それでは本編をどうぞ。
――― 地球・火星間宙域 ―――
ガミラス駆逐艦群の特攻を辛くもワープで回避したヤマト達は、予定通り……ではなく、少し行き過ぎて地球にほぼ近い距離での地球・火星間の宙域にワープアウトをし、横倒しになっていた『ウィンダミア』が元の傾斜に戻しながら、通常航行を始めていた。
「ふぅ…」
「あ~…びっくりした」
「アブクマさん、『ウィンダミア』の船内は大丈夫ですか?」
ワープを無事に終えて、ヤマトに続いてアサシモ達3人は座って気を抜いていて、ハツシモがアブクマに船内が無事かどうかを確認を取っていた。
「はぁ~…、気をしっかり持っていたら、酔わずにすむわね」
カスミがいつの間にかに袋を持っていたが、多分馴れもあった上に、今回は気をしっかり持っていたお陰で、ワープ酔いを起こさなかった様だった。
更に言うと、カスミはワープ酔いが醒めてきたみたいなのか、汗で湿気った事で剥げかけていた事もあって、額の冷却シートを剥がしていた。
『…皆さん、船内は無事です!』
船内を確認していたアブクマから、問題が無い事が伝えられて、カスミとアサシモがハイタッチをし、『ウィンダミア』と繋げていたケーブルを艤装外して投げ捨てたヤマトにハツシモがサムズアップをした。
ヤマトはケーブルが自動的に巻き戻されるのを何気無く見た後に正面を見ると、直ぐに立ち上がって姿勢を正し、そんなヤマトの行為にハツシモ達3人が疑問に思うも、ヤマトの視線の先に振り向くと、直ぐにヤマトに習って立って姿勢を正した。
「アンタね、何で戻ってくるのよ?」
何故なら、ヤマト達の前方にキリシマ率いる第一遠征艦隊の面々が、横陣を展開していたからだ。
「…何でキリシマ達がいんだよ?」
アサシモがキリシマ達の存在に疑問を感じていたが、よくよく思い出してみると、ヤマトが『ウィンダミア』に向かう辺りから、沖田の周囲からキリシマ達の姿が消えていて、どうやら此の時に第一艦隊の面々は此の宙域に向かったと思われた。
「貴女も此の船を見捨てろって言いたかったの?」
「1年しか時間が無いのにって、言ってるのよ!」
ヤマトの毒にキリシマが怒鳴ったが、ヤマトがやらかした行為は、組織として見た場合は間違っているが、人として見た場合は正しいと、評価はとても難しいモノであった。
どちらかと言うと、今回の『ウィンダミア』の様な出来事を予測出来たのに、何も対応策を考えて授けなかった防衛司令部に責任があると思うのだが、それなのに防衛司令部の大半の者達はヤマトの行為に失望していた。
まぁ、組織としての悪態が有るも、藤堂の様に“仕方がない”と判断している者達もちゃんとおり、現にキリシマの背後のナガラ達9人は複雑そうな表情をしていた。
「キリシマさん、ヤマトさんを責めないで下さい。
悪かったのは私達なのですから…」
特に詫びを言いながら『ウィンダミア』からヤマト達4人の背後に、キヨシモとフミヅキと共に壊れた艤装を纏って出てきたアブクマの姉妹艦であるナガラとナトリは、取り分けて酷い表情でお互いの目線を合わせていた。
後、サツキとミカヅキもナガラ級の姉妹と同様に姉妹艦のフミヅキにしていたが、何故かミカヅキのみはアブクマにもしていた。
因みに、チヨダ、ワカバ、アサグモの3人が出てきていないのは、チヨダが飲兵衛の姉と違って酔いの耐性が無い事からワープ酔いで伸びたので、ワカバとムラサメが彼女を介抱していて、アブクマ達3人も軽度のワープ酔いで顔が強張っていた。
「…だからと言って、捷一号作戦の時みたいに、現場責任者の私に責任が無いとは言えないでしょう?
