ココロコネクト 面倒くさがりが紛れ込んだようです 作:黒木龍牙
「おにーちゃーん。あーさでーすよー!!」
そう言った甘い声。
俺には妹がいなかったはずだが?
目がさめると、俺の部屋がプロレスのポスターで埋め尽くされていた。
いや、違う。
俺が入れ替わったのか。
だが、次の瞬か
ジリリリリリリリリリリリリリリ!!!
「うるっせええええ!!!!」
俺の体に戻ってきた。
だが、誰だ。
俺の体で、耳元に目覚まし時計を持ってきたやつは?
いや、違う。
俺が移動していたのだ。
寝相が悪い………………、青木いいいいい!!!!
「おや?起きていたのかい、リョウトくん?」
「あ……、おはようございます。」
頭を抱え、心の中でその本人の名前を呪うように叫んでいると、俺をいつも起こしに来てくれる義兄さんが、俺の部屋に入ってきていた。
「今日は早いじゃないか。」
「あ……、昨日はアリスが来ていたので、風呂に行こうに行けなかったんです……、なので朝に……、と思いましてね。」
「そういえば、来ていたね……。まあいいか。早くシャワー浴びてくれよ〜?」
「へーい。」
俺はタオルを持ってシャワーを浴びて、着替え、カバンを持って、革靴を履いて玄関を出る。
ガレージに止めてある自転車の鍵を回して外し、ペダルを踏み込む。
さあ、学校だ。
昨日の夢は何だったのか…。
俺は不快感を覚えつつ、学校に向かっている途中で携帯が鳴った。
自転車を道路脇に止めて携帯を見ると、メールだ
そのメールは唯からで、こう書いてあった。
『朝から部室に集合。(強制)』
唯は絵文字を使うのでこれは唯ではない。
伊織や、義文も使うので却下、という事は……、稲葉か。
俺はそれを見て俺は了解と送り返し、ポケットになおして、ペダルを強く踏んだ。
部室に着くと、大変なことになっていた。
稲葉が唯に、唯が義文に、そして、義文が稲葉になっていた。
「全く……、どうしてこうなった。」
「朝、起きたらリョウになってて驚いた……、でも目覚ましが鳴り始めたと同時に体に戻ってさ。」
「っていうか、なんでこんなに可愛くない体にならないといけないのよおおおお!!!!」
「唯!?落ち着いて!?」
「義文、耳まだ痛いんだが……。」
「なんか、収拾つかなくなってないか?」
唯がギャグキャラに走りかけている気がします。
順に稲葉(唯)、青木(稲葉)、唯(青木)、伊織、俺、太一の順だ。
俺は舌打ちし、ソファに寝っ転がる。
もうすでに二時間目が始まっている。
だが、これからはこうもいかないだろう。
俺はもう一度舌打ちをする。
「ねぇ、太一……、龍斗の機嫌……、悪くない?」
「ああ……、名木沢の機嫌はいつにも増して……、だな………。」
「聞こえてんぞ、二人。」
はぁ、とため息をついて、立ち上がる。
もうそろそろかな?
と思った瞬間、3人がハッと息を飲んだ。
「「「戻った……。」」」
さて、次の授業からか。
昼休み、もちろん、一、二時間目のサボりのことだろう。
俺と唯、それに義文が職員室に呼び出されていた。
もちろん、向こうのごっさんのところにも、太一と伊織、稲葉も招集されている。
「桐山さん。正直に答えてね?なんでサボったのかしら?」
「き、昨日みんなで食べたミニチョコパンが腐ってました!!」
「本当に?」
「その通りであります!平田先生。第一嘘ついて何やってたと思われてるんですか……?」
我がクラス1組の担当教師、平田涼子先生である。
おっとりめで服もゆるっとしたのを着ている。
だが、この間の文化祭騒動で、日本史の田中先生と付き合っているので、狙われる心配はないと思われる。
そして唯に質問し、義文に確認を取る、といった感じだった。
青木の言葉に顔を赤くする先生。
おい、何を考えていた。
まあいいけど。
「コホンッ!でも、無断で休む事はあまりしないでね?心配だから。はい、お話は終わりよ。」
パンッと手を合わせ、そう言うと、義文と唯が離れる。
その瞬間に俺はポケットから紙を取り出し、先生に渡す。
小声で話し合う。
『いつもありがとうね。リョウくん。』
『いえいえ、応援してますから。』
そう、前に言っていた、料理のレシピだ。
俺はすぐに義文たちに追いつく。
「じゃ、さっさと教室に帰って飯食うぞ。」
「私は雪菜達と食べてくるわ。」
「おーう、唯行ってら〜。っつー訳で、リョウ、食おうぜ」
そう言って背中を叩かれる。
おう、と言い、俺は教室に向かう。
青木の声は鼻にかかっている。
優男という印象を感じるいい声。
俺もこんな声が良かったな……。
「ん〜?どした?リョウ?おーい?」
「あ、………おう。すまん、ぼーっとしてた。」
「無理してるっぽいから無理すんな
その瞬間、視界が暗転し、目を開くと、
「でね、それがさ〜、」
目の前にあった、青木の顔が栗原雪菜になっていた。
