転生した彼は考えることをやめた   作:オリオリ

13 / 27
久しぶりのお休みで、執筆時間を取ることができたので書きました。
今回は今までの出来事の日記を一気に消化しつつ、先への展開を少しだけ載せました。
楽しんでいただけると幸いです!

蛇の体長を修正しました!
ご指摘してくださった方々ありがとうございます!


第十三話 彼の日記帳 オニュー

 ✖︎月✖︎日 今日は晴れた

 

 結婚した緋真から日記帳とか色んな物をもらった。

 日記帳は紙を束ねて作られたノートである。

 いや、今まではずっと拾ってきた巻物を使ってたからこれはすごく助かるわ。

 結構長く書いて来たから、新しく書くために10mくらい伸ばしてたからなー。

 これでぺらりとめくるだけで済むわ。

 

 さて、今日の出来事から書こうかな。

 今日は朽木一家の男衆と一緒に酒を飲んだ。

 貴族だから結構高い酒ばかりかと思ったけど、安酒も飲むらしい。

 安酒には安酒の良い所があるのだ、とは銀嶺さんの言葉だった。

 俺もどっちも好きだけどね、高いのは豪華な気分になるし、安酒はたくさん飲めるからな。

 けど、銀嶺さんには黙っておこう……安酒の通な所なんて言われてもわからんです。

 

 あと、白哉から式以降、緋真と接吻できないと相談された。

 義理とはいえ、兄に何を相談してるんだ……とは思ったけど、結構深刻そうな顔されたから理由を聞いて、砂糖を吐きそうになった。

 なんだ恥ずかしくてできないって、お前らそれでも夫婦か!?

 とりあえず、白哉が相談してきたってことはそれだけ白哉にとっては大事なことなんだろうと判断して、とりあえずデートとかに行って、接触を増やしていったらどうだ? ってアドバイスした。

 というか、死ぬまで童貞だった俺に聞くんじゃねーよ。

 

 

 ▽月◯日 本日は晴天なりぃ

 

 遂に我が家に冷凍庫ができた。

 いや、それよりもルキアが始解できたことを書くべきだろ俺。

 畜生、鉛筆とかシャーペンが恋しい……消しゴム……ないものは仕方ない、そのまま書くしかない。

 ルキアが『袖白雪』の名前を聞くことができた。

 原作では確か、氷雪系で全てが純白の斬魄刀の中で一番綺麗な斬魄刀だぴょん、とか言ってた。

 確かにすごくきれいだった。

 まさか鉛色の刀があそこまで白くなるなんて……ボー◯ドを使ってもあそこまで白くできねぇぞ。

 そういえば、恋次は悔しがってたな。

 一応本体に会えてはいるみたいだけど、何故か名前が聞こえないらしい。

 けど、本体が見えてるならそう遠くないうちに始解できるだろうなー……蛇尾丸は狩りに使えるかな……遠くから延ばせば……いや、それだと白雷を当てた方が早いな。

 そういえば、ルキアに袖白雪の(ここから先は黒く塗りつぶされている)

 

 

 ◎月&日 太陽さん仕事しすぎです

 

 今日は珍しく白哉が汗まみれでやってきた。

 目出度いことに緋真が妊娠したらしい。

 本当に……長かった……デートから始まり、キス、そしてその後の行為に至るまで……だから童貞にそんなこと聞くな! むしろ俺が知りたいわ!! 俺の知識なんぞ全部漫画や小説だけだぞ畜生め!!

 まぁ、ようやく子供ができたのは喜ばしいことだ。

 けど、緋真の体調がよくないらしい。

 白哉には緋真の体調がよくなったら祝いに行くと言っておいたけど、心配だ……。

 よくよく考えたら、出産って命懸けなんだよな……。

 ……修正力が仕事しないだろうな……?

