Wrap up the lord of knight   作:影斗朔

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ステータスの話⑻

―――くそっ、左肩が動かない。

さっきの体当たり、咄嗟の判断にしては相当なものだぞ・・・! 

もろに喰らってしまったからだろう、おそらくだが左肩が脱臼している。

それに、地面に転がった時に額を切ったせいで左目の視界が効いてない。左側から狙われたら間違いなく反応できないか・・・。

だったら、そうならないように戦うしかない。

 

大剣を拾う鎧を見つつ、体の左側を少し後ろへと下げる。

敵も満身創痍のはずだ。あれだけ大きな鎧と剣を扱い続けている以上、疲れていないわけがない。

それに、さっき与えた足への攻撃は十分効いているはず。当たり所も良かったが、鎧が剣を拾う時に僅かながら庇っているのが見えた。

動きが悪くなった右足で滑ったり躓いたりでもしたら、その瞬間に近づいて首や胸、頭に一撃与えれば・・・。

 

「・・・うっ!?」

「!」

 

そんな事を考えていると、急に相手の体勢が崩れた。

想定していた通り、足のダメージは深刻か。

それに降り続く雨のせいで、草が生えていない地面はぬかるんで滑りやすくなっている。

重量がある相手の装備だと、足を取られてしまったら体勢を大きく崩してしまうのは必然的だろう。

 

今を逃すとこれ以上の機会はない、まさに絶好のタイミングだ。

考えをまとめ、鎧の人物に一撃与えられる位置まで踏み込む。

そのまま鎧の人物は左側へと足を滑らせ、俺を背にして倒れ・・・。

 

―――いや! ブラフか!

あれ程の実力者が自身の装備を理解せずに、ぬかるみに足を取られやすい雨の森に入ってくるはずが無い。

チャンスだと思って突っ込んで来ると読んだのだろう。倒れつつある体は右へと捻られ、握られた大剣は接近した者を縦に寸断するために構えられている。

倒れ込んだ後に攻め込めば、何の被害もなく沈黙させられるだろうが、生憎既に突っ込んでしまっている。

それならば、自分が取れる選択は一つ・・・。

 

そう、相手よりも先に一撃を与えることだ!

 

 

 

 

「「今だ!!」」

 

叫び声は皮肉にも重なり、両者とも剣へと力を加える。

かたや、脳天を砕こうとする鈍器のような一撃。

かたや、胴体を切断する威力を持った大剣の一撃。

もはや、それは相手の息の根を止めたところで勢いが殺されることはなく、相手の体へと吸い込まれることだろう。

そんな両者が放った絶命の一撃が、今、互いの体に触れる・・・。

 

「そこまで!」

 

直前、そんな声が聞こえたと思ったら、目の前から敵の姿が消え、振りかぶった剣は会えなく空を切った。

敵を見失った二人が慌てて背後を振り返ると、そこにいたのは、自分といつの間にか()()()()()()()()()敵に静止の手と顔を向ける、全身黒装束の草臥れた壮年男性の姿。

彼らをここまで連れてきた『忍』であり、彼女らのことを理解してくれた親友のレイジが険しい表情をして立っていた。




どうも。左之亜里須です。
次も短かったので、翌日投稿させてもらいました。

痛手を負ってでもとどめを刺そうとした二人でしたが、レイジの制止が入ることでどうにかどちらも大怪我を負うことなく戦闘が終わりました。

二人の恩人で、二人を呼び出したレイジは一体何者なのか。
そして、どういった要件で呼び出したのか。
―――それは、また別の話で。

次回からは現在に話が戻ります。
手合いをしていた二人の決着は一体どうなったのか。
そして、手合いをして二人が得たこととは何か。

次回もまた見て頂いたら嬉しいです。

それでは、より良い日々を・・・。









話の区切り方が未だに不慣れで申し訳ないです・・・。(-_-;)
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