栗原は唯の友達で、茶髪のウェーブがかったセミロング。
部活は忘れたが、この間、唯をスカウトに来ていたのは覚えている。
「おっと……。」
唯はアスパラのベーコン巻きを箸で掴んでいた。
危うく落としかけたが、運動神経のおかげか落ちている途中で箸で掴めた。
「ふう、危なかった……。」
「唯、一つ言っていい?」
「うん?何よ、雪菜?」
「人はそれを人外と言う。」
「私はれっきとした人間の枠内に入ってるわよ!!」
人間離れしているとは思うが、人外は言い過ぎだ。
そう言うと、栗原はクスクスと笑う。
してやられたと思い、アスパラのベーコン巻きを口に放り込む。
頬を膨らませる。
不機嫌だと唯は自然とこうなる。
それに気づいたのか、
「ごめんごめん、はい、イチゴ・オレ。」
「むう、……いただきます。」
イチゴ・オレを差し出されたので、ストローに吸い付く。
口の中に残っていた、油の甘みが、また違った甘みに塗り替えられる。
「で、龍斗くんとはどうなの?」
「ぐっ、ゔっ、ごほ………、ゆ、雪菜!?」
「あら?脈あり?青木くんはどうするのさ〜?」
栗原の唐突な話題に思わず、気管にイチゴ・オレが………。
むせてなんとか、切り返して一言。
「リョウとはただの幼馴染!青木はなんとも思ってないんだから!!!」
「あのー、唯さん?それを大声で言わないでもらえませんか?」
不意に後ろから、義文の声が聞こえたので慌てて振り返る。
すると、涙目でそう言った義文の顔が……、そして、俺に入っているのは……、おそらくあの、どこかひねた笑い方からするに太一!
よし、義文をいじろう。
「何よ、なんとも思ってない事実を言って何が悪いのよ……。」
「な、ゆ、唯〜……、そんなに言わなくても……。」
「じゃあ、今度、お菓子作ってきてよ。リョウより美味しかったら見直すかも?」
「ちゃ、チャンスはまだあるんですか!?」
「さあ?あんたがリョウを超えられるかわかんないけど。」
と、言い切った直後、俺に体が戻った。
唯も青木が目の前で「お菓子を作るぞー!」言っているのを見て困惑している。
俺はそれをフォローするか。
「で、栗原さん。俺の評価って、ただの寝てるやつ、って感じ?」
「私は文研新聞好きだから、お料理博士かな〜。」
「じゃ、義文は?」
「長身のバカエロ河童。」
「あれ!?ひどくね!?」
義文が相変わらずdisられる。
なんだろう、なんつーか、かわいそう。
なーむー。
「ってなんでリョウはそれを否定してくれないの!?」
「バカはどうしようもないし、エロはこの前太一とエロDVDを交換してたろ?」
「って、その情報をどこから仕入れた!?」
「え?太一だけど?」
「裏切り者めがああああ!!」
青木が太一の元へ走って行った。
ふう、青木いじり完了。
え?太一が犠牲になった?
「って、太一が被害受けてるじゃない!!」
「いや、太一だったら、プロレス技を気持ちよく受けていると思うぞ。」
唯の言葉にそう返すと、ああ……、と納得してしまっていた。
そして昼休みが終わり、授業となる。
あ、やばい、眠い。
寝て、起きたら終礼始まってました。
授業態度が心配だな。
別にいいけど。
「きりーつ、れーい」
「「「ありがとうございましたー!!」」」
ガヤガヤとする生徒たち。
机をガチャガチャと移動させる生徒たちと同じ行動をして後ろに下げる。
まあ、端っこの一番前なので遅くても問題ない。
「あー、昨日はありがとな!今日は俺がやるわ!」
「あー今日この列だっけ……。ありがとう。」
「いやいや、当たり前さ!」
そう言って、昨日は俺に頼み込んできた子に掃除をしてもらい、俺は教室を出る。
すると、俺は何かに見られている感じがした。
それは視線というわけでなく、まるでテレビを通して色々な角度で見られている感じ。
おそらく、夢に出てきたフウセンカズラだろう。
昔、感じた感覚と同様だ。
俺になにをさせようとしているのかは、分からんが……。
俺は教室棟をでて、部室棟に向かう。
運動部の部員たちが部室棟で着替え、外に出て行く。
そのうちの一人が当たってきた。
「ふぇべうっ!?」
特に意味はなく、その子は叫んだ。
俺は背が高いためか衝撃を吸収。
その子は背が低く、俺のお腹くらいに顔面がヒットしたのだろう……。
「大丈夫か?」
「ひゃ、ひゃい……、大丈夫でふ……。」
ってか、この人……、どっかで見たな……。
「あ、浅田洸(アサダヒロ)さんか。」
「はわ?そう言うあなたは誰なのです?」
「俺は龍斗だ。名木沢龍斗。」
浅田洸、通称子犬。
身長が145しかないため、皆に撫でられる。
その上、運動部でちっこく走り回っているのが、子犬と呼ばれる理由の一つ。
ファンクラブのメンバー数は永瀬伊織、桐山唯に次いで第3位だ。
というか、俺の周り甘ったるい声の奴多くね?
