彼女との関係にモヤモヤしている番犬です。
自サイトとpixivにマルチ投稿していますが。
部分的に手直し、削ったりしてあります。
お茶にしないと言われて、時計を見た彼は頷いた。
珍しいことにコーヒーでもなく、ハーブティーでもない、紅茶だった。
「珍しいな」
「そうでしょう、貰い物だけど、特別なんだから」
スワンの言葉に特別よと言いたげな空気を感じ取り、ドギー・クルーガー、青犬の宇宙人はカップの底をじっと見つめた。
「先日、美也が来てね、お土産だって」
「来たのか、ここに」
驚いた声にスワンはくすりと笑った。
貴方も会いたいだろうと思ったけど、彼女は急いでいるからるまた今度って。
今度だと、会うつもりなどないくせに、胸の中で呟きを漏らした青い犬は椅子に深く腰を預けると、小さな溜息をついた。
その様子を見ながら素直じゃ、ないんだからとスワンはクッキーを一つつまむと口に入れながら視線をちらりと向けた。
「これ、彼女の手作りよ、久しぶりに会ったけど元気そうだったわ」
あいかわらずかと呟く青犬にスワンが笑った。
「素直じゃないんだら」
さらりと言われて、すぐには反応できなかった
「なっ、何を言い出すんだ、俺は友人として」
そんな関係じゃないとと否定するが、このあたしに隠し事できると思っているの、長い付き合いよと言われては勝てるわけがない。
黙って聞いている間、青犬耳は垂れたままだった。
「彼女、誰かとつきあってるんじゃない」
「本当か」
「いつもと違っていたし、香りが、男性の香水かしら、不思議な香りで、体臭なのかしら、あれって、どこかで」
スワンの言葉に耳だけでなく、尻尾までも垂れたり、下がったりと妙な動きをしてしまう。
口にしたことはなかった。
友人、いや、それ以上に深い付き合いで、気づいたときは一線を越えたのだ。
誘ったのは自分からだという彼女に対して自分は、なんと言ったのか覚えていなかった、曖昧な言葉で濁したような気がしたが、それを正直、情けないと思ったのは確かだった。
好きだから寝たのだ、抱いたのだ、そして彼女も同じだと思っていたが、違うのだろうか。
ただの暇つぶしか、仕事の鬱憤をセックスで誤魔化したかった、気晴らしだったのか。
事件はあまりにも突然すぎた。。
「大変よ、今指名手配中の犯人、立てこもり事件を起こしていて、人質が」
スワンの驚きを隠せない声を聞きながら指揮をとる、冷静にと思いながらも、苛立ちを感じていた、脳裏に浮かぶ顔、彼女の。
追い詰められた凶悪犯は何をしでかすかわすからない、人質を殺す事もあるだろう。
(美也が、人質に)
助けなくては、必ず。
そして、この気持ちに決着をつけなくては。
言葉を伝えなくてはいけない。
「俺が行く」
地獄の番犬と呼ばれた男は事件だけでなく、自分の気持ちにも決着をつけようと初めて、自分から踏み出した。