流れ星のような幸運だと思ったのに、どうしてこうなった 作:ルーニー
はい。ジャンクマンの一人称が『オデ』ではなく『俺』になってたので修正しました。
ジャンクマンファンとして恥ずかしい限りです……。
さて。さてさてさて。これはいったいどういうことなんだろうか。ビジライザーが起動したと思ったら、ジャンクマンが見えるようになってる。試しにビジライザーを外してみると見えなくなるからビジライザーのおかげで見えるようになっているんだろうけど、それはそれで疑問が浮かんでくる。
「……これ、どういうこと?」
『イヤ、オデニモワカラン。ナントナクデヤッテミタラデキタダケナンダ』
……何となく。何となくか。はてさて。本当にどういうことなんだ?
俺はジャンクマンのことをずっとネットナビに近いナニカだと思ってた。今じゃネットナビなんていないからどう時代が変わったんだという疑問もあるけど、いないという事実がある以上すでに廃れた技術であることは違いない。
それに、ネットナビは例外を除いてインターネットの中でのみ活動できる存在だ。目の前にいるジャンクマンのように単体で浮かんでいるように存在できるようなものじゃなかったはずだ。だというのにジャンクマンは目の前で浮くように存在している。本当にどういうことなんだこれは。
「……まぁ、何となくでやったのはいいけど。いや壊れる可能性を考えたらよくないんだがそれは置いておくとしてだ。結局、何をやったんだ?電気とかじゃなさそうだし、まさかプラグインでもして動かしたのか?」
『ソンナコトハシテイナイ。タダ触フレテミタライキナリ起動シタンダ』
「触れたら起動した?」
……ますますわからん。触れただけで起動したのは、どう考えてもジャンクマンが触れたことがきっかけで起動したからとしか思えない。そうじゃなきゃ一日中机に張り付いて調べていてもさっぱりわからなかったことと本職が分からなかったことの説明にならないだろう。
じゃあ、それを起動させたジャンクマンは何もなんだ?
「…………」
『……リオン?』
「…………うん。わからん」
『ハァ?』
考えてもちっともさっぱりわからん。それに、わかったところでそれがどうした?としか思えてこないだろう。ジャンクマンとは5年以上の付き合いになるが、大体のことは分かってるつもりだ。今まで何かがあったわけじゃないしそうそう変なことにはならんだろう。
「……それよりもだ」
『ナ、ナンダ?ソンナジロジロ見テ』
「いや。お前の身体どうなってるんだ?」
今まで俺はプログラムだと思っていたけど、プログラムだとしたらこんな風に外に出ていることになるのはおかしいだろう。ネットナビはちゃんとした媒体があって初めて外に出てこれるんであって、何も媒体がないのに存在しているのはどう考えたっておかしいだろう。いや普通にしてたら見えないから完全におかしいというわけではないんだろうけど。
『……オデモヨクハワカラン。知ッテル通リ、オデハアソコニイタ以前ノ記憶ガナイ』
あぁ。そういやそうだったな。俺が見つけた時はPETの中にいただけだったし、俺の知っているジャンクマンそのまんまだったから興奮して連れてきたもんなぁ。その時に記憶はないって言ってたし、名前だってジャンクマンはそのまま俺が言ったのを使っているだけで本当の名前とか一切知らない。
まぁそれで不自由があったわけでもないし、ジャンクマンが何か思い出すまでそのままで行こうってなってるから特に意味深なことはないんだけどな。
『ガ、今マデ聞イテキタコオトヲ考エルト、多分オデハ電波ナンダト思ウ』
「電波?」
『アァ』
電波。電波。電波ねぇ……。パッと思いつくのは、この世界が電波によって発達しているということだな。けど、電波っていや文字通り波のように広がるものだろ?なのにこんな風に形を形成して、しかも心までできるとは思えん。まぁ、形成されたと考えるなら話は別な気もするが、そこまで考えてたら話が進まん。今はそういうもんなんだってことでいいか。
「電波ねぇ……。んじゃこのビジライザーは電波でできたものを見るための装置か?なるほど。そら仕事で使うわな」
宇宙に関する仕事だし、この世界は電波で発達してる。電波について何かあった時や不具合があった時に可視化できるようなものがあったらそら使うわな。
「しっかし、となるとあれも電波でできてんのか?こりゃ学ぶことが増えてきたなぁ」
電波が見えるようになったとなれば普通以上に身につくとは思うけど、それでも全く知らないことを1から学ぶのはきっついなぁ。しかも教師もいないし全部独学で行くしかないからなぁ。きついにもほどがあるって。あ、いや待てよ。ワンチャン天地さんに教えてもらうって手もあるか。今度会ったら聞いてみるのもいいな。
『……ナニモ、言ワナイノカ?』
「え?何を?」
『オデガオ前の思ッテイタヨウナヤツジャナイノニ、ナニモ言ワナイノカ?』
……ん~。ん~?
「悪い。言っている意味が分からん」
『ハ?』
「いや、そらお前とは付き合い長いけど予想と違うようなことをしててもおかしくないだろ。しかも自分んのこと覚えてないんだろ?予想外なことが起きても不思議じゃないだろ」
つーか、人付き合いしてたら予想と違うってことぐらいいくらでもあるだろ。いや構築しているものが違った!とかいうのは滅多以上にないことだと思うけど。そんな頻繁にあったら怖いな今の常識だと。
「……いや、そんなことよりどこで電波ってことを聞いてきたのかがすげぇ気になるな。え、なに。もしかしてプログラムくんみたいなのがいるの?」
ソレなら是非話しとかしてみたいな。色々なことを知れるだろうし、もしかしたらネットバトルの参考になるかもしれんしな。ふぅ!テンション上がってくるなぁ!
『…………』
「……どした?」
『イヤ。深ク考エテタノガバカバカシク思エテキタナ』
「おいそれどういう意味だ」
まるで俺がなにも考えてないって言いぐさじゃねぇか。ったく。失礼なやつだ。否定はできないがな!
『……?』
「どした?急に外を気にし出して。なんかあるのか?」
『イヤ。ナニカ、大キナモノガ動クヨウナ音ガシタヨウナ気ガシテナ』
「音?」
急に外を気にしだしたジャンクマンにつられて外に注意を向ける。しばらく外に注意を向けていたが、それらしき音は俺には聞こえなかった。
「……気のせいじゃねぇの?俺には聞こえなかったぞ?」
『……ソウカ?イヤ、ダガ確カニ聞コエタンダガ……』
んー?なにも聞こえないけど、ジャンクマンが聞こえるっていってるなら本当にそうなんだろうかねぇ。
『……ヤッパリ気ニナル。様子ヲ見ニ行ッテクル』
そういうとジャンクマンは窓の外へと飛んでいった。
……まぁ、技術が発達しているとは言え、こんな田舎でそんな悪いことにはならないだろ。けど、何があったのかちょっと気になるな。俺も様子ヲ見に行ってくるか?あ、なんの音がしてるのか聞くの忘れてた。