どうしますか、私を営倉にでも入れますか?」
「アンタは、さっさと、イスカンダルに向かいなさい!!!」
ヤマトの少し自虐的な質問にキリシマが怒鳴ったが、多分沖田の了承下で、事実上の不問だと宣言したので、ハツシモが安堵の溜め息を吐いて、カスミとアサシモが微笑しあっていた。
「……はい、はい…」
「はいは一回!!!」
「………はいはい…」
まぁ、ヤマトが細やかな嫌がらせをキリシマにしていたが、若干渋々感を感じさせながらもヤマトは『ウィンダミア』から離れて、カスミ達3人もヤマトに続き、最後尾のハツシモが『ウィンダミア』の艦橋で伸びたチヨダを量膝に乗せて介抱している姉妹艦のワカバと目線を合わせて頷き合っていた。
だが此の時ヤマトは、ワープの2度の行為からの疲労から顎下の汗を右腕の袖で拭いながら息を乱して、3度目のワープに躊躇い少しがあった事に3人共気づいていなかった。
「……フミヅキ…」
「分かってます」
ヤマト達4人が反転してまた外宇宙に向かおうとしていた時に、サツキとミカヅキが躊躇いながらフミヅキに武装を向けながら、彼女から武装を受け取っていた。
「ゴメン、キヨシモ」
「え?」
「…ふん!!」
更にカミカゼとハタカゼの2人がキヨシモから武装を受け取っていたか、先に詫びを言った後にカミカゼがキヨシモの背中を蹴飛ばした事から、ヤマトを擁護する為に『ウィンダミア』の面々を悪者としようとして、多分公務執行妨害として彼女達を拘束していた。
当然ながらアヤナミ、イナヅマ、サミダレの3人が『ウィンダミア』の艦橋に入って何かをしていて、ナガラとナトリがアブクマから武装を取り上げて拘束しようとしていたが、当のアブクマは顔を伏せたまま硬直していたら、躊躇いを顔に出しながら離れていくヤマトに振り向いて暫く見つめていた。
此のアブクマの行為から、ナガラとナトリは彼女が何かを企んでいる事を察して、お互いの目線を合わせていた。
「…っ! ヤマトさん!!
ワープをする前に小惑星帯で立ち寄ってほしい所があるのです!」
「……はい?」
「アブクマ、アンタね!!!」
アブクマの要請に、ヤマトは立ち止まって振り返り、キリシマはアブクマに詰め寄ると彼女の胸ぐらを掴んだ。
「今すぐ、此所で沈めてあげるわ!!!」
「すみませんすみませんすみません!
だけど、だけどです!」
「まぁまぁキリシマ!!」
「取り合えずアブクマにも言わせて下さい!」
そんなキリシマを、ナガラとナトリが取り抑えながらアブクマから引き離した。
「私、小惑星帯でコードネームを見つけたのです!」
「……貴女、嘘をついていませんよね?」
アブクマの返しに、キリシマが思わず怪訝な顔をした。
コードネームを説明する前に、深海棲艦には振り仮名による呼称を付けられた通常型を超越する、棲鬼や棲姫(や水鬼)……一括りで“超弩級”と呼ばれる存在がいた。
深海棲艦の超弩級は大抵の場合、陸上型や守備艦隊の旗艦等の守り手側にいたので、偵察要員の死亡率が高いものの確認は比較的に容易だったのだが、稀に攻め手側にいる者達がいて、実力も一線を超えている事もあって情報収集が難しく、一例と言うより代表格として東京初空襲を行った深海海月棲姫が『シャングリラ』の仮称を付けられた事を始まりとしたのがコードネームであった。
当然ながら、深海棲艦の系統であるガミラスにも超弩級は存在しており、現に太陽系制圧艦隊の総旗艦として装甲空母姫のガミラス版が、冥王星にはガミラス独自の陸上型棲姫である冥王棲姫の2人が確認(但しまだ交戦経験は無し)されているだけでなく、未確認な超弩級が多数おり、やはり実力者であるそれ等を防衛軍はコードネームやとしてマークしし続けていたのである。
命名基準は発見した国軍に任せられていて、コードネームの命名権を巡っての争奪戦が訳が分からないまま起こっていたが、現在コードネームとして認定(ガセの公算大だが…)されているのは、(多分)判明している情報も含めて、ステルス艦『レムレース』、高速艦『ヴィントシュトース』(及び改良発展型と推測される『ヴィルベルヴィント』&『シュトルムヴィント』)、戦艦『
