不真面目なボディーガード訓練生が幻想入り   作:橘恵一

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本来であれば無駄に一周年記念とかで一話と同じ投稿日に投稿しようと思っていたのですがなんとなく一日前になりました。

暖かくなったり、寒くなったりで体調管理が大変ですね。
天候も気温も落ち着いてくれるとありがたいです。

それではお楽しみください。


第30話 「……どのような字をお読みになられるのでしょうか?」

8月12日

 

 意識を休めていると段々まぶたに光が当たってくるのがわかる。どうやら昨日飲んだ薬の影響で思ったより疲労感が無くなっているようだ。こんな日くらいは二度寝も良いかもしれない。そう考えたが身体は食い物を求めているらしく、空腹感がある。

 

「だったら摂取しに行くとするか。」

 

 寝転んでいた布団から出て、部屋の戸を開く。

 

「よぉ。」

 

 戸を開くと縁側に見慣れたメイドが座っていた。昨日からずっとここに居たわけじゃなく、隣の部屋にでも寝ていたのだろうそのメイドは周りの竹林を眺めている。

 

「おはよう朝霧くん、意外に早起きなのね。」

 

 咲夜は竹林からオレへと視線を移しながら話しかけてくる。

 

「ちゃんと寝ればこんなもんだろ。」

 

 滝から落ちたときみたいに体力を消耗し切っていたわけじゃないから熟睡とまではいってないが。

 

「寝不足は程ほどにしないと疲れが抜け切らないわよ?」

「慣れてるから問題ない。」

「じゃあ私は朝食の準備を手伝いに行くから。」

「ああ。」

 

 会話を終えると咲夜は立ち上がり、台所のある居間の方向へスタスタと歩いて行く。

 

「それにしてもマジで骨がくっついてんのには驚くな。」

 

 咲夜と入れ替わりで縁側に座り、右腕を曲げたり伸ばしたりを繰り返してどの程度動かせるかを確かめる。

 

「痛みや感覚の鈍さは多少残ってるが、これくらいなら完治したと言ってもいいか。」

「永琳の調合した薬ならたとえ普通の人間でもそれくらいすぐに治るわ。」

 

 骨折の具合を確認していると奥にある他の部屋と造りが少し違うであろう部屋の戸を開けて女が近付いてくる。

 

「ひょっとして朝霧?」

 

 その女はオレを知っているらしい、それもご丁寧に苗字もだ。だが、射命丸の新聞でかなり広まっているとなると名前を知っていても不思議じゃないだろう。

 

「ま、そうだな。」

 

 少し考えはしたものの、気にせずに答える。

 

「そっか、それで昨日は賑やかだったのね。」

 

 女は納得しながら隣に腰を下ろす。そいつの服装は暁東市なんかじゃあ滅多に見れないような和服に長い黒髪。雰囲気から察するにお偉いさんだと判断できるがお嬢様って言うよりはお姫様のほうがしっくりくると思える。

 

「あれで賑やかなのかよ。」

「イナバがあれだけ大声出すのは珍しいのよ?」

 

 聞いた覚えが無い名前が出ているが昨日大声を出したとなれば特定するのは簡単だ。

 

「嫌いな人間に対して叫んでただけだろ。それよりなんでイナバなんだ? うどんげって呼ばれてたと思ったが。」

「名前よ、あの子は鈴仙・優曇華院・イナバって言うの。」

 

 名前だったのか、そういえば鈴仙とも言われてた気がしなくもない。

 

「どっかのアイスみたいなミドルネームだな。」

「名前とか聞かなかったの?」

「そこまで気にならなかった。」

「じゃあ私の名前も気にならない?」

 

 女は少し自信ありげに聞いてくる。偉そうな雰囲気を漂わせているだけあって相当な自信があるようだ。ただ少なくともレミリアなんかよりはマシな気がする。

 

「ああ、気にならない。むしろ聞きたくない。」

「……それじゃお互いに呼びにくいだろうから自己紹介くらいしてあげる。私は蓬莱山輝夜よ。」

 

 聞いてきたからわざわざ断ってやったのにも関わらず女は無理やり名乗りだす。

 

「お前は小難しい苗字だな。」

 

 雰囲気は他のお嬢様方と違うようだが、中身は少し強引なようだ。

 

