Wrap up the lord of knight 作:影斗朔
この体が切り裂かれようとも、
この体が氷漬けにされようとも、
決して歩みを止めてたまるものか。
抑えきれない衝動で大地を踏みしめ、歩みを続ける。
心からあふれ出して止まらない熱は、もはや止めようがない。
怨嗟と焦りの叫び声はノイズのように鳴り響き続ける。
・・・そうか、わたしは怒っているのか。
わたしの歩みを邪魔する障害物に。
愛するものを奪った人間たちに。
この理不尽な世界に。
ああ・・・。
少しずつ思い出してきた。
悪魔にでもならない限り他人を憎めないような夫がいた。
いつも一人ぼっちで辛い思いをさせてしまった息子がいた。
彼らは幸せになれなかった。
わたしの幸せは彼らの幸せだけだったのに・・・。
彼らは無残に殺された!
自己利益しか興味のない人間に!
差別的な格差を生み出した国に!
戦争を肯定する世界に!
幸せになれるはずだった未来を奪われた!!
だからわたしは人を殺す。
国の中心で自爆すれば、数え切れないほどの人間を殺せる。
殺した人間の魂を使えば、きっと二人を蘇らせることだってできる。
悪魔と化したわたしはきっと、あの頃を望むことは許されないのだろう。
夫の無邪気な笑顔も、
息子の柔肌の温もりも、
暖かく幸せな家庭も・・・。
わたしはただの廃塊だ。
だから、何だというのだろう。
幸せも願いも祈りも思いも望みも、全てわたしだけのものだ。
どんな障害がわたしを阻もうとも、
二人の為ならば、わたしは乗り越えてみせる。
それがわたしの信念だ!!
「自壊って、要するに自滅させるってこと?」
ゴーレムの膝を睨み続けていたライトは、返事を返すためバリューの方へと向き直った。
「いや、正確には自滅させる手伝いをするといったところだな」
「んん・・・?」
首をひねるバリューの前でライトは神妙な面持ちとなる。
「それには少し下準備がいる。バリュー、近くにある瓦礫の山の頂上辺りで待機していてくれ。着いたら合図を頼む」
すぐ近くに在った、建造物よりは少し小さい瓦礫の山をライトは指さす。
その途端、首をひねっていたバリューは、何を思ったか急にライトをじっと見つめだした。
「・・・それって絶対?」
「・・・ああ、絶対だ」
「・・・わかった」
妙な含ませ具合があったその不自然な会話は、バリューが折れる形で終わった。
バリューが何か言いたげな様子であるのは分かったが、ライトにその兜に隠された表情を確認するすべはない。
しかし、ライトにはバリューに物申さなければならないことがあった。
「ああそれと・・・」
「どうかした?」
「もう俺を回復させなくていいからな。バリューだって十分に怪我しているだろ」
そう、ライトは体力の疲弊は感じていたものの、体の痛みや貧血の感覚は少しずつではあったが、治っているような感じがしていたのだ。
この感覚は、旅の途中で何度も世話になった『大地の祝福』と同じだった。
「う、うん。そうさせてもらうね」
何故か焦りながら、バリューは壁剣を杖代わりにしながら瓦礫の方へと歩き出した。
「・・・はぁ、もう少し自分を大切にしろよ、バリュー」
ライトは溜息を吐きながらその様子を呆れがちに見送った。
「はは、やっぱり、ライトの目は誤魔化せないかぁ・・・」
体を引きずりながら瓦礫の山の頂上へと向かうバリューは、洞察力がありすぎる相棒の愚痴をこぼしつつ咳き込む。
外側からは見えないが、その鎧の中にいるバリューは未だ、口元から赤黒い血を時折吐き出していた。
それもそのはず、ライトの傷を永続的に癒していた分、バリューは自分の体を全くと言っていいほど治癒していなかった。
そのため未だバリューの体はボロボロであり、しっかりと意識を保つこともままなっていない。
それでも、バリューの頭の中にあるのはいつも他人のことばかりだった。