 もし、緋真と子供が死んだりしたら……どうやって世界に復讐しようか……。

 ……まぁ、何とかなるか。

 これから毎日世界に脅しの祈りを捧げておこう。

 全ては気合でどうにかなるさ。

 

 

 ◎月㊤日 雨は嫌いだ……(中二風)

 

 ようやく、緋真の悪阻が落ち着いたらしい。

 本当に気が気がじゃなかった……雷公に聞いて滋養強壮に良い山菜を探して来たりしたし、ルキア達も心配そうでいつもそわそわしていた。

 明日、緋真に会いに行けるから、少しは落ち着くだろ。

 いやー、良かった緋真が落ち着かなかったら今度は藁人形に『世界』と書かれた紙を埋め込んで卯の刻参り? するところだったわー。

 何時からやるのかわかんねぇけど、夜にやれば良かっただろうし。

 さて、明日は朝早いからなもう寝るとしよう。

 

 

 ◎月㊥日 いつかはきっと晴れるさ

 

 今日は一家全員で緋真に会いに行ってきた。

 流石の緋真も少し痩せていたが、元気そうであったので良しとしよう。

 これからはちゃんと沢山食べて栄養を取らないとな。

 ルキアは緋真の腹を撫でていた。

 いつか、ルキアも結婚するんだろうか…………今の所は頑張っている恋次を応援するけど、選ぶのはルキアだからな。

 恋次は白哉と何か話してたし、誠司と雄二は、ルキアと一緒に緋真と話していた。

 ……あれ? おれってもしかしてボッチだった?

 今気が付く衝撃の事実。

 いや、俺は優しく見守っていただけだし。

 別にボッチってわけじゃ(ここから先は同じような言葉が続いている)

 

 

 

 ◇月◑日 本日は曇天じゃった……

 

 雷公からそろそろ卍解を会得しないかと問われたので、明日卍解会得の訓練をすることになった。

 雷公を屈服させる……黒髪美少女を……これ以上は考えない方がいいな。

 何はともあれ、卍解修行も最終段階ということか……。

 既に具象化はできるようになってるから、屈服させるだけだ。

 ……そういや、雷公は雷系の斬魄刀に当たるんだよな……?

 いや、もしかして鬼道系か?

 まぁ、人間型なんだから鬼道系の技を使うのかもしれないな。

 明日は気を引き締めてかからねばな!

 

 

 ◇月●日 雷雲現る!

 

 お、恐ろしかった……!!

 ま、まさか四日も戦い続けるなんて思いもしなかったぞ!!

 最後は槍投げで何とか勝つことができたが……尸魂界全土が黒い雷雲と大嵐に見舞われるとは……!

 その所為で、灼熱爺さんとラスボスヨン様と白哉がやってくるとは思いもしなかった!!

 

 その苦労の一部始終を書くとしよう。

 具象化した雷公は、俺に確認を取った後に腕に巻き付いていた二匹の蛇が巨大化したのだ。

 でかさは目測だが、多分長さが80mくらいで幅も5mくらい。

 しかも雷を纏う大蛇……名前をフーちゃん……と、雷撃を放つ大蛇……名前をオーちゃん……と、黒髪美少女ことイーちゃんが同時に襲いかかってくるのだ。

 

 イーちゃんとフーちゃんは俺に接近戦を仕掛けてきて、オーちゃんは巨大な雷のビームを吐く。

 しかもその雷のビームを受けたフーちゃんがより強くなるという、訳の分からない事態に。

 イーちゃんが手をかざすと、空が黒雲に覆われ、かなり激しい嵐が起こったのだ。

 水は電気を通すなんて子供でも知ってることだ。

 どう見ても殺しに来てた。

 イーちゃんも今まで手合わせしていた速度よりもずっと早かった。

 反応できないほどじゃなかったから、何とかさばけてたけどな。

 

 けれども、それは向こうも同じで一進一退の攻防を続けてた。

 正直、時間の事なんて全く気にしてられなかった。

 何せ全てが命懸け、自分が丸四日も戦い続けてたなんて、ルキア達に言われてから初めて知ったわ。

 

