一発ネタです、注意。
Fate/stay nightを知っている前提です。
衛宮士郎は覚えている、赤い槍を持った男から逃げて校舎に入ってその男に胸を刺されたことを。
起きてみれば服や周りに赤い黒い汚れが残っているものの、刺された跡が残っておらず何も問題なく動けるようだ。
それが現実で起こったのか夢でも見ていたのか把握できないまま、士郎はこの汚れをなんとかしないと明日他の人が驚いて困るだろうと掃除をして自身の身に起きたことから目をそらしていた。
掃除が終わり外を見れば先ほど見た光景はなく、明日学校に行くために服を洗わなければと士郎は思いながら帰宅をした。
家に帰り、士郎は一息つこうと思った瞬間に家の結界が侵入者が来たと警告音を上げる。
あの槍を持った男のことを思い出し、さっきのことは現実であったんだとようやく認識する。
強化の魔術を手直にあった室内用物干しざおにかけて音のする方へと目を向ける。
自身を殺した赤い槍を持った男がふすまを吹き飛ばし士郎へと槍を振るう。
それを間一髪で避けた士郎は部屋に被害を出さないために外へと向かい、それを見届けた男は獲物をゆっくりと追い詰めるように士郎を追う。
「坊主、お前魔術師だったんだな。お前が7人目だったら……」
その言葉に士郎は答えることができなかった、なぜなら男の蹴りによって土蔵の奥まで吹き飛ばされたからだ。
士郎は死を感じ、自身が生きてきた理由、したいこと、爺さんのこと様々なことが頭の中を駆け巡った。
ただ一つ強く思ったことは"死にたくない"という思いだ、すべてに繋がる、命を失ってしまったら……できなくなってしまう、だからこそ強く、強くそれを思った。
そうすると突然地面が淡く光、目の前に一人の少女が現れた。
お前が私のマスターか?」
唐突にそんな言葉を投げかけられる、しかし士郎はそんな言葉の意味を認識していなかった。
なぜならその声が少女から出るようなものではない上にとても独特な声だったからだ。
「おい、聞いているのか?」
「あ、はい」
思わずそう答えてしまった士郎には罪はない。
少女の姿をもう一度士郎は確認する。
士郎より幾分も小さい身長、薄ピンク色の肌、強い意志を感じる黒い太めのまゆげ、背まで届くだろう長い艶やかな黒髪、腰には刀が差してあり、下半身には紫のももひき、胸部には白いバンドが巻かれている、わずかな起伏と顔を見なければ男と思うかもしれない。
「待たせたな、私が来たからにはもう安心だ、敵くらいちょちょいのちょいと倒してやろう」
そう少女は士郎へと告げると土蔵の外へと走っていった。
少女をあの赤い槍をもった男に会わせるのは危険だと思い、士郎は戸惑いながらも追いかけていく。
土蔵から出てみればちょうど少女と男が対峙をしていた。
「ふむ、お前が私のマスターの敵か」
「驚いたな、まさか本当に7人目だったとは……まあ、サーヴァント同士が出会えばやることは一つだ」
「そうだな」
「腰に差したものを見る限りお前はセイバーか?」
「どうだろうな? お前は槍を持っているのを見る限りランサーに見えるが」
男、ランサーは持っていた槍を華麗に回しながらその先を少女の方へと向ける。
危ない! と士郎は声を上げそうになるが少女の行動で驚き口が止まる。
少女は向けられた槍を気にせず無造作にランサーの方へ歩いて行ったからだ。
ランサーもその動きを見て止まっている。
やがて少女が男の隣にたどり着くと士郎の方へ向き一言告げた。
「私は常に強いものの味方だ」
士郎はここでもう一つ気付く、腰に差してある刀と思っていたものは刀ではなく棒状の何かであることに。
それを士郎の方へ向け士郎を見つめている。
「聞こえなかったのか? 私は常に強いものの味方だ」
ランサーは少女の発言より一つの事実に驚愕をしていた。
接近を許したということだ、戦闘に入り一切の隙もなく構え、間合いに入らせるつもりもなかった。
それを易々とただ"歩く"だけで少女は自身の隣に来たのだ、何をされたのか分からなかった。
魔術や特殊な技能ではないことくらいはわかるがランサーには接近されたことが理解できなかった。
余りにも自然な足運び、こちらの警戒を躱し、反応を防ぎ、流れるように隣に移動する方法、ランサーは飛び退き警戒を更に強めた。
「お前、何者だ?」
「私は救いのヒーロー、ぶりぶりざえもんだ」
「そんなふざけた名前あるわけないだろう、接近できたからとこちらを舐めているのか?」
「人の名前をバカにするなと母親から習わなかったのか?」
少女の気迫に押されたのか、自身にも悪いところはあったと思ったのかはわからないが、ランサーはすまないと槍を構えたまま軽く謝る光景を士郎はただ茫然と見ていた。
「本当にすまないと思っているのなら私の尻をなめろ」
「ぶふっ」
思わず吹いたのは士郎とランサーだ、少女が突然自身の尻を舐めろと言い始めたのだから仕方のないことではあるが。
少女はそのまま半分だけももひきを降ろし、半ケツが見える状態にしお尻をランサーへと向ける。
「はやくしろ……しりがひえる」
その様子にランサーは侮辱されたと思ったのがもう一度飛び退き……。
「いいだろう、そのふざけた態度。二度と取れなくしてやろう、我が必殺の魔槍受けてみるか?」
ランサーの周りに赤の渦が起こる、士郎の目から見てもとてつもない圧迫感を感じ、かなり危険なことは簡単にわかる。
