更に“設定 ガミラス”にて、やるかどうかの微妙の外伝に備えた項目を追加、更に本作独自の深海棲艦(ガミラス)の陸上戦力を追加しました。
それでは本編をどうぞ。
――― 木星沖 ―――
『チトセお姉!!!』
「ふぇ、え、ええ!!!
チ、チヨダ、何で!!?」
チトセが死んだと思っていた妹チヨダの自分を呼んで直ぐ途切れた通信に驚き戸惑っていたが、少なくとも第四艦隊の面々も、チトセ程でないにしろ、驚いている様だった。
「オオヨド、今のは何所から来ているの!?」
当然ながら、ヤマトはオオヨドに発信源の探知を怒鳴って命じた。
「…え~と……っ、あった!!
11時の方向、木星近辺です!」
「…っ!! ズイカク、コスモタイガー隊の一部を木星に飛ばして!」
「あ、はい!!!」
オオヨドが動揺で手元を少し狂わせながらも探り当てた木星の方角に、全員が振り向いては硬直しながら見詰めていたが、ショウカクが我に返ると自分達への合流途上のズイカクに、着艦中のコスモタイガー隊の一部での木星近辺の偵察を命じた。
「……っ、いた!!
環の中にいた!!」
少しした後、木星の環の中にガミラスではない何かが見付かり、間違いなくそれが発信源であった。
ズイカクを経由してのコスモタイガー隊からの偵察映像が映されると、電球の左右各々に直方体をくっ付けたかの様な姿の宇宙船が、船体の至る所を凹ませた状態で環の中で漂っていた。
「何、此れ?」
「ほ、『蓬莱丸』級!!?
何で防衛軍の輸送船がいるのよ!!?」
ヤマトのみは正体が分からずに怪訝な顔をしてしまったが、他の者達はアケシが叫んだ通りに、発信源の宇宙船が防衛軍所属の『蓬莱丸』級工場輸送船だった事で益々混乱していた。
『蓬莱丸』級は大容量な上、輸送船の中では速度も出て、なにより両舷のアタッチメント次第で工場船や病院船にもなる器用さから、大量建造されて重宝されていたのだが、殆どがガミラスに撃沈されて、『蓬莱丸』や『バッファロー・ビル』等の残った船全ては土星決死輸送船団で使われた後に地球にいる上、こんなガミラスの勢力下に成りかけている宙域で生存していた事だけでも驚きであった。
「…防衛軍の認識標を確認、環の中にいる『蓬莱丸』級は『ウィンダミア』!!
土星陥落時に行方不明になっていた船です!」
オオヨドの更なる解析で『蓬莱丸』級がMIA認定の『ウィンダミア』だと分かったが、ヤハギとオオヨドのやり取りの通りに益々混乱の度合いを増すだけだった。
現にチトセが、沖田へ『ウィンダミア』の判断を求めた映像通信で、当の沖田は目を瞑って頭を押さえ、隣のキリシマが(多分)ナガラ達に何か喚き散らしていたので、防衛司令部は
因みに、防衛軍は『ウィンダミア』は土星からの脱出に失敗して撃沈したと誤解していたが、実際は上手く戻れたエンケラドゥスで隠れていたのだ。
だが地球帰還を求めた者達が、ハルナ達の静止を振り切って強硬出航、木星・土星間を航行していた時期が第一次木星沖海戦の最中だったので、奇跡的にガミラスに見付かる事なく木星まで辿り着いたが、火星・木星間の
実は出航が数日遅かったら、決死輸送船団と合流して地球に帰還出来た(実際そうだった、土星の至る所で隠れて合流からの地球に帰還した他の輸送船群によって、防衛司令部はエンケラドゥスの生存者達の事を知るも、救出不可と判断)かもしれなかったが、どうやら『ウィンダミア』の他者を巻き込む不運は続いていたらしく、遠征艦隊が自分達に気付いたのを察して、勝手に動き出すだけでなく、チトセへ割り込み通信をしてきた。
『チトセお姉、やっぱりチトセお姉だ!!』
「チヨダ!!!