 そんな命懸けの戦闘中に俺はイーちゃんの操る風によって、空に吹き飛ばされたんだ。

 オーちゃんが今まで以上の雷撃を口に溜めているのが見えた。

 空中で身動きがとれない時じゃただの的だった。

 だから、俺は残る力を全部込めて槍を投げたんだ。

 槍の標的になっていたオーちゃんを護るためか、フーちゃんが巻き付いて槍を止めようとしてたが、回転が加えられていた槍で、フーちゃんはその巨体を削り取られて消えた。

 イーちゃんは槍に何かをしたらしいけど、何をしたのかはわからなかった。

 だが、残念なことにオーちゃんの攻撃の方が早かったんだ。

 正直死んだと思った。

 けど、俺の投げた槍は雷撃を突き破ってオーちゃんの喉を突き破った。

 消えていくオーちゃんを見て、イーちゃんはようやく合格と言ってくれたのだ。

 

 そして、教えてくれた。

 卍解の名前を。

 俺の雷公の卍解は『火雷大神(ほのいかずちのおおかみ)

 まさかの神様の名前だった。

 しかも、常時開放型の卍解という頭のおかしい代物だった。

 

 卍解した俺は何も持っていない。

 なぜなら、『火雷大神(ほのいかずちのおおかみ)』は自然を操作するのだ。

 雷雲を呼び、嵐を呼び、生み出された雨や風、雷を自在に操る。

 そして、その効果が及ぶ範囲は……雷雲が呼ばれている範囲全部だ。

 ここでわかって欲しいのは、今回卍解を会得するにあたって雷雲に覆われた範囲だ。

 尸魂界全土だった。

 少なくとも流魂街と瀞霊廷全域は確実に俺の攻撃範囲内ということになる。

 

 …………しかも常時その状態だ。

 雷雲は俺の意思一つで消せるし、簡単に生み出すことができる。

 ……思った以上にやべぇ斬魄刀だった。

 まさか魂の相棒ではなく、神様が入ってるなんて……。

 後、何故か知らんが、始解状態の雷公も使えるらしい。

 こちらも俺の意思で、出したりしまったり出来る。

 本当に規格外ですね、雷公さん……

 

 長くなったが、これが俺の卍解会得までの事だ。

 

 んで、卍解を会得したあとなんだが……灼熱爺さんとラスボスヨン様と白哉が来たわけだ。

 ちなみに、ラスボス様と灼熱爺さん、斬魄刀を抜いておりました。

 マジで怖かった。

 

 とりあえず、言われた通り雷雲を霧散させた。

 んで話をすると、これから俺は霊術院に通わなければいけないらしい。

 流石に卍解を会得した者を遊ばせておくわけにはいかないとのことだ。

 

 ヨン様は内心はよくわかんねぇけど、温和な顔していたが、あれは絶対観察してる。

 この時期のヨン様はまだ良い隊長ってのをやってんだろうなー。

 

 それはさておき、俺は霊術院へと通うことになったわけだが……。

 家族全員にこれからどうするか尋ねたら、始解を会得しているルキアと恋次も霊術院に通うことになった。

 誠司と雄二は、このままこの家を守ってくれるらしい。

 ルキアが自分たちを助けてくれたように、戌吊にやってきた子供を保護していくつもりらしい。

 ……いつの間にか、俺の弟たちは立派になった。

 

 最近涙腺が脆くていけねぇなぁ……。

 

 まぁ全てはなるようになるさ。

 死神にされるとは考えてもみなかったけどさ。

 これもきっとフラグってやつさ。

 

 何も考えず、なるようになる。

 うん、明日もまた頑張ろう。

 

 

 ◇月◎日 天が我らを祝福している!(晴れ)

 

 本日から俺は霊術院生となった。

 総隊長、五番隊隊長、六番隊隊長の三名から推薦を受けている所為か、特進と言われるAクラスになった。

 ちなみに、ルキアと恋次も同級生である。

 原作では確か、ルキアがAじゃなかった気がするけど、まぁ気にすることじゃない。

 そして、何の因果か……同級生に吉良イヅルと雛森桃が居る。

 …………もしかして、ルキア達が死神になるように修正力が仕事をしたのだろうか……。

 もしそうなら、藁人形を準備しないとな……。

 それにしても、鬼道って楽しいな。

 今までは情報がなかったから白雷しか使えなかったが、呪文とかわかったお蔭で三〇番台の鬼道は全部使えるぜ。

 やっぱり白雷だけでも鬼道を使い続けてきたことで、何かコツみたいのがわかったんだろうな。

 だから、雛森……俺にコツを聞くのはやめてくれ。

 尤もらしいことしか言えないから。

 そもそも、この霊力の練り方も原作の岩鷲が言ってたやり方を真似しただけなんだ……。

 未来の岩鷲にここで謝っておこう。

 すまない。

 

