また、新しい方でも、サブタイから“V.2”を外し、誤字の修正、そして幾つか付け足しをしましたが此れはどうやったのか忘れちゃいました(オイ!)
それでは本編をどうぞ。
――― 防衛司令部 ―――
「ル級、撃沈!!!
ガミラス艦隊、全滅!!!」
「呉は守られたぞ!!!」
「勝った!!!
勝ったぞ!!!」
大和が軽空母ヌ級に続けて戦艦ル級を撃破した後、呉の現場では駆逐艦娘達が歓声を上げていたが、此所防衛司令部は現場以上に歓喜の嵐が吹き荒れていた。
更に防衛司令部の将兵達を経由して地下都市の人々にも伝わったらしく、既に日付も変わった真夜中にも関わらずに地下都市全体でちょっとした御祭り騒ぎが起こっていた。
「……まさか、ル級までもを沈めるとはな…」
藤堂も大和の勝利、特に撃沈不可能と思われていた戦艦ル級を一撃で沈めた事に驚きと喜びが入り交じった表情を沖田に向けたが、当の沖田は「当たり前だ」と言わんばかりに無表情で頷くだけであった。
まぁ、冷静に考えたら、此れはあくまで一局地での戦術レベルの小さな勝利でしかなく、ガミラスとの戦いに戦略レベルの影響を与えるとはとても思えなかった。
だが、此の勝利が小さいとは言え、希望となって絶望の縁にいた人々に光を与えたのは確かであり、なによりもその事を求めていた沖田はその表れとして右手を藤堂に差し出し、藤堂もそれに答えて右手を差し出して固い握手が行われた。
「…それで、呉の被害状況はどうなんだ?」
「……陸上部隊や砲塁が壊滅的打撃を被っています」
「ですが、地下都市で崩落したのは艦娘の詰所だけらしく、それ以外の場所では天井のひび割れが多数出来たものの、此れと言った損害や死傷者は出ていない模様です」
「その艦娘詰所ですが、ハマカゼの報告で何人かが生き埋めになっているも、生存の可能性がかなりあるらしく救助要請が出されています」
「工厰や脱出船の全てが無事だとの報告も入ってます」
芹沢の質問へのオペレーター達が次々に報告し、それ等に芹沢だけでなく、藤堂と沖田も満足そうに頷いた。
だが、藤堂と沖田は住民や艦娘達の生存の事で、芹沢は地下都市や工厰に建造中の脱出船群の事でと、喜んでいる点が全く違っていた。
「芹沢、直ちに艦娘詰所への救助隊を派遣、海防艦娘や後方支援の駆逐艦娘達も投入しても構わんから動ける者は徹底的に動員しろ」
現に藤堂の救助命令に対して芹沢は“忘れていた”とも思われる変な返事をして部下達に命令を飛ばしていた。
まぁ、それでもちゃんと的確に指令を出し続けている事は流石の一言であったが、それ等が一段落したら芹沢は藤堂と沖田の所に近寄ってきた。
「今回の勝利、おめでとうございます。
見事な指揮振りでありました。
特に大和の投入は見事な采配でありました」
で、藤堂に一礼しながら勝利の祝いの言葉を言ったが、大和投入処か戦闘指揮を取っていたのは沖田なのに、その沖田は完全に無視していた。
尤も、こう言う事は毎度毎度あるのか、沖田は自己主張等をせずに無反応のまま黙っていたし、藤堂も軽く返すだけであった。
「それで、大和の事なんだが…」
「分かっております。
大和の現役復帰の為への近代化改装の諸々の準備、それからの防衛艦隊への編入は自分にお任せ下さい」
「あ、ああ…」
元々、芹沢や彼が属する派閥の者達は大和には不信感しかなかったのに、その大和が軽空母ヌ級と戦艦ル級を撃破した事からの見事なまでの掌返しに、藤堂だけでなく沖田までが呆れていた。
「それでは早速、大和の改装の件で政府への説明と予算案をしてきます」
「あ、いや、大和の改装の件を含めて政府へは私からしておく、君は戦力の再編に取り掛かってくれ」
藤堂に「は!!」と大声で敬礼すると、直属の部下達を従えて退室していった。
「…芹沢達に……大和を託す事は出来ん」
沖田の呟きに藤堂は「ああ」と言いながら頷いた。
「だがどうするんだ?
