」

 

 茜が叫び、土居内は頭を下げる。砲塔上の12.7mm重機関銃がハイパワーな50口径弾を発射する。

 

 そしてジープが大破し、後続と接触して大事故になった。

 

「さっすが50キャリバー! 威力が桁違いだな」

 

 土居内が感嘆する。が、葵が叫ぶ。

 

「前に戦車が!」

 

 行く手には、マグマ軍の戦車隊が道を塞いでいた。

 

「畜生が! 全く最悪だ!」

 

 土居内は背負っていたLAW M72使い捨て型ロケットランチャーを構える。

 

 が、相手は重戦車72號を中心とする戦車隊だった。

 

「駄目だ、LAWじゃT-72の装甲は撃ち抜けない!」

 

 土居内が叫ぶ。

 

「えぇー!?」

 

 砲塔上にいた、例の女性以外が驚く。

 

「じゃあどうすんの!?」

 

 茜が土居内に訊く。しかし、土居内には名案が浮かばない。

 

(どうする、手持ちの武器じゃT-72とやりあえない。かといって止まれば集中砲火の的だ)

 

 すると、ヘリコプターのローター音が聞こえてきた。見れば、陸上自衛隊のAH-1S攻撃ヘリであった。

 

 AH-1Sはホバリングし、70mmロケット弾を連射してマグマ軍戦車隊を吹き飛ばす。そして74式戦車は突破した。

 

「やった、やったぞ! 俺達は脱出出来たんだ!」

 

 土居内が叫び、面々はぐったりする。

 

 砲手用キューポラから市ヶ谷が出てきて、土居内に微笑みかける。

 

「ありがとうございました、私を助けてくださって」

 

「俺の部下だからな。あと、あいつらに変な事されなかったか?」

 

「はい? されませんでしたよ」

 

「そっか、良かった」

 

 

 

 中央混成連隊、富山駐屯地に1812時に帰還。死者0、万が一のために入院1名、捕虜2名。マグマ軍戦線補給拠点強襲及び女性自衛官捜索作戦は成功。

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