アンタ、なんて事をしてくれるのよ!!?」
『だって、お姉が直ぐそこにいるんだよ!
通信しないと、悪いじゃない!!』
喜ぶチヨダ、怒るチトセ、温度差が大きく噛み合わない会話が続いていたが、チトセが映像通信越しにチヨダの顔を見て一声を聞くと、直ぐに怒鳴った事からチトセは妹は本物だと判断した様で、少なくとも『ウィンダミア』の内外両面は“ガミラスの罠”と言う事ではなさそうだった。
『あの~、チヨダさん、私が代わります』
『え? まだチトセお姉と会話中なんだよ!』
只、チヨダ級姉妹では、全員が埒が明かないと思い、ヤマト達がチトセとの交代を思い浮かべていたが、『ウィンダミア』側もそう思って先に動いた。
尤も『ウィンダミア』ではチヨダが交代を嫌がっていたので、少しの間だけ揉め事が起こっていた。
『……此方…』
「っ、アブクマ!!!
アンタもいたのか!!」
で、チヨダが駆逐艦らしき2人の腕にに引き摺られた後に通信に出たのが、MIA認定者だった巡洋艦アブクマだったが、出て早々に興奮し過ぎていたチヨダが怒鳴ってしまったので「すみません!」と何度も言いながらひたすら謝っていた。
此のアブクマの出現だけでなく、彼女の行為に、アブクマの次姉であるイスズが渋い顔をしていた事も書いておく。
まぁ、チトセが直ぐにアケシとアマツカゼに諌められ、同時にオオヨドがアブクマをフォローしていたが、チトセが鎮静剤としてチトセカクテルを1口飲んだ後にやり取りを再開した。
『我々『ウィンダミア』には土星と木星の生存者達を多数搭乗しています。
どうか艦隊による保護と地球への護送をお願いしたいのです』
「アブクマ、貴女達は此の状況を知っているの?」
『私は知っています。
ですけど………どうしたの、アサグモさん、キヨシモさん?』
アブクマが何かを言おうとしたが、遠征艦隊との連絡が取れた事を察した生存者達が、駆逐艦のアサグモとキヨシモ(後者のみ、同じユウグモ級のアサシモが溜め息を吐いていた)の静止を振り切って『ウィンダミア』の艦橋に殺到して、アブクマを押し退けて救助要請を次々に言った後に通信が途切れた。
「…どうすんのよ、アレ?」
アマツカゼの言う通り、間違いなく今のやり取りでガミラス艦隊が『ウィンダミア』に気付いた事は確実で、『ウィンダミア』の扱いを早く決めて動かなければいけなかった。
だが、全員の頭の中で真っ先に思い浮かべていたのは“『ウィンダミア』を見捨ててワープする”……元々ワープで逃げる算段だった上に『ウィンダミア』とは距離が有りすぎる、しかも第二&第三艦隊は前方の3個艦隊との戦いでエネルギーと弾薬、そして体力を必要以上に使いすぎた現状ではやむを得なかった。
更に、こう言う事……つまり、遠征艦隊に生存者達が救助を求めてくる事は出撃前から危惧されていたのに、何の対策を取らなかった防衛司令部が何も言ってこない以上は、現場が判断するしかなかった。
「助けに行ってくる!!」
「ズイカク、時間が無い!」
だが、案の定と言うべきか、ズイカクが『ウィンダミア』の救出に行こうとしたのを、イスズが止めた。
だが、『ウィンダミア』を助けたいのは全員同じであり、“船乗りなら危機的状況下の仲間を助ける”と言うシーマン・シップの精神は2199年の絶望的状況でも生きているのは嬉しいが現状では難しかしく、『ウィンダミア』を救えないだけでなく自分達もタダではすまない可能性が高かった。
「ワープで避難させる!!」
「馬鹿!!!