大和が呉預かりの事もあるから、艦隊編入となると呉所属になるだろう。
今回の一件で土方君が呉基地司令長官から更迭されるのは確実で、後任は間違いなく芹沢達の派閥の者だろう」
芹沢達は大和に
況してや大和はその強大な力を秘めているだけでなく、ガミラスに目を付けられている事から格好の撒き餌になりえると考えられていた。
だからこそ、大和は防衛艦隊編入を嫌がり、防衛軍司令部を嫌っていたのだ。
故にもしそうなったら大和は……否、大和だけでなく艦娘達や地球人類は今度こそ完全に絶望の深淵に沈んでしまう、2人はそう思っていた。
だが此の絶望的戦況下では、艦娘を全員動員しての艦隊特攻からの人類の地球脱出しか選択肢は無い、それが防衛軍の殆どの者達が思っている事であった。
そして政府も脱出船の搭乗員選抜の最終段階に入っている上、死滅した動植物の遺伝子サンプルの準備が出来上がったとの噂があった。
なにより地球脱出をガミラスが見逃す筈がなく、間違いなくガミラスは艦隊特攻を迎撃しながら脱出船団を捕捉撃滅出来る二面作戦分の戦力を有していて、殲滅される危険性が極めて大きい。
例えガミラスを振り切って太陽系を離脱出来たとしても、過酷な宇宙環境を無限とも思われる超長期間を耐えなくてはいけない上に第二の地球を見つけてから辿り着けるととても思えない、要約すれば脱出者達も“特攻させられる者達”や“地球に取り残される者達”と同様かそれ以上の絶望を与えるだろうと脱出計画自体が荒すぎていた。
だが政府や防衛司令部の大半は絶望的戦況から希望的観測にしがみついており、それを察しているからこそ地球上の全ての者達が本当の希望を見いだせないでいた。
地球は放射能と言う物理的なモノだけでなく、内面から“死”の単語が蔓延っている、だからこそ人々は防衛軍や政府の暴走に近い事をしでかそうとしているのに誰も止めようと訴えない、酒や食料を貪って現実から目を背けて夢の中に居続けようとする、そんな絶望的な日々や未来に耐えきれず総玉砕や破滅論を唱え同意する者達が大多数を占める、そんな事に反対は思えど代案や解決策を見出だせず自殺する者達が相次ぐ、そんな極限の地獄と化しているのが今の地球であった。
「だからこそ、大和にあの計画をやって貰いたいのです」
だが大多数を占めている脱出計画をひっくり返えし、更には全ての者達に希望を与える秘策を沖田は持っていたが、沖田を信頼している藤堂でさえ博打的要素が大きすぎる危険なモノであった。
間違いなく、藤堂以外の人間なら完全に却下するだろうし、藤堂本人も容認との割合は却下の方が多かったが、此の時の空気と此の沖田の言葉が決め手となり、藤堂は決断を下し、沖田に頷いた。
「…キサラギを此所に呼んでくれ!!」
その手始めとして自分の秘書艦である駆逐艦キサラギを呼び出した。
尚、艦娘達の指揮を取る事となる士官には初期艦と言う形で駆逐艦娘の何人かの候補の中から誰か1人を選んで配備される事をとなる。
つまり藤堂が呼んだキサラギは、若き日の藤堂自身が初期艦として選んだ艦娘あり、現在まで続く長い付き合いとなっていた。
まぁ、人によっては配置転換とかの形で初期艦を手離す者もそれなりにいるが、大抵の場合は愛着から傍に置き続けていた。
まぁ、上級士官となれば戦艦や空母に巡洋艦の3種どちらかの艦娘に秘書艦を引き継がせるモノなのだが、藤堂の様に駆逐艦を……それも初期艦に秘書艦を未だに任せている事は極稀なケースであるが、キサラギはムツキ級駆逐艦……旧式と認知されて全員がサツキやミカヅキの様に後方に就いている為、秘書艦には打ってつけの存在であり、キサラギ自身も防衛艦隊が形骸化しかけている事があれど“防衛艦隊司令長官の秘書艦”と言う重職を務め上げられる器量を持っていた。
因みに沖田が初期艦として選んだのは、フブキ級駆逐艦ムラクモで、藤堂&キサラギと同様に転属させる事なくの長い付き合いをしていたが、残念ながらムラクモはガミラスとの戦いでMIAに認定されていた。
で、話を戻して、此の時のキサラギはサツキとミカヅキの妹2人と何かのやり取りを通信でしていたが、呼び出しがあると直ぐに藤堂の所にやって来て敬礼した。
そして、キサラギ自慢の長く美しい黒髪の主に相応しく、その敬礼の一挙一足が美しかった。
「藤堂司令長官、お呼びと聞き、キサラギ参りました」
「すまんが、大至急記者会見の用意をしてくれ」
「記者会見ですか?」
「そうだ、地球中……いや、太陽系にいる全ての地球の者達に伝える事がある」
「しかし、こんな夜中にしなくても…」
「大至急発表したいんだ!」
「……分かりました」
長い付き合いもあって、キサラギは藤堂にそれ以上は何も言わずに敬礼しながら了承してくれた。
「…あ、それと、キリシマを此所に来るように伝えてくれ」
「了解しました」
直ぐ様、準備に掛かろうとしたキサラギを呼び止めてキリシマの召喚を求めた沖田にも了承して、改めてキサラギは準備をしにいった。
「此の事は土方君と山南君にも話すがいいか?」
「ああ、あの2人なら信頼出来る」
「それでは私は政府に会ってくる」
全ては地球人類の為、藤堂と沖田は別れていった。
感想・御意見お待ちしています。
今回、元々初期艦の設定は無かったのですが、読者の俊泊さんから出演要望があった内の一人であるムラクモ(叢雲)を出す影響で設定しました。
更に言うと、土方の初期艦は駆逐艦シグレ、山南修の初期艦は駆逐艦フブキ(かサザナミ)としています。
本作でのヤマトの最後はどうしてほしい?
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実写版通りに、特攻
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なんとしてでも、地球に帰還