「よろしくね朝霧……なんだっけ?」

「海斗だ、どっちかつーとオレの苗字は覚えにくいだろうに。」

「海斗ね。うん、覚えたから大丈夫。」

 

 互いに自己紹介? を交わすと居間の方からうさ耳が歩いてくるのが見える。どうせ朝飯の準備ができたってところだろう。

 

「姫様おはようございます……ってなんで居るんですか。」

「起きたからに決まってんだろ。」

 

 うさ耳はオレがいるとわかった途端に表情を曇らせる。

 

「おはようイナバ、朝食の仕度ができたのかしら?」

 

 そのまま沈黙していると耐えかねたのか、オレとうさ耳の間を取り持つように輝夜は要件を聞く。

 

「あっはい、それで今朝はどうしますか。」

 

 輝夜は少し考える素振りを見せる。

 

「一緒に食べる事にするわ。行きましょう海斗。」

 

 答えると同時に縁側から立ち上がりオレの腕を強引に引っ張る。それもよりにもよって右腕をだ。

 

「おい、勝手に引っ張るんじゃねぇよっ。」

 

 そのまま腕を引かれて居間へと向かう。

 

「おっ、今回は多めになってるじゃねぇか。偉い偉い。」

 

 食卓に並べられた朝飯は明らかにオレの分だけ多めになっていた。

 

「さすがの咲夜もオレに恐れをなして言うとおりにしたと見える。」

 

 強敵を屈服させたことを実感し、上機嫌な顔で咲夜を見るがどう見ても恐れているようには見えない。いったいなぜなのか考えていると一人の女が口を開く。

 

「わ、私のおかずを取られると困るので当然です。」

「お前かよっ、紛らわしいことするなよなっ!」

 

 どうやら深読みしすぎたようだ。

 

「だってこうでもしないとまた取られると思ったんです!」

「どんだけ食い意地張ってんだよ……はぁん、通りでぽっちゃり体型なわけだな。これで納得したぜ。」

「っ!? そんなに食べてないですってばぁ!」

 

 箸を机に叩き置きながら睨みを効かせてくる、それもこのオレ様にだ。

 

「その目いいぜ、やるってんならとことんやってやるよ。」

 

 その熱い視線に感化され、当然オレも睨み返す。

 

「朝食の間くらいは静かにして欲しいのだけど。」

 

 咲夜が感情の篭っていない声で言うと、うさ耳はハッとした表情をする。

 

「ご、ごめんなさい。」

 

 それを気にせず永琳と輝夜は軽く雑談を始めた。

 

「めずらしいですね姫様が朝食を自室で召し上がられないなんて。」

「たまには大勢で食べる食事も良いと思ったの。」

「そうでしたか。ところで海斗くん、腕の具合はどう?」

 

 一応医者である以上、患者の容態が気になるのか聞いてくる。

 

「この通りそれなりに動かせるぜ。」

 

 さっき縁側でしたように右腕を動かしながら答える。

 

「これは想像以上だわ、この分だとあと数日の間に激しい運動さえしなければ完治しそうね。」

「激しい運動ねぇ、何もないといいけどな。」

 

 また紅魔館に戻るんだし、あいつらからしたら激しくなくとも人間にしてみれば激しい運動をすることなんてざらだろう。

 

「なら念のために処方箋を出しておくわ、中身はあの薬だから怪我したときに使いなさい。」

 

 永琳は袋に入った数本のビンを咲夜に手渡す。

 

「だったら普通オレに渡すだろうが、なんで咲夜に渡してんだよ?」

「薬のように取り扱いが難しいものは保護者の方に渡すの。当然でしょ。」

「百歩譲って保護者に渡す理由は分かる、でもなんで咲夜なんだ?」

「現状では彼女が保護者と判断したまでよ。」

「ガキ扱いすんじゃねぇよ。」

「でも、この中じゃあ一番年下は海斗くんだもの。」

 

 黙って周りを見回す。見た目だけなら年下か同い年くらいだが、どうせこいつらも妖怪かなんかの類だろう。

 

「…………。」

「分かったなら、冷めないうちに食べましょう。」

「そうするか。」

 

 何事もなかったかのようにその後は箸が進み、朝飯を胃袋へ運んでいく。

 

