理由はなんとなく妄想力が上昇した気分になるから。
それも流石に1週間ほど聞いてくると慣れてくる。
そこで慣れてしまった自分をリセットする為に無音を僕は使います。
無音と言ってもPCの稼動音がありますが、違った感覚になれます。
もちろん個人差もあるでしょう。
少し気が向いたらやってみると何か起こるかもしれませんよ?
それではお楽しみください。
●2014年8月7日 文字数が少なかったので13、14、15話の3話分を合わせて修正投稿致しました。第3章までで本文の文字数が少ない話は引き続き修正していきます。
「それでなにを手伝えばいいんだ?」
予定も無いし、すぐさま何をするか聞く。
「そうね、とりあえず飲み物の用意かしら。」
妥当だな。
「人里に買いに行くのか?」
「大丈夫。酒蔵から酒を持って来ればいいわ、行きましょ。」
そう言うと霊夢は部屋を出て酒蔵へ向かう。
「まてまて、どう見てもオレより年下だろ! 酒とタバコは二十歳からって言われなかったのか?」
オレは言われたことなんて無かったりするが。
「ええ、言われたことないわね。」
「あっそう。」
同じだった。世界が違うし、オレの世界の法律は関係ねぇよな。
「はい、これ持って。」
異世界の凄さを考えていたら酒蔵に着いたようだ。酒が入ってるであろう樽を持つ。
「どこに持ってくんだ?」
「とりあえず縁側に置いといて。」
「あいよ。」
酒蔵から縁側へと、一連の流れを繰り返す事3回。計3個の樽を縁側に置いた。
「良く、息切らさないで運べたわね。」
酒を運び終え、縁側に座るオレに言ってくる。
「これくらいなら訓練してれば誰でも出来る。いや、訓練してなくても平均的な一般男性なら出来ると思うぞ。」
「へぇ、そうなんだ。」
「そういや、宴会って誰を呼んだんだ?」
最初から気になってた事を聞いた。宴会をやるならそれ相応の人数を呼ぶはずだ。
「え~と、海斗と面識があるヤツだけよ。」
「おお、そいつはありがたい。」
これ以上知り合いが増えたら色々面倒だからな。
「まてよ、面識があるって事は早苗も呼んだのか?」
「もちろん。面識あるし同じ外来人だし。」
神はオレに楽をさせてくれないみたいだ。よりにもよって、幻想郷で唯一の天敵を呼び寄せるとは!!
「参ったぜ、コイツは思った以上に厄介だ。どうにかしてアイツを来させないようにするしかないか。」
「どんだけ早苗を嫌ってるのよ。」
「なに言ってんだ? 嫌ってないぞ単に面倒なだけだ。」
「それって嫌ってるのと同じじゃない?」
「そうだったのか。これでまた利口になってしまったぜ。」
「おーっす、海斗!」
森の方向から声が聞こえる。
「よぉ魔理沙。」
「アンタだけなの? 食べ物は?」
「後から持ってくるから大丈夫。」
なるほど、料理は魔理沙が持ってくるわけだったのか。
「それより霊夢聞いてくれよ。」
急ぎながら霊夢のそばへ。
「なによ?」
「あのルーミアが人間じゃなくて、普通の飯食いたいって家に来たんだけどこれって異変か?」
真面目な顔つきになる。
「うそ!? そんな事があったの? でも異変にしては大人しすぎるわね。」
二人は考えている様子だ。ルーミアが人間以外を食べようとしただけで異変扱いになるなんてな。するとオレはそれ以下って事か。
「ちゃんとルーミアは行ったみたいだな。なんか言ってたか?」
「中々美味いって言って食べてたぜ。ってなんで海斗がルーミアのこと知ってるんだよ?」
「……散歩に行って出会った妖怪がルーミアってわけね。」
「ご名答。」
「良く食べられずに済んだな。」
食われそうにはなったがな。右手噛まれたし。
「到着なのだー!」
ルーミアの話をしていたらご本人の登場のようだ。それになぜだかアリスってやつもやって来た。
「おまたせ、魔理沙。」
「遅いぜ、アリス。」
確か面識があるヤツだけ呼んだんだよな。霊夢が出かけてたときにはまだ会ってないんだが。
「なんでお前が来るんだよ?」
「宴会は人が多い方が良いって魔理沙に誘われたのよ。」
なるほど。
「確かアリスと海斗は初対面だっけ?」
「そういえばお互い自己紹介がまだだったわね。私はアリス・マーガトロイドよ。」
「この無愛想なただの人間が――」
「良い人間なのだー!」
魔理沙とルーミアで勝手にオレの紹介をする。
