SPACEBATTLEGIRLヤマト   作:サイレント・レイ

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第27話 友軍救出せよ(後編)

――― 木星沖 ―――

 

 

「ガミラス3機、駆逐ロ級と同ハ級と共に10時20度から急接近!!!」

 

 チトセが自分達に向かっている前方のガミラス三個艦隊の生き残りに気付き、その報告に他の者達が“えっ”とした。

 

『撃ち落とせ!!』

 

 沖田が命じるまでもなく、ヤハギとオオヨドだけでなく、アケシとアマツカゼまでが前に出て、防御の弾幕を張った。

 此の砲火群で、艦載機3機全てが迎撃され、何故か砲雷撃を一切してこない上に妙に速度を出して突進してきた駆逐ロ級をなんとか撃沈したが、最後の駆逐ハ級は炎上しながらのキリ揉み状態でヤハギ達4人の上を過ぎると、そのままショウカクに体当たりを仕掛けて彼女の波動防壁に阻まれた衝撃でエネルギーと魚雷両方の誘爆での大爆発でショウカクを巻き込んだ。

 

「「「「「…ショ、ショウカク!!?」」」」」

 

 駆逐ハ級のまさかの行為に、ヤハギ達5人が一瞬固まった後に慌ててショウカクの傍に行き、ワープ酔いの3人が愕然として、更にズイカクがアキヅキ級の3姉妹に抑えられながら何かを絶叫していたが、当のショウカクは波動防壁に加えて右肩の飛行甲板を咄嗟に楯にしたお陰で、飛行甲板は焦げて幾つかささくれてはいたが本人は蒸せながらも無事そうだった。

 

「ショウカク、大丈夫!!?

痛い所とか無い!!?」

 

「大丈夫、私は大丈夫です」

 

「艤装の被害は!!?」

 

「飛行甲板後部に接触、カタパルトとエレベーター全てが動きません」

 

 チトセとアケシの慌てながらの問診しながらの確認と触診で、ショウカクは小破ながらも無事と判断された。

 

「……体当たり?」

 

 だが問題なのは駆逐ハ級達がやった体当たりから、ヤハギが顔を青くしている通りに、日本の軍に関わる者なら確実に連想してしまう、旧国軍のレイテ沖海戦からの愚行“特攻(カミカゼ)”を思い浮かべていた。

 況してや特攻は、21世紀のテロリストに自爆テロへの影響を与えたと言われていては尚更だった。(但し、軍関連のみを狙う特攻と、民間人を無差別に狙う自爆テロは全く違うモノ)

 

『負けた上に帰る所を失った者達だ。

死ねば諸共と思ったのだろう』

 

 沖田がガミラスの行為を分析したが、全員がギョッとした。

 レイテ沖海戦前からも生還を諦めた者達のやけくそ特攻は、日本だけでなく世界中で存在していたが、先代如月がウェーク島攻略時に深海棲艦の艦載機の特攻で戦没したとの未確認情報(だからか、此の時に防衛司令部にいるキサラギが悲鳴を上げていた)はあるも、公式では深海棲艦にはそんな行為や思考は一切無かった。

 だがガミラスはやった、更に言うとヤハギ達はガミラスから“やけくそ”と言うより“執念”じみた何かを感じ取っていた。

 此の為にヤハギ達は、今まで全く感じなかった、深海棲艦には無かった、ガミラスへの恐怖(か狂気)を感じていた。

 

「っ、後方のガミラス艦隊群が!!」

 

『どうした?』

 

「後方のガミラス艦隊群が『ウィンダミア』に向かって加速!!

それも異常なスピードです!」

 

 チトセの悲鳴に近い形での報告通り、駆逐艦隊群にも狂気が感染したらしく、限界以上に加速して駆逐艦4種全ての目が血走っているだけでなく、落伍はまだ良い方で、爆発している者達が度々出しながらも、遠征艦隊の脇を過ぎての『ウィンダミア』への特攻を仕掛けようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――― 木星の環・近隣宙域 ―――

 

 

「……コスモゼロ、発艦!!!」

 

 後方のガミラス駆逐艦隊群がやけくそ特攻を起こした事をまだ知らないヤマトは、『ウィンダミア』の詳細な場所を探ろうと、第三艦橋からコスモゼロが乗った拳銃(かボーガン)型カタパルトを2基取り出して身構えると、2機のコスモゼロ各々に搭乗する妖精さん(x2)が敬礼したのを確認して、コスモタイガーとは別ベクトルの強く美しい戦闘機を放っていた。

 

「…まさか、私が零戦を扱うなんてね……まぁ二式水戦(零戦の水上機版)を配備されたと思えばいいか」

 

 系統や面影が一切無いが、零戦の魂を受け継ぐ戦闘機を扱う自分にヤマトが右手のカタパルトを見詰めながら苦笑していたが、直ぐにコスモゼロ二号機(妖精さんの肌と髪の色が武蔵と同じだったので、妙に気になったが…)が、自分の所にゆっくり向かっている『ウィンダミア』を見付けた。

 

『ヤマトさん、危険です!!