………。

 

……。

 

「じゃあ帰りは二人の道案内をお願いね、それに販促もね優曇華。」

 

 飯も食い終わって紅魔館に戻るのだが竹林を通り抜けるには誰かの案内が必要で、うさ耳が案内することになった。

 

「わかってます。」

 

 どうやら薬を人里に販売しているらしく、定期的に行っているんだと。

 

「それで咲夜さんたちはこのまま紅魔館に帰られるんですか?」

 

 永遠亭を出て、竹林を進んで行くとうさ耳が聞いてきた。

 

「ええ、丸一日空けてお嬢様がどうなってるか気になるし。」

「一日空けたくらいで大袈裟だろ。」

「仕えてる身分なら当たり前の感情ですよ、気になって当然です。」

 

 自分も同じ境遇ならそう思って当たり前なのか、うさ耳はうんうんと頷く。

 

「そう言う朝霧くんも私たちと似たような身分よね、だってボディーガードなんでしょう?」

「世間的にそう言われてるだけだ、オレはそんな事欠片も思っちゃいない。」

「そういえばそんな事書いてましたね、不真面目そうな人に出来る仕事とは思えないんですけど。」

「だな、だからオレはボディーガードなんかしてねぇ。」

「そうだったわね、確かまだ訓練生なのよね。」

「ま、形式上はな。」

「訓練生ってことはボディーガードになりたくて練習してるってことですよね?」

「全然なりたくないな。」

「じゃあどうして体を鍛えてるんですか? ボディーガードになりたくないのに。」

「趣味だ」

「変わった趣味ね。」

「趣味ってのは変わってるもんだろ。」

「そういうことにしといてあげる。」

 

 会話に一区切りつけた頃、周りを見ると竹は見当たらない。何事も無く迷いの竹林を抜けることができたようだ。

 

「それじゃ私たちはこのまま紅魔館に向かうわ。」

「あっ、人里まで行ってしまうと遠回りになりますもんね。それではお大事にしてください。」

 

 うさ耳はわざわざ立ち止まり、頭を一度下げる。

 

「ええ、ありがとう。」

 

 礼を言い、オレたちはそのまま森の奥へと進んでいく。

 

「漸く見覚えのある場所まで来たな、これで一通りの位置は把握できる。」

「それにしても感謝の言葉が無いなんていつか痛い目見るわよ。」

「痛い目ならもうみた。それにデータを取らせてやったんだ、逆に感謝を言われるのはコッチのほうだぜ。」

「だとしてもよ。」

「それにしてもなんでわざわざ人里を通ったんだ? 遠回りなんだろ。」

 

 別れ際にうさ耳が気になることを言っていたので咲夜に尋ねる。

 

「いつでも帰りたくなったら自分で帰られるように……って言ったら信じるかしら?」

 

 その言葉と表情からは明確に嘘を言っていると判断出来る情報は見当たらない、かと言って本当のことを言ってる情報も無い。と、なるとどちらでもあるってことなんだろうな。

 

「もし、そういうことになったら利用させてもらうさ。」

 

………。

 

……。

 

「咲夜さん、海斗さん、おかえりなさい。」

 

 さすがに夜じゃないし、寝ては居なかったようで門番である美鈴が出迎える。いや、コイツなら昼でも寝てそうだよな。

 

「ただいま美鈴、お嬢様に変わったことはないかしら?」

「はい、咲夜さんが心配してたような事にはなってません。」

「それはよかった、じゃあ私たちはお嬢様のところへ行きましょう。」

「お前はともかく、なんでオレが行かなきゃならないんだよ。」

 

 メイドが主に報告をするのはもっともだが居候が行く必要は無いだろう。

 

「なんでって報告するんだから当事者が行くのは当然でしょ。それにこの後どうするかもお嬢様にお尋ねしないと。」

「めんどくせぇ。」

「そう、なら今日はこの前案内した部屋で休んで頂戴。また後日お嬢様に会うことにはなるだろうけど。」

 

 そう言うと一人で屋敷の中へ向かっていく。咲夜には聞こえないようにするためか、美鈴が小声で聞いてくる。

 

「そういえば海斗さん、腕治ってませんか?」

 