だが少女はそれに気づかないのか、ランサーに半ケツを向けたままだ。
少女を守るために士郎は少女の元へ走り、両腕を広げて少女を守ろうとする。
そのことに気付いたのか少女はランサーの方へ向きその様子を見て震え始める。
「その心臓……貰い受ける! ゲイボルグ!」
遅かったのだ、気付くのが……心臓を必ず貫くという因果を持つ槍が放たれる。
ランサーは槍を地面の方へ向け突き刺した。
そう、突き刺したのだ。
先ほどまでの圧迫感は霞のように消え、槍は地面に刺さったままだ。
「我が必殺の一撃を躱した……いや無効化した? どうなってやがるてめぇ」
怒れるランサー相手に士郎を盾にしながらおびえている少女は答える
「私には心臓なんてないのだ」
そして少女は驚愕するランサーを見ながらふと思い出したかとのように小声でその心臓……貰い受ける! ゲイボルグ!と言いながら地面を指さしてく転げまわりながら笑い始める。
士郎もその姿を見て思わず笑ってしまう。
「くそってめぇ、マスターが戻ってこいなんて命令なければ……」
そう言って立ち去っていくランサーに向けて半ケツを出しながら少女はおしりぺんぺんして見送っていた。
そんな少女と出会った士郎は聖杯戦争を通して様々なことを経験していく。
少女が実はぶただったとか、ご飯を食べている最中は鼻や目がデフォルメみたいになり実際にそれっぽく見えたり。
遠坂のパンツをのぞこうとして踏まれたり。
寝返ったりしたのを遠坂と敵サーヴァント一緒にぼこぼこにされてたり(なお無傷)。
それでも懲りずに寝返って仲間となったイリヤにボコられたり、キャスターに着せ替えさせられて自分にうっとりしてたり……。
聖杯戦争中とは思えないくらい色々あった、笑顔もあった。
士郎の命を狙うアーチャーから救われたこともあった。
もう一人のアーチャーの攻撃を受けて消えたこともあった、一日経ったら救いのヒーローは一日三時間しか働けぬと帰ってきたが……泣いた分を返してほしい。
最終的に彼女のおかげでアーチャーと和解できた。
本当に色々あったのだ……。
捕まったイリヤを助け、士郎と協力をし桜を助け、ハッピーエンドで終わった聖杯戦争。
「遠坂、答えは得たよ」
アーチャーは今まで見せたことのない柔らかな笑みを浮かべ座へ戻る前に遠坂にもう自分は大丈夫だと伝えた。
士郎を殺し、自身を消すつもりだったアーチャーは少女に救われたのだ。
遠坂は泣きながら笑顔でそれを見送っていた。
アーチャーの姿が足元から光となって消え始める。
「もう、バカ士郎! 幸せにしてあげるんだから!」
といったところで待ったが掛かった。
光となって消え始めた部分が巻き戻すように戻りアーチャーが現世に舞戻ってくる。
えっと思わず戸惑う遠坂だったが、嬉しい方が勝ったのか笑顔でそれを迎える。
「どうしたのよ、アーチャー。忘れ物でもしちゃった?」
「ああ」
「お助け料いちおくまんえんだ」
遠坂へ向けて手のひらを差し出す。
そのセリフは何度も少女、セイバーから聞いたことあるセリフだった。
「影響されてんじゃないわよバカ!」
アーチャーは頭をはたかれてもバカとは何だ! と憤っているようだ。
もしかしてと遠坂は振り向く。
するとそこには士郎が桜へ向けて、セイバーがイリヤへ向けてこう言っていた。
「お助け料、いちおくまんえんだ」
遠坂は思わずこめかみを指先で軽くノックし。
「アーチャー、今からでも遅くないわ。どうやら過去の貴方が変われば影響あるみたいだし、過去の貴方を殺せば貴方は消える、望みが叶うわよ?」
それに対しアーチャーは柔和な笑みから思わずいらっとするようなドヤ顔へ表情を変化させ。
「いいんだよ遠坂、答えは得た」
感動的な別れだったはずだ、そうついさっきまでは。
このドヤ顔なんてなかった、そう私は見ていない見ていないのだ。
あっちで笑いながら騒いでいる四人なんていないしどや顔のアーチャーなんていないのだ。
どんな時でも余裕を持って優雅たれだ。
でもそんなものは今は捨て置いていいだろう、とりあえずあの二人をどつかなければアーチャーは変質してしまう。
拳を握り二人の方へ遠坂は駆け出して行った。
きっとその顔には笑顔が浮かんでいただろう。
Fate/stay night Save The Hero 完
とりあえずやりたかっただけ
ステータスとかはあんまり書きたくないのでさっくりと説明。
このサーヴァントはぶりぶりざえもんのTSとして出しています。
本人は下品で女性好きのナルシストなので女性でもいいや、むしろよかった的な反応だと思っています。
まあ、あれがなくなったので大きさ比べとかできなくて寂しかったところもあるでしょうけど。
彼女は全サーヴァント中最弱のステータスを持っていますが、持っているスキルとしては5歳児を英雄へとヒーローへと導いた実績から彼女をマスターにした人物は英雄へとヒーローになれるといった設定があります。
英雄を助けたこともあることから英雄の救い手でもあります。
そして何をされても受けても死なないことから不死(ギャグ補正)をつけています。
心臓がないうんぬんは5歳児の考えたキャラクターなので臓器とかまで考えられてないだろうことからそのあたりもないという設定です。
実際のクラスはセイバーでなくて、セイヴァーでしょうきっと。
ああ、あの声でぶりぶりざえもんが見たい。