離れて下さい!!』

 

「今更、そんな事を言われても無理よ!」

 

 アブクマだけでなく『ウィンダミア』の搭乗者全員が、ガミラス艦隊の異常な突進から、自分達が何を仕出かしたのかを今更ながら自覚して、ヤマトを止めようとしたが、当のヤマトはガミラス艦隊のヤケに気付いていない事もあって無理していた。

 

「…良いよ……良いよ……良し!!」

 

 ヤマトは障害物となっていたガミラスの残骸群を最小限の動きで避けながら『ウィンダミア』に最接近し、一旦『ウィンダミア』の右側に退避してからの急上昇をすると『ウィンダミア』の艦橋直上に降り立った。

 

『…凄い……流石、戦艦だ…』

 

「……?」

 

 尚、ヤマトが窓越しに見える駆逐艦キヨシモ……口癖の様に「戦艦になる」と言い続けていた駆逐艦清霜の次代が、ヤマトに見惚れたらしく、アホ面で見上げていたので、ヤマトが思わず笑ってしまった。

 

「何やってんの!?

直ぐにガミラス艦隊が来るよ!」

 

 キヨシモだけでなく、アブクマ達艦橋の面々もヤマトの鮮やかな着艦に見惚れて硬直していたが、ヤマトが自分の艤装を『ウィンダミア』のケーブルを引き出しては繋げて『ウィンダミア』の操舵システムに連動させてからの檄に、直ぐに動き出して、ワープの準備を始めた。

 

「あ、ちょっと不味いかな?」

 

 ヤマトはアブクマ達がドタバタしている間に操舵の連動を終えると、此処でガミラス駆逐艦隊の異常突進に気付いた。

 不味い事に、ヤマトの計算だとワープが間に合わないと出ていた。

 更に言うと、ショウカク達が合流且つワープの準備を終えているだろうに、そのガミラス駆逐艦隊にヤハギ、オオヨド、タマの三人とアキヅキ級の三姉妹の計6人(他の者達は射程圏外らしい)が撃ちまくって駆逐艦群を減らそうとしていた。

 だが、ワープ座標が狂わないギリギリの範囲まで近付いていたが、距離が有りすぎた上にガミラス駆逐艦隊の速度に翻弄されて2割前後を撃沈するに終わっていた。

 

「…さてと、三式は……止めた方がいいかな?」

 

 ヤマトは三式弾による砲撃を考えるも、ワープの準備を少しでも早めようと考えた上に『ウィンダミア』への影響を考えて、主砲の使用は諦めた。

 その代わりに、背後の八連装ミサイルランチャーに変わっていた傾斜式煙突(通常:煙突ミサイル)を引き倒して右肩に乗せて身構えると、煙突ミサイルの発射時期を見図っていたが、6条の光線群が駆逐艦隊の先頭群に向かって飛んでいて、その光線の発射主達が自分に遅れて『ウィンダミア』に向かっているのに気付いた。

 

「もう、見てらんないわね!!」

 

「遅れてすみません!」

 

「私等がいたら『ウィンダミア』をより安全にワープさせられるだろ?」

 

 ヤマトがカスミ、ハツシモ、アサシモの三人が自分の所に来た事に少し驚いていたが、予備戦力としてエネルギーや弾薬が充分な事から、ショウカクかチトセ辺りが“自分の後を追え”と命じた事を察して苦笑した。

 だが三人共、まだワープ酔いの影響下らしく、ワープ酔いを精神で抑え込んでいるので鬼の形相であり、カスミの額に冷却シートを貼っているのが妙に生々しかった。

 

「畜生、全然減らねえぞ!!」

 

「空間魚雷共々、撃つしかないわね」

 

『ヤマト、まだ早い!!』

 

 だがアサシモが怒鳴った通り、駆逐艦娘三人の合流があるも駆逐艦群をなかなか撃沈出来ない事には変わりがなかったので、ヤマトがアサシモ達三人の空間魚雷と共に煙突ミサイルを使おうとしたが、それを沖田が止めた。

 

「何ですか?