 確か治ったら手合わせしたいとか言ってたんだよな。やってやれないことは無いが、やるとすると怪我は免れないだろう。

 

「……どっちもどっちか。まだ治ってねぇからまた今度だ。」

「そうであれば仕方ありませんね。」

 

 あの薬があればそれなりの怪我でもすぐ治るし、やっても構わないが日にちを置かないといけないらしいからな。数日くらいはこの屋敷のことを知る時間に費やしてもいいだろう。美鈴に一言言ってから主の元へと行った咲夜を追いかける。

 

「面倒だから来ないと思ったのだけど。」

 

 なんとか部屋を尋ねる前に追いついたようだ。もしかすると待っていた、なんて可能性もあるかもしれないが。

 

「なに、屋敷の案内がまだだったのを思い出しただけだ。」

 

 聞き終わると咲夜はドアをノックする。

 

「お嬢様、失礼します。」

「入って。」

 

 部屋には昨日と変わらず紅茶を飲んでいるレミリアの姿がある。

 

「それで怪我はどうなったの?」

 

 意外にもすぐに聞いてきたのは怪我の具合だった。こういう高飛車な奴はもっと違うこと言ってくると思っていたんだけどな。

 

「はい、普通の生活に支障は無いと思いますが数日は休ませた方が無難かと。」

「ふ~ん、だったら今日は屋敷の案内ね。」

「案内する場所なんかあんのかよ。」

 

 さっき咲夜には案内がまだとは言ったもののこの屋敷にそんな部屋がいくつもあるとは思えない。せいぜいあっても調理場くらいだろう。

 

「朝霧とは面識の無い子が居るし、そのついでね。」

 

 屋敷の案内というよりはそいつと会わせるのが目的か。

 

「へぇ、まだいんのか。そんでソイツはどこにいるんだ?」

「地下にある図書館よ。」

 

 単純に世界が違うのなら同じ単語でも意味が違うって場合もある。

 

「図書館? 本が山ほどあるっていうあの図書館?」

 

 意味によってはここが天国にも地獄にもなってしまう以上ここはちゃんと聞かなければならない。

 

「ええ。それこそありとあらゆる本が眠っているみたいよ。」

 

 ここはオレにとっての天国だったらしい。

 

「……おい咲夜、すぐに案内しろ。」

「残念だけど、私は屋敷を掃除するから後で――」

「だったらお前でいい、早速案内してくれ。」

 

 オレはすぐにレミリアを指さす。

 

「私が案内ですって? 嫌よ……でも、どうしてもって言うな――」

「だったら勝手にさせてもらうぜ。」

 

 本が大量にある図書館があると言われたら立ち止まる時間すら惜しいオレはレミリアの答えを聞き終わる前に部屋を後にする。

 

「お嬢様、朝霧くんの案内をお願いできますか?」

「仕方ないわね、今回だけは私が案内しておくわよ。」

「ありがとうございます、ですが急がないと探すのが大変になりますよ。」

「まったく、手の掛かる子ね。」

 

 部屋を出た後、まず玄関付近まで戻り推測を始める。この屋敷に来た時、一階と二階を軽く見たがそれらしき場所は見当たらなかった。となると三階だが上に続くような階段は無い。そこまでわかっていればあとは地下に続く道を探せばいいだけ。それくらいなら最悪、案内がなくとも手当たり次第探せば見つかるに違いない。

 

「ちょっと待ちなさい、朝霧。」

 

 答えを出しかけると追いかけてきたレミリアが声をかけてきた。

 

「あ?」

「今回は特別に案内してあげるわ、感謝しなさいよね。」

「図書館とやらを見たら検討しといてやる。」

「うんうん、ってなんで検討なのよっ。」

「なんかお前には礼すら言いたくねぇからだ、それにそんな小さい事気にする器でもないだろ?」

「もしかして馬鹿にしてる?」

「してねぇ、してねぇ。」

 

 するとレミリアは先を歩いて案内をし始める。

 

「それより、なんで図書館に行きたいのよ。」

「本を読みたいから。」

 

 特に何も言われていないが続いて後ろについて行きながら応える。

 