「ああ、料理部長の龍斗さんでしたね!」
「俺は文研部だ。」
「ヒョエ!?」
「ってか、料理のやつは一応先生のみにしか渡してないが……、確か教室に貼っているやつもあったな……。」
「そ、そうですよ?それが文研新聞じゃないんですか?」
「おい、待て待て、俺らは毎月発行してるだろう?それも毎月だが……。」
「え?そんなのあるんですか?」
おい、知名度低くね?
「あ、もしかして、心地いい眠り方が書いてあるアレですか?」
「そっちだ!」
「眠り方のものしか読んでません……。」
お、おう。
どっちにしても、俺の記事しか読んでねぇんだな……。
「おーい、ピロシキ〜、行くよ〜。」
「あ、はーい!じゃあ、これで!!」
「あ、うん。じゃあね、ヒロちゃん。」
他の部員に呼ばれたのか。
ってか、ピロシキって……、今度作ろうかな……。
そんなのんきなことを考えていたせいか……。
視界が暗転、気がつけば、パソコンの前に座っていた。
「どうした?稲葉、急に固まって……?」
「入れ替わったの!?」
「あ、ああ……、リョウトだ。」
ってか、階段登る前だったよな……。
稲葉、すまん。
もう一度登ってくれ。
そう思っていると、バタッと、誰かが倒れる音が聞こえた。
かすかだったためか、皆は気がついていない。
俺がドアから顔を出すと、階段端っこで倒れている俺がいた。
「太一!義文!来い!!」
「な、なんだ、どうしたんだ?名木沢?」
「い、稲葉っちゃんに義文って呼んでもらえた……。」
「んなことどうでもいいから俺に入ってる稲葉を連れてこい!貧血だ!」
「な、なるほど!」
「分かった!!」
ドアから顔を引っ込め、部屋に入ると入れ替わりに、太一と義文が出て行く。
数秒後、太一が二の腕を、義文が足を持って俺を運んできた。
「おま………え……、体……よ……わすぎ………。」
「好きでそうなったわけじゃねぇよ……。みんなも階段登る時気をつけろよ?」
「って、この前私より早く走ってなかったっけ!?」
俺がそう言うと、伊織がそう突っ込んだ。
そう、俺は本気で走ると、一応7秒台前半くらいには足が速い。
だが、俺は貧血で走ることは普通不可能だ。
俺は解説してみる。
「階段を駆け下りると、頭に血が登る。登った状態をなんとか保って走る。ただそれだけ。」
「そ、それだけであんなに速く走れるの!?」
「基本そうだが……、ってなんだ、青木、その目は。」
「いや……、ドッチボールの時のあの高速移動はそういう理由だったのかと思って……。」
ああ、そういえばそんなこともあったなぁ……。
あの時はクラスみんなに驚かれたっけ?
すると、普段、俺たちが揃っている時は開かないであろうドアが、外側からガチャリと開いた。
俺らの動きが止まる。
それと同時に俺と稲葉んの入れ替わりがおわり、元に戻った。
稲葉も戻ったことは分かっていても、ドアから目を離せない。
俺はソファで寝っ転がっている体を起こし、ドアの方を見る。
入ってきたのは、我が部、文化研究部の顧問、後藤龍善だった。
「…………はーい……。どうも……、と。」
やる気が全くなさそうな声だ。
「な、な〜んだ、ごっさんか〜。」
「脅かすなよ後藤!変なタイミングで入ってくるんじゃねぇ!!」
唯と稲葉がそう言った。
すると、後藤龍善は嫌に切れの悪い返事をした。
「知らないですよ……………、そんなこと…………。」
そう言う後藤龍善の目は濁っているようだ……。
どこかおかしい。
それは皆気がついていただろう……。
「なん、だよ……。どこか体調が悪いのか?」
さすがに稲葉もおかしいと思い、聞く。
だが、気だるげな後藤龍善の口はこう言う。
「いえいえ、どこも悪くないですよ………。……“この人”無駄に元気ハツラツとしていますから…。」
伊織は今の発言で確信を持ったように、無表情で言った。
「あんた、誰?」
そう言った伊織の声に、少し口角をヒクリとあげ、こう言った。
「永瀬さんは理解が早くて助かります………。私は……、そうですね………、“フウセンカズラ”………とでも名乗っておきましょうか……。」
めんどくさいし、とまたつぶやいた後藤龍前、いや、フウセンカズラ。
それが、俺たち、文化研究部員、永瀬伊織、稲葉姫子、八重樫太一、名木沢龍斗、桐山唯、青木義文と、人外、フウセンカズラとの初接触だった。
ブンブン、ハロ、ゲフッ、ゴホッカフッカフッ!!
ふ、普段使わないから喉痛い。
どうも黒木です。
はい、第三話です。
ど、どうか、どうかご慈悲を!!(勉強)
大学受験をするので投稿が遅れます。
ハイスクールD×Dもしかり
ということで、少し待たせるかもしれませんが宜しくお願いします。
では、おつりゅー!