「もうただの人間がどうのってのにはつっこまねぇ。おい、るーみあ。」
「なぁに?」
「てめぇ、オレ様の名前を忘れるなんて良い度胸してるじゃねぇか。」
笑いながら両手で思いっきり頬を摘む。
「ひはいのら~。」
妖怪でも多少痛いのか、目が潤んでいる。
「ちょっと止めなさいよ、海斗。」
意外にも止めに来たのは霊夢だ。
「霊夢もやってみるか? ほっぺ柔らかいぞ。」
「……じゃあ、ちょっとだけ。」
ちょっとだけと言っているがなんだか生き生きしている。そして頬を掴んでいる力は明らかにオレより強く、ぎゅうっと言わんばかりだ。
「あ、なんか癖になりそう。」
「あっちはほっといて、コイツは朝霧海斗ってんだ。」
「呼び捨てで構わない。」
オレはルーミアから離れて、アリスの方へ移動する。
「わかったわ宜しくね海斗。それとさっきはありがと。」
そう言ってアリスは手を出してきた……いつもなら握手なんてしないが、今日ぐらいは良いだろう。
「気にすんな。普通なら手当てされたオレが感謝する方だしな。」
オレとアリスは握手をした。
「魔理沙もやってみない?」
「……ちょっとだけだぜ。」
霊夢から魔理沙へ摘む人は変わるが力は変わらない。日頃のストレスだろうか、おそろしい。
「確かに、癖になりそうだぜ。」
良く見たら小さい子をいじめてるようにしか見えないな。まったく酷い奴らだぜ。
「それはともかく自己紹介も済んだことだし、ちょいと早いが飲まないか?」
待ちきれないのか魔理沙は頬を掴むのをやめて話を切り出す。
「早苗がまだだけど、始めちゃいましょうか。」
呼ばれておきながら待ってもらえない早苗の扱いに僅かだが同情する。
「はい、海斗。」
注いだ酒をオレに差し出す。神社ということもあって升かと思ったが意外にもガラス製のコップだ。酒は好きじゃないんだがここでそんな野暮なことは言えないか。
「ああ。」
それぞれの手に酒が行き渡る。
「それじゃあ、乾杯なのだー!!」
カンッとそれぞれが持っているコップを軽く当て、オレ意外の奴らは一気に飲み干す。
「ぷは~。やっぱり酒は良いぜ!」
「コレだから止められないわ。」
「まったく二人とも飲み方が荒いんだから。」
ガキの癖に飲みなれた様子だが定期的に宴会を開いてれば嫌でも慣れるか。
「なぁアリス。」
アリスが座っている縁側に近づく。
「なにかしら?」
「上海は留守番してるのか。」
周りに人形が居ないから気になった。
「ええ。飲んだり食べたり出来ないからね。」
人形だし、そりゃそうか。
「それなら仕方ないな。」
「家に来れば会えるわよ、海斗なら歓迎するわ。どうせ道だって覚えてるんでしょ。」
「……そうだな、また今度行く。その時は人形作りを見せてくれないか?」
いつになるかわからねぇけどな。
「ええ、いいわよ。」
普通なら人形作りを見れる機会なんて無さそうだしな。
「海斗ってば全然飲んでないじゃない。もしかして下戸?」
左側から霊夢が声を掛けてくる。
「生憎と酒飲んで酔ったことは無い。」
アルコール飲まされて酔えば殴られてたからな。
「どうせ甘酒くらいしか飲んだこと無いんじゃないの?」
「逆に甘酒の方が飲んだこと無ぇよ。ま、俺の世界で飲んだ酒よりか美味いってのは分かる。」
「なー、霊夢。早苗のヤツ遅くないか?」
魔理沙が右側から、オレの左側に居る霊夢に聞く。
「きっとあの二人のご飯作ってから来るんじゃないの?」
そういや前に会った時も夕飯作るとか言ってたな。意外に家庭的なのかもしれない。
「そういうことならオレに任せろ。」
ルーミアを除いて全員の視線がオレに向けられる。
「何を隠そうオレはエア早苗のプロなんだ!!」
「じゃ、やってみなさいよ。」
「もうやってるんだが。」
霊夢、魔理沙が黙ってオレを見る。
「……もしかしてエア早苗ってあたかも居るようにじゃ無くて空気って意味なんじゃない?」
さすが頭脳派のアリスだ、こんなにも早くばれるとは。
「おい、一人で全部食うなよ。」
こいつらはほっといて飯を食べよう。今食っておかないとルーミアに全部食われちまいそうだ。
「どうだ、美味いか?」
「うん! でもまだ人間の方が美味しいかなー。」
慣れ親しんだ食生活はそう変わらない。元々食ってるのが不味いモンだったら平気だが、ルーミアは違う。人間が美味しいらしいからな。