更に言うと、弾速が遅い上に地球・冥王星間のあり過ぎる距離を間違える事なく地球に落ち続ける遊星爆弾(長年の調査結果、誘導装置が搭載されていない事が判明)を着弾観測と軌道修正を行っている超弩級(コードネーム)が火星・木星間の小惑星帯に潜んでいる事が前々から推測され、そしてなにより近年中から地球から出撃する防衛艦隊の規模や編成を読まれている傾向から益々確信めいたモノを得ていた。
当然、防衛軍は小惑星帯でのコードネームの捜索と駆除を度々行っていたが、全てが空振りに終わるだけでなく稀に損失艦をも出していたので、アブクマのコードネーム発見の報告にキリシマが疑うのも無理はなかった。
まぁ、その事はアブクマ自身も分かっていたらしく、“百聞は一見に及ばず”の言葉を実行する為、タブレットを取り出すと簡単に操作した後にキリシマに手渡した。
「…っ!?」
「アブクマ! 此れって!?」
タブレットの映像にキリシマだけでなく、覗き見たナガラとナトリも驚いていた。
「はい、その全ては木星からの小惑星帯の観測写真です」
アブクマが頷きながらの返事通り、タブレットには小惑星帯の中から遊星爆弾目掛けて放たれている牽引ビームの写真が撮されていた。
しかも写真は此れだけでなく、多数有ったのだから尚更であった。
「ガミラスに殆どを壊された事もあって、木星基地の設備では探知は不可能でしたが、地球のならなんとかなりそうですか?」
「……沖田提督…」
アブクマの質問にキリシマが一目見るだけだったが、直ぐに沖田へ連絡を取ってのやり取りを簡単にした後、多分地球(防衛司令部)からの補助を受けながらタブレットを操作を暫くして、時折唸り声を出していた。
此の為にヤマト達全員がキリシマに注目していた。
「…此の映像が正しければ……どうも、敵の行動半径の中心は、小惑星イカロスになってますね。
まぁ、要すると、敵は小惑星イカロスを、拠点にしてる、と思うわ」
確証を得たがっている表れとして、妙にたどたどしい口調だったが、キリシマはなんとかコードネームがいると思われる宙域を特定した。
当然ながら、自分の映像を疑われているアブクマは、ブスッとしていた。
「じゃあ、ガミラスはイカロスに基地を建設したと、言うのですか?」
「いえ、何が潜んでいるのかも含めて、そこまでは分からないわね」
「兎に角、小惑星イカロス、或いはイカロスの近辺に、何かがいるのは確かなのですね?」
「ええ、だから誰かがイカロスに行って調べてもらう必要があるわ」
ナトリに続いてのナガラの質問に、キリシマは頷きながら肯定した。
此処まできたら、やるべき事は1つしかなく、キリシマはヤマトの方に振り向いた。
「ヤマト、沖田提督から指令です。
“通常航行にて小惑星イカロスに赴き、イカロス及び周辺宙域を調査し、可能であれば潜伏していると予想されるガミラスを撃破せよ”との事です」
実は沖田は敢えてキリシマにも言わなかったが、現在木星軌道上も含めて小惑星群にガミラス艦隊が確認されていない事から、イカロスに行ってもコードネームが出てこない可能性が有ったが、ヤマト程の大物ならば食い付くだろうとの目論みがあった。
「…イカロス行きに、日程的に大丈夫なのですか?」
「心配しなくても、イカロスは丁度イスカンダルに向かう進路上にいるから、なんとかなりそうよ。
それに、既に日程に遅れが生じたんだから、今さら気にしてもしょうがないでしょ?」
まぁ要するに“ヤマトを撒き餌にしてコードネームを誘き寄せる”、その事をヤマト本人は察していて、細やかな抵抗が空振りに終わった事もあって仏頂面で「了解」と簡単に返事をして、同じく察しているキリシマも苦笑しながらヤマトに敬礼した。
「キリシマさん、私もヤマトさん達と同行してもいいですか?