 

 ◇月☆日 天が我ら(略

 

 最初に一言、飛び級しました。

 何故だ……未だに斬術とか、歩法とか習ってないぞ。

 やったのは喧嘩殺法的な白打と六十番台の鬼道だけ……なのに飛び級って……。

 だからルキア、流石兄様とか言うな、さすおにはイタチだけだ。

 恋次、お前もおめでとうとか言うな。

 俺はもっと時間が欲しいんだ……。

 吉良、雛森……お前たちも寂しくなるとか言うな。

 俺の方が寂しいわ、遠慮なく喋れる蒼純は貴族なんだ……同じ流魂街出身の友達が欲しいぜ……。

 ちなみに六回生。

 今年卒業予定の階級である。

 莫迦か教員。俺はまだ魂葬とかやったことないんだが!?

 世界を恨んでも俺の飛び級は決定事項なのだった……ちくせう。

 

 

 ◎月〇日 世界よ滅べ(雨)

 

 ヨン様いつかぶん殴る。

 卒業まであと半年……といったところで、数日前に現世への実習に同行するよう言われた。

 護衛という立場での参加だったんだが……ヨン様マジで許すまじ。

 やっぱりあの時の接触はフラグだったようで、俺は特進Aクラスと一緒に居ることになった。

 雛森やルキア達が居るあのクラスである。

 つまり、その時点で襲撃される可能性が高かった。

 この日ほど、俺の卍解が常時開放型であったことを感謝した日はない。

 念の為に作り出しておいた黒雲のお蔭で、原作で死んでしまった先輩である中村さんを助けることができた。

 が、巨大虚数十体だけじゃなく一体だけだが大虚が出てきたのはどういうことだ。

 雷を落としまくったし、とにかく速く移動して雷公を振り回すことになった。

 いやまぁ、大虚も含めて一撃で倒せたから問題はないんだけどさ。

 ただ、そのあと他の院生が俺の事を怖がってたな。

 雛森とか一部の院生はなんか目がキラキラしてたけどな。

 

 以上の事から恐らくヨン様が護衛に推薦したか、俺が参加することになったから戦力を増やしたと思われる。

 だから絶対にいつか殴る。

 

 そういえば、ルキアと恋次も何体か倒した様だ。

 流石は俺の妹弟達、原作とは格が違うぜ……。

 ますます、一護との接点が無くなっていく気がするぜ……。

 そうなった場合、責任を取ってヨン様を倒さないといけないのか……それなんて無理ゲー?

 

 △月▽日 神は言っている、今日は曇りだと(そりゃ死神が言ってるもんね)

 

 こんな曇天の日に、俺は遂に院生を卒業しますた。

 明日から社畜です。

 ちなみに配属先は十番隊で隊長は志波一心隊長です。

 ……貴方、まだ居たんですね。

 原作何年前かもわかんねぇよ畜生。

 ちなみに、五番隊と六番隊じゃない理由は両隊長が取り合いをしたからです。

 総隊長はお怒りでした……まさか、隊務をほっぽりだして勧誘に来るとは思わなかった。

 ちなみにまだ冬獅郎は居ません。

 その所為か、いきなり三席になりました。

 ……頼むよ、平隊員からやらせてくれ……。

 席官は基本的に戦力? んなわけないっす。

 副隊長の下なわけだから絶対色んな仕事が来る。

 誰だ、いきなり席官にしようとか考えた馬鹿は……。

 とにかく明日から死に物狂いで仕事を覚えるしかない。

 だから、ルキア達よ……流石とか言わないでくれ……。

 

 




遂に死神になってしまいましたね。
ですが、完全に藍染さまに目をつけられてます。
というか、院生が卍解取得済みっていいのか……?
そして十番隊へ配属……これで一心さんとも接点ができましたね!
次回は灼熱爺さんの視点で配属されるまでを予定してます。
今回も楽しんでくれたなら嬉しいです('ω')ノ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。