「時間なんていくらでもあるし。気長に探せよ。」
「そうするのだー。」
さて、オレもなんか食っておくか。
「アリスは食わないのか?」
他の二人は別にいいか、つまみぐらいを残しておけばいいだろ。
「そうね、戴くわ。」
そう言い、縁側から部屋へ。
「ほら、酒だ。」
空だったみたいだし酒を注ぐ。
「ありがと。」
………。
……。
「なんか早苗の扱いが酷いぜ。」
「初対面のときから苦手なんだってさ。」
「……へぇ、そうだったんですか。」
魔理沙と霊夢は驚いた様子で振り返る。
「い、いつからいたんだっ?」
恐る恐る魔理沙が訪ねる。
「今来たばかりです。それにしても海斗さんが私のこと苦手だなんて。」
見る見る内に目に涙を溜める。
「ちょっと落ち着きなさいよ、話には続きがあるんだから!」
「ほんとにあるのか?」
小声で魔理沙が霊夢に訪ねる。
「……ない。」
魔理沙はため息を吐く。呆れた様子だ。
「早苗が来た事に気付けないなんて……エア早苗、恐るべしだぜ。」
面倒な事になりそうだと感じたためか、魔理沙はつまみを取りに行く。
「続きってなんですか?」
「えっと~、そうそう!実は照れてるみたいなのよ!」
「私が居ないところだとどんな風なんですか?」
「え?」
さすがにエア早苗してた、なんて言えない。
「……早苗の話ばっかりでもう大変なんだから。」
間違ってはいないわよね、主に悪い話だけど。
「そ、そうですか。」
「とりあえずお酒飲まない?」
「はい、いただきます。」
霊夢は早苗に酒を注ぐ。
「はい乾杯。」
「ほら適当につまみ持って来たぜ。」
スルメ、焼き鳥、ピーナッツなどお決まりのつまみを魔理沙が持ってくる。
「それにしても霊夢さんから送別会のお誘いが来るとは思いませんでしたよ。」
「そうだな、と言うか初めてじゃないか?」
二人は最初から疑問だった事を思い出したのか話し合う。
「そうだったかしら?」
「もしかして霊夢さん、海斗さんのために?」
「べ、別に。」
「怪しいなぁ。」
笑いながら、二人して霊夢をからかう。
「でも魔理沙だって初対面で家に泊めたんでしょ。なにか裏があったんじゃないの?」
「そ、それは仕方なかったんだって。ってなんで知ってるんだ?」
「ただの勘よ。」
「まさか、魔理沙さんまで。」
三人はなんだかんだで盛り上がっているようだ。
……時間の過ぎ方は千差万別。早く感じる時もあれば、遅く感じる時もある。苦しい事や、辛い事は後者に。楽しい事や、嬉しい事は前者。さらに人それぞれでも感じ方は変わるだろう。それは今も例外ではない。
日はどんどん沈んで見えなくなる。そのかわり月は輝く。こいつらはどう感じたのだろうか。それを知る術は本人に聞くしかない。オレは……そうだな、早く感じたと思う。気がつけば3日、そんな感じだった。
………。
……。
「っと。」
とりあえず縁側で寝てる魔理沙を運ぶ。一応起こさないよう抱えている。俗に言う、お姫様抱っこってやつだな。早苗が来てからは他愛の無い雑談をしながら酔いつぶれたようだ。これがいつもの光景なのだろう。それでもアイツはまだ来ていない。恐らく話の場に誰か居たら困るのだろう。オレもその方がやりやすい。皆に布団をかける、夜は気温も下がるみたいだしな。
「おまたせ。酔ってないみたいだけどお酒は飲まなかったの?」
噂をすればなんとやら。本日のメインディッシュがご登場だ。
「もちろん飲んださ、少なめにな。飲むのか?」
オレは酒の入ったコップを差し出す。
「ええ、戴くわ。」
それを受け取る。
「私、乾杯したいんだけどなぁ。」
オレの事をチラチラ見てくる。
「面倒なんだが。」
それでも紫は飲もうとしない。
「わかったよ、乾杯だ。」
「ふふっ。海斗に乾杯……。」
そう言って微笑む。
「そういえば海斗は未成年だからお酒の経験が少ないのよね?」
「さぁな。」
ま、仮に霊夢たちと同じ量の酒を飲んでも酔うことはないだろう。
「正直、酒を美味いと感じた事は無い。」
「そうなの。」
紫は残っているつまみを食べる。つまみ以外は殆どオレとルーミアが食っちまったからな。
「ところで話ってなんだ?」
「霊夢がなんで宴会を開いたか理由は知ってる?」
「いや、定期的に開いてる事しか聞いてない。」