私も行けば、此の情報を上手く生かせられる筈です」
イスカンダル遠征の予定を狂わせた事からの責任感もあって、アブクマがヤマト達への同行を求めて、沖田に許可を求めているキリシマが答える前に、ナガラとナトリが自分達の艤装から各種装備を外してアブクマに手渡していた。
「……ヤマト、イカロスに行って空振りだったら、此の子を標的にして沈めなさい」
言い方は酷かった(沖田はそんな事は言っていないと思うが…)が、キリシマはアブクマの遠征艦隊への同行の許可を言い渡し、当のアブクマは「ありがとうございます!」と言いながら、満面の笑みで右拳を左胸に当てる敬礼をした。
「あと、サミダレ、アンタもヤマト達に付いていきなさい」
更にキリシマが同行を命じたサミダレが「はい!」と返事をして『ウィンダミア』が急いで出てきて……誤って自分のスカートの裾を踏んだ為に蹴躓いていて、ミカヅキが同行を命じられるのが自分でなかった事を残念がっていた。
そんなこんなで、サミダレが後を追ったアブクマに、空振りだったら自殺を、発見した場合は命懸けでやるだろう事を察した事もあって、ナガラは彼女の左肩を叩いて、ナトリは「頑張って」と言って激励して、自分達の所にアブクマが来たら、ヤマトはあまり反応してなさそうだったが、カスミ達3人はサムズアップで迎え入れた。
「アブクマさん、やっぱり貴女…」
「……私、イタリアさんの事を忘れる事が出来なかったの」
最後にミカヅキの質問に、アブクマが少し暗い表情で答えると、イカロスへ向けて前進を開始したヤマトにカスミ達4人の後を追い掛けて行った。
更にキリシマ達も『ウィンダミア』を連れての前進を始めると、ミカヅキはアブクマの背に向かって右拳を左胸に当てる敬礼をし、そんな彼女の2つの思いを察しているサツキとフミヅキが悲しそうに見つめていた。
後に重要な役目を果たす事になる小惑星イカロスに向かう事となったヤマト達の行為は、“塞翁が馬”か“泣きっ面に蜂”のどちらになるのかは現時点ではまだ分からなかった…
『……来ルノネ、獲物ガ…』
感想・御意見お待ちしています。
大和
「少なくとも瀬名誠庵さんが気づいていますが、コードネームって“鋼鉄の咆哮”の
はい、“設定 ガミラス”でも書いてますが、『ムスペルヘイム』(コイツのみは本伝に出るかも?)『ノーチラス』『ハボクック』『ルフトシュピーゲルング』『スレイブニル』はやるかどうかは微妙の外伝で出るかもしれませんので、予定が一切無いのは『ブラッタ・シリーズ』(マレ、リフレク、シャドー、パーフェクト)『テュランヌス』『ドレッドノート』『アルケオプテリクス』『
で、現時点で此の中で出演不可にしているのは、敵とは言えゴキブリ(“ブラッタ”はラテン語でゴキブリ)の名を与えるのは可哀想として『ブラッタシリーズ』、設定すると何故か都市帝国になってしまう『ヴリルオーディン』、地上砲台型だから出し難い『ヘル・アーチャー』、同名の未完成戦艦がいる上にほぼ『フォーゲメル・シュメーラ』と被る『ソビエツキーソユーズ』です。
『ぺーター・シュトラーサー』と『ドーラ・ドルヒ』は名前だけは本編で使います。
最後に未練があるのは『アルケオプテリクス』『ハリマ』(&『駿河』?)『アマテラス』(出る場合、信濃の蘇生体?)『近江』(出る場合、『ハリマ』の空母型?)『インテグラルタイラント』です。
大和
「……マレ・ブラッタには、会敵前に航空攻撃で沈められてしまった、嫌な思い出があります…(遠い目)…」
まぁ、だから代わりに翔鶴に行ってもらったのですが、アイツはアイツで『マレ・ブラッタ』に有視界距離まで接近した直後に沈めたからな。(苦笑)
なにせ、接近警報が鳴らないなと思っていたら、画面角に一瞬映った『マレ・ブラッタ』が既に誘爆を繰り返していて、気づいて接近した直後に真っ二つに折れて沈んだ事に爆笑したのを、今でも覚えています。
大和
「無印の鋼鉄の咆哮は、中盤までは航空攻撃が敵味方問わずに強力でしたからね。
だから、あの人は『ヴィントシュトース』の初戦でも、同じ事をやらかしましたしね。
後、初戦での『アルウス』も艦載機が壊滅寸前だったから、『アルウス』と同航戦での高角砲を使っての砲撃戦で勝った事もありましたね。
あの作品での翔鶴さんはトップエースとして、瑞鶴が泣いて喜びそうな活躍を中盤までしていましたからね」
只、『ナハトシュトラール』の初戦で艦載機が全滅してからの退却してから空母が一気に没落した為、それ以降は大和が頑張ってくれましたけどね。
2からは調整でもあったのか、空母が活躍しにくくなってしまいましたしね。
…また、やりたいな……PC版鋼鉄の咆哮(無印)………後、出来れば新作も出てほしいなぁ~…
本作でのヤマトの最後はどうしてほしい?
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実写版通りに、特攻
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なんとしてでも、地球に帰還