もし1㍉も乙女ゲーを知らないアタシが悪堕ち転生をしちゃったら?   作:ぴんぽんだっしゅ

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なにか起きないはずないよね、アレッ?起きないはず……アレーッ?

登校したんだ、うん。

 

でも──普通。

入り口で……何も無い。

門でも……、教室に案内されても……、自己紹介をしても……、席に着くまでにも……。

ふふ、けっこう肩透かしだったじゃん、案外。

 

こーゆー時。

門で騒がれて、入り口で騒がれて、教室に案内されると大勢に囲まれて……自己紹介が始まると囃し立てられて全然喋れないってのをだよ、予習じゃ無いけど思い描いて一人鬱モードに突入してた朝のアタシはなんだったってのよ!

道化みたい、いや……そうじゃない。

こーゆー時のためのいっちばん有名な言葉をアタシは知ってる、自信過剰ってゆーんだコレ。

ひとりで吹き上がっていただけなんだって。

 

 

ヴァリアリアーナ幼年舎は帝都の中心から外れた、すこし北のエリアに建っていた。

中心から外れたというのは、大きな敷地を確保しなくちゃなんだ、きっと。

 

アンダルネ邸もバカみたいにデカく思えたんだけど……学校はそれの範疇になんて収まらなくて学校と比べたらかわいいものだった。

 

「この森が、全部……ヴァリアリアーナ幼年舎……って学校の敷地?半径でいくらになるだろこれ……見える範囲ざっと何もかも森に見えるんだけど?」

 

言葉の通り、馬車に乗ったアタシの目に映ったものは余りにもスケールの大きな学校の庭……庭なのか、コレって。

 

庭っていうならとんでもない広さの校庭って言えるかな。

アリアーナの森、というらしいこの森は帝都の北エリアの一角のほとんどを占める、歴史ある由緒正しいヴァリアリアーナ幼年舎の土地なんだってさ。

 

さらに詳しく教えて貰うと、馬車で森の端からもう一方の端まで2時間くらいだと……それはもう、驚きの広さだった。

 

木の一本一本はそれ程の高さ、密度じゃなくて、木のトンネルは出来てなくてそこそこ暗いかな?程度なんだけど馬車の手綱をとる御者が言うには、深いとこは深くて手が全く入ってないとこもあって危険って言われてるとか。

そうしてたら馬車が停まって、そこはヴァリアリアーナ幼年舎の門で。

 

門の作りも大きいかと思ったけどそこまでじゃ無かった、アンダルネ邸の門の方にこちらは軍配があがるね。

 

それでもアタシの身長よりずっと高くて大人の目線くらいのとこにある。

 

つまり割と低めの壁がぐるりと敷地を囲ってあるのか?

門の前に立つと右も左も視界に映る範囲に壁と壁の切れ目は無くってどちらも森の方に姿を消していく。

 

門を抜けると森が拓かれて広い空間が広がっていた。

石畳が敷かれて、多少のアップダウンのその先に大学のキャンパスのような、団地の密集地帯のような、パッと見でああこれが、これから通うことになる学校かって解る作りになってて。

 

「うげ。馬車帰すんじゃなかった、五百メートルくらい歩かないといけないんじゃないの?これって」

 

初めての登校の感想は『ムダにでけーの作りやがって歩くのたりーな』だった。

 

 

 

 

────・・・

 

「ちっ。ふっざけ……、なんでこんな空気になんだよ!」

 

……この、なんてゆーかいたたまれないやっちゃった感を演出してくれるクラスの子たちの空気、教室全体の雰囲気。

 

事前に何か根回しがあったのかもね、モリング校長とかが。

 

先生の声で学期末で編入って大変ですけど頑張って、って聞こえた。

聞こえはしたけど、現実逃避をしててちょっと聞き逃したとゆーか、スルーかな……右から左へ完全に通り抜けてっただけで頭に入らなかったよ。

 

今は5年生、ふた月後には6年生……。

 

そうなのか、12月が学年末らしい。

 

今はその終月のふた月前だそうで、この時期……夏が終わってもうすぐ最終学期て時期にだよ、入学してくる生徒はまず居ないんだって。

 