嘘だった。
宴会について気になった事があったからアリスに聞いていた。宴会は開くが定期的ではなくたまにしか開かない事。開いたとしても霊夢から開く事が無いという事。いつもとは少し違う宴会、と。
「嘘は良くないわよ……海斗なら気付いてるんでしょ。」
もちろん表情から読ませないようにしてはいる。
「嘘じゃねぇよ、霊夢からはそれしか聞いてないからな。」
「なら理由を教えてあげるわ。」
真面目な表情に変わる。
「それはね海斗……あなたのためよ。笑顔で送り出したいって霊夢が自分からね。」
「…………。」
「今までの霊夢だったら他人の為に動こうとはしなかった、ルーミアが人間以外の食べ物に興味を持ったのも、上海人形に感情が芽生えかけてるのだってそう。」
「遅かれ早かれあいつらなら変わってたと思うぜ? 時間の問題だろ。」
「そう、時間の問題だったの。でも海斗と出逢うことで変わったのよ。だから私は海斗にこのまま幻想郷に居てほしいと思っているわ。」
「はっ。何を言い出すかと思えばそんなことか、冗談は程々にしろよ。」
紫の目はオレを離さない。どうやら冗談ではないようだ。
「残念だったなオレにはやる事があるんだ。それをほったらかしにする事は出来ない……正直に言うと幻想郷の雰囲気は嫌いじゃねぇ、むしろ心地良いくらいだ。今、やるべき事が無ければ少しは迷ってたかもしれない。」
オレは紫の目を見つめ返す。
「そうよね、アナタにはアナタの世界がある。」
「ああ、オレにはオレの。お前らにはお前らの世界がある。少なくとも今の用事が終われば遊びには来てもいいかもしれないがな。」
「その時は覚悟しときなさい。」
お互いに笑う。二人とも今日の結末を予想していたかのような微笑み。そして……この先もう一度会うことさえも。
「紫の話はこれで終わりか?」
「そうね、終わりにはしたくないんだけど。」
「んじゃ、次はこっち――」
目の前にスキマが現れる。
「皆が酔いつぶれてる間に帰りたいんでしょ? 正確には酔い潰した間に。」
どうやらオレの考えも分かってるようだ。
「でも、ちょっと可哀想なんじゃないの? 何も言わずに行くなんて。」
「じゃあ楽しかったって伝えといてくれよ。」
「それは海斗自身が伝えなきゃ。」
「……考えとく。」
スキマを潜ろうとした時、忘れてた事があったのを思い出した。
「そういや、お前の名前まだちゃんと聞いてないよな。」
「そうだったわね、私もちゃんと聞いてないわ。」
オレは紫が座っている縁側に振り返る。
「ご存知、スキマ妖怪の八雲紫よ。」
「霊夢から聞いてるかも知れないが朝霧海斗だ。」
僅かだが紫はオレの名前を聞いて驚く。いや、正確にはオレの苗字か。
「それじゃあな。」
たとえ親父を知っていたとしても関係ないことだ。さっさと帰らせてもらうとしよう。スキマを潜る。
………。
……。
海斗がスキマを潜ってから数分。紫はスキマを閉じる。
「そう、朝霧って言うのね。」
その顔は昔の事でも思い出しているような表情。
「通りで見覚えがあるわけか……。」
空になっていた酒を注ぐ、自分の分と海斗の分に。
「あの男には無かった優しさが、海斗にはあるみたいだけど。」
今アイツの事を考えても仕方が無い。この幻想郷に変化をもたらしたのは海斗なのだから。
「今後何もないようなら私の見込み違い。何かあれば私の計画は続ける事が出来る。」
今日のことは予想できた。宴会で皆が寝た頃に帰らせろと言ってくる事。今は幻想郷に留まることが出来ない事。でもこの先の予想は出来ない。
「幻想入りした、朝霧海斗に乾杯……。」
酒を飲みながら紫は月を見つめた。
いかがでしたでしょうか?
今回の話でとりあえず出演予定のキャラとは挨拶をしました。
ギャルゲーで言うプロローグですね。
1章はあと2話程で終わります。
1章が終わりましたら少し休もうかと思っています、1週間ほど。
現時点では「暁の護衛」を知らない人では楽しめないと思うので、人物&用語説明を載せる予定です。
少なくとも明日はバイトないのでかなり有意義な睡眠を取る事が出来ればこのペースを続けると思います。
タグにご都合主義ってつけた方がいいかな?
ご観覧ありがとうございました。
ご意見、ご感想がありましたらドシンドシンとお願いします!