Wrap up the lord of knight 作:影斗朔
理由として区切りが悪かったという点があります。
なので、一時間後に続きを投稿します。
あとがきもそちらに書かせてもらいます。
草原の真上に昇っていた太陽が、段々と傾き始めてきた頃・・・。
一帯に響いていた剣戟の音は未だ鳴り止むことはなく、むしろ、より一層激しさを増しているようだった。
重心を低くすることで行動を少しでも早くしようとしているライトに、ついに兜を脱ぎ捨てて五感をフル活用させているバリュー。
もはや、両者ともに手合いであることを忘れ、全力で潰し合おうとしているようにしか見えない。
それは、いつかの戦いの続きのようなもの。
甲乙つけられなかった、最初で最後の殺し合いをここで再び繰り返しているような、全身全霊を掛けた力のぶつかり合い。
ひたすら純粋にそれだけの戦いと化していた。
・・・ただ一点、互いに
「くそっ! よくもこんな、重い物を振り回せるな!」
「ライトだって! こんな扱いにくいの、どう扱っているわけ!?」
「岩のように硬くて重いこの大剣に比べたら、それの方がまだ扱いやすい方だろ!」
「扱いにくいよ! ただでさえ重たい鉱物で出来ている剣身なのに、肝心の柄は布のように軽いし!」
二人とも悪態を吐きながら、相手の得物をぎこちない手つきで振るう。
お互いに不意打ちの一撃を使うことで、相手から武器を落とさせることは出来たのだが、肝心の自分の武器を拾えないといったミスを犯していた。
「い、いったん止めて、武器を交換しなおそうよ!」
「そう言って、不意打ちする気だろ!?」
「急に信用失いすぎでしょ! しないってば!」
「さっきの件もあるが、その隙をついて俺が攻撃してくるかもしれないぞ!」
「・・・やっぱり、交代は無し!」
「そうこないとな!」
今の会話の間だけで、ライトは三撃程攻撃を加えていたが、慣れない武器であってもバリューはその攻撃にうまく対応していた。
そして、相変わらずカウンター戦法をとり続けるバリューの反撃を、ライトはいとも容易く潜り抜ける。
・・・それは、今まで相方がどのような戦い方をしていたかずっと隣で見てきた二人だから出来ることであり・・・裏を返せば、今までに見たこともない戦い方をされると無理やりにでもそれに合わせないとならず、途轍もない労力がかかるものだった。
―――だからこそ、あの戦い・・・初遭遇時での二人は苦戦を強いられることとなった。
今までに戦ったことのない環境、状況、そして拮抗する程の実力を持つ敵と遭遇したのだ
から。
そして、二人は何の宿命か共闘する羽目になることを、その時はまだ知る由もなかった。