ああ、それから。

アタシは人妻でしょ?婚儀前とは言え嫁いだ婦人が入学した事も前例無し。

 

そこで改めて、アタシが教室でした自己紹介がコレ。

 

「ティルフローズ・ルヴェゾ・ディボタルタ、11歳。変な時期ですが、入学しました。皆さん?文句あんならかかって来い!」

 

白い視線が痛いけど。

それがどうした、アタシは無視はされたくないんだ。

 

でもでもどうしてもそんな事で漫画やドラマ的に敵対心剥き出しでアタシに食い付く生徒はいなかったんだ。

 

貴族って、お高く止まってんなー、取り敢えずゼリエに勝たなきゃなんないんだよね、場数は踏めるだけ踏み抜きたい!

 

いまだに掴まれるまで動き出したゼリエの姿が見えないなんて、勝つとかそんな次元は遥か彼方って感じじゃないのか?

 

せめて、ゼリエが動いた!はい、迎撃に待ちガードで対応!な状況くらいにはしたいんだけど。

だから、何としてもバトル、バトルの日々って生活を送りたいんだ。

 

しっかし、思いはでっかく、実際は空回り。

そんな言葉が頭を過るくらいになんの成果もないんだって。

教室に熱を持ち込めなかった、アタシに抱いた敵対心から発するドロドロとした熱を。

 

誰からも敵意を向けられるようでもなくて虚しい、お姉ちゃんは虚しいよ。

ティルフローズは11歳、だけど中身はアタシで……アレ、アタシって何歳だ?

いや、ちょっとよくわかんないですね……ま、まあでも二十歳は行ってたんじゃないかな?

 

時々お酒が恋しくなる年頃なティルフローズ11歳♪

て、字面はとてもダメな感じとゆーかダメだろうな。

未成年でお酒、ダメ絶対!

お酒は二十歳から!

 

よし、これだけ言っとけばだいじょーぶだいじょーぶ!

 

注目は浴びたけど興味は持たれなかったぽいです、残念でした。

○あっ○ゆー!までしたのに、それも伝わらないなんて!

 

 

 

 

スヤスヤ〜♪

 

疲れてないはずなのに、何故か疲れた気がして1時間目からグッスリ、寝ちゃった。えへ♪

 

だから、1時間目の担当講師の顔も知らないままってね。

 

2時間目は帝国歴史の講師、あー!リズの記憶の中にも有ったっけ、そんなの。

 

「あー、皆さんも知っての通り、我が帝国はまだ建国から間もない、周辺の国から見れば歴史の浅い国とみられておる」

 

知らなかった、帝国は新しい国なんだって。

正確には、王政から帝政に変わった。

 

何の違いがあるのか解らないんだけど、帝政に変わって一番の違いは兄弟姉妹国を次々に併合したよ。ということ。

 

それで国力が跳ね上がって周辺国を捩じ伏せて、友好的に共生してた獣人達を蛮族と呼んで敵視した上でその領地を掠めとる。

 

「汚い字だども、みれっが?」

 

「うん。ありがと……助かる!」

 

ま……アタシが歴史の授業を隣の席のキャシャリンから、聞きかじりながら得た情報を更に自分フィルターで濾し取った上の推察なとこも大いに含まれているんだけども。

 

「えがったーえがった。見れたら恥ずがしいがやげど。がんじゃされだらアだしも嬉じいよ」

 

キャシャリンはキャサリンなのか、カタリンなのかちょっと訛ってる娘だ。

銀髪の、毛という毛が銀色の女の子で長い髪は胸にまで。

 

きちんと制服を着ていて、襟元にペンダントがゆらゆら揺れている。

 

背はティルフローズより高い?まだ座ったままだからハッキリとは言えないんだ。

 

でも、可愛いじゃなくて奇麗な子、アタシは花っぽいなと思った。

銀色の花なんて存在しないのにね。

 

あ、解った。

鼻を擽った優しいこの香りは金木犀。

だから花なんて頭に浮かんだんだ。

 

隣から見てるだけでなんてゆーかー絵になる。

ずっと見ていたい気にさせる、アタシが男なら一目惚れしちゃうかな……おっきくなってもその容姿変わらず綺麗なままなら、王子様だって落とせるかも知れない。

 