身近にいる誰かが怪我をするたびに、自分が守らないと・・・、と思い込み、その性格は後悔と反省をしていくうちにどんどん変な方向へとねじ曲がっていった。
バリューは自分が心配性で献身的な人物であることを把握している。
しかし、バリューの心配性や献身性は彼女が思っている以上に過剰で強情な部分がある。
何せ彼女の武器である壁剣ですら、周りを傷つけないために切れ味をほとんどなくしているのだ。
さらに、隣にいる相棒を心配させないがために怪我は隠れたところで治癒し、苦しんでいる姿を全く見せない。
誰に頼まれたわけでもなく、身近の誰かのために行動を起こす。
だが、それに自分は含まれない。
周りの幸せのために彼女は喜んで死地に出向き、喜んで自らの体を犠牲にする。
だから、そういった無茶をするたびにライトに怒られる。
その内容はいつも彼女のことを気遣ったものなのだが、バリューがそれに気づくことはない。
気づいたとしても、彼女は性懲りもなく誰かへと献身し続ける。
それが自分としての在り方であり、バリュー・ヴァルハルトの存在意義だと信じているから・・・。
「ふぅ・・・。この辺りでいいかな」
ライトは頂上付近で待機しろと言っていたが、バリューは中腹にある一つだけ飛び出した廃材の隣に腰かけた。
「(ライトには悪いけれど、私だけ安全なところで待機するなんて出来ないから)」
小さく口に出して、決意を再確認する。
バリューが今の自分でいられているのは、紛れもなく主と相棒、そして恩人であるあの人のおかげであり、彼らの為にこの命を使い切っても構わないと思っている。
また、時折だがライトから破滅的な力が湧き出ているのを感じることがあった。
だから、バリューはライトからなるべく離れないようにしている。
いざという時、ライトを止めることが出来るのは、きっとすぐ近くにいる自分の役目だと信じて。
そんなことを考えているうちに地面の揺れは次第に遠ざかっていく。
「そうだ、合図しなくちゃ・・・」
兜を外し、首にかけている首飾りを引き上げる。
一つはロケットが付いたペンダント。
これはあの人の形見であり、大切な依頼品だ。
もう一つは木の小笛が付いたラリエット。
随分と前にあの人からプレゼントされた代物で、合図をするときにはよくこの笛を使ったものだ。
「そういえば、これを使うのもあの時以来かな・・・」
虚空を見つめ、ほんの少し感傷に浸りながら、血で汚れた口に笛を咥えて息を吹き込むと、心地よい音が響き渡った。
・・・何故かわからないけど、故郷にいる両親の顔が頭に浮かんだ。
(やはり、まだ壊し足りないな・・・)
腕の調子を確かめつつ、休憩を兼ねて地面に座り込んでいたライトは、落ちている廃材を拾っては折っていた。
その瞳は、怪しげな色を浮かびあがらせながらも、酷く澱んでいた。
ライトの戦闘方法は基本的に破壊である。
対峙する相手の武器を壊し、鎧を砕き、骨を割る。
無作為に命を奪うことは決してしないが、その戦闘方法は場合によっては非人道的とも言えなくはなかった。
そして、ライトはそういった戦闘行動ばかりをやってきたせいか、激情のように体の奥底から破壊衝動が滲み出る事があった。
滲み出た破壊衝動は留まることを知らず、溜まれば溜まるほど暴虐に身を投じてしまう時間も増える。
破壊衝動の根源といえるものはライト本人にも把握できていないが、感情が不安定になっている時や、戦闘の長期化などが、破壊衝動を膨らませていることだけは分かっていた。
そのためライトは戦闘時、こまめに破壊衝動を吐き出し、どのような戦闘でも短期決戦で仕留めていた。
しかし、今回は大戦の次に長い戦闘時間を費やしてしまっている。
未だライトの頭の中には、言葉に表すことなど出来ない、まるで嵐の真っ只中にいるかのような、災禍ともいえる破壊衝動が渦巻いていた。
・・・勿論、このことをバリューに話すことなどできない。