アンタはエネルギーを使い過ぎた上、艤装の最終調整が出来ていないのに、ワープが出来るわけないでしょう!」
「そんなの、やってみなくちゃ、わかんないでしょ!!!
それともチヨダ達を見捨てろって言うの!!?」
ズイカクの言う通り、確かにワープなら『ウィンダミア』を救う有効手段になりそうだったが、ヤマトの言う通りに、今のズイカクだとワープを安全にやれる可能性は極めて低かった。
だから、ズイカクもヤマトも両者共に意見が正しかったので、平行線による対立が起ころうとしていた。
「…私は行く!!!」
「タマ!!! イスズ!!!」
埒が明かないと判断したズイカクが動こうとしたが、ヤマトは直ぐにタマとイスズを呼んで、ズイカクが弓矢を構えようとした事もあって、他の者達全員が同士討ちを頭に浮かんだ。
「私が助けに行くから、そこの馬鹿を引き摺って戻ってきなさい!!」
だが、予想外のヤマトの指示に、ズイカクを含んだ全員が“えっ!?”となって硬直して、一斉にヤマトに振り向いたが、当のヤマトはショウカクの艤装と繋がっていたケーブルを自分の艤装から外すと、直ぐ様『ウィンダミア』の所に向かおうとした。
『ヤマト、持ち場に戻れ』
だが、直ぐに沖田の制止命令が入ったが、ヤマトは立ち止まって溜め息を吐くと、通信画面越しの沖田に振り向いた。
「…また、切り捨てるのですか?
コンゴウやユキカゼ達の時みたいに?」
ヤマトと沖田が少しの間だけ睨み合った後、ヤマトが姿勢を正した。
因みに、コンゴウとユキカゼを持ち出したヤマトの発言に、ショウカクとチトセが反応した通りにするだろうキリシマが何も反応しない……否、それ処か、どう言う訳か、キリシマが沖田の側にいなかった。
更に言うとナガラ達も沖田の側にいる気配が無かった。
「ショウカクはワープのエネルギーを充填中で行動不能、ズイカクは論外、足の遅いアケシでは間に合わない以上、私が救出に行くしかありません。
余剰の衝撃砲のエネルギーをワープエネルギーに転換して、先のワープ座標を元にすれば、比較的早くにワープによる退避が可能性です」
「…っ、ヤマト!!
そんな事したら、殆どの武装が使えなくなる!」
「空間魚雷は使えます」
ヤマトの作戦は現選択肢の中で成功率が高そうだったが、ヤハギがその事での副作用を危惧したが、ヤマトは“決定事項だ”と無言の反転で発していた。
「ヤマト、愚妹達をお願いします」
「…ショウカク、海王星で合流って事で」
チトセの“妹達の愚行への罪悪感”と“妹達を助けたい”相反する思いを察したヤマトは、チトセに振り向かずに右手を数度振った後に飛び出していった。
そんなヤマトに、ショウカクも何かを言うかしようとしてたが、それ等を変に止めて右手を胸に当てて俯いていた。
『…馬鹿め!!』
「………?」
そんなヤマトの行為を黙認した沖田が、毒を吐いたが、その沖田の吐き捨てた言葉にヤマトは何故か聞き覚えがあって、誰が言っていたのかを思い出そうと仕切りに首を捻っていた。
此の為にヤマトは、直ぐ近くで擦れ違った第二&第三艦隊のズイカク以外の面々が、自分へ激励の敬礼をしていた事に全く気付いていなかった。
『ショウカク、オオヨド、ワープはどうなっている?』
「あ、はい!!