減点があるとしたら酷い訛りだけどね、それは努力次第でしょ。

 

キャシャリン?は左隣で右にも、生徒は居る。

名前は後で聞いたんだけど、バグラート。

 

「よろしくなぁ……。新入り?俺は、バグラート。ゆくゆくは大将軍エポのような英雄となって───」

 

「あー。いい、いい。そーゆーの。シツコくなるから。アタシはティルフローズ、血沸き肉踊る学園生活を送れたらそれでいいの」

 

コッダ公爵次男なんだって自慢したけど、そんなの!

アタシは、ヴェロヴェスの姫で!

ディボタルタ公爵婦人!

なんですよねー、自慢じゃないけど残念でした。

 

バグラートの事を説明すると、快活な男の子だ。

 

ちょこれーとみたいな濃い茶色で短髪、制服のボタンを全部外して窮屈さからの脱出なのか、長い袖を腕捲りしている。

体躯はがっちりしてそうで、どこを見てそう思うか?解らないけど、熊っぽいなと思った。

 

いや、小学生ていどの肉感で熊ってどうなのよと思うかもですけど田たけしって凄い分かりやすい熊系小学児童がいるわけで、存在しないとは言い切れないでしょ?

つまり、そういうことだ。

バグラートを見たらジャインに何処かしら見えたって事ね?

それくらい言わなくてもわかって欲しい。

顔や髪型は違うのよ、あくまで体形ががっしりしててだねー。

 

3時間目は数学。

 

キャシャリン?の綺麗なノートを覗き見しながら、授業を受けた。

「こんなの、簡単だよー」

 

「わ。ティルブローズさん、めったがいいね♪アだしなんて、まだあこんなの、ようわがらんよ」

 

何て事は無い、桁数の多い掛け算をしていたんだから。

ぜんせでは小学生の時点で終わってるレベルな訳で。

それでも、へんな癖が出てた。

数字を数えるのに指を折って数えてたんだよ、なんか変!

リズの持っていた癖だったのかな?

 

授業を受けてる風を装って、このクラスを観察する暇が生まれてしまう。

 

どうでもいいけど、キャサリンは訛りなんだか、辺境語なんだか意味ふな言葉が混じるんだけど……辺境伯だか、その辺の子女だったり生まれだったりするんだろーな。

 

 

 

木製の、並んで5人が座れる長机がひいふうみ……、18。

 

教室はぜんせでは一般的な教室の、3個ないし4個分くらいの広さで横3列、縦6列に並ぶ長机が1段1段高さが階段上に高くなる。

小学校や中高ではなかなか見ない教室だけど、大学なら一般的なのかな……って思考を巡らせたとこで脳内の矛盾が発生。

 

ティルフローズの脳内の記憶は勿論アタシとそれとリズ、元々のティルフローズの記憶を共有しているカンジで、お互いの知らないまたは知っているけど価値観の違う何かが、脳内でカチンコすると頭の中で闘ってるみたいで気分が悪くなったりする。

 

これは意識の共有の為にズレを、修正していたりするのだったりなのかも。

 

黒板に黒板消しにチョークは古き良きぜんせでは慣れ親しんだ風景な気がする、ってもある段階でホワイトボード使ってた記憶もあるから本当に小さい頃の記憶だったのかも知れないけど。

 

そして、キャシャリン?の必死そうなノートを取っている姿を眺めていたら、数学は授業終わりの鐘の音がどこかにある鐘突堂から流れて来る、退屈はしなかったけど身にならない授業。

 

そして、お昼休みが始まる。

 

 

 

 

 




花火を見て、花火のムービーを見ただけなのに疲れたぉ。
暑さと熱と湿気どうにかなんないかなぁ。
でも、冬は携帯触る気にもなれなくてもっと嫌なんです。

学校、通学始めってことで新キャラが続々と出ますよー、作者も覚えてられるか心配なくらい。
でも出さないと始まんないしね、クラスの子とか、学園の有名人とか。
そーゆーもんでしょ、でもって斜め上を攻めたい!
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