今、取り込み中なんですけど」

 

『ヤマト、恐らくガミラス駆逐艦群は異常速度を出す為に、武装のエネルギーも速度に転換している筈だ。

奴等は砲雷撃はしてこない、今からあの駆逐艦群は魚雷の一種だと考えろ』

 

「魚雷?……っ!」

 

『そうだ、ギリギリまで引き付けて横ロールで回避して、駆逐艦群が体勢を立て直す時間を使ってワープを実行するんだ』 

 

「ヤマトさん、駆逐艦群の下部外縁を狙います!」

 

「カスミ、駆逐艦群の時間的距離を計って!」

 

「りょーかい!!」

 

「キヨシモ、直ぐ真横に傾くから凄い横Gが掛かるぞ!

固定出来るものは全部固定しろ!!」

 

『えっ?』

 

『あ、はい!

フミヅキさん、ワカバさん!!!…』

 

 沖田の指示にヤマトだけでなく、ハツシモ達三人も直ぐ了解して各々に動き出して、アサシモが真下のキヨシモに対応を命じた

 尤も、当のキヨシモは少し理解出来ずに戸惑っていたが、アサシモは無視して駆逐艦群への砲撃を再開して、キヨシモの代わりにアブクマが船内奥にいるフミヅキとワカバに指示を出しながら、動き出していた。

 

「ガミラス駆逐艦20隻、直撃まであと30秒!」

 

「よし、波動砲、砲身展開!!」

 

「はぁ!!?」

「え!!?」

「何ぃ!!?」

 

 幾つかの迎撃だけでなく異常速による暴走爆発で駆逐艦群が20隻にまで減っていたが、残りが『ウィンダミア』への衝突コースに入って、30秒後に衝突する事をカスミが報せた直後、ヤマトが波動砲の砲身を展開して手に持った事に、カスミ達3人がギョッとながらヤマトに振り向いた。

 

「カスミ、駆逐艦群との距離は!?」

 

「え、はい……あと、10秒!!」

 

 3人共、波動砲の充填をしていない事から波動砲の使用は無い事は分かるも、ヤマトの行為を理解出来ずにいたが、それでも尚、駆逐艦群はハツシモとアサシモの砲撃で密集しながらも接近し続けていた。

 

「あと5秒!!………4………3………2!!」

 

「…回避!!!」

 

 間近まで迫った駆逐艦群に、カスミが悲鳴に近い形で残り2秒を伝えた直後、ヤマトが『ウィンダミア』の右舷スラスターを全て起動させ、それでも回避が間に合わないと思わせるも、今度は波動砲の砲口から推進剤を噴射させた事で、『ウィンダミア』が右に急旋回しながら右に垂直に倒れた。

 此の時に『ウィンダミア』の船内から悲鳴が何かの物音に混じって多数聞こえていたが、『ウィンダミア』が横倒しになった直後に、駆逐艦群全てが真上を通り過ぎた。

 

「今だ!!!」

 

 駆逐艦群は『ウィンダミア』に全員避けられた事に驚き戸惑っていたらしく、何隻かが衝突して爆発するだけでなく、見るからに1テンポ遅れてから急上昇からの急旋回をしようとしていたが、その事を見抜いたヤマトの号令下による、引き倒さずの煙突ミサイル、カスミ達の空間魚雷が一斉に放たれて、旋回中の駆逐艦群の先頭に次々直撃、更にコスモゼロ2機が一撃離脱による雷撃と大型機銃による攻撃で4隻が撃沈した事で、明らかに混乱していた。

 

「コスモゼロ2機、着艦!!」

 

「ヤマト、右80度に旋回!

そうすれば、地球・火星間の何処にでもワープが出来ます!!」

 

「…面舵80度!!!」

 

 コスモゼロ2機が、そのまま波動砲の砲身を分割して艤装にしまっているヤマトに向かって2機同時に第三艦橋に入り込んだ直後、まだワープをしていなかったショウカク達の所にいるオオヨドの指示通りに、ヤマトが苦笑しながら『ウィンダミア』を旋回させ、あとはワープをするだけだった。

 

「不味い、また突っ込んでくるぞ!!!」

 

「…ワープ準備完了!!!」

 

『ワープ!!!』

 

 アサシモの悲鳴に近い報告通り、駆逐艦群は避けられないように広く展開しながら突進してきていたが、その間にヤマトがワープの準備を終え、沖田の号令下にワープを実施………駆逐艦群の先頭が『ウィンダミア』に接触するかと思われるも、その直前に『ウィンダミア』はワームホールに入って空振りとなった。

 更にヤマト達が無事にワープしたのを見届けたショウカク達も直ぐにワープしたので、後にはエネルギーが微量の駆逐艦群の生き残りが右往左往していた。

 