「いや、それはそうだけど。もっとこう具体的な事よ。」

「具体的ねぇ、強いて言うならありとあらゆる本を読みたいからだな。」

「答えが変わらないような気がするけど……要するに朝霧も本の虫ってこと?」

「虫ってほど貧弱じゃないけどな。」

「だったらパチェとも気が合うかもね。」

 

 そのパチェってやつが居候をしていて、しかも本の虫なんだろう。ってことは図書館にある本はレミリアの所有物じゃないってことになるな。

 

「ほほう、そいつは楽しみだ。」

 

 一階の奥にある部屋の前まで来るとレミリアはポケットから鍵を取り出す。

 

「本来なら鍵を閉めて部外者は入れないようになってるの。」

 

 鍵を開けた先には地下につながる階段があり、先にはまた扉が。レミリアはノックもせずにその扉を開ける、どうやらここの扉には鍵がかかって無いみたいだ。

 

「パチェ、紹介したい人間がいるから来てちょうだい。」

「こいつはすげぇ、まさに天国だな。」

 

 言葉からしてかなり広いとは想像していたがこれじゃあ屋敷がまるごと地下にあるってレベルだ。

 

「どういう風の吹き回しかしら、レミィから人間を紹介するなんて。」

 

 奥から紫色の服を来た奴がぷかぷか浮きながらこちらに来るが、ここまでくればオレには関係ないことだ。

 

「今日からこの紅魔館で居候させるから、顔合わせよ。」

「そう、それでその人間はどこにいったの?」

「そんなに目が悪くなっていたとは気付かなかったわ、私の後ろに居るじゃない。」

「居ないわよ。」

 

 レミリアは仕方なく、朝霧がいた場所を確認する。

 

「……あれ?」

 

 少し周りをキョロキョロすると居候の後ろからぷかぷか浮きながら来た女が申し訳なさそうに口を開く。

 

「あの、その人間なら先程そこの本棚の奥に行きましたけど。」

 

 言われたとおりの場所を覗くと本を読んでいる朝霧がいた。

 

「ちょっと朝霧! 勝手に動くなっ!」

「本読んでんだから騒ぐんじゃねぇよ。っつか、読めねぇ字ばっかだな。」

「読んでないじゃない!」

 

 大声を出すレミリアの横から居候が顔を覗かせる。

 

「はぁ。小悪魔、この人間が読める本を持って来てあげて。」

「はい、わかりました。」

 

 居候がそう言うと羽の生えた赤い髪の女がオレの方へ寄ってきた。特に字が読めないなんてことじゃなきゃ、持ってこさせるんだが生憎と読めない文字が多そうだ。

 

「いや、いちいち持ってくる時間が勿体無い。どうせジャンル毎くらいには分けてるだろうし、そこに案内してくれ。」

「そうですか、それではご案内致しますね。」

 

 オレはレミリアたちを無視して、居候の部下らしき女にそのままついていく。

 

「まだ会ったばかりなのに本を読ませていいの?」

「少なくともあの盗人みたいな行動はとらなさそうだし。」

「おかしいわね、私の顔を蹴ろうとするくらい野蛮なのに。」

「今の彼からは想像しにくいわね。」

 

 レミリアたちから少し離れて、危惧していたことに陥っていたことに気づく。

 

「ところでオレがどんな字を読めるのかわかってて案内してるんだよな?」

 

 まさかとは思うが、気になったので尋ねる。

 

「……どのような字をお読みになられるのでしょうか?」

 

 女は立ち止まり微笑みながら聞き返してきた。それも微笑みというよりは営業スマイルといったほうが正しいかもしれない。どうやらオレがまずやるべきことはどんな本がどこにあるのか、場所の把握なのかもしれない。




いかがでしたでしょうか?

まさか増税で職場が忙しくなるとは夢にも思わなかったです。
駆け込み購入、恐れいりました。

さて今回は紅魔館に帰ってきて、待ちに待った? 図書館イベント……の始まりでした。ちなみにこの作品の小悪魔は長髪設定でどちらかと言うといじりキャラ寄りになりそうです。

次回は図書館イベント後半というパチュリーイベントの予定ですが変わる可能性が大いにありますので読者の方々も妄想を膨らませながら御待ちくださいませ。

読者の方々、ご観覧ありがとうございました。
ご意見、ご感想、ご指摘がありましたらお気軽にメッセージ等にお願いします。
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