ワープまで、あと2分!」
「ワープ先、確保しました。
到着地点、障害物、無し」
『ウィンダミア』救出に向かって遠ざかっているヤマトと、戻ってくる第二&第三艦隊を呆然と見つめていた第四艦隊だったが、沖田の質問にショウカクとオオヨドが慌てて報告はしたが、2人は1度お互いの目線を合わせた後に“ヤマトと『ウィンダミア』に対する指示は無いのか”と他共々に目線のみで沖田に訴えた。
『ショウカク、ワープの準備を続行しろ。
チトセ、ガミラスの動向を逐一報告』
「提督!!!」
ヤハギは、沖田がヤマト『ウィンダミア』を無視したと誤解して怒鳴ったが、当の沖田はチトセから送られてくる情報を注目していたが、僅かな呻き声を出して胸を押さえるも、その事に誰も気付いていなかった。
――― 木星の環・『ウィンダミア』 ―――
「艦隊が来ないぞ!!」
「まさか、見捨てられた?」
「そんな、まさか!!?」
「チトセお姉!!!」
『ウィンダミア』の艦橋では、コスモタイガー隊だけでなく遠征艦隊の第二&第三艦隊が離れていった光景から、怒号や悲鳴が多数上がっていたが、後部の壁に押し付けられたアブクマは“当然”の意味合いで溜め息を吐いていた。
「……やっぱり、こうなりますよね…」
「本当に、そうよね」
しかもガミラス艦隊が複数いる事も判明した事もあった悲惨な現状に、アブクマがアサグモの諦めに同感としていたが、心の奥底で救出を願う事があったので、軽い頭痛を感じていた。
『…oちら、宇宙戦艦ヤマト!!
『ウィンダミア』、聞こえますか!?』
だからこそ、聞き慣れない名前の艦娘からの通信に全員が、驚き戸惑って硬直してしまった。
まぁ、直ぐに自分達の所に救援が向かっている事は分かったみたいだが、それよりも“ヤマトって誰だ?”と次々に呟かれていた。
『…『ウィンダミア』応答して下さい!!』
「すみません、ちょっと通して下さい!
お願いです、通して下さい!」
そんな中で呼び出しがまたあったので、真っ先に動いたアブクマが人々を押し退けながら最前方に辿り着くと、直ぐ脇の航海士から借りた双眼鏡で、正確な位置が分からないままに自分達の所に向かおうとしている戦艦娘を確認……見慣れない筈なのに見覚えがある不思議な感覚に戸惑いながらも直ぐに通信機の所に移動して、通信機の近くにしがみついていたキヨシモから通信機を受け取った。
「此方『ウィンダミア』、聞こえてます!!」
『あ~良かった、通信機は無事なんですね』
どうやら相手側は『ウィンダミア』の通信機故障を疑っていたが、それが杞憂だったので安心していたが、その出だしがギクシャクした関係のキタガミ(MIA)のに似ていたので、アブクマが「ウッ」と呻きながら前髪を弄っていた。
「あ、えっと、もしかして、貴女は、戦艦大和の次代の艦娘さんなのですか?」
少し戸惑ったアブクマは、先代阿武隈が第一水雷戦隊の旗艦を長らく務めた事からの記憶から戦艦大和を思い出し、通信の相手がその戦艦大和の次代だと予想した。
『いえ、その深海棲艦戦時の戦艦大和が私だから』
「はい?」
『説明する時間が無いから、対応策を言うから、そちらの状況を教えてくれない?』
アブクマが他の者達諸共ヤマトの言った事を理解出来ないでいるのを無視して、ヤマトはワープの為の準備を色々と指示していたが、此の間に遠征艦隊ではちょっとした出来事が起こっていた。
感想・ご意見をお待ちしています。
今回出た『ウィンダミア』を含む『蓬莱丸』級工場輸送船は宇宙戦艦ヤマトのPSゲームシリーズの暗黒星団帝国三部作に登場するオリジナル艦船ですが、船影を悪れてしまったので、描写が間違っている可能性がありますので、あしからず…
本作でのヤマトの最後はどうしてほしい?
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実写版通りに、特攻
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なんとしてでも、地球に帰還