心配性なバリューのことだ、話せばますます自分の事を後回しにするだろうし、下手すれば四六時中ライトの傍を離れなくなるかもしれな・・・いや、きっとなる。
鬱陶しいとか面倒だとかそういった意味ではなく、ただ、守るべき者である自分が周りに迷惑をかけ、下手すれば命を奪いかねない・・・というのは流石に大げさかもしれない。
だが、ライトはそのように考えてしまうせいで、自分の事を相手に言うのが少し億劫であり、不安に思ってしまうのである。
・・・もしかしたら純粋に誰かに甘えることに慣れていないのかもしれない。
「いやいや、それはないだろ」
誰に言うわけでもなくその考えを否定した。
確かにライトは人に自分の事をしっかりと語っては来なかった。
それは自分の事を語る必要に迫られるような出来事が無く、語らなければならなくなる状況に陥ったことなど無かったからであり、相手に悪い影響や印象を与えるのが嫌だったわけではない。
そのはずだと自分に言い聞かせた。
「・・・ん、合図か」
そんな無駄なことばかり考えていたライトの耳に、あの戦い以来に聞く、懐かしい笛の音が聞こえてきた。
しかし、思っていたよりも音が近い。
「あの馬鹿、頂上って言ったのに中腹辺りで止まったな・・・!」
(まあ、中腹辺りだったら多分巻き込まれないよな・・・?いや、巻き込まないように調整すべきか。余計な事を考える余裕があるなら、まだ破壊衝動を制御できるはずだ)
少し想定外ではあったが、体力もある程度回復したので、タイミングとしては最高だった。
ライトはゆっくりと立ち上がり、先を進むゴーレムを見据えて不敵に笑う。
「リベンジだ、鉄屑。絶対にお前を止めてみせる」
その目に先ほどの暗色は無く、代わりにその瞳は七色に輝いて見えた。
目の前で人間技とは思えない現象が起こっていたのだが、それをよそ目に老人とブロウは蒸気砲の作成を急ピッチで進めていた。
せっかくゴーレムの近くまで来たというのに、ゴーレムが長距離移動してしまうと本末転倒である。
・・・だが、ブロウはどうしても老人に訪ねておきたいことがあった。
「・・・なあ、何であの時オレを助けたんだ?」
「なんじゃ?もう集中が切れたのか?」
作業の手が遅くなりはじめたブロウに目もくれず、老人は作業を続けながら辛辣に答える。
「ちげーよ!・・・ただ、あいつらだったりあんただったり、どうして利益が無いのに人助けをするのか気になっただけだ!」
ブロウはまだ理解することが出来なかった。
騎士であるライトやバリューは別として、目の前の老人は不思議な力が使えるだけのただの老人である。
それなのに・・・だ。
「じじいはいい年してんのに、目の前で殺されそうになったオレをあいつらから助けた。それだけじゃねぇ、手足を失ったオレにこの手足をくれた。そして、今もこうしてあのデカブツを止める手伝いまでしている。全て不利益しか得られそうにないのに、じじいは何でオレを助けた?・・・オレはその答えが知りたい。それだけだ」
老人はブロウのその問いかけに溜息を吐きながらもさも当然のように答える。
「命を失うかもしれないのに、知り合って間もない人物を助けるなど馬鹿ではないかとでも思っておったのじゃろ」
「うっ・・・!」
図星である。
「そして、先ほどの二人にもその事を聞いたのではないか?」
「いや、どうして知ってんだよ!?」
「おぬしのような若造の考えは分かりやすいわい。どうせ、自分は今まで何をやっていたのだろうなどといった焦燥感や悲壮感に暮れていたのであろう?」
「ううっ・・・!」
またもや図星である。
「・・・結論から言うが、理由なんてないわい。おぬしにも理由がなくとも人を助けた事などいくつもあるじゃろ?」
「・・・まあ、あったかもしれねぇな」
「どうしても理由を言えというのであれば・・・、そうじゃな、昔のわしみたいだからじゃな」
「・・・は?」
(結局理由になってないじゃねーか!)