 尚、此の時の防衛司令部では、ヤマト達が戻った事はやむを得ない事だと分かっていたが、艦娘達の俗に言う“羅針盤に嫌われる”事となったヤマトへの失望の溜め息が多数あったと言う。

 “終わり良ければ全て良し”とは真逆の結果となった、ヤマト初の宇宙での海戦は後味の悪いモノであった…




 感想・ご意見をお待ちしています。

 尚、此の作品はヤマト原作では艦載機での出来事は敵味方関係なく、駆逐艦に変えていく予定なのでご了承して下さい。

大和
「…ものの見事に、戻っちゃいましたね。
読者の皆さん、“2-4”等の悪夢を思い出さなければいいのですが……あとアニメ艦これの第3話のもそうですが…」

 此れが、艦これを入れた副作用だよ。

 後、今回の話で、“主砲を壊した(or無くした)イソカゼが偶々近くに漂っていたカゲロウ級の主砲で敵を撃退し、落ち着いた時に調べたらその主砲はユキカゼのだった”と言う没案がありました。

大和
「ああ、『ユキカゼ』のコスモガンの該当話ですね。
どうして没になったのですか?」

 真ゲッターロボの第11話を見て、対象人物(x2)と場所を変えました。
 場所は冥王星で、対象人物は死者の方は間接的に出ていますが、生者の方は既に名前だけは出ていますよ。

 さぁ次回からは、ヤマト(大和)は深海棲艦の棲姫達とは戦っていないと設定していますので、ヤマト初の超弩級(ボス)戦である、小惑星群でのレムレース(潜宙棲鬼)との戦いです。

大和
「戦艦『大和』の初陣の相手は潜水艦だったので、初の超弩級戦が潜宙艦とは、中々オツですね」

 だからこそ、潜宙棲鬼のコードネームは『レムレース』……名作“鋼鉄の咆哮”の最初のボスキャラにしました。
 あのシリーズは実に良かった。
 お陰で“宇宙戦艦ヤマト”と“時空戦艦大和”と共に自分を仮想戦記の泥沼に叩き落としてくれましたからね……新作出ないかな、出来れば“宇宙戦艦ヤマト”か“艦隊これくしょん”とのコラボ作とかで…

大和
「貴方、鋼鉄の咆哮シリーズのウォーシップガンナーを下手なりにやりこんだお陰で、初見では苦戦が相次ぐらしい“艦これアーケード”をあっさりやりましたからね。
因みに此の人の鋼鉄の咆哮のプレイスタイルは、波動砲とパルスレーザーを例外とした、レールガンやレーザーを載せない大艦巨砲スタイルです」

 因みに、“艦隊これくしょん&鋼鉄の咆哮”小説はチョット難しいかなと思ってますが、“アズールレーン&鋼鉄の咆哮(PS2版ウォーシップコマンダー2)”小説は出来るんしゃないかなぁ~、と思っています。

大和
「貴方、前に話題になった“戦艦少女”を含めて、アズールレーンはやる予定は一切無かったですよね?」

 いやぁ~…リアルが少し忙しい(お陰で“りっく・じあ~す”がプレイ不可なった事もあって絶賛放置中)上に、とあるアズレン版赤城の同人誌を見てから艦これとアズレンの併用は気が引けるんだよねぇ~…
 只、間もなくデータ丸ごと交換予定の艦これがプレイ不可だった場合は、アズールレーンに転向の予定ですがね。

大和
「…そう言えば貴方、前々からアズレン版の赤城さんに興味津々でしたね?」
(艦これ版大和は作者の唯一無二のケッコン艦、もし重婚した場合は絶対的な本室(第一婦人)が確定している故に少し怒っている)

…さ、最後に、潜宙棲鬼との戦いは、ささきいさお氏が宇宙戦艦の艦長を務めてた作品の話の1つを参考にし、微量要素として“partⅢの次元潜航艇との戦い”がありますが、此の話の影響で、2199の次元潜航艦との戦いは完全に有りませんのでの、あしからず。








































…で、大和、いつまで主砲を向けているの?

大和
「いえ、浮気をしないかどうかを確かめたくて」

…心配は無用だよ。
 此の作品は、君への愛を燃料にして書いているのだからね。

大和
「…(台本と計画書を見ている)…その割りには、此の作品は比較的に黒くなっていきますよね?」

…さらばだぁぁー!!!(テーレッテー♪)

本作でのヤマトの最後はどうしてほしい?

  • 実写版通りに、特攻
  • なんとしてでも、地球に帰還
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