そう言おうと老人の方を向いたブロウは思わず口を閉じる。
文句など言える様子ではない。
横にいた老人はいつにもまして真面目な顔をしてブロウの方を向いていた。
「ブロウ、よく聞くがよい」
「・・・おう」
「誰にだって負けられないものがあるように、おぬしにも誰にも譲れないものがあるじゃろ?オレに幸せは要らないと他人の優しさを跳ね除けたあの日や、暗部をたった一人で守ろうとしたあの日のように」
「じじい!どうしてそれを・・・!」
老人はその問いに答えない。
代わりに言葉を続けた。
「おぬしはどれだけ時間が経とうとおぬしのままじゃ。・・・だが、よりよい方へと変わろうとおぬしは一歩踏み込んだんじゃないのか?」
「それは・・・」
「変化することを悪いこととは言わん。しかし、“それ”はおぬしの『信念』じゃろ?」
「・・・ああ、そうだ」
「それならば何も悩むことは無かろう?自分が信じるままに、自分らしくいくがよい。それが、おぬしのためにもなるじゃろうて」
「・・・」
そうだ・・・、確かにオレはあの日誓ったんだ。
誰かが決めたルールに縛られるのが嫌で、何者も守れず惨めに負ける自分が嫌で・・・、それでも、嫌なこと全部ひっくるめて肯定した。
今の自分から逃げるためじゃなく、今の自分を超えるために・・・。
「・・・ん?」
こんな廃材の土地で聞くことなどが無いはずだが、心地の良い木の笛のような音が聞こえた。
「おっと、あやつら凍り付けにする以外にもまだ策を残しておったか。おしゃべりは終いじゃ。さっさと仕上げてあの動く廃材を止めようかの」
じじいはそう言うと何事もなかったかのように作業を再開し始めた。
慌ててオレも作業に戻る。
今はあのゴーレムを止めるのが先だ、オレの事はあとでいい。
だが、おれはあいつらとじじいのおかげで漸く思い出せた。
あの日、オレは自分から騎士になることを望んだ。
それは、オレの心からの望みだった。
だから、オレは・・・。
先ほどまで二人の騎士らしき人物と、二十数名はいるであろう無法者たちが戦っていたそこは、ほんの僅かな時間で何事もなかったかのような静寂に包まれた。
結果は言うまでもなく、騎士たちの圧勝である。
所詮はスラムの名もない人間たちである、精鋭である騎士たちの相手ではなかった。
騎士たちが剣の血を拭い鞘に納めている中、その後ろにいた一人の女性が前へと歩き出す。
先ほどまで断末魔を上げていた外道の死体たちを避けていき、その奥の壁へと寄りかかる一人の子供の前で足を止めた。
外道たちに嬲り殺されそうになっていたにもかかわらず、その子供の瞳は未だ怒りに燃えていた。
「少しいいかな?」
女性は子供に優しく語り掛けた。
子供が無法者達に喧嘩を売った時から女性は疑問に思っていた。
子供はカッパーで生まれ育ったのだろう、いくつもの銃器を使い、自らの力をどのように使ったら最も効率的なのかをしっかりと把握している動きをしていた。
先ほどの戦いでも、無法者たちを翻弄し、憤怒の感情を煽った手腕は実に計画的で、こういった一体多の戦いでは理想的とも言えた。
しかし、目の前の子供は無謀にも、年齢、体格、経験・・・、全てにおいて絶対に勝てるはずのない相手に挑んでいる。
そして、自分の利益だけを求めるであろうカッパーの人々とは思えない、自らの利益のない戦いへと踏み込んでいる。
女性はそれがどうしても気になっていた。
「どうしてあんな無謀な行動をしたのかい?」
だから女性は、目の前にいる死にかけの子供へと尋ねた。
「決まってんだろ、けじめだよ」
「けじめ、ねぇ・・・。君に利益があるとは思えないけど?」
「利益なんかいらねぇよ。暗部の奴らはこんなオレにも優しくしてくれた。オレはそれを気に食わず突っぱねてばっかだった。・・・あいつらはいい奴らだ。だが、その優しさを許さない奴らもいる。そいつらは暗部ばかり利益を搾取してなどと言いたいことばかり言いやがる。あいつらは自らの利益を相手に無償で提供する奴らなのに・・・!そして、ついに暗部の奴らに粛正という名の悪逆非道な行為を起こそうとした!他者の幸せを無作為に奪い取ろうとする奴らは人間の屑だ!そんな奴らのことをオレは絶対許さねぇ!都合がいいことに、オレには心配してくれる親や仲間はいない。それに、この体はすでに悪行で汚れちまってる。だからオレは、屑どもを断罪できるならなんだってやるって決めた。たとえそれが理由で死ぬことになろうとも、幸せになるべきやつらの邪魔をするやつを断罪する!それがオレの信念だ!あんたらが何者か知らねぇが、オレの邪魔をするな!」
子供は死にかけとは思えないほどの怒鳴り声を発した。
「・・・へぇ、なるほどね」
目の前の子供ははっきり言ってバカだ。
威勢がよく、鉄砲玉のような正直さに猛々しさ、そして戦闘技術もしっかりと兼ね備えてある。
だが、如何せん知識が無さすぎる。
それに、このような環境でこうもお話にでも出てきそうな純粋な性格をしていると、よく今日まで生き延びてきたものだと思わざるを得ない。
「・・・だけど、わたしは好きだなぁ。そういうの」
「・・・は?」
「決めた、君にしよう。うん、合格だよ灰髪君、君はわたしの元で三人目の専属騎士になってもらおう」
目の前の子供は、このわたしでさえ投げ出しそうなカッパーの現状を、きっと変えてくれる。何故かそう思えるのだ。
そう、無謀で無鉄砲で無神経で・・・、それでも貪欲に全てを得ようとしたあの頃の私のように・・・。
・・・・・・。
「・・・さま!レプリカ様!」
子供の姿は掻き消え、微睡んだ視界の中から専属騎士の声が聞こえてきた。
この声は・・・ノエルか、相変わらずイレギュラーに耐性がないのかねぇ・・・。
「うるさいなぁ・・・。懐かしい夢を見ていたのにさぁ・・・」
「カッパーにて謎の巨大物体がこちらへと向かっています!」
「巨大物体ぃ・・・?」
はて、カッパーに城から見えるほどの巨大な物質があった覚えはないのだが・・・?
「私達は迎撃に向かいますが、主様は念のため地下シェルターへとお逃げください」
「えー・・・、逃げる必要ある?」
「貴女様にもしもの事があったらどうするんですか!?」
「カッパーにはブロウがいるんだから何の問題もないでしょ」
ブロウの名前を出した途端、途端にノエルの顔が不機嫌になった。
あれぇ、そんなにノエルとブロウって仲が悪かったかなぁ・・・?
「何を仰っているんですか!ブロウが音信不通になった状態からもう一週間以上経っているんですよ!?」
「普通に考えたら何者かによって邪魔をされているか、サボっているかのどちらかだと思いますが・・・」
あ、思ったよりもカトレアも辛辣・・・。
よっぽどブロウって信頼されていないのね・・・。
これは普段の態度とかをわたし自ら指南していくしかなさそうかなぁ・・・。
「ブロウはそんな二の足を踏むようなことはしないさ、きっとその巨大物体に対して何かしらの手を打とうとしているんじゃないかな?音信不通だったのは対策を練っていたから・・・だとか?」
「それはただの推測じゃないですか!もしかしたら、あいつが巨大物体を・・・!」
・・・流石に、それは聞き捨てならない。
「ノエル、それこそただの憶測じゃないか。ブロウは自らの信念をしっかりと持つ、立派な『十忠』の一人だよ?」
「それはっ・・・!そうですが・・・」
「わたしはブロウを信じている。君たちはどうだ?」
「・・・あたしは」
「私はブロウが無事で、巨大物体を止める手立てを探っているのだと信じています」
「カトレア・・・」
うん、とりあえずカトレアはまだブロウを信じてくれているね。
ノエルは・・・、まあ、いつも通りかな。
「・・・ですが、ブロウ一人だけでは少し荷が重いのではないかと」
・・・ほう。
「・・・なるほど。それで?」
「依然ブロウからの連絡が無いということは、ブロウの置かれている状況が悪いのでしょう。我々二人でバックアップに回ることがベストなのですが、この城の警備が薄くなるのはあまりよろしくないでしょう。ですので一人城に残って・・・」
「いや、いいよ。二人とも行ってあげて」
「えっ!でもそうなるとこの城の警備は・・・!」
うーん・・・、やっぱりノエルは心配性で素直じゃないなぁ。
「ノエルぅ・・・、わたしのこと舐めてる?」
「と、とんでもありません!」
「大体の奴らは撃退できなくないけど・・・、まあ、ヤバくなったらこの城の中を逃げ回っているから、なるべく早く戻って来てね」
「「承りました!」」
一礼した後、カトレアとノエルは玉座を出た。
外でバタバタと音を立てて走っていたのはノエルかな、やっぱりなんだかんだでブロウの事が心配なんだろう。心配して損したなぁ。
「さて、わたしは四人の事について調べますかね」
二枚の写真を胸元から取り出す。
それは怪しげに笑う少年とナイフを持つ男性が写った写真と、変な武器を持つ青年と鎧の人物が写った写真だった。
お久しぶりです、左之亜里須です。
いつものように拙い部分が多々あったかと思いますが、ここまで読んでくださってありがとうございます。
更新が長い間止まってしまって大変申し訳ありません・・・。
少し諸事情でバタバタしておりました。(←言い訳)
そして、久々の投稿でそれぞれの描写回という酷さ・・・。
本当、申し訳ないです。 <(_ _;)>
次回は早い段階で投稿できると思いますので、また見て頂いたら嬉しいです。
それでは、より良い日々を・・・。
長かったゴーレムとの